1 year 7 months ago
新生児の処置時の痛みに対する直接授乳または母乳の効果 レビューの論点 新生児が痛みを伴う処置(予防接種、かかとの穿刺、検査のための採血、眼科検診など)を受けている間、直接授乳や補助的な母乳投与(経管栄養や赤ちゃんの口に搾った母乳を含ませる方法)が痛み止めとしてどの程度有効かを調査した。赤ちゃんの痛みに対する反応(心拍数、酸素濃度、血圧の変化、泣いている時間の割合、泣いている時間など)を医療専門家が評価し、赤ちゃんが経験している痛みを測定した。 背景 直接授乳は、痛みを伴う処置を受ける新生児の痛みを和らげる。痛みを和らげる薬は、大きな痛みを伴う手技の場合は一般的に投与されるが、採血(かかとを刺すか、静脈から血液を採取する)のような小さな痛みを伴う手技の場合は投与されないことがある。赤ちゃんの痛みを軽減するために、抱っこや布でくるむ、おしゃぶり、甘味のある液体(ショ糖やブドウ糖など)を与えるなど、薬物を使わないさまざまな方法がある。新生児を対象としたさまざまな研究により、直接授乳は、小さな痛みを伴う処置の際に感じる痛みを軽減する良い方法である可能性が示されている。これらの研究は、満期産の赤ちゃんを対象に行われたもので、直接授乳が赤ちゃんの泣く時間や、赤ちゃんでも使えると検証されているさまざまな痛みスコアを減少させることを実証し、母乳を直接授乳させることが有効である可能性を示している。...
1 year 7 months ago
長期にわたる慢性疼痛を抱える人々にとって、どのような遠隔で配信される心理学的アプローチが症状の改善に役立つのだろうか? 要点 - オンライン認知行動療法は、最も一般的な遠隔で配信される心理療法である。慢性的な痛みを感じている人の痛みや障害を改善する可能性がある。 - 遠隔で配信される心理療法が生活の質(QOL)を向上させるのか、あるいは有害な影響を引き起こすのかは、エビデンスが限られており、その質も限定的であることが多いため、ほとんど不明である。 - 遠隔で配信される心理療法を調査するために、もっともっと良い研究が必要である。今後の研究では、より幅広い技術や治療法を検討し、起こりうる副作用に焦点を当てるべきである。 慢性疼痛に対する遠隔心理療法を検討する理由は? 慢性疼痛とは、3か月以上続く痛みのことである。慢性疼痛は、日常生活や幸福感に大きな影響を与える、一般的な経験である。心理療法は気分や痛みに関連した障害を改善することが分かっている。慢性疼痛に対する最も一般的な心理学的アプローチは認知行動療法(CBT)であり、思考、感情、行動の相互関係に焦点を当て、症状管理をサポートする。 残念ながら、心理療法を受けることは難しいかもしれない。こうしたサービスを提供する有資格の医療専門家の数は限られており、クリニックに通うことが物理的に困難な人もいる。テクノロジー(携帯電話、コンピューター...
1 year 8 months ago
ホルモン療法は、閉経期または閉経後の女性の性機能を改善するか? 要点 - エストロゲン(女性の性的・生殖的発育に関連するホルモン)単独では、おそらくプラセボに比べて性機能スコアが改善する。 - エストロゲンとプロゲストーゲン(別の女性ホルモン)、合成ステロイド(チボロンなど)、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(エストロゲンの働きに影響を与える)、選択的エストロゲン受容体モジュレーターとエストロゲンの併用が、プラセボや無治療と比較して性機能に及ぼす影響については不明である。 - ホルモン治療や投与量の違い、評価に使用した質問紙法の違いにより、結果にばらつきが生じた可能性がある。 更年期障害とその女性への影響とは? 更年期とは、女性の月経が止まることで、通常45歳から55歳くらいである。更年期になると、卵巣は月経を調節するホルモンであるエストロゲンを徐々に分泌しなくなる。エストロゲンの減少は、月経が止まる前(更年期)、閉経中、閉経後に望ましくない症状を引き起こす可能性がある。症状には気分の変化、ほてり、寝汗などがある。性交痛、セックスへの興味の欠如、興奮やオーガズムに関する問題などの性的不満は、閉経後によく見られ、女性の自尊心、自信、性的健康に影響を与える可能性がある。 ホルモン療法とはどのようなもので、女性の性機能にどのように役立つのか? ホルモン療法は、更年期症状の軽減に役...
1 year 8 months ago
重度で持続する神経性食欲不振症患者に対する心理療法 要点 1.重度かつ持続する神経性食欲不振症患者を対象とした1件の小規模研究では、認知行動療法と専門家による支持的臨床管理という2種類の療法が比較された。 2.特定の治療法が他の治療法よりも効果的かどうかを確実に言えるだけのエビデンスはない。 3.重度かつ持続する神経性食欲不振症患者に対する治療の効果を調査するため、より大規模な研究が必要である。 なぜこのレビューが重要なのか? 神経性食欲不振症は摂食障害であり、深刻な精神疾患である。神経性食欲不振症の人は通常、体重が非常に少なく、体重が増えることを強く恐れ、自分の体重に対する歪んだ認識を持っている。神経性食欲不振症の主な治療法は、特定の心理療法と集学的な身体的・栄養的ケアを組み合わせることである。利用できる主な療法は、認知行動療法(CBT)、専門家による支持的臨床管理(SSCM)、神経性食欲不振症の成人のためのモーズレイ式治療(MANTRA)、焦点化精神力動的精神療法(FPT)である。いずれも栄養や身体的なケアに関するアドバイスやカウンセリングを提供するが、心理的な部分のどこに重点を置いているかという点が異なる。CBTは、神経性食欲不振症の行動の根底にある考え(認知)、例えば太ることへの恐怖に対処し、積極的な行動戦略(例えば、不安を引き起こす食物を少しずつ量を増やしながら食べてい...
1 year 8 months ago
保育園、幼稚園、児童養護施設における健康的な食事プログラムは、どの程度成功しているのだろうか? 要点 - 幼児教育と保育(ECEC)の場(保育園、幼稚園、家庭的保育など)で実施される健康的な食事プログラムは、子どもの食事の質を改善し、果物の消費量を増加させ、野菜の消費量に好ましい影響を与える可能性があり、あまり健康的でない食品や砂糖入り飲料の消費量には影響を与えない可能性がある。子どもの体重に良い影響を与え、過体重や肥満のリスクを減らす可能性がある。 - 健康的な食事介入が節約になるのか、望ましくない効果をもたらすのかは、これらの点について情報を提供した研究がほとんどないため、わからない。 - 低中所得国のエビデンスはほとんど見つからなかったが、高所得国の健康的な食事プログラムは子どもの健康に役立つ可能性がある。これらのプログラムを実践するために、教育者やスタッフをどのようにサポートすればいいのかわからない。低所得国でのプログラムの提供やその効果について、もっと研究が必要である。 なぜ小児の食生活を改善することが重要なのか? 不健康な食事は、心臓病、2型糖尿病、ある種の癌を含む多くの長期的な病気のリスクになる。調査によると、不健康な食生活が原因で死亡する人は世界で1,100万人を超えると推定されている。食生活の行動や嗜好は、人生の早い時期に確立され、成人期まで続く。 健康的な食事...
1 year 8 months ago
小児の逆流性食道炎に対する薬 レビューの論点 胃食道逆流の赤ちゃんや子どもにとって、最も安全で最善の治療法は何か? 要点 - 胃食道逆流症/逆流性食道炎の乳児に対する薬物療法のエビデンスは非常に不確かである; - 胃食道逆流症の小児に対するプロトンポンプ阻害薬の効果については、エビデンスが非常に不確かである。他の薬に関しては、結論を出すのに十分な証拠はなかった。 胃食道逆流とは何か? 胃食道逆流は、胃の内容物が食道に逆流することで起こる。ほとんどの赤ちゃん(1歳未満)は逆流の症状が治まるが、薬は役に立つのだろうか?子供(1歳以上)も大人と同じように逆流することがある。逆流は正常な場合もあるが(「生理的逆流」)、乳幼児や小児の場合、食道が炎症を起こし(食道炎)、痛みや体重減少などの症状を引き起こすことがある。逆流の厄介な症状は「胃食道逆流症」(GORD)と呼ばれる。 胃食道逆流はどのように治療するのか? 胃の内容物を濃くする薬(アルギン酸塩)、胃酸を中和する薬(ラニチジン、オメプラゾール、ランソプラゾール)、胃を早く空にする薬(ドンペリドン、エリスロマイシン)などがある。 何を調べようとしたのか? 私たちは、赤ちゃんや子供の逆流を抑える最善の方法を知りたかった。私たちは、薬が乳幼児や小児の気分(症状スコア)を良くするか、食道を治すか(これは内視鏡検査(小さなカメラを食道に入れて検査...
1 year 8 months ago
メンタルヘルスとウェルビーイング(幸福)を向上させるツールとしてのメンタルヘルス・ファーストエイド このレビューの重要性は? メンタルヘルス・ファーストエイドとは、「精神衛生上の問題を発症している人、精神衛生上の問題が悪化している人、精神衛生上の危機に陥っている人に提供される援助」と定義されている。ファーストエイドは、適切な専門家の援助を受けるか、危機が解決するまで行われる。 メンタルヘルス・ファーストエイド(MHFA)は、一般の人々にメンタルヘルス・ファーストエイドを教えることを目的としたトレーニングプログラムである。MHFA訓練はカスケード・モデルで行われ、認定された指導員が研修を実施し、受講生がメンタルヘルス・ファーストエイドのスキルを習得できるよう指導する。訓練を受けた受講生は、職場や組織、地域社会の人々にメンタルヘルス・ファーストエイドを提供する。MHFA研修は、精神衛生問題についての知識を深め、それによって精神衛生問題につきまとうスティグマを軽減することを目的としている。受講生は、支援を受ける人への迅速な支援の提供方法と、必要なサービスに繋げる方法を学ぶ。 このレビューに関心を持つ人は誰か? MHFAトレーニングを検討している個人 従業員と雇用主 政策決定者 このレビューで明らかにしたいことは? メンタルヘルス・ファースト・エイド(MHFA)研修が、MHFA研修が実施...
1 year 8 months ago
中用量の吸入ステロイド薬でコントロール不良な喘息に推奨される治療選択肢 要点 • 中用量の吸入ステロイド薬(ICS)に長時間作用性β2刺激薬(LABA)または長時間作用性抗コリン薬(LAMA)を追加すると、経口ステロイド薬による治療を要する喘息発作が減少する可能性が高い。またICS単独と比較して、良好な症状コントロールのオッズ(達成確率)が増加するが、ICSの用量を2倍にしても、おそらく増加しない。LAMAよりもLABAの方がはるかに多くのデータが見つかった。 • 包含された研究の実施期間は平均わずか6か月であったため、高用量ICSの長期的な副作用について、さらに研究が必要である。ステロイドによる副作用を最小限に抑えるために、ICSは最小有効量で使用することが推奨される。 喘息とは何か、またどのように治療するのか 喘息とは、気道の炎症と狭窄(細く狭くなること)を特徴とする慢性呼吸器疾患であり、喘鳴(ぜんめい)、咳、胸の圧迫感、息切れなどの症状を引き起こす。治療には、発作治療薬(短時間作用性気管支拡張薬など)や必要に応じて発作予防薬(ICSなど)の吸入薬を使用するほか、発作の誘因を避け、健康的な生活習慣を維持することが必要である。 知りたかったこと この研究では、中用量のICSで喘息を上手くコントロールできていない10代および成人を対象に、喘息コントロールを改善するのに最適な方法を...
1 year 8 months ago
視機能、黄斑(目の奥の部位)の保護、および睡眠の質の向上のためのブルーライトフィルター付き眼鏡レンズ 本レビューの目的は何か? 本レビューの目的は、ブルーライトカットレンズとしても知られるブルーライトフィルター付き眼鏡レンズが、視機能、黄斑の保護、および睡眠の質に与え得る利益と安全性について調査することである。本レビューの著者らは、関連するすべての研究を収集、分析し、入手可能な最良のエビデンスをまとめた。 要点 ブルーライトフィルター付きレンズは、通常のレンズと比較して、コンピューター作業による短期的な眼精疲労の軽減には差がない可能性がある。潜在的な有害作用は一時的で、一般的に軽度であり、そのほとんどはレンズ自体よりも、眼鏡全般に関連していると考えられる。 矯正視力(最高矯正視力)、濃淡や模様の違いを識別する能力(コントラスト感度)、色識別、明るい光によるまぶしさ(不快グレア)の軽減、目の奥の網膜(黄斑)の健康状態、睡眠の状態(血中メラトニン濃度や睡眠の質など)、および使用者の満足度など、視機能と睡眠における多くの側面に対するブルーライトフィルター付きレンズの効果についてのエビデンスを得るためには、今後のさらなる研究が必要である。 本レビューでは何が調査されたのか? 主要評価項目は、1か月以上レンズを使用した後に測定された眼精疲労の自覚的および定量的な評価における変化であり、その...
1 year 8 months ago
男性不妊でないカップルの体外受精における顕微授精と一般体外受精との比較 テーマ 体外受精(IVF)中の卵子受精において、総精子数と運動率が正常な男性を持つカップルを対象に、顕微授精(卵細胞質内精子注入法、ICSI)と従来の体外受精(c-IVF)を比較した。 レビューの論点 総精子数と運動率が正常な男性を持つカップルにおける顕微授精と従来の体外受精の効果に関するエビデンスをレビューした。 背景 40年以上前に開始されて以来、体外受精は不妊治療の礎となっている。体外受精の過程では、卵巣を過剰に刺激して複数の卵子を採取する。従来の体外受精の場合、卵子は実験室で精子と一緒に培養され、受精するかどうか待たれる。もともと1992年に発見された顕微授精は、精子の数が少ないことを克服するための受精技術として導入された。顕微授精は現在、体外受精の追加治療としても用いられ、従来の体外受精で受精率が低かったり、完全に受精しなかったりした症例や、軽度の男性不妊症、あるいは原因不明の不妊症の場合にも利用されている。顕微授精が従来の体外受精と比較してより好ましい結果をもたらすかどうかを比較した。 研究の特徴 本レビューは、不妊治療を受けた計1,539組のカップルを対象として、顕微授精と従来の体外受精を比較した3件のランダム化比較試験(RCT)を含んでいる。エビデンスは2023年2月現在のものである。 主な結...
1 year 8 months ago
呼吸器を使用し、脳出血のリスクがある未熟児の痛みや不快感に対処する薬剤 レビューの論点 痛み止め(鎮痛薬)は、正期産(訳注:37週0日~41週6日)よりも早く生まれて(「早産児」)機械的な呼吸補助を必要とする赤ちゃんの脳出血や死亡を減らし、長期的な発達を改善するか 背景 早産児、特に妊娠28週よりも前に生まれた赤ちゃんは、時に脳出血を起こすことがある。脳の出血が重度でなければ、赤ちゃんは完全に回復するか、のちに問題があっても軽度で済むかもしれない。出血が重篤になると死亡するか、のちにいくつか問題が生じる可能性がある。現在のところ、脳出血を予防したり治療したりする対処方法はない。 実施したこと 早産児の脳出血予防のための鎮痛薬を検討したコクラン・レビューを検索した。各レビューの質を評価し、その結果を要約することによって、各治療薬に関連する現在のエビデンスを一か所に集めた。 わかったこと コクラン・レビュー7件とコクラン・レビューのプロトコール(計画書)1件を対象とした。2件のレビューには、対象外の範囲の研究が含まれていた。たとえば、妊娠末期に普通に生まれた赤ちゃんや、呼吸器を必要としない赤ちゃんに焦点を当てたものなどである。それ以外の5件では、パラセタモール(3件)、ミダゾラム(3件)、フェノバルビタール(9件)、オピオイド(20件)、イブプロフェン(5件)が検討されていた。 主な...
1 year 8 months ago
運動ニューロン疾患として知られる筋萎縮性側索硬化症の患者における経腸経管栄養 要点 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者において、経管栄養の使用と経口栄養の継続を比較した、または、異なる種類や方法における栄養チューブ留置の安全性とタイミングを調査したランダム化または準ランダム化(部分ランダム化)比較試験は見つからなかった。ALSは運動ニューロン疾患(MND)の最も一般的な病態であり、この2つの用語はしばしば同じ意味で使われる。 ランダム化試験および準ランダム化試験は、参加者のグループにおける類似性を保証することを目的とした試験である。このような研究は、栄養チューブの挿入が経口栄養の継続と比較して生存期間を延長し、生活の質を改善するかどうかについて、臨床家やALS患者に情報を提供することができる。しかし、質の高いエビデンスがないにもかかわらず、国際的な専門家のコンセンサスやガイドラインがALS患者への経管栄養を支持しているため、このような試験を実施するには倫理的な問題がある。 ALSとは? ALSは、運動を司る神経が機能しなくなる病気である。ALSは衰弱を引き起こし、麻痺の状態になるまで時間の経過とともに悪化する。それは、ほとんどの場合が命に関わるものである。 ALS患者のほとんどが嚥下障害を発症する。これらは深刻な体重減少を引き起こし、患者は食べ物や飲み物を気管に吸い込む危険性がある...
1 year 8 months ago
経鼻カニューレによる高流量酸素療法による新生児の呼吸補助 レビューの論点 経鼻カニューレによる高流量酸素療法は、呼吸のサポートを必要とする重症新生児の健康転帰を改善するか? 背景 新生児が呼吸困難に陥った場合、肺に空気を出し入れする(換気)ために外部からの呼吸サポートが必要になることがある。この呼吸のサポートにはさまざまな方法がある。侵襲的人工呼吸では、赤ちゃんの気管にチューブを挿入して空気を送り込む。非侵襲的人工呼吸では、口や顔に装着するマスクや、鼻孔のすぐ内側に装着する小さなチューブを介して空気を送り込む。これらの方法は、侵襲的人工呼吸に伴う合併症のいくつかを避けることができるため、しばしば好んで用いられる。 高流量経鼻カニューレ(HFNC)酸素療法とは何か? HFNC酸素療法は、非侵襲的呼吸補助の1つである。これは、加温、加湿された酸素ガスを、鼻孔のすぐ内側に配置されたチューブを介して、毎分2リットル以上の流量で供給するもので、他の酸素療法よりも優れた効果をもたらすと提案されている。しかし、生後1か月(新生児期)の正期産児(妊娠37週以降に出生した児)においては、HFNCの安全性と有効性に関するエビデンスは限られており、この集団での使用に関する意見の一致はみられない。 知りたかったこと 高流量経鼻カニューレ酸素療法が、他の非侵襲的支援方法と比較して、生後1か月間に呼吸補助を...
1 year 8 months ago
6歳までの第二言語(L2)学習者への語彙介入 要点 - このレビューに含まれる研究では、第二言語学習者に対する語彙介入は、子どもの第二言語の語彙学習に役立つかもしれないが、リスニングの理解力にはほとんど効果がないことが示唆されている。ただし、そのエビデンスは非常に不確かである。語彙の介入は、おそらくストーリーテリングのスキルを向上させるだろう。 - より長期的な効果を調査するために、第二言語学習者を長期にわたって追跡調査する、より質の高い研究が必要である。これには米国外の学習者も含まれるべきだ。 なぜこのレビューが重要なのか? 第二言語(L2)の能力が限られていると、学業成績に悪影響を及ぼす可能性がある。なぜなら、指導を受ける言語の語彙知識は、読解力、教室での学習、多様性の受け入れにおいて中心となるものだからである。成人期には、(母語(L1)の継続的な言語能力だけでなく)地域言語の熟達は、雇用、良好な人間関係、社会参加の予測材料となる。 レビューの目的は何か? 主な目的は、6歳までの第二言語学習者を対象とした語彙力介入が、語彙力と社会的および情動的なウェル・ビーイング(感情を理解し管理する能力、責任ある決断を下す能力、人間関係を構築し維持する能力、他者を理解し共感する能力)に及ぼす即時的および長期的な影響を調べることであった。第二の目的は、第二言語の語彙介入と第二言語学習者の一般...
1 year 8 months ago
糖尿病患者に対する手術前、手術中および手術後の厳格な血糖管理にはどのような効果があるのか 要点 - 厳格な血糖管理は血糖値の低下を招き、「低血糖」(健康な血糖値を下回ること)のリスクを高める可能性がある。 - 厳格な血糖管理によって死亡率は低下しない。また、感染症および腎障害のリスクは減少せず、入院期間や集中治療室の滞在期間が短縮されることもない。しかし、厳格な血糖管理によって心血管障害のリスクが減少する可能性がある。 - さまざま種類の手術に対する厳格な血糖管理の効果を明らかにするには、さらに多くの研究が必要である。 これまでにわかっていること 周術期とは、病棟への入院、麻酔、術後の回復など、患者ひとりの手術前、手術中、手術後の各段階を網羅した外科手術前後の期間のことである。糖尿病患者は、通常よりも手術後の合併症のリスクが高い。糖尿病は術後の合併症の危険因子としてよく知られており、入院期間の延長、医療資源の利用の増加、さらに死亡率の上昇を引き起こす。最も重大な合併症のひとつが、手術前後の感染症リスクの増加である。しかし、糖尿病患者の手術に伴うリスクを減らすために、周術期に、通常よりも厳格な血糖管理を目指すことが、従来の血糖値を目標とするよりも優れているかどうかは明らかになっていない。 知りたかったこと 前回のレビューの結果は、糖尿病患者に対する手術中の血糖管理方法について明らか...
1 year 8 months ago
機能性月経困難症の治療としての配合経口避妊薬(OCP) 論点 コクランは月経痛(生理痛、月経困難症とも呼ばれる)の治療に対する配合経口避妊薬(OCP)の有効性と安全性に関するエビデンスをレビューした。 背景 OCPは月経痛の治療薬としてしばしば使用されているが、その効果についてのエビデンスは不確かであった。 研究の特徴 OCPの効果をプラセボ(偽薬)、他のOCP、痛みや炎症を抑える非ステロイド性抗炎症薬のいずれかと比較した21件のランダム化比較試験(2つ以上の治療群のうちひとつに無作為に割りつける臨床試験)を特定した。これらの研究には3,723人の女性が含まれていた。ほとんどの女性は、少なくとも中等度以上の痛みを伴う月経痛があった。11件の研究がOCPの製薬会社から資金を提供されていた。2023年3月にデータベースを検索した。 主な結果 OCPとプラセボの比較 OCPは、月経痛のある女性において、プラセボと比較して、月経困難症総合スケール(0~6の範囲)で0.7~1.3ポイント痛みを軽減する(588人の女性を対象とした6件の研究;質の高いエビデンス)。改善を「はい/いいえ」で評価した6件の研究では、OCPは痛みを軽減する可能性があることが示された。プラセボでは28%の確率で症状が改善し、OCPでは37%~60%の確率で改善する可能性がある(質の低いエビデンス)。 OCPは副作用の...
1 year 8 months ago
すべての長期介護環境における身体拘束を防止および削減するための介入 背景 身体拘束(PR)とは、好きな位置に自由に体を動かせないようにする器具である。例として、ベッド柵、ベルト、固定式テーブルなどがあり、これらはベッドや椅子から転落することを防止する。PRは、認知症や歩行困難のある高齢者が、介護施設や自宅で介護を受ける際に、ごく一般的に使用されている。PRを使用する主な理由は、偶発的な転倒や転倒によるけがを防ぐため、あるいは他人の部屋への侵入や、徘徊などにより高齢者自身や他人を危険にさらすことを防ぐためである。 しかし、転倒や転倒によるけがの予防に対するPRの有効性については疑問視されている。実際、体を動かさない時間を増やすことで、歩行障害を悪化させ、転倒のリスクを高める可能性がある。また、恐怖感や怒り、不快感を増やし、幸福度を低下させる可能性もある。その他の予期しない事象には、褥瘡や失禁のリスクの増加、PR自体によるけがなどがある。国によっては、PRの使用はほとんどの状況において違法であり、ガイドラインにより、その使用を減らすか中止することが推奨されている。 何を調べようとしたのか? 介護施設または自宅において長期介護を受けている高齢者に対するPRの使用の防止または削減のために、どのような介入が最も効果的であるかを明らかにしたかった。PRの使用を防止および削減するための介入には...
1 year 8 months ago
新規抗精神病薬ブレクスピプラゾールのうつ病治療における利益と有害性は、ダミー錠や抗うつ薬と比較した場合、どのようなものか? 要点 - 抗うつ薬に追加されたブレクスピプラゾールは、抗うつ薬に追加されたプラセボ(ダミー錠)よりもうつ病の症状を軽減するのに優れている。 - ブレクスピプラゾールは、体重増加やアカシジア(常に動きたくなるような落ち着きのなさ)と関連することが多い可能性がある。 うつ病とは? うつ病は一般的な精神疾患で、気分の落ち込み、喜びを感じられない、睡眠障害、体重減少、疲労や気力の低下、会話や動作が遅くなる、無価値感や過剰な罪悪感、集中力の欠如、自殺を考えるようになるという症状を引き起こす。うつ病と診断されるには、気分の落ち込みや快感の喪失など、これらの症状のうち5つ以上を少なくとも2週間以上経験する必要がある。 どのように治療するか? うつ病の症状が軽度でない限り、治療の最初の選択肢は抗うつ薬であるが、抗うつ薬が初めて処方された場合に効果があるのは半数程度である。抗うつ薬だけではうつ病の治療が十分でない場合、抗うつ薬の効果を助けるために別の薬を追加するという選択肢もある。その他の選択肢としては、抗うつ薬を別の抗うつ薬に変更する、会話療法、電気パルスによる脳への刺激などがある。ブレクスピプラゾールは新しい薬で、単独では効かない抗うつ薬に追加して使用することができる。ブ...
1 year 9 months ago
超早産児または極低出生体重児の壊死性腸炎予防のためのプロバイオティクス 本レビューの論点 プロバイオティクスを超早産児や極低出生体重児に与えることで、壊死性腸炎を防ぐことができるか 背景 超早産児(8週以上早く生まれた児)や極低出生体重児(出生時の体重が1.5 kg未満の児)は、壊死性腸炎を発症するリスク(危険)がある。壊死性腸炎は、乳児の腸の内壁の組織が炎症を起こし、死に至る重篤な疾患である。この疾患は、死亡、重篤な感染症、長期障害、発達障害につながる可能性がある。 知りたかったこと 壊死性腸炎を予防する1つの方法として、プロバイオティクス(潜在的に有益なバクテリアや酵母を含むダイエタリーサプリメント(栄養補助食品))をミルクに添加することが考えられる。我々は、プロバイオティクスの補充が超早産児や極低出生体重児にベネフィット(有益性)があるかどうかを検証したいと考えた。具体的には、プロバイオティクスの補充が、プラセボ(ダミー治療)や無治療よりも改善効果があるかどうか検証したいと考えた。 - 壊死性腸炎 - あらゆる理由による死亡 - 重篤な感染症 - 出生からの入院期間 - 神経発達障害 実施したこと 超早産児・極低出生体重児の壊死性腸炎予防のためのプロバイオティクスの使用を検討したランダム化比較試験(参加者を無作為に2つ以上の治療群のいずれかに割り当てる試験)を同定するために...
1 year 9 months ago
「微小血栓」が新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)を引き起こすというエビデンスは何か、また、血漿交換による微小血栓の除去は正当化されるのか? 要点 1.「微小血栓」という用語は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)後遺症の患者で調査されている粒子に対する正しい用語ではない。「アミロイド・フィブリン粒子」と呼ぶ方が適切である。 2.アミロイド・フィブリン粒子は、健康な人にも他の病気の人にも見られるというエビデンスがある。つまり、COVID-19後遺症に限られたものではない。 3.患者は、プラセボ(ダミー)を比較対象とした、適切なランダム化臨床試験(参加者を2種類以上の治療群のいずれかに無作為に割り当てるタイプの試験)で得られた知見にもとづくことなく、アミロイド・フィブリン粒子の除去を目的とした血漿交換を受けるべきではない。 何を調べようとしたのか? COVID-19後遺症(「ロングCOVID」と呼ばれることもある)とは、COVID-19に感染してから少なくとも12週間が過ぎた後に、患者がさまざまな症状を経験する状態を指す。症状の重さには幅があり、疲労、脳霧(ブレイン・フォグ)、頭痛などが含まれ、生活の質(QOL)の低下につながる。COVID-19後遺症の原因については議論がある。一つの説は、血液中の小さな血栓が原因であるというもので、この血栓を調査した一連...
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18 hours 9 minutes ago
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