3 months 2 weeks ago
フェノフィブラートは糖尿病網膜症に有効か? レビューの目的は何か? 1型糖尿病または2型糖尿病の患者において、フェノフィブラートが、プラセボもしくは経過観察と比較して、糖尿病網膜症の発症を予防するのか、あるいはすでに糖尿病網膜症を発症している場合、その進行を遅らせるのかを明らかにすることが目的である。 要点 - 総じてフェノフィブラートは、プラセボとの比較で、糖尿病網膜症の進行にほとんど差がない可能性が高い(中等度の確実性のエビデンス)。 - 糖尿病網膜症を発症している患者では、フェノフィブラートの服用で、糖尿病網膜症の進行が緩やかになる可能性が高い(中等度の確実性のエビデンス)。 - まれではあるが、フェノフィブラートの服用で副作用が増加した(高度の確実性のエビデンス)。 - さらなる研究が必要である。例えば、1型糖尿病患者を含む研究や、患者が受けた他の治療を考慮した研究、そして重要なのは、糖尿病と共に生きる人々にとって重大なアウトカムを含む研究である。 レビューでは何が検討されたのか? 糖尿病網膜症とは、目の奥の血管に障害が起きて生じる疾患で、世界的に失明の主な原因であり、社会への負担となっている。視力を守るためには、糖尿病網膜症の発症を予防し、発症した場合には進行を遅らせたり、防いだりしなければならない。このレビューでは、フェノフィブラートがこの目的に有効なのか、プラセボや...
4 months ago
うつ病の治療薬は禁煙に有効か? 抗うつ薬とは何か? 抗うつ薬とは、うつ病の治療に用いられる薬やサプリメントである。その中には、禁煙に効果があるかどうか検証されている薬もある。ブプロピオン(ザイバンも呼ばれる)とノルトリプチリンという2つの薬が、禁煙を支援するために処方されることがある。 本コクランレビューの実施理由 喫煙の健康への悪影響は非常に大きい。喫煙者にとって、禁煙は健康増進のためにできる最善の選択である。しかし、禁煙は難しいと感じる人も多い。そこで、抗うつ薬を使うことで禁煙(6ヶ月以上)を成功させることができるか、また、これらの薬を使うことでどのような有害性があるかを調査することにした。 着目した点 - どれくらいの人が少なくとも6ヶ月禁煙できたか - どれくらいの人が好ましくない影響を受けたか 実施したこと 禁煙を支援するための抗うつ薬の使用を検討した研究を検索した。 治療が無作為に決定されるランダム化比較試験を検索した。このような研究方法(ランダム割付)は、治療効果について最も信頼性の高いエビデンスが得られるとされている。有害性についてはどのような観察期間の研究であっても対象としたが、禁煙に成功したかどうかの評価については少なくとも6ヶ月以上の観察期間の研究を採用した。 どのような研究が見つかったか? このレビューでは、禁煙のために抗うつ薬を使用した場合に、異なる抗う...
4 months 1 week ago
ホルモン剤による避妊をしていない人と比較した、ホルモン剤による避妊をしている人が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかかった時に血栓を発症する確率 論点 COVID-19になった人の、心臓発作や脳卒中を含む血栓の発生やその他の重篤な結果に対するホルモン剤による避妊法の影響に関するエビデンスを検討した。エストロゲンとプロゲスチンの両方を含む避妊薬を服用している人と、ホルモン剤を使用しない避妊をしている人、プロゲスチンだけを含む避妊薬を服用している人を比較検討したいと考えた。該当する研究は5件しか見つからなかった。 背景 ホルモン剤による避妊、特にエストロゲンを含む避妊薬の使用は、足や肺に血栓ができる可能性を高めたり、脳卒中になる可能性を高めたりすることがある。また、COVID-19の発症により、足や肺に血栓ができることも確認されている。ホルモン剤による避妊をしている人がCOVID-19になった場合、血栓ができる可能性が高いかどうかはわかっていない。ホルモン剤による避妊をしている人がCOVID-19陽性になった場合、避妊薬の使用を止めるべきか、違う避妊法に切り替えるべきかを知ることができるよう、さらなる研究が必要である。 研究の特性 2022年3月までに発表された研究を対象とした。避妊をした人(特に、ホルモン配合剤のようにエストロゲンを含む避妊薬を使用した人)における、避妊...
4 months 3 weeks ago
進行した腎がん(腎細胞がん)の成人患者に対する初回治療 略語 • 腎細胞がん(RCC) • アベルマブ(AVE) • アキシチニブ(AXI) • カボザンチニブ(CAB) • イピリムマブ(IPI) • レンバチニブ(LEN) • ニボルマブ(NIV) • パゾパニブ(PAZ) • ペムブロリズマブ(PEM) • スニチニブ(SUN) 要点 • 治療を決定するにあたり、薬剤によって余命が延長するのか、有害な副作用が少ないのか多いのかを考えることが重要である。 • 本レビューの結果は、明細胞成分を含む進行腎細胞がん(RCC)に主に適用される。 進行腎細胞がんとはどのような病気で、どのように治療するのか 腎細胞がんは腎がんの一種である。高齢者に、また女性よりも男性に多くみられる。これは、年齢(60歳以上)と性別が男性であることにより、罹患リスクが高くなるためである。その他の危険因子には、体重、喫煙、腎結石の既往歴、高血圧などがある。多くの場合、初期の段階では症状がないため、腎細胞がんに罹患している人の半数以上が定期健診によってがんであることが判明する。症状が現れると、患者のQOL(生活の質)や日常の活動に影響を与える。2005年以前には、進行腎細胞がんの治療薬は少なく、治療には多くの副作用があった。現在では、免疫療法(がん細胞を見つけて破壊するために、患者自身の免疫系を利用する)や標...
5 months 1 week ago
全身性エリテマトーデスの患者が運動することの利点とリスクとは? 要点 全身性エリテマトーデス(SLE)患者において、「通常のケア(介入)」に加えて運動を行うことは、疲労、日常生活能力、痛みに対してほとんど効果がない可能性がある。 運動中における副作用に関する報告はなかった。しかし、全体的なエビデンスに対する信頼性は低い。 全身性エリテマトーデスとはどのような病気か? SLE(または「ループス」)は、体内の免疫(防御)システムが誤って身体のさまざまな場所の健康な組織を攻撃してしまう病気である。これは長期にわたる病気である(6週間以上続くものであり、通常一生続く)。また、SLEは関節や筋肉に痛みの痛みを引き起こしたり、極端に疲れやすくなったりする。症状は一時的に改善することもあり、また突然悪化することもある(フレア)。 全身性エリテマトーデスはどのように治療されるか? SLEの管理または通常の治療には、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの薬による治療が含まれるが、これらに限定されるものではない。また、日光を避ける、サプリメント(ビタミンDなど)、SLEや他の病気(高血圧など)に関する教育、身体活動や運動など薬以外の治療も含まれることがある。通常の運動トレーニングはSLE患者の補助的な治療法として役立つ可能性がある。 何を調べたかったのか...
5 months 3 weeks ago
早産児の鼻腔内持続陽圧換気(CPAP)の圧力源 要点 気泡発生式(バブル式)持続気道陽圧換気(CPAP)(以後バブルCPAP)は、通常の人工呼吸器やインファントフロードライバー(訳注:CPAP目的以外では人工呼吸に使用できないCPAP専用機器のこと)で供給されるCPAPと比較すると、CPAP治療失敗のリスクを低減できる可能性がある。バブルCPAPは、早産に伴う死亡やその他の合併症のリスクにはおそらくほとんど影響しないが、中等度から重度の鼻の傷のリスクはおそらく増加すると考えられる。 CPAPとは? CPAPは、肺に問題のある早産(未熟児)の赤ちゃんの呼吸を補助するために使用する方法の一つである。水中バブル装置(バブルCPAP)、機械式人工呼吸器、インファントフロードライバーなど、さまざまな種類の機械でCPAPを行うことができる。 何を知りたかったのか? CPAP療法の治療失敗(赤ちゃんの状態が悪化したり、人工呼吸が必要になったりすること)の発生率を下げ、また合併症や害を減らすためには、バブルCPAPと人工呼吸器やインファントフロードライバーを用いたCPAPのどちらが優れているかを示すエビデンスがあるかどうかを調査した。 何を行ったのか? 2023年1月までのランダム化比較試験(参加者を2つ以上の治療群のいずれかに無作為に割り当てるタイプの研究)を医学データベースで検索した。 何が...
5 months 4 weeks ago
分娩誘発における器械的方法 妊娠第三3半期間(妊娠24週以降)において、器械的方法を用いた分娩誘発の有効性と安全性をランダム化比較試験から検討した。子宮頸部(子宮の下端)を伸展するためのバルーンと、プロスタグランジンE2(PGE2)または低用量ミソプロストールまたはオキシトシンとを比較した。 論点 分娩誘発は一般的に、妊娠を継続する利益よりもリスクが上回る場合、または妊婦の希望により行われる。 分娩誘発の為の器械的方法は子宮頸管を伸展させることにより、頸管熟化と陣痛発来(訳注:陣痛が始まること)を促す。これらは陣痛を起こすために用いられる最も古い方法の一つである。PGE2、ミソプロストール、オキシトシンといった薬物療法が、部分的に器械的方法にとって代わったのは、この数十年間のことである。 重要性 より多くの女性が分娩誘発を行うようになっており、その適応はしばしば緊急を要するものではない。これは分娩誘発の方法において、有効性を犠牲にしても、安全性がより重要となることを意味する。器械的方法は広く利用可能であり、安価で、子宮の過度の収縮(過強陣痛)のような副作用が少ない可能性があり、薬物療法に比べて利点があるかもしれない。陣痛が長すぎたり頻繁すぎたりすると、胎児が十分な酸素を受け取れなくなる可能性があるため、過強陣痛が起こらないことは児にとって安全といえる可能性がある。 得られたエビデ...
6 months 1 week ago
出生が早すぎた赤ちゃんの脳出血を予防するフェノバルビタールの利益とリスクは? 要点 ・早産で生まれた赤ちゃんにフェノバルビタール(けいれん発作を抑える薬)を投与することは、脳室内出血(脳出血)や死亡を防ぐ効果はほとんど、あるいはまったくないかもしれない。 ・フェノバルビタールによる脳室拡大(脳内の空間の拡大)予防や長期的な神経発達についてのエビデンスは非常に不確かである。 脳出血(脳室内出血)とは何か? 早産で生まれた赤ちゃんの脳の中心に大きな出血があると、障害がおこったり、死亡したりする。不安定な血圧と脳血流が、脳室(脳内の液体で満たされた空間)への出血を引き起こすと考えられている。 何を知りたかったのか? フェノバルビタールは血圧を安定させ、脳出血を防ぐ可能性があると考えられている。フェノバルビタールが、無治療の場合やプラセボ(薬を含まないが、見た目や味は試験に使う薬と同じ「ダミー」の治療法)よりも優れているかどうか調べた。 実施したこと フェノバルビタール投与と無治療を比較した研究を検索した。研究結果を比較して要約し、研究方法や試験の規模などの要素に基づいて、エビデンスに対する信頼度を評価した。 わかったこと 10件の研究(792人の赤ちゃんを含む)を対象とした。 エビデンスは、フェノバルビタールに脳出血を予防する効果はほとんど、あるいはまったくないことを示している。脳室拡...
6 months 2 weeks ago
持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)に対する薬物療法以外の治療法の利点とリスクは何か? 要点 持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)の治療法について調査した研究は非常に少ない。今回、脳への電気刺激(経頭蓋直流電気刺激法)の使用について評価した、非常に小規模な研究が1件のみ見つかった。 この病気に対してどのような治療が有効か、また、治療が有害事象を引き起こすかどうかを明らかにするためには、さらなる研究が必要である。 PPPD(持続性知覚性姿勢誘発めまい)とは何か? PPPDは、めまいやふらつきの症状を伴い、特に立ち上がる時や動き回る時、あるいは視覚刺激(複雑な模様や動きのある映像など)が多い場合に悪化する疾患である。 PPPDはどのように治療されるのか? PPPDの症状を改善するために、薬剤を用いる場合がある。また、前庭リハビリテーションと呼ばれる理学療法や、対話療法なども行われる。 何を知りたかったのか? 以下の項目について明らかにすることを試みた: - 薬物療法以外の治療がPPPDの症状の改善に有用であるというエビデンスがあるかどうか - これらの治療が何らかの有害作用をもたらす可能性があるかどうか 何を行ったのか? 異なる種類の治療(薬物療法を除く)に対し、治療を行わなかった場合、または偽の治療を行った場合(プラセボ)と比較した研究について検索を行った。 何を見つけたのか?...
6 months 2 weeks ago
環境における転倒の危険性を低下させる 要点 過去1年間に転倒したことがある、最近入院していた、日常生活のサポートが必要であるなど、転倒のリスクが高い高齢者の場合、自宅における転倒の危険となる環境因子を取り除くことで、転倒回数を38%減少させることができる。手すりのない階段、滑りやすい通路、暗い照明などが、転倒の危険となる環境因子の例として挙げられる。 転倒予防プログラムの一環として、なぜ環境因子を考慮することが重要なのか? 転倒はよくあることで、命にかかわることもあるが、防ぐことは可能である。毎年、65歳以上の人の約3分の1が転倒している。転倒の多くは自宅で発生し、転倒全体の30%以上が環境上の危険によって引き起こされる。環境的転倒危険除去プログラムは、転倒の危険となる環境因子を特定し、除去する専門家によって提供される介入である。 何を知りたかったのか? 以下の内容を検討した: - 転倒予防のために、どのようなタイプの環境プログラムが最も効果的か。 また、転倒を防止する下記のプログラムについても検討した: - 環境における転倒の危険を低減するプログラムを提供する最善の方法: - そのようなプログラムによって、重大な怪我につながる転倒を防ぐことができるか。 下記を含む4種類のプログラムを検討した: - 自宅内外の転倒の危険を取り除くことに重点を置いたもの; - 最新の眼鏡や特殊な靴...
6 months 2 weeks ago
赤ちゃんがとても大きい(巨大児)と疑われる場合の、妊娠末期または末期近くの分娩誘発 論点 大きい赤ちゃん(巨大児、出生体重が4000gを越える)の出産は難しく、時には分娩外傷がおこる。この外傷を減少させるための一つの方法は、赤ちゃんが大きくなりすぎる前に分娩を誘発することである。出産前に赤ちゃんの体重を推定することは難しく、あまり正確ではない。臨床的な推定は子宮の感触と子宮底の高さに基づいている。いずれもかなりのばらつきがある。超音波検査も正確ではなく、大きいことが疑われた赤ちゃんは出産時にそうでないことがある。これは両親を心配させうる。 重要である理由 陣痛誘発が早すぎると、赤ちゃんも臓器も未熟に生まれてくる可能性がある。 得られたエビデンス 赤ちゃんが大きいことが疑われる、妊娠37週から40週の女性を対象として行った分娩誘発を評価した、4件の試験を同定した。合計1,190人の糖尿病でない女性が対象となった。2015年10月31日にエビデンスを検索した。女性がどのグループに割りつけられたかを、女性や医療スタッフに盲検化することはできなかったが、研究の質は中等度から良好であった。ただし、これはバイアスを誘っているかもしれない。 結果が意味すること 赤ちゃんの肩がつかえてしまうこと(肩甲難産)や骨折(多くは鎖骨で、後遺症なく治る)は、陣痛誘発群で減少した。肩甲難産についてのエビデン...
6 months 3 weeks ago
ランダム化試験において、標準プラセボと比較して活性プラセボを使用した場合、治療効果は異なるか? 要点 1.活性プラセボと標準プラセボの間に明確な効果の差は認められなかったが、この結果については非常に不確かである。 2.副作用が明確な医薬品を調査する際には、プラセボの種類を慎重に検討することを提案する。 標準プラセボ、活性プラセボとは何か? 盲検化(またはマスキング)はランダム化試験の重要な部分であり、参加者が実験的な治療を受けているかどうかを知ることによって、参加者や医療提供者が影響を受けないようにするものである。もしこのような知識があれば、意図せず治療効果を過大評価(あるいは過小評価)してしまうかもしれない。盲検化の方法の1つは、非治療群の参加者にプラセボを与えることである。プラセボは、薬のように見えるが(例えば、同様の形、色、匂い、味、質感の錠剤)、有効成分を含んでいない。 プラセボによる盲検化は必ずしも成功するとは限らない。治療薬にはプラセボと区別できる副作用があるため、治療効果を正確に測定することができない場合がある。そのため、試験によっては、実験薬の副作用を模倣した活性プラセボを使用することもある。しかし、プラセボの種類の選択によって、実際に治療効果に差が出るかどうかは不明である。 何を知りたかったのか? ランダム化試験における治療効果が、標準プラセボと比較して、活性プ...
6 months 3 weeks ago
成人の直近に骨折した骨に対する超音波療法および衝撃波治療 要点 - 超音波や衝撃波による治療が、骨折後の人々の生活の質(QOL)を向上させるかどうかは定かではない。 - 超音波療法を行っても、おそらく骨の治り具合に差はないだろう。 - 衝撃波療法で、大腿骨(太ももの骨)や脛骨(すねの骨)を骨折した人の受傷1ヶ月後の痛みを、ごくわずかに軽減させる可能性がある。しかし、この痛みの軽減が意味のあるほどのものかは疑わしい。 - 超音波や衝撃波による治療が骨折を治すのに役立つかどうかを見るには、よりよくデザインされた大規模な研究が必要である。 なぜ直近に起こった骨折に対する治療が重要か? 時には、骨折が治るのに時間がかかったり、完治しない可能性がある。その結果、人々の生活の質(QOL)が低下し、通常の生活(仕事など)に戻るまでの時間を長引かせかねない。 骨折を確実に治すためには、骨を治りやすくさせる治療が役に立つだろう。 音波が骨折部を刺激して、新しい骨を作ることで、折れた骨を治す可能性がある。 超音波や衝撃波療法などの音波を使って治療できる可能性がある。どちらの治療も、骨折部位の上の皮膚に特殊な装置を毎日約20分間あてて行う。 低エネルギーの音波を使用する超音波療法と、あてられている部位が振動のように感じる高エネルギーの音波を使う衝撃波療法がある。 何を知りたかったのか? 私たちは、超音...
6 months 3 weeks ago
新生児黄疸に対する間欠的光線療法と持続的光線療法の比較 レビューの論点 新生児黄疸において、間欠的光線療法は持続的光線療法と比較してビリルビン濃度を低下させるのに有効か。 背景 新生児黄疸とは、血液中のビリルビン(血液に含まれる黄色の化合物)濃度が高いために新生児の皮膚が黄色に変化することである。光線療法は、新生児黄疸に対する有効な治療法として広く受け入れられている。通常、光線療法は持続的に行われるが、間欠的光線療法は母親による哺乳やボンディング(訳注:絆の形成)を促進するといった利点が期待される。間欠的光線療法が持続的光線療法と同等の効果があるかは不明である。 研究の特性 2022年1月までの医学データベースの検索により、乳幼児における間欠的光線療法の効果を評価した33件の研究を同定した。これらのうち、12件の試験(合計1600例の乳児を含む)がこのレビューの選択基準を満たしていた。1件の試験が進行中であり、4件の試験が分類待ちである。主要評価項目は、血清ビリルビン値の低下率とビリルビン誘発性神経機能異常(BIND)であった。検索結果は2022年1月31日時点で最新のものである。 主な結果 間欠的光線療法と持続的光線療法の間には、ビリルビン濃度の低下についてほとんど、あるいはまったく差がなかった。持続的光線療法は早産児においてより有効であったが、これが有意な差であるかは不明であ...
7 months ago
手根管症候群のためのスプリント(固定用装具) レビューの論点 このコクランレビューは、手根管症候群(CTS)患者に対するリストスプリント(手首固定用装具)の利益と有害性を、無治療または他のタイプの治療と比較することを目的とした。 背景 CTSは、手首にある2本の主神経のうちの1本が圧迫される疾患である。その結果、手や手首に痛みが生じたり、親指、人差し指、中指にしびれやしびれが生じたりする。重度の圧迫を受けると、手の筋肉が衰え、手の器用さが失われることがある。CTSは女性と50歳以上に多い。 CTSを治療するために手術を受ける人も多いが、通常はまず、スプリント(固定用装具)による安静、副腎皮質ステロイド(薬)(以下,ステロイド)注射(炎症を抑える薬)、運動などの非外科的治療が行われる。スプリントは手首をニュートラルな状態(まっすぐな状態)で固定するもので、通常、すべての指は自由に動かせるようにしておく。 研究の特徴 レビューの疑問に答えるために、関連するすべての研究を収集・分析し、CTS患者に対するスプリントの安全性と利益を評価した29件の研究を発見した。参加者の平均年齢は42歳から60歳で、参加者数は1,937人であり81%が女性であった。ほとんどが軽度から中等度の症状であった。 主な結果 装着期間が3か月未満の場合、スプリ ント(固定用装具)はCTSの症状を改善しない可能性があ...
7 months ago
メニエール病に対してゲンタマイシンを耳の中(鼓室)に直接投与することの利点とリスクは何か? 要点 強固なエビデンスが不足していたため、ゲンタマイシンの鼓室内投与がメニエール病の症状の改善に有効であるかどうかは明らかではなかった。また、治療に伴うリスクの可能性についても明らかではなかった。 この治療が有効であるかどうかを明らかにし、有害作用について評価を行うためには、より大規模で適切に実施された研究が必要である。 また、メニエール病患者の症状を評価するための最善の方法を明らかにし、治療が有益であるかどうかを評価するためには、さらなる研究が必要である。これには「コアアウトカムセット」(メニエール病に関するすべての研究で測定すべき項目のリスト)の開発が含まれるべきである。 メニエール病とは何か? メニエール病は、内耳に起こる疾患であり、浮動性めまい(ふわふわ浮くような感覚)や回転性めまい(ぐるぐる回るような感覚)の発作を繰り返し、聴覚障害、耳鳴り(リンギング:キーンという高音、ハミング:ブンブンという低音、あるいはバジング:ブーンという低音)、耳が詰まった感覚(耳閉感)または圧迫感を伴う。通常は成人の、特に中年期に発症する。 メニエール病はどのように治療されるのか? メニエール病の治療には、まず内服薬(錠剤)が使用されることが多いが、症状が改善しない場合は、アミノグリコシド系の抗菌薬を...
7 months ago
生活習慣や食生活の変更は、メニエール病に対してどのような利点とリスクがあるか? 要点 強固なエビデンスが不足していたため、メニエール病の治療に用いられた生活習慣や食生活の変更は、臨床で日常的に行われているにもかかわらず、症状の改善に有効かどうかは明らかではなかった。また、これらの介入に関連したリスクがあるかどうかも不明であった。 生活習慣や食生活の変更の有効性を明らかにし、有害作用について評価を行うためには、より大規模で適切に実施された研究が必要である。 また、メニエール病患者の症状を評価するための最善の方法を明らかにし、介入が有益であるかどうかを評価するためには、さらなる研究が必要である。これには「コアアウトカムセット」(メニエール病に関するすべての研究で測定すべき項目のリスト)の開発が含まれるべきである。 メニエール病とは何か? メニエール病は、内耳に起こる疾患であり、浮動性めまい(ふわふわ浮くような感覚)や回転性めまい(ぐるぐる回るような感覚)の発作を繰り返し、聴覚障害、耳鳴り(リンギング:キーンという高音、ハミング:ブンブンという低音、あるいはバジング:ブーンという低音)、耳が詰まった感覚(耳閉感)または圧迫感を伴う。通常は成人の、特に中年期に発症する。 メニエール病はどのように治療されるのか? メニエール病の治療には、まず内服薬(錠剤)が使用されることが多いが、その他の...
7 months ago
メニエール病に対して副腎皮質ステロイド剤を耳の中(鼓室)に直接投与することの利点とリスクは何か? 要点 強固なエビデンスが不足していたため、副腎皮質ステロイド剤の鼓室内投与がメニエール病の症状の改善に有効であるかどうかは明らかではなかった。また、治療に伴うリスクの可能性についても明らかではなかった。 この治療が有効であるかどうかを明らかにし、有害作用について評価を行うためには、より大規模で適切に実施された研究が必要である。 また、メニエール病患者の症状を評価するための最善の方法を明らかにし、治療が有益であるかどうかを評価するためには、さらなる研究が必要である。これには「コアアウトカムセット」(メニエール病に関するすべての研究で測定すべき項目のリスト)の開発が含まれるべきである。 メニエール病とは何か? メニエール病は、内耳に起こる疾患であり、浮動性めまい(ふわふわ浮くような感覚)や回転性めまい(ぐるぐる回るような感覚)の発作を繰り返し、聴覚障害、耳鳴り(リンギング:キーンという高音、ハミング:ブンブンという低音、あるいはバジング:ブーンという低音)、耳が詰まった感覚(耳閉感)または圧迫感を伴う。通常は成人の、特に中年期に発症する。 メニエール病はどのように治療されるのか? メニエール病の治療には、まず内服薬(錠剤)が使用されることが多いが、症状が改善しない場合は、副腎皮質ステロイ...
7 months ago
メニエール病に対するさまざまな薬の利益とリスクは何か? 要点 メニエール病の治療に使用される経口薬(錠剤)は、臨床現場で日常的に使用されているにもかかわらず、確固たるエビデンスがないため、症状の改善に効果があるかどうかは明らかではない。他の疾患に使用する場合、これらの薬剤は副作用を引き起こす可能性がある。しかし、メニエール病を対象とした研究からの情報が少なすぎて、これらの治療による重大なリスクがあるかどうかがわからない。 いくつかの薬が有効であるかどうかを確認し、治療による有害な影響があるかどうかを評価するためには、より大規模で十分に実施された研究が必要である。 また、メニエール病の患者の症状を測定し、治療が有効であるかどうかを評価するために、どのような方法が最適であるかをさらに検討する必要がある。これには、メニエール病に関するすべての研究で測定されるべき事項のリストである「コア・アウトカムセット」の開発も含まれるべきである。 メニエール病とはどのような病気か? メニエール病は、内耳が影響を受ける病気である。浮動性めまい(ふわふわと浮いているように感じるめまい)や回転性めまい(自分がぐるぐる回るように感じるめまい)の発作を繰り返し、聴力障害、耳鳴り、耳が詰まった感じや圧迫感も生じる。通常、成人が発症し、中年期から発症する。 メニエール病はどのように治療するか? メニエール病の最初...
7 months ago
筋萎縮性側索硬化症/運動ニューロン疾患がある人への診断結果の通知方法 レビューの論点 筋萎縮性側索硬化症(ALS)や運動ニューロン疾患(MND)の診断を伝えることについてのエビデンスを評価することを計画した。 背景 ALSは、MNDとしても知られているが、運動をコントロールしている神経に影響を与える病気である。手足の衰え、呼吸困難、言語障害・嚥下障害など、どんどん障害が進行していく。最も重要なことは、ALS/MNDがある人が、発症から3~5年以内に死に至ることが多いという事実に対処しなければならないことである。診断の際、ALS/MNDがある人やその親族、介護者は大きな苦痛を味わうことになるため、診断をどのように伝えるかを理解することが重要である。ALS/MNDの診断を伝える方法について、ランダム化比較試験(RCT)を広く検索した。 結果 ALS/MNDの診断を伝える方法に関するRCTは見つからなかった。 2022年2月までの文献を検索した。 If you found this evidence helpful, please consider donating to Cochrane. We are a charity that produces accessible evidence to help people make health and care decisions.寄...
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20 hours 4 minutes ago
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