Latest Japanese Reviews

人道危機の影響を受けた低・中所得国に住む人々において、心理的・社会的介入はメンタルヘルスの改善を促進するか?

1 year 6 months ago
人道危機の影響を受けた低・中所得国に住む人々において、心理的・社会的介入はメンタルヘルスの改善を促進するか? 要点 - 人道的環境において、メンタルヘルスのポジティブな側面を促進するための介入を支持する十分なエビデンスは見つからなかった。より大規模で、十分に実施されたランダム化比較試験が必要である。 人道的危機時のメンタルヘルス 人道的危機とは、通常は広範囲にわたって、地域社会や大人数の人々の健康、安全、治安、福利を脅かすような出来事、または一連の出来事のことである。例えば、戦争や武力紛争、飢饉、地震、ハリケーン、洪水などの災害が挙げられる。人道的危機を生き抜く人々は、身体的・精神的苦痛を経験し、心的外傷後ストレス障害、うつ病、不安症などの精神障害を発症しやすい非常に困難な状況を経験する可能性がある。人道危機における精神障害の推定発生率は、うつ病と不安症で17%、心的外傷後ストレス障害で15%である。 心理的・社会的介入とは? 心理的・社会的介入(心理社会的介入とも呼ばれる)は、心の健康を形成する社会環境の重要性を認識している。それらは通常、心理的要素(その人の精神的・感情的状態に関連するもの、例えばリラクゼーション)と社会的要素(社会的支援を向上させる努力など)の両方を含んでいる。それらは、メンタルヘルスのポジティブな側面(希望や社会的支援の強化、子育てスキルなど)を促進するこ...

急性心的外傷性ストレス症状を持つ人に対する心的外傷後ストレス障害予防薬

1 year 6 months ago
急性心的外傷性ストレス症状を持つ人に対する心的外傷後ストレス障害予防薬 要点 - 心的外傷体験の後には、急性ストレス症状がよく見られる。通常は期限付きである。しかし、人によっては、それが持続したり、心的外傷後ストレス障害(PTSD)として知られる状態にまで進行することもある。薬物療法は、後のPTSDの予防手段として提案されている。 - 以下の4種類の薬物のデータを発見した:抗うつ薬であるエスシタロプラム、免疫反応を低下させ、ストレスに対する身体の反応に関与するホルモンであるヒドロコルチゾン、ストレスに対する反応を軽減するホルモンであるオキシトシン、不安を軽減するために使用される薬であるテマゼパムである。これらはすべてプラセボ(偽薬)と比較された。 - すべての薬について、PTSDになる可能性、PTSDの重症度、または有害な影響に効果があるかどうかは不明である。 急性ストレス症状とは? 心的外傷を受けた人は、その直後に急性心的外傷性ストレス症状とも呼ばれる精神症状を示すことがある。このような症状には、侵入的な記憶や悪夢、肯定的な感情を感じることができない、現実感の変化、心的外傷となった出来事の苦痛な記憶や想起を避けようとする努力、睡眠障害、起こりうる脅威に対する警戒心の亢進などがある。 なぜ急性ストレス症状は、心的外傷後ストレス障害で重要な症状なのか? 急性心的外傷ストレス症状は時...

幼児期う蝕予防のための、妊婦や新しく母親になった女性、その他の主な養育者への介入

1 year 6 months ago
幼児期う蝕予防のための、妊婦や新しく母親になった女性、その他の主な養育者への介入 妊婦や新しく母親になった女性、主な養育者に、基本的な歯科治療や口腔保健情報を提供することは、幼児の虫歯を予防するか? 要点 - 妊娠中の女性や母親、養育者に、母乳、哺乳瓶での授乳、固形食の導入など、健康的な子どもの食事や授乳方法に関する情報を提供することで、幼児の虫歯リスクをわずかに減らすことができる。 - 早期虫歯を予防する可能性のあるさまざまなタイプの支援プログラム、特に低所得層の子どもたちに対する支援プログラムの有益性と有害性を理解するためには、さらなる研究が必要である。 なぜ幼児の虫歯予防が重要なのか? 生まれてから6歳までは、虫歯(幼児う蝕と呼ばれることが多い)はよく見られ、一般的に貧困にあえぐ子どもほど悪化する。虫歯は痛みを引き起こし、子どもの健康に長期的な悪影響を及ぼす可能性があり、治療にはお金がかかる。 幼児の虫歯の原因は? 砂糖と歯垢(歯に付着した細菌の層)が虫歯の原因となる。しかし、妊婦や母親、その他の養育者の態度、信念、習慣は、子どもに虫歯ができやすいかどうかに影響する。 知りたかったこと 私たちは、妊婦や新しく母親になる女性、その他子ども(1歳児まで)の養育者を対象に、どのようなプログラムが虫歯を予防し、虫歯の本数、歯の欠損本数、詰め物の必要本数を減らすことができるかを知りた...

冠動脈疾患、心不全、心房細動のある人において、心理的介入は、心理的介入を行わない場合と比較して、うつ状態や不安を軽減するか?

1 year 6 months ago
冠動脈疾患、心不全、心房細動のある人において、心理的介入は、心理的介入を行わない場合と比較して、うつ状態や不安を軽減するか? 要点 - うつ状態や不安に対する心理的介入は、冠動脈疾患や心不全のある人において、おそらくうつ状態や不安の中等度の減少をもたらす。 - うつ状態や不安に対する心理的介入は、冠動脈疾患や心不全のある人において、精神的健康に関連した生活の質(QOL)の中等度の改善をもたらすが、身体的健康に関連したQOLは改善しない。 - 心房細動のある人を対象とした研究はないため、この集団におけるうつ状態と不安に対する心理的介入の効果は不明である。 心臓病とは何か? 「心臓病」とは、冠動脈疾患(心臓への血流が減少)、心不全(心臓のポンプ機能が低下)、心房細動(心臓の拍動が不規則)など、心臓に影響を及ぼすさまざまな疾患を指す。 なぜ心理的介入が心臓病のある人の助けになるのか? 心臓病のある人の多く(約40%)がうつ状態や不安の症状を持っており、その多くは長期にわたっていることを示唆するエビデンスが増えつつある。心理的介入とは、よりポジティブな思考、感情、行動を生み出すために用いられる療法で、例えば、より正確でバランスの取れた信念を身につけるための認知行動療法や、瞑想に基づく療法であるマインドフルネスなどがある。これらの介入が、さまざまな心理障害、つまり気分や思考、行動に悪影響を...

7歳までの小児における急性上気道感染症予防のための経口ビタミンAサプリメント

1 year 7 months ago
7歳までの小児における急性上気道感染症予防のための経口ビタミンAサプリメント 背景 急性上気道感染症(URTIs)は、小児、特に就学前の小児に最も多い急性感染症である。ビタミンAは免疫系に良い働きをし、感染症に対する宿主の防御力を高める可能性がある。ビタミン欠乏症の子どもは呼吸器感染症にかかりやすいという研究結果もある。そこで、就学前(7歳まで)の小児の急性上気道感染症予防におけるビタミンA補給の役割を評価した。 レビューの論点 就学前児童(7歳まで)の急性上気道感染症予防におけるビタミンA補給の役割は、補給しない場合と比較してどのようなものか? 検索期間 2023年6月8日までのエビデンスを検索した。 研究の特性 対象となった研究はすべて、低・中所得国(インド2件、南アフリカ2件、エクアドル1件、ハイチ1件)で実施されたものである。ビタミンA欠乏症のない健康な子供を含んだ研究が3件、HIV感染女性から生まれた子供を含んだ研究が1件、低出生体重児の新生児を含んだ研究が1件、栄養不良やドライアイを経験しやすい地域の子供を含んだ研究が1件であった。2つの研究では、ビタミンAに加えてビタミンEを併用した。 主要な結果 27,351人の参加者を含む6件の研究を対象とした。研究によって提供されたエビデンスの信頼性は非常に低いか低い。 5つの研究が、一定期間にわたる急性上気道感染症の数を報告...

早産リスクのある女性に対する硫酸マグネシウムの投与は、赤ちゃんの脳を守るためにプラセボよりも優れているか?

1 year 7 months ago
早産リスクのある女性に対する硫酸マグネシウムの投与は、赤ちゃんの脳を守るためにプラセボよりも優れているか? 要点 赤ちゃんの脳を保護するために、早産のリスクがある女性に硫酸マグネシウムを投与すると、プラセボと比較して、2歳までの脳性麻痺、および死亡または脳性麻痺の複合転帰が減少した。 この分野での今後の研究は、治療の効果に焦点を当てるべきである: - 子どもたちが思春期や大人になった時はどうか。 - 早産リスクがある異なる女性グループにおける違いや、硫酸マグネシウムの投与方法の違いはどうか。 硫酸マグネシウムとは? 硫酸マグネシウムは、妊娠中のさまざまな合併症に対して世界中でよく使われている薬である。 早産のリスクがある女性とその赤ちゃんにとって、なぜこれが重要なのか? 早産で(妊娠37週以前に)生まれた赤ちゃんは、死亡や脳性麻痺などの障害を含む合併症のリスクが高い。近年、早産になる可能性が高い女性(自然早産、または医学的な理由で早期の陣痛誘発や帝王切開出産を計画する場合)には、赤ちゃんの脳を保護し、これらの合併症を予防するために硫酸マグネシウムが投与されている。 知りたかったこと 早産で生まれる可能性が高い赤ちゃんの脳を保護するために、硫酸マグネシウムがプラセボ(薬を含まないが、試験中の薬と同じように見える "ダミー "の治療法)よりも優れているかどうかを調べたかった。 硫酸マ...

低リスク妊娠における胎児異常同定のための第1・2半期(訳注:日本では妊娠初期、中期を指す)超音波検査の精度

1 year 7 months ago
低リスク妊娠における胎児異常同定のための第1・2半期(訳注:日本では妊娠初期、中期を指す)超音波検査の精度 要点 出生前超音波検査は、発育中の胎児の潜在的な問題を特定するために、妊娠初期および中期によく使用されている。この研究では、700万人以上の胎児を対象とした87の研究を分析した。妊娠初期と妊娠中期の超音波検査は、いずれも正常な発育をよく確認できる(特異度が高い)が、問題を発見する能力(感度)にはばらつきがある。妊娠初期と中期に検査を受けた女性は、妊娠中期にのみ検査を受けた女性に比べ、妊娠24週以前に発見された異常が多かったようである。しかしこの差は、検出された実際の差というよりも、研究の条件設定の違いによるものかもしれない。 胎児異常とは何か? 胎児異常とは、妊娠中におこる、赤ちゃんの臓器や体の一部に影響を及ぼしうる異常のことである。これらの異常は、生命維持が不可能な重篤なものから、それほど重大でないものまであり、中には正常な範囲の変異とみなされるものもある。 胎児異常はどのように発見されるのか? 胎児異常は、主に超音波検査によって発見される。超音波検査では、音波を使って赤ちゃんの内臓の詳細な画像を作成する。ほとんどの国では、胎児の異常を調べるために妊娠中に1回超音波検査を実施しており、通常は妊娠18週から24週の間に行われる(妊娠中期スクリーニング)。早期の超音波検査を提...

風邪の予防および治療のための亜鉛

1 year 7 months ago
風邪の予防および治療のための亜鉛 要点 ‐ 亜鉛サプリメントの摂取は、プラセボ(偽薬)と比較して風邪を発症するリスクはほとんど、あるいはまったく減少しない可能性がある。 ‐ 風邪を発症している場合の亜鉛サプリメントの摂取は、プラセボと比較して風邪の発症期間を短縮できる可能性がある。 - 風邪の治療に亜鉛を使用した場合、重篤ではない有害事象のリスクが増加する可能性がある。 風邪とは何か? 風邪とは、一般的に上気道におけるウイルス感染症である。特定の症状の組み合わせが風邪を定義するわけではないが、症状には発熱の有無にかかわらず、鼻づまり、くしゃみ、のどの痛み、咳、疲労感、および鼻水などが含まれる。ほとんどは通常、特別な治療をしなくても回復するが、風邪を予防したり、風邪の期間を短縮したりする決定的な治療法はない。成人および小児における風邪の頻度を考えると、風邪は公衆衛生上の負担であり、労働生産性の低下や学校の欠席における有意な原因となっている。亜鉛による風邪の予防および治療の試みは、現在でも関心を集めている。 何を調べようとしたのか? 亜鉛がプラセボよりも風邪にかかるリスクを低減し、また風邪の発症期間を短縮するのに効果的であるかどうかについて調査した。プラセボとは、見た目は治療薬に似ているが、治療効果が不明な物質のことである。プラセボは、治療を受けているという思い込みがもたらす効果につ...

出産を控えた女性に対する助産師による継続的なケアモデルは、他のケアモデルと比べて、女性と赤ちゃんにとってより良いものなのだろうか?

1 year 7 months ago
出産を控えた女性に対する助産師による継続的なケアモデルは、他のケアモデルと比べて、女性と赤ちゃんにとってより良いものなのだろうか? 要点 助産師による継続的ケアモデルを受けた女性やその赤ちゃんは、帝王切開や鉗子・吸引器による器械分娩を経験する可能性が低く、会陰切開(医療従事者が会陰や腟壁を切ること)を経験する可能性も低かった。自然経腟分娩を経験する確率が高かった。 助産師の継続的ケアモデルを受けた女性は、妊娠中、陣痛中、産後に、より肯定的な経験をしたと報告した。さらに、妊娠中のケアおよび陣痛が始まってから出産までのケアにおいて、コストも削減された。 今後得られるエビデンスによっては、結論が変わる可能性がある。今後の研究は、社会的危険因子を持つ女性や内科的合併症を持つ女性への影響、および助産師による継続的ケアモデルの導入と拡大対する理解について、特に低・中所得国に重点をおいて焦点を当てるべきである。 助産師の継続的ケアモデルとは? 助産師による継続的ケアモデルでは、妊娠、出産、育児初期において、同じ助産師または助産師チームによるケアを提供し、必要に応じて産科や専門チームと連携する。 知りたかったこと 助産師による継続的ケアモデルを受けた女性やその赤ちゃんの転帰が、他のケアモデルを受けた場合と比較してどのように異なるかを調べたかった。 主な転帰は、自然経腟分娩、帝王切開、局所麻酔(下...

重度精神疾患を持つ人々に対するコラボレーティブケアアプローチ

1 year 7 months ago
重度精神疾患を持つ人々に対するコラボレーティブケアアプローチ 要点 このレビューでは、生活の質(QOL)、精神状態、精神科への入院に関して、中期的(12か月時点)にコラボレーティブケアが標準ケアよりも効果的であることを示すエビデンスは得られていない。 12か月後のQOL、精神状態、精神科病院への入院に差は認められなかった。1件の研究では、12か月後に障害の改善がみられた。障害は、社会的役割や活動という観点から、人々が生活の中でどの程度機能しているかを示す間接的な尺度として用いられた。 対象となった研究のほとんどは、厳密なコラボレーティブケアの定義(タイプAコラボレーティブケアと呼ぶもの)を満たしておらず、実施された介入には大きなばらつきがあった。さらに、エビデンスの大半は、確実性が低いか非常に低いものであった。 重度の精神疾患とは? 重度精神疾患(SMI)とは、日常生活に支障をきたすレベルの心理的問題を抱えた人を指す。統合失調症、双極性障害、非器質性精神障害はすべてSMIの例である。 知りたかったこと このレビューの目的は、標準ケアや通常ケアと比較したコラボレーティブケアの有効性を評価することである。 コラボレーティブケアとは何か? コラボレーティブケアの目的は、重度精神疾患を持つ人々の身体的・精神的健康を改善させることである。プライマリ・ケア(一般開業医(GP)や診療看護師)と...

成人における歯の根の炎症や感染(根尖性歯周炎および根尖膿瘍)による痛みおよび腫れに対する抗菌薬の効果

1 year 7 months ago
成人における歯の根の炎症や感染(根尖性歯周炎および根尖膿瘍)による痛みおよび腫れに対する抗菌薬の効果 要点 - 根管治療の前に抗菌薬を1回投与しても、痛みや腫れにはほとんど、または全く差はないと考えられる。 - デブリードマン(根管内の部分的または全体的な洗浄を含む処置)後に抗菌薬を服用した場合の痛みや腫れに対する効果についてのエビデンスは、非常に不確実である。 - 歯痛の原因となり得る2つの疾患に対して、歯科治療を行わずに抗菌薬単独の効果を検討した研究はない。 根尖性歯周炎や根尖膿瘍はどのようにして起こるのか? 歯の痛みは、う蝕(虫歯)や外傷によって歯の神経(歯髄)が死んでしまった場合にしばしば生じる問題である。歯髄の壊死に続いて歯の根の先端部(根尖部)の周囲の骨に炎症が生じた場合、根尖性歯周炎という病態となる。これが痛みなどの症状を引き起こした場合、症候性根尖性歯周炎と呼ばれる。 治療しなかった場合、歯に感染した細菌の影響によって、根尖部に膿が蓄積し(根尖膿瘍と呼ばれる)、腫れや感染の拡大につながる可能性がある。 根尖性歯周炎や根尖膿瘍による歯痛はどのように治療されているのか? これらに対して推奨されている治療法は、壊死した歯髄や細菌を除去することである。これは通常、抜歯あるいは根管系の洗浄(化学的および機械的デブリードマン)によって行われる。 治療は一度の来院で完了すること...

バレニクリンやシチシン等の薬剤(ニコチン受容体部分作動薬)は、禁煙に有用か、また有害事象はあるか?

1 year 7 months ago
バレニクリンやシチシン等の薬剤(ニコチン受容体部分作動薬)は、禁煙に有用か、また有害事象はあるか? 要点 ・バレニクリンは、少なくとも6か月間の禁煙に有効であり、ブプロピオン、または単独のニコチン代替療法(ニコチンパッチ等)よりも効果的であるというエビデンスが認められた。禁煙成功率は、2種類以上のニコチン代替療法を同時に行った場合(ニコチンパッチとニコチンガムの併用等)と同等である可能性がある。 ・シチシンは、少なくとも6か月間の禁煙に有効であり、バレニクリンと同等の効果が期待できるが、今後のエビデンスにより、その効果はバレニクリンには及ばないことが示される可能性がある。 ・今後の研究では、シチシンの有効性と安全性をバレニクリンや他の禁煙補助薬と比較し、また、シチシンやバレニクリンを異なる用量および異なる期間で投与することも検討する必要がある。 ニコチン受容体部分作動薬(NRPA)とは何か? 喫煙は、健康に対し極めて悪い影響を与える。喫煙者にとって、禁煙は最善の健康改善手段であるが、禁煙は難しいと感じている喫煙者は多い。ニコチン受容体部分作動薬(NRPA)は、禁煙の補助に使用される薬剤の一種である。NRPAは、禁煙時に現れる禁断症状(喫煙衝動や不快な気分など)を軽減するのに有効であり、また、喫煙時の快感も軽減される。この種類の薬剤で最も広く利用されているものはバレニクリンであり、...

嚢胞性線維症患者に対して肺感染症の治療法を決定するために気管支鏡検査で得られた検体を用いることについて

1 year 7 months ago
嚢胞性線維症患者に対して肺感染症の治療法を決定するために気管支鏡検査で得られた検体を用いることについて 要点 小児のみを対象とした小規模な研究2件からエビデンスが見つかった。 肺感染症にどの抗生物質を処方すべきかの判断材料となる検体を採取する最良の方法はわかっていない。 レビューに至った背景 嚢胞性線維症(CF)は、肺、消化器系をはじめとする臓器に障害を引き起こす遺伝的疾患である。CF患者の呼吸障害は、主に肺感染症の繰り返しによるものである。咳をして下気道から吐き出される粘液の検体を培養することによって、感染症の原因を素早く特定し、早期に治療を開始することができる。咳をしても粘液が出ない場合、喉の上部から綿棒を使って採取し、下気道で感染を引き起こしている原因を特定するが、これは最も信頼できる方法ではないかもしれない。 気管支鏡検査では、医師が片端にライトとカメラが付いた柔軟で細長いチューブを使って下気道を調べ、粘液を採取することもある。患者には鎮静または全身麻酔が必要である。気管支鏡検査で採取した検体に基づく治療が、咽頭ぬぐい液に基づく治療よりも優れているかどうかは不明である。 本レビューは、2013年に発表された初回レビューの更新版である。 知りたかったこと 嚢胞性線維症(CF)患者に対する肺感染症の治療法を決定する際に、気管支鏡検査で得られた検体を使用するべきかどうかを調べた...

生命維持装置による人工呼吸が必要な新生児の疼痛軽減と睡眠導入のためのデクスメデトミジンの使用

1 year 7 months ago
生命維持装置による人工呼吸が必要な新生児の疼痛軽減と睡眠導入のためのデクスメデトミジンの使用 要点 1.デクスメデトミジンは、痛みを和らげ、睡眠を誘発するために使用する薬である。人工呼吸器(呼吸を補助する機械)が必要な新生児に対して用いる。 人工呼吸中の新生児にデクスメデトミジンを使用することも、使用しないことも、その裏付けとなるエビデンスは見つからなかった。 2.新生児、特に超早産児は最も状態が悪いため、この患者層に対するデクスメデトミジンの有益性と有害性を明らかにするには、十分にデザインされた研究が必要である。 デクスメデトミジンとは デクスメデトミジンは鎮静剤である。鎮静剤は、人がリラックスして穏やかな気分になるよう促すことによって作用する。多くの場合、鎮静剤を服用すると眠りに落ちる。デクスメデトミジンには鎮痛作用もある。デクスメデトミジンは、集中治療、機械的人工呼吸、緊張の多い診断のための処置や手術の際に、リラックスして痛みを感じにくくするために、あらゆる年齢の人に投与される。 人工呼吸中の新生児にとって、なぜこれが重要なのか 新生児の約9%が出生後そのまま新生児集中治療室(NICU)に入院する。そのような新生児の多くは、呼吸の補助を必要とし、人工呼吸器を装着している。機械的人工呼吸とNICUでの時間は新生児にとってストレスである。新生児期の痛みやストレスは、(成人期まで...

妊娠中の呼吸器合胞体ウイルス(RSウイルス)ワクチン接種は、乳児のRSウイルス関連入院を減らすか?

1 year 7 months ago
妊娠中の呼吸器合胞体ウイルス(RSウイルス)ワクチン接種は、乳児のRSウイルス関連入院を減らすか? 要点 - このレビューに含まれた研究は、妊娠中のRSウイルスワクチン接種が乳児のRSウイルス関連入院を減少させることを示唆している。 - 妊娠中のRSウイルスワクチン接種は、乳児の先天異常のリスクにはほとんど影響せず、胎児発育不全のリスクにもおそらくほとんど影響しないことが示唆された。 - この分野での今後の研究は、妊娠中のRSウイルスワクチン接種が妊娠37週以前の出産、乳児死亡、死産、母体死亡のリスクに及ぼす影響に焦点を当てるべきである。 RSウイルス感染症とは? RSウイルスは、乳幼児の下気道感染症(肺や声帯より下の気道の感染症)でよく見られる原因病原体である。2019年には、5歳未満の子ども約3,300万人がこのウイルスによる下気道感染症にかかっている。RSウイルスは、空気中の飛沫や直接接触によって感染する。RSウイルスに感染した小児は、咳、鼻水、発熱などの軽い症状を示すことがある。しかし、気管支炎や肺炎に進行することもある。毎年、世界中で360万人の乳幼児が重症のRSウイルス感染症で入院し、死亡例も多い。生後6ヵ月未満の乳児、特に新生児は、免疫系がまだ十分に発達していないため、RSウイルスに感染すると重症になりやすい。 母体ワクチン接種とは? 通常、妊娠中、胎盤は母親の血流...

統合失調症における攻撃的行動のリスク評価

1 year 7 months ago
統合失調症における攻撃的行動のリスク評価 レビューの論点 攻撃性や暴力の構造化されたリスク評価法は、統合失調症や統合失調症様疾患のある人々にとって、精神科的環境における攻撃的事件を減少させるために有効か? 背景 統合失調症に対する一般的な認識では、攻撃的あるいは暴力的な行動はしばしば統合失調症のある人を連想させる。入院患者ケアにおける攻撃的または暴力的な出来事を減少させるために、さまざまな介入が開発されているが、入院患者環境で働くスタッフは、患者の攻撃的な出来事を減少させるための使いやすい方法を求めている。しかし、これらの多くは時間がかかり、スタッフへの集中的なトレーニングや患者のモニタリングが必要である。スタッフが構造化された方法で患者の行動を監視すれば、監視そのものが、精神医療現場における攻撃的や暴力的な行動や事件の減少につながるかもしれない。 エビデンスの検索 2021年2月10日に、統合失調症または統合失調症類似疾患のある人を、攻撃性または暴力の構造化されたリスク評価法に参加させるか、標準治療に参加させるかを無作為に割り付けた臨床試験を電子検索した。 特定されたエビデンス 4件の研究がレビュー要件を満たし、使用可能なデータを提供した。これらの試験では、構造化されたリスク評価と標準的な専門家によるケアの効果が比較された。この結果は、構造化された攻撃性や暴力のリスク評価の使用...

呼吸困難の新生児における非侵襲的高頻度換気法(nHFV)

1 year 7 months ago
呼吸困難の新生児における非侵襲的高頻度換気法(nHFV) 要点 呼吸困難とは何か? 呼吸困難は、新生児に頻繁に起こる呼吸の問題である。その原因は、在胎期間(出産までに児が子宮内で過ごす期間)によって異なる。予定日より早く生まれた児(早産児)に多い原因は、肺の天然化合物(界面活性剤)の不足で、肺胞が容易に開閉できないことである。妊娠37週(正期産)以降に生まれた児に最も多い原因は、一過性新生児多呼吸(または湿性肺)と呼ばれる疾患で、出生後に肺液の排出が遅れるために呼吸困難や速い呼吸が起こる。呼吸困難のケースは他にもたくさんある。 呼吸困難はどのように治療するのか? 通常の治療には、呼吸補助(人工呼吸)、酸素吸入、界面活性剤(サーファクタント)と呼ばれる薬剤の新生児の気管への直接投与などがある。 呼吸補助は、気管内チューブと呼ばれるチューブを乳児の気管に挿入する方法(侵襲的換気)と、マスクや鼻カニューレを使用する方法(非侵襲的換気)がある。侵襲的人工呼吸は、慢性肺疾患と呼ばれる肺障害のリスク増大と関連している。サーファクタント治療の有無にかかわらず、非侵襲的人工呼吸は、呼吸困難の新生児における機械的人工呼吸の必要性と慢性肺疾患のリスクを減少させる可能性がある。 非侵襲的高頻度換気とは何か? 高頻度換気は、非常に小さな呼吸を非常に速い速度(6~15ヘルツ、毎分360~900回)で行う。...

脚の血液循環を元通りに、または改善するための手術後の運動は、末梢動脈疾患の患者に役立つか?

1 year 7 months ago
脚の血液循環を元通りに、または改善するための手術後の運動は、末梢動脈疾患の患者に役立つか? 主なメッセージ: - 脚の血流不足による痛みで歩行が難しくなる人は、血流を改善する手術で治療することができる。この手術の後に運動療法を行うことで、手術のみの場合と比べて、より長い距離を歩けるようになるかもしれないが、エビデンスの質が低いため、非常に不確かである。 - 運動療法を行うことで、脚の血流、痛みなく歩ける距離、生活の質、再手術の必要性、死亡率が改善されるかどうかはわからない。 - これらの研究は参加者が比較的少なく、方法論的に不足している部分も多いため、得られた結果は正確性に欠ける可能性がある。手術後に運動療法を行うことで、末梢動脈疾患患者の重要な健康に関する治療結果が改善されると確信するには、もっと質の高いエビデンスが必要である。 末梢動脈疾患(PAD)とは何か? PADは脚の血管が細くなったり詰まったりして、血液が流れにくくなる病気である。その結果、歩行時に脚の痛みや疼きを感じ、ひどい場合には安静時に痛みを感じたり、傷が治らないなどの問題を引き起こし、切断(脚の一部を切除すること)に至ることもある。 PADの症状がある人は通常、悪化しないように薬での治療と運動療法を行う。しかし、場合によってこれでは不十分で、血流を改善するための手術が必要となる。 知りたかったこと PADに対す...

妊娠中のアルコール摂取を減らすための治療法

1 year 7 months ago
妊娠中のアルコール摂取を減らすための治療法 要点 妊娠中にアルコールの摂取を報告した妊婦において、短期間の心理社会的介入(BI)は、通常通りの治療(TAU)と比較して、連続的に禁酒する女性の数を増加させる可能性があることを見出した。1日の飲酒量にグループ間の差はないかもしれないが、そのエビデンスは非常に不確かである。BIを受けた場合、TAUを受けた場合と比較して、治療を完了した女性の数にはおそらくほとんど差がない。 妊娠中の飲酒がもたらす影響とは? 妊娠中のアルコール摂取は、妊婦と胚・胎児の両方に深刻な結果をもたらす可能性がある。アルコールの量が多いほどリスクは高くなるが、出生前のアルコールへの曝露が低~中等度であっても、出生時に一定の障害が見られる。したがって、どのようなアルコールの摂取も妊娠中に何らかのリスクをもたらすものであり、現在のガイドラインでは、妊娠中のアルコール摂取を避けることが推奨されている。とはいえ、ヨーロッパでは妊婦の約4人に1人が妊娠中にアルコールを摂取したと報告している。 妊娠中の飲酒を止めたり減らしたりするために、どのような治療法があるか? 心理社会的介入や薬物療法は、一般集団における不健康なアルコール摂取に対して有効であることが示されている。アルコール使用障害(AUD)は、アルコールの摂取をコントロールできない精神障害であるが、薬物療法も有効である。妊...

生殖補助医療を受ける不妊症女性の子宮や卵巣に多血小板血漿を注入すると、妊娠しやすくなるか?

1 year 7 months ago
生殖補助医療を受ける不妊症女性の子宮や卵巣に多血小板血漿を注入すると、妊娠しやすくなるか? 要点 - 子宮内への多血小板血漿(PRP)注入が、生児出産(または妊娠継続)、流産、臨床的に確認された妊娠、多胎妊娠、子宮外妊娠という点で、無治療やダミー治療よりも優れているかどうかはわからない。子宮内へのPRP注入は早産のリスクを高める可能性がある。PRPのその他の潜在的な副作用については、十分な情報がない。 - 卵巣へのPRP注入の使用については、十分な情報がない。 - この結果には確信が持てないので、PRPの使用が生殖補助医療によって妊娠しようとする女性に有益で安全かどうかを調査するためには、もっと質の高い研究が必要である。 多血小板血漿とはどのようなもので、女性の妊娠にどのように役立つのか? 多血小板血漿(PRP)とは血小板を多く含む血漿であり、血漿(血液の液体部分)と高濃度の血小板(血栓の原因となる細胞)からできている。治療を受けている人の血液から作られる。PRPには成長因子が含まれており、特に治癒の遅い組織の修復を促進する。専門家の中には、PRPは卵巣刺激(より多くの卵子を排卵させるために行われるホルモン治療)に対する卵巣の反応を良くし、胚の着床に対する子宮内膜の反応を良くすると考える人もいる。このように、PRPは生殖補助医療を受ける女性の妊娠を助けることができるかもしれない。...
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6 hours 22 minutes ago
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