Latest Japanese Reviews

脳卒中患者の日常生活動作に対する反復末梢磁気刺激(repetitive peripheral magnetic stimulation:rPMS)

1 month 4 weeks ago
脳卒中患者の日常生活動作に対する反復末梢磁気刺激(repetitive peripheral magnetic stimulation:rPMS) レビューの論点 反復末梢磁気刺激(repetitive peripheral magnetic stimulation:rPMS)は脳卒中後の人の日常活動を向上させるのに有効であるか? 背景 脳卒中は、身体的障害の最も一般的な原因であり、脳の一部への血液供給が遮断されたり、減少したりすることで起こる。脳卒中には、虚血性(血流不足によるもの)と出血性(出血によるもの)の2種類があることが知られている。脳卒中後の上下肢麻痺は、食事、入浴、更衣、歩行などの日常生活動作に問題を生じさせる。脳卒中後の人は、しばしば上下肢のトレーニング、日常動作に重点を置いた運動、適切な歩行補助用具(杖など)といった身体のリハビリテーションが必要である。しかし、有用な治療法は現在限られている。反復末梢磁気刺激(rPMS)は、運動神経の末端枝を刺激して筋収縮を起こすことにより、脳や神経の損傷で筋力が低下した人の動きを改善する非侵襲的治療(身体に器具を挿入しない治療)である。rPMSは筋肉の深層まで浸透し、痛みがほとんどなく、副作用がほとんどないのが特徴である。 検索日 この検索は2021年10月5日現在のものである。 研究の特性 本レビューは2019年に報告された...

デクスラゾキサン(dexrazoxane)はアントラサイクリン(anthracyclines)を使用している成人および小児のがん患者の心臓障害を予防または軽減できるか?

2 months ago
デクスラゾキサン(dexrazoxane)はアントラサイクリン(anthracyclines)を使用している成人および小児のがん患者の心臓障害を予防または軽減できるか? レビューの論点 アントラサイクリン系化学療法を受けた成人および小児のがん患者における心臓障害の予防または軽減に対するデクスラゾキサンの有用性に関するエビデンス(科学的根拠)を評価した。また、心臓障害以外にも、抗腫瘍効果(すなわち生存率および奏効率)、生活の質および有害作用(治療による望ましくないまたは有害な影響)に関してデクスラゾキサンの潜在的効果を検証した。 背景 アントラサイクリンはさまざまな種類のがんに使用できる、有効な化学療法剤である。しかし、累積投与量(時間とともに投与された総量)に応じて心臓障害(心毒性)のリスクがある。心毒性は無症候性心機能不全(心機能が制限されたことを示す結果が検査により得られているものの、患者に症状が認められない)を引き起こす場合があり、この状態は症候性心不全(患者に症状が認められる)へと進行する可能性がある。デクスラゾキサンは、この心臓障害を予防または軽減する可能性がある医薬品である。 本レビューは以前報告されたコクランレビューの3回目のアップデート版である。前回のレビューでは心臓保護剤(心臓を保護する薬剤)の候補となり得るすべての薬剤を検討したが、これを分割し、本レビューでは...

歯槽骨炎(ドライソケット)に対する予防および治療の方法にはどのようなものがあるか?

2 months ago
歯槽骨炎(ドライソケット)に対する予防および治療の方法にはどのようなものがあるか? 要点 ・抜歯前、または抜歯後24時間以内におけるクロルヘキシジンの洗口液によるうがいにより、ドライソケットを予防できる可能性がある。 ・抜歯直後にクロルヘキシジンゲルを抜歯窩(歯を抜いた後の穴)に直接注入することにより、ドライソケットを予防できる可能性がある。 ・クロルヘキシジンの洗口液には軽度の有害作用があるが、抜歯窩用のクロルヘキシジンゲルには有害作用は認められなかった。 ・Alvogyl(訳者注:ドライソケット治療用の製剤。翻訳時、日本未販売)は、酸化亜鉛ユージノールよりもドライソケットの痛みを軽減する作用が強いが、そのエビデンスは非常に不確実である。 ・Alvogylには、有害作用は認められなかった。 ・今後のさらなる研究により、エビデンスを強化し、ドライソケットを予防および治療するための最適な方法を調査していく必要がある。 ドライソケットとは何か? ドライソケットとは、歯を抜いた後に時々発生する痛みを伴う症状であり、下の智歯(親知らず)を抜いた後に起こりやすいと言われている。 ドライソケットの原因は何か? 歯を抜いた後に、抜歯窩の底にできる血餅(血が固まったもの)の一部または全部が失われることと関連していると考えられている。 ドライソケットを予防する方法は? ドライソケットの予防法として...

ニルマトレルビルとリトナビルの併用は新型コロナウイルス感染症の治療または予防に有効か

2 months 1 week ago
ニルマトレルビルとリトナビルの併用は新型コロナウイルス感染症の治療または予防に有効か 要点 ニルマトレルビルとリトナビルの併用(販売名パキロビッド®パック、2種類の錠剤1日分が1枚のシートになっているパック製剤)は、2019年に始まった新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の治療として評価されている。 ニルマトレルビルとリトナビルの併用は、投与後28日以内の入院の必要性または死亡により評価した場合、患者の状態を改善し、死亡率を減少させる可能性がある。 データは、ワクチンの接種をしておらず、疾患の進行リスクが高い患者で、症状発現後5日以内に治療が開始された患者のデータしかなかった。 検索の結果、進行中の研究が8件見つかった。今後、毎月検索結果を更新していく予定である。 ニルマトレルビル/リトナビル(パキロビッド®)について ニルマトレルビルとリトナビルの併用(パキロビッド®)は、SARS-CoV-2ウイルスによる感染症(COVID‐19)を治療するために開発された新しい薬であり、無症状または軽症の患者が重症化するのを防ぐことを目的としている。リトナビルはニルマトレルビルの効果を高めるが、他の多くの薬剤と相互作用を起こし、副作用を増加させる可能性がある。 知りたかったこと ニルマトレルビルとリトナビルの併用がCOVID-19患者の死亡率や症状、感染期間を減少させるかどうか...

傷口の洗浄に水または他の液体を使用した場合における効果の比較

2 months 1 week ago
傷口の洗浄に水または他の液体を使用した場合における効果の比較 背景 感染は、創傷の正常な治癒過程を妨げる可能性がある。感染のリスクを減らすために、慣例的に創傷の洗浄が行われ、汚れや汚染物、あるいは異物が除去される。このレビューでは、創傷を皮膚の損傷と定義している。 このレビューの目的は何か? 本レビューの目的は、異なる種類の水(水道水、蒸留水、煮沸水など)による創傷洗浄の効果を、洗浄を行わなかった場合、または他の液体(生理食塩水など)を用いた場合とを比較して調査することである。創傷に関連した感染率と、創傷の治癒について調べることにより、洗浄効果の評価が行われた。 コクランの研究者により、関連するすべての無作為化比較試験(RCT)が検索され、その結果、13件の研究が見つかった。RCTとは、被検者が無作為に選ばれ、それぞれに異なる治療を受ける研究方法である。この方法に基づいて被検者が割り当てられることで、治療方法と、報告された治療結果との関連性について、最も信頼できるエビデンスを得ることができる。 要点 水道水、蒸留水、煮沸後に冷ました水、または生理食塩水による創傷洗浄を行った場合のそれぞれの比較と、洗浄を行わなかった場合とにおける比較が行われた。結果、これらの介入が創傷に感染を起こした数に影響したかどうかは不明であった。また、創傷の治癒(創傷が治癒した数、創傷の大きさの変化、創傷の...

COVID‐19の治療におけるフルボキサミンの効果

2 months 1 week ago
COVID‐19の治療におけるフルボキサミンの効果 レビューの論点 フルボキサミンはCOVID-19に対する治療薬として有効か、また、有害な作用はあるか? 要点 軽度から中等度のCOVID-19患者の治療に対し、フルボキサミンの使用が有効かどうかは不明である。これは、現在、明確な判断を下すのに十分な研究が行われていないためである。 COVID-19の治療薬として、フルボキサミンを調査している進行中の研究が5件、さらなる情報が必要な研究が2件見つかった。その結果として結論が変更される場合、このレビューを更新する予定である。 フルボキサミンとは何か? フルボキサミンは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)として知られる薬剤の一種で、錠剤の形で使用されている。最近の研究により、フルボキサミンがCOVID-19に対し効果がある可能性があることが明らかになった。免疫系がウイルスと戦う際に、肺や気道が炎症を起こし、呼吸困難を引き起こすことがあるが、フルボキサミンはこの炎症を軽減し、抗炎症作用および抗ウイルス作用により、重度のCOVID-19と、それに伴う肺の症状を発症するリスクを減らすことができる可能性がある。フルボキサミンは、抗うつ剤として服用した時でも、ほとんどの場合には重篤な副作用を起こさないことがわかっている。しかし、特に服用を開始したときに、次のような副作用を起こす場合があ...

地域におけるマラリア治療プログラムに迅速診断検査を取り入れることで、マラリアや発熱に対する治療内容が改善されるか?

2 months 2 weeks ago
地域におけるマラリア治療プログラムに迅速診断検査を取り入れることで、マラリアや発熱に対する治療内容が改善されるか? 要点 ・マラリアが深刻な問題となっている地域(マラリア流行地域)では、多くの人が必要な治療を受けることができない。 ・マラリアを診断するための迅速診断検査(mRDT)は、指を刺して、血液を小さな検査用のカセットに滴下するという簡単なものである。 ・マラリア流行地域におけるマラリア治療プログラムというのは、医療の専門資格を持たない人々が、身体所見や症候に基づく診断(身体所見による診断)を行うのではなく、mRDTを利用することで、マラリアの治療状況が改善される。 ・抗菌薬の処方頻度に対するmRDTの影響を知るには、さらなる研究が必要である。 地域ごとの治療プログラムにおいて、マラリアはどのように診断され、治療されるのか? マラリアには有効で安全な治療薬(抗マラリア薬)があるが、特に医療施設から遠く離れた場所に住んでいる場合は、多くの人はいまだに治療薬が必要な時であっても治療薬を入手することが難しい状況である。この状況を改善するため、正規の医療資格を持たない地域の住民が、マラリアかどうか徴候や症状の確認を行ったり、mRDTを使用したりして、マラリアを診断、治療するための訓練を受けている。これらを担うのは、地域保健に従事する医療者や、調剤薬局ではないドラッグストアの販売員な...

COVID-19後の持続的な嗅覚障害(嗅覚機能障害)の予防のための介入

2 months 3 weeks ago
COVID-19後の持続的な嗅覚障害(嗅覚機能障害)の予防のための介入 なぜこれが重要なのか? COVID-19は、嗅覚に問題を生じることがわかっている。匂いを感じる能力が低下することもあれば、完全に嗅覚が失われることもある。多くの人は短期間で回復するが、数週間から数か月間続く人もいる。このレビューでは、嗅覚を失ってからすぐに(症状が始まってから4週間以内に)、長期的な問題にならないようにするための治療法があるかどうかを検討する。 どのようにしてエビデンスを特定し、評価したか 結果をまとめるために、医学文献から関連するすべての研究を検索した。また、研究の規模や実施方法などを考慮して、エビデンスの確実性を評価した。これらの評価に基づいて、エビデンスの確実性を「非常に低い」、「低い」、「中等度」、「高い」に分類した。 どのような研究が見つかったか? その結果、5件の研究が完了していることがわかった。 副腎皮質ステロイド(薬)(以下、ステロイド)の点鼻と無治療の比較 この治療法については、3件の研究が行われた。 ステロイドの点鼻用スプレーは、特定の検査で測定すると(嗅覚について人に尋ねるよりも)、嗅覚にほとんど、あるいは全く影響を与えないかもしれない。 その他のエビデンスは確実性が非常に低いため、以下の指標に関してステロイド点鼻用スプレーが無治療よりも優れているか劣っているかはわからな...

女性の尿失禁に対する保存的介入:コクランレビューのオーバービューレビュー

2 months 3 weeks ago
女性の尿失禁に対する保存的介入:コクランレビューのオーバービューレビュー 尿失禁とは何か 膀胱の問題は女性に多い。頻繁にトイレに行きたくなったり、急にトイレに行きたくなったり、時には間に合わなくなったりすることを切迫性尿失禁と呼んでいる。切迫性尿失禁は、何らかの理由で脳からの排尿(膀胱を空にする)信号がかなり強くなり、その信号が必要以上に頻回に発信されると起こる。くしゃみや運動で漏れる場合はストレス性尿失禁と呼ばれ、膀胱からの出口を制御する筋肉が正常時よりも弱ってくると起こる。女性はこの2つのタイプが混在していることもあり、その場合を混合性尿失禁と呼ぶ。 膀胱の問題による症状が多くの心労を生じることがある。たとえば、外出に気が進まないことが多くなり、散歩や運動教室に参加するのが怖くなってしまう恐れがある。そのような女性は孤独感を感じていることが多く、膀胱症状のない女性よりもQOLが有意に低下している。 尿失禁の治療法 尿失禁の治療法には、主に「保存的治療」(侵襲的な方法を避ける)、薬物療法、手術がある。まずは保存的治療を行うべきである。これには、(電気刺激などの付加的治療の有無に関係なく)骨盤底筋(尾てい骨(尾骨)と恥骨の間にある、膀胱、腸、腟、子宮を支える筋肉)のトレーニング、膀胱訓練、器具を利用する治療があげられる。通常、専門的な訓練を受けた理学療法士や看護師が治療を実施する...

避妊のために用いる子宮内避妊用具(IUD)に関連した、月経過多や月経痛に対する薬

3 months ago
避妊のために用いる子宮内避妊用具(IUD)に関連した、月経過多や月経痛に対する薬 背景 女性が子宮内避妊用具(IUD)の使用を中止する最も多い理由は、月経時の出血量が多いことと痛みである。痛み止めやその他の薬、または他の方法で、IUDの使用に関連する出血や痛みを軽減できるかどうかを調べるためにレビューを行った。 研究の特徴 本エビデンスは2021年1月現在のものである。IUD使用に関連する月経過多や月経痛の治療や予防について調べた研究を対象とした。治療法は、その他の薬、無治療あるいはプラセボ(偽薬)と比較された。 主な結果 このレビューには、計3,689人の女性を対象とした21件の研究が含まれている。11件の研究では月経過多や痛みの治療について検討し、10件の研究ではその予防について検討していた。ほとんどのエビデンスは、参加者の少ない単独の研究から得られたものである。得られた研究結果は、確実性が乏しい。確実性が限定的になったのは、非常に少ない人数しか参加していない研究があったり、介入内容が多様であったり、研究の実施方法について明確な報告がなかったりするためである。 月経過多の治療 銅付加IUD ビタミンB1は、月経の出血がある期間、少量でも出血が認められる日数、1日あたりのナプキン使用枚数を減少させるかもしれない。メフェナム酸はトラネキサム酸と比較して、出血量を減らせるが、出血す...

認知症治療薬(メマンチン)は自閉スペクトラム症の人に効くか?

3 months ago
認知症治療薬(メマンチン)は自閉スペクトラム症の人に効くか? 背景 自閉スペクトラム症(Autism spectrum disorder: 自閉症)は、幼少期に発症する疾患である。主な症状は、社会的コミュニケーションの持続的な困難(例:前後の会話、言葉を使わないコミュニケーション、人間関係の構築・維持の困難)、反復的で制限された興味や行動(例:反復的な物言い、制限された興味や行動、変化に対する抵抗、感覚過敏など)である。およそ1%から2%の子供が自閉症である。自閉症の患者は、注意欠陥多動性障害(ADHD)、不安、言語障害(例:文法の理解や使用が困難)、知的障害など、他の疾患を抱えていることが多い。自閉症は、生活の質、学業成績、社会的関係に悪影響を及ぼす可能性がある。メマンチンは従来から認知症の治療に使われている薬であるが、一部の研究では、中核となる自閉症症状を減少させる可能性が示唆されている。もし、メマンチンが自閉症の中核的な症状を変えるために使われるのであれば、その効果と安全性を評価することが重要である。このレビューは、自閉症におけるメマンチンの使用に関する研究のエビデンスをまとめたものである。 レビューの論点 メマンチンは自閉症と関連行動の中核症状を変えるか? 検索日 エビデンスは2022年2月14日までのものである。 研究の特徴 自閉症におけるメマンチンの有効性を評価した2...

プロバイオティクス(生きた微生物)は、風邪などの上気道感染症を予防することができるか?

3 months ago
プロバイオティクス(生きた微生物)は、風邪などの上気道感染症を予防することができるか? 要点 プロバイオティクスは、急性の上気道感染症(URTI)の1回以上の発症を予防するのに有益かもしれない。また、3回以上のURTIの発症を予防するのに有益であると考えられる。高齢者を対象としたより多くの研究が必要である。プロバイオティクス使用の有益性と潜在的な有害性をより良く推定するためには、より大規模でよりよくデザインされた研究が必要である。 急性上気道感染症とは? 急性の上気道感染症(URTI)には、風邪、インフルエンザ、および咽喉や鼻、副鼻腔の感染などがある。症状としては、発熱、咳、痛み、頭痛などがある。急性のURTIの多くはウイルスの感染によるもので、通常は3日から7日で回復する。 プロバイオティクスとは? プロバイオティクスは一般的に、適切な量を摂取することで体に有益な効果をもたらす生きた微生物と説明されている。代表的なものとして乳酸菌やビフィズス菌があり、ヨーグルトや豆乳ヨーグルトなどの発酵食品や栄養補助食品として一般的に摂取されている。 レビューの目的は何か? 健康な免疫系を持つあらゆる年齢層の人々において、プロバイオティクスが急性の上気道感染症を予防するかどうかを調べたいと考えた。 何を行ったのか? 上気道感染症に対するプロバイオティクスの効果を調査した研究を検索した。比較およ...

人工授精やタイミング療法による妊娠を希望する、不妊症の女性における黄体補充療法は、安全で有効か。

3 months ago
人工授精やタイミング療法による妊娠を希望する、不妊症の女性における黄体補充療法は、安全で有効か。 背景 黄体期は、月経周期の一部であり、排卵(卵子が卵巣から放出されること)から月経が始まるまでの期間をさす。この時期には、プロゲステロンというホルモンが卵巣から体内に分泌され、妊娠の可能性に備える。卵巣刺激(排卵誘発剤の使用)は、黄体期のプロゲステロン産生に影響を与える可能性がある。黄体期のプロゲステロン濃度が低い場合、12週以上継続する妊娠や生児出産などの妊娠転帰の可能性が低下することが知られている。プロゲステロン、およびヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG、妊娠すると産生されるホルモンで、プロゲステロン産生を増やす)や排卵後のプロゲステロンの値を増やすゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニストなどの薬剤を用いた黄体補充療法は、妊娠の転帰を改善させると考えられている。 研究の特徴 25件のランダム化比較試験(参加者を2つ以上の治療群のうちの1つに無作為に割り当てるタイプの試験)を組み込み、合計5,111人の参加者を対象とした。プロゲステロンとプラセボ(ダミーの治療)または無治療との比較、腟に挿入するプロゲステロン剤の異なる用量、異なる経路で補うプロゲステロン、GnRHアゴニストとプラセボまたは無治療との比較、腟に挿入するプロゲステロン剤とGnRHアゴニストとの比較、hCGと無治療...

成人の不眠症に対する音楽の効果

3 months ago
成人の不眠症に対する音楽の効果 レビューの論点 本レビューでは、成人の不眠症(睡眠障害)に対する音楽鑑賞の効果と、その効果に影響を与える可能性のある要因について評価が行われた。 要点 音楽が睡眠の質に対して有益な効果を与えることが分かった。しかし、他の結果(評価項目)については、十分な被検者がいなかったことと、データの評価者があらかじめについて治療法を知っていたことにより、質の高いエビデンスを見つけることができなかった。 不眠症とは何か? 世界中で何百万人もの人が不眠症を経験している。不眠症では、寝つきが悪かったり、眠りが浅かったり、あるいは睡眠の質が低下したりすることがある。 睡眠不足は、心身の健康に影響を及ぼす。睡眠不足がもたらす結果は、個人および社会の両方に負担をもたらす。睡眠を改善するために音楽を聴く人は多いが、その効果については明らかではない。 何を行ったのか? 電子データベースの検索により、関連する研究が特定された。1,007人の参加者を含む13件の研究が対象となった。これらの研究では、音楽を聴くことによる効果を、通常の治療、または無治療と比較していた。通常の治療とは、睡眠衛生教育(睡眠を促進する一連の行動について学ぶこと)、または慢性疾患に関連した不眠症を持つ参加者に対する標準的治療のことである。これらの研究では、参加者は毎日25分間から50分間、3日から3か月間、...

歯科治療前に患者に洗口液を使用させることは、患者から医療従事者への感染リスクを減少させるか?

3 months ago
歯科治療前に患者に洗口液を使用させることは、患者から医療従事者への感染リスクを減少させるか? なぜこの問題が重要なのか? 歯科治療の多くにおいて、表面に素早く付着する飛沫が発生する。ドリルなどの高速で動作する器具を使用することで、空気中に浮遊する微粒子からなるエアロゾルが発生し、これを吸い込んだり、離れた場所の表面に付着することがある。このエアロゾルにはさまざまな微生物が含まれており、直接的な接触による感染や、汚染された表面を通した間接的な感染を起こす可能性がある。感染の拡大を防ぐには、エアロゾルに含まれる微生物の数を減らすことが有効であると思われる。歯科治療前に洗口液を使用しうがいすること(治療前口腔内消毒)により、エアロゾルの汚染量を減らすことができる可能性が示唆されている。一般的に使用されている洗口液として、クロルヘキシジン、ポビドンヨード、塩化セチルピリジニウム(CPC)などがある。これらは、口腔内の微生物を殺菌または不活性化することにより、発生するエアロゾルの汚染度を下げる作用がある。このレビューでは、歯科治療の前に患者に対し洗口液による含嗽(うがい)を行わせることが、治療中に発生するエアロゾルの汚染が減少し、感染症の伝播の予防につながるかどうかについて評価が行われた。 エビデンスの特定および評価を行った方法は? 歯科治療の前に使用する洗口液について、プラセボ(偽の洗口...

近くの組織にのみ広がっている子宮頸がんに対する内科的治療を伴う子宮摘出術

3 months ago
近くの組織にのみ広がっている子宮頸がんに対する内科的治療を伴う子宮摘出術 論点 子宮頸がんは、65歳以下の女性において最も多いがんである。貧困国では、局所進行性(近くの組織に広がっているが、明らかな遠隔転移はない)子宮頸がんと診断される女性が少なくない。局所進行性子宮頸がんは一般的に、内科的治療すなわち、化学療法(抗がん剤による治療)を併用した放射線療法または放射線療法単独によって治療される(訳者注:日本では、欧米に比べて、局所進行性子宮頸がんでも広汎子宮全摘出術が選択される傾向にある)。一方、特に放射線療法へのアクセスが限られている貧しい国々では、内科的治療を併用した子宮摘出術も行われている。 本レビューの目的 局所進行性子宮頸がんの女性において、内科的治療を伴う子宮摘出術は、内科的治療のみと比較してより有益か? 本レビューを行った方法 1966年から2022年2月までの 文献検索により、11件の臨床試験を特定したが、これらの試験のバイアスのリスクは中程度から高度であった。これらの試験には、2,683人の女性が含まれ、以下の内容が比較されていた。子宮摘出術と放射線療法の併用と放射線療法単独、子宮摘出術と化学放射線療法(化学療法と放射線療法を同時に行う治療)の併用と化学放射線療法単独、子宮摘出術と化学放射線療法の併用と腔内照射(小線源治療、訳者注:腟腔内に器具を入れて行う放射線療...

成人および12歳以上の若者における、痛みを伴う顎関節症(顎の関節の疾患:TMDs)に対し、心理療法を行うことの利点とリスクは何か?

3 months 2 weeks ago
成人および12歳以上の若者における、痛みを伴う顎関節症(顎の関節の疾患:TMDs)に対し、心理療法を行うことの利点とリスクは何か? 要点 全体的に一致した結果は得られなかったが、心理療法により痛みの軽減が可能であるという限定的なエビデンスが見られたことから、心理療法が痛みを伴う顎関節症に対して有効な方法である可能性がある。このレビューでは、心理療法は少なくとも他の治療法と同程度の効果があることが示唆された。また、心理療法の悪影響については不明であるため、心理療法が無害または問題が少なく、かつ効果的な治療法かどうかを結論づけるには、さらなる研究が必要である。 顎関節症とはどのような疾患か? 顎関節症(TMDs)は、顎の関節とそれを動かす筋肉に影響を与える疾患である。多くの場合、3か月以上続く痛み(慢性疼痛として知られる)を伴う。また、口を大きく開けられない、関節の音(クリック音)が聞こえる、口がほとんど開かなくなる(ロッキング)などの症状も起こる。これらの全ての症状は、生活の質や気分の低下につながる可能性がある。 何が知りたかったのか? このレビューでは、少なくとも3か月以上痛みが続く顎関節症に罹患している成人および12歳以上の若者に対して、心理療法がどの程度有効であるかを明らかにしようとした。 何を行ったのか? 医学および歯科医学雑誌のデータベースと進行中のものを含む研究について...

通常の食塩の代わりに低ナトリウム食塩代替物(LSSS)を使用することは、血圧や心臓病のリスクを低減し、かつ安全か?

3 months 2 weeks ago
通常の食塩の代わりに低ナトリウム食塩代替物(LSSS)を使用することは、血圧や心臓病のリスクを低減し、かつ安全か? 要点 • 成人の場合、通常の食塩の代わりにLSSSを食物に使用すると、多分血圧がわずかに下がるだろう。成人で通常の食塩の代わりにLSSSを使用すると、脳卒中や突発的な冠動脈血流低下のような非致命的な心血管病、あるいは心臓病死のリスクがわずかに低くなるだろう。 • 成人で通常の食塩の代わりにLSSSを使用すると、血中カリウム(心拍を整脈に保つためのミネラル)の濃度がわずかに上昇する。これは、体内のカリウムを効率的に調整することができない人にとっては有害となる可能性がある。その他の安全性に関するエビデンスは非常に限られている。 • 小児の場合、通常の食塩の代わりにLSSSを使用した血圧への影響やその安全性については明らかではない。 • このエビデンスは、腎臓に異常がある、あるいは特定の薬を服用している人のように、血中カリウム濃度が高くなるリスクがあるとされている人には、すぐには適用できないかも知れない。 低ナトリウム食塩代替物(LSSS)とは何か? LSSSとは、通常の食塩よりもナトリウムを減らした製品のことである。ナトリウムの一部をカリウムや他のミネラルに置き換えることで、LSSSのナトリウム量が減らされている。ナトリウムの摂取量が多く、カリウムの摂取量が不十分である...

赤ちゃんの予後を改善するための、早産になる前の副腎皮質ステロイド治療

3 months 2 weeks ago
赤ちゃんの予後を改善するための、早産になる前の副腎皮質ステロイド治療 レビューの論点 早く生まれた赤ちゃん(妊娠37週より前に生まれると早産となる)は、健康問題のリスクが高くなる。これらのリスクには、肺の問題(呼吸窮迫症候群)、脳出血(脳室内出血)、死亡が含まれる。これらの問題の発生を防ぐため、まだ妊娠中の母親に対して副腎皮質ステロイドと呼ばれる薬が投与される。多くの問題に対する予防の有効性について、質の高いエビデンスが得られている。これらの薬は、出生前の赤ちゃんの肺の成熟に働く。副腎皮質ステロイドにはさまざまな種類があり、投与経路や投与量もさまざまである。早産のリスクがある母体に副腎皮質ステロイドを投与すると赤ちゃんの利益になることはわかっているが、どの種類の副腎皮質ステロイドが母体と赤ちゃんにとって最も利益があり、最も害が少ないかはわかっていない。 重要性 薬の種類や量がはっきりしていない、あるいは合意がないため、病院によって投与方法が異なる場合がある。このレビューでは、ランダム化比較試験(受ける治療をランダムに決定する試験で、通常、治療効果について最も信頼性の高いエビデンスが得られる)から得られるすべてのエビデンスを評価し、母体と赤ちゃんに対してどの薬と投与経路が最適かを判断した。また、赤ちゃんが成長して小児や成人になったときに薬が及ぼす影響についても調べた。 得られたエビ...

脆弱な集団における、COVID-19ワクチン接種後の免疫

3 months 2 weeks ago
脆弱な集団における、COVID-19ワクチン接種後の免疫 何を調べようとしたのか? 本レビューでは、免疫機能が脆弱な集団に対して最もよく使用されるCOVID-19ワクチンについて、どのような研究が発表され、どのような結果(例えば、有効性の結果、安全性、免疫反応)が報告されているかを調べることによって、今後の有効性に関する系統的レビュー(医学文献を統合したもの)における最も適切な臨床疑問を見出し、これに答えたいと考えた。 本レビューで行ったことは何か? 欧州連合で使用が許可されている(欧州医薬品庁(EMA)承認)、および検索時点で世界10カ国以上で承認されているCOVID-19ワクチンに関する医学データベースと臨床試験登録の検索を行った。 ワクチン接種に対する免疫反応を低下させる可能性がある併存疾患に関する研究で、100人以上の参加者を含むものを、年齢、性別、民族、実施された国を問わず対象とした。 一般集団を対象とした研究や、事前の設定と異なるCOVID-19ワクチンや集団を対象とした研究は除外した。 研究を特定してから、ワクチンを以下のグループに分類した:EMAが承認したCOVID-19ワクチン、その他のCOVID-19ワクチン、異なるCOVID-19ワクチンの組み合わせ。そして、その結果を双方向的なオンライン上でマッピングして概要をまとめた。研究の結果や研究が行われた国、研究デ...
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20 hours 17 minutes ago
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