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HIV感染者が薬を毎日服用しているかどうかを確認するための良い方法はあるか?

3 years 3 months ago
HIV感染者が薬を毎日服用しているかどうかを確認するための良い方法はあるか? 論点 HIV感染者にとって、HIV治療薬を毎日服用すること(服薬アドヒアランス)は、HIVを制御し続けるために不可欠なことである。HIV治療薬の服薬アドヒアランスを測定するための最適な方法は、血液中のウイルス量を知ることができる「ウイルス量検査」である。しかし、ウイルス量検査は、例えば貧困地域の場合など、どこでも受けられるわけではない。もし、もっと簡単な方法でアドヒアランスを測定することができれば、服薬について援助を必要としている人を見つけるのに役立つ可能性がある。 レビューの目的について このレビューの目的は、その人が服薬を毎日行っているかどうか、あるいはその結果としてウイルス量が多い(検出可能である)かどうかについて、簡単なアドヒアランス測定方法によって知ることができるかどうかを調査することである。アドヒアランスがよくないとわかった人に、ウイルス量の監視を追加で行うことが有効かもしれない。そうすれば、HIVによる合併症の発症や、他人へのHIVの感染を防止できる可能性がある。 どのような研究が見つかったか 2003年から2021年の間に行われた、HIVに感染した小児と成人を対象とした51件の研究が見つかった。これらの研究では、患者自身による報告、錠剤数のチェック、薬局の記録、電子的な記録による管理など...

中耳内に副腎皮質ステロイド(薬)を注入する突発性難聴の治療

3 years 3 months ago
中耳内に副腎皮質ステロイド(薬)を注入する突発性難聴の治療 突発性難聴とは? 突発性難聴とは、突然(通常72時間以内に)聴力が低下したり、聴こえなくなったりすることを特徴とする疾患である。 どうやって治療するか? しばしば、治療には副腎皮質ステロイド(抗炎症薬の一種)(以下、ステロイド)が使われる。この薬は通常、口から飲むか、体内に注射する(全身性ステロイドとして知られている)が、鼓膜から中耳に直接注射することもできる(鼓膜内ステロイドとして知られている)。 何が知りたかったのか? ステロイドの鼓膜内投与が有効かどうか、また、これら二つの治療(鼓膜内投与と全身投与)のどちらがこの疾患の治療に最適であるかは、明らかではない。 何を行ったのか? 結果を比較し、エビデンスをまとめるために、医学文献から関連するすべての研究を検索した。さらに、研究の規模や研究の実施方法などの要素を考慮して、エビデンスがどれほど確実であるかを評価した。評価基準をもとに、エビデンスの確実性を「非常に低い」、「低い」、「中等度」、「高い」に分類した。 何がわかったか? 2133人の参加者を含む30件の研究を見つけた。これらの研究では、ステロイドによる鼓膜内注射のみの治療と、無治療、プラセボ(偽薬またはダミー治療)またはステロイドの内服か体内への注射(全身性ステロイド)を比較した。突発性難聴の治療を初めて受けるか...

COVID-19を診断するための迅速検査の精度は?

3 years 3 months ago
COVID-19を診断するための迅速検査の精度は? 要点 - 迅速抗原検査は、COVID-19の徴候や症状がある人、特に発病後1週間の間に使用すると、最も正確な検査ができる。陰性でも感染している可能性がある。 - 迅速抗原検査は、感染の兆候や症状がない人に使用すると、かなり精度が落ちるが、COVID-19が確認された人と接触したことがある人には、より良い結果が得られる。 - 迅速抗原検査の精度はメーカーごとに異なり、市販されている多くの検査ではエビデンスが不足している。 COVID-19の医療従事者の診察時の迅速検査とは何か? 迅速抗原検査は、COVID-19の症状がある人と症状がない人を対象とした、COVID-19を確認または除外することを目的とする。それらの検査は: - は持ち運びが可能なものなので、患者がいる場所(ポイントオブケア)や自宅などの医療機関以外の環境でも使用することができる; - は、余分な機材や複雑な準備を最小限に抑え、簡単に行うことができる; - は、標準的な実験室での検査よりも安価である; - 専門のオペレーターやセッティングを必要としない; - は、「待っている間」に結果を提供する。 今回のレビューでは、「ラテラルフローテスト」と呼ばれることもある迅速抗原検査に注目した。これらの検査は、鼻や喉から採取したサンプルに含まれるウイルス上のタンパク質を特定する...

Special Collection: Achieving sustainable healthcare through deprescribing of unnecessary medications

3 years 3 months ago

 A new Cochrane Library Special Collection provides an overview of Cochrane Reviews that summarize the potential benefits and harms of deprescribing specific medications and help to inform how to implement deprescribing across different settings and populations.

This collection of reviews highlight that deprescribing is likely feasible and safe and can lead to benefits in prescribing and clinical outcomes. However, they also highlight significant gaps in the literature and methodological challenges to both conducting deprescribing studies and systematic reviews of deprescribing.

Wednesday, July 20, 2022
Muriah Umoquit

注意欠陥多動性障害とてんかんを併存する患者に対する精神刺激薬と非精神刺激薬の薬物療法

3 years 3 months ago
注意欠陥多動性障害とてんかんを併存する患者に対する精神刺激薬と非精神刺激薬の薬物療法 レビューの目的 このコクランレビューの目的は、注意欠陥多動性障害(ADHD)とてんかんの両方を持つ人々の治療において、精神刺激薬と非精神刺激薬の有効性と安全性を確認することである。関連するすべての研究を収集し、分析した。 背景 てんかんは、脳が発作を起こしやすくなっている病気である。ADHDは、不注意、多動性、衝動性により日常生活に支障をきたす疾患である。てんかんの患者がADHDの診断を受けていることはよくある。これらの診断が重なると、教育、職業、家族・社会関係に悪影響を及ぼす可能性がある。 ADHDは薬物療法で管理することができる。薬物には、メチルフェニデートなどの精神刺激薬とアトモキセチンなどの非精神刺激薬がある。これらの薬物は、脳内の異なる神経伝達物質に作用し、集中力や衝動制御を向上させる。精神刺激薬、特にメチルフェニデートがてんかんを悪化させる、あるいは発作を引き起こす可能性が示唆されている。精神刺激薬も非精神刺激薬も、発作を悪化させる可能性があるという警告付きで処方され続けている。 ADHDとてんかんの治療において、精神刺激薬と非精神刺激薬が有効かどうか、安全かどうかはわからない。また、これらの薬に、毎日飲むことを止めてしまうような耐え難い副作用があるかどうかもわかっていない。 レビュ...

神経画像上で脳小血管病を有するが認知症でない人の認知機能低下予防のための抗血栓療法

3 years 3 months ago
神経画像上で脳小血管病を有するが認知症でない人の認知機能低下予防のための抗血栓療法 背景 脳への血流が乱れると、記憶や思考に支障をきたすことがある。脳小血管病と呼ばれる状態では、脳の奥深くを走る最も細い血管に障害が起こる。この損傷は脳卒中を引き起こす可能性があるが、明らかな脳卒中の症状がない人でも脳スキャンで確認することができる。脳小血管病は通常、時間の経過とともに悪化し、人によっては記憶力や思考力の低下を引き起こすことがある。この低下がひどくなり、日常生活を自立して営むことができなくなると、血管性認知症と呼ばれるようになる。アスピリンなどの抗血栓薬で脳卒中を予防できることがわかっている。抗血栓薬が、脳小血管病で見られる記憶力や思考力の低下を防ぐ可能性があるかどうかを知りたいと考えた。 レビューの論点 脳小血管病のある人の記憶力や思考力の低下を防ぐために、抗血栓薬は有効で安全か? 方法 2021年7月21日までの医学文献を検索し、少なくとも24週間にわたって投与された抗血栓薬と比較対象(通常ケアまたはプラセボ(ダミー)錠のいずれか)を比較した研究を探した。公平に比較するために、これらの研究では、抗血栓薬か比較対象の治療かを無作為に割り当てる必要があった。参加者の記憶や思考のテストの成績、身の回りのことをする能力、認知症や脳卒中の発症リスク、副作用(特に出血によるもの)への影響に関...

This week Catherine Spencer starts as Cochrane’s new Chief Executive Officer

3 years 3 months ago

Catherine joins Cochrane from The Seafarers’ Charity where she held the position of CEO.

Governing Board Co-Chairs, Tracey Howe and Catherine Marshall said: "We are delighted to welcome Catherine to Cochrane. Catherine is a proven Chief Executive with an exceptional record leading non-profit organisations. She brings expertise in strategic planning, change management, and communications under pinned by a global perspective. Catherine is well positioned to partner with the Editor-in-Chief, Karla Soares-Weiser, to lead Cochrane as we drive an exciting programme of delivering trusted evidence, promoting informed decisions, and better health.”

Prior to her role at The Seafarers’ Charity, Catherine was acting Chief Operating Officer and Director of Communications and Change Management at international public health research organisation, icddrb, in Dhaka, Bangladesh. Between 2008-2015 Catherine held various senior management roles at the Army Families Federation, including three years as Chief Executive.

Catherine Spencer said, “Like all organisations post-Covid, we have challenges to deal with, but I see so much opportunity for Cochrane in the future. I look forward to what will inevitably be stimulating conversations with the Cochrane Community about what a thriving future Cochrane looks like and what we need to do to achieve that as we build a long-term strategy together.

I spent three and a half years working at icddr,b, in Dhaka, Bangladesh - a large public health research organisation, that at the time was facing enormous financial and structural challenge. Working as part of the Senior Leadership Team, and very closely with the Executive Director and Board, the organization was rejuvenated, meaning its essential public health research could continue. Thus, I come to Cochrane familiar with an organisation managing change and I look forward to working with you, collaboratively to steer Cochrane to success.”

Catherine will meet with the Cochrane Community in two introductory webinars to accommodate different time zones. Invites will be sent directly to Community Members via email.

 

Tuesday, July 12, 2022
Muriah Umoquit

再発上皮性卵巣がんの女性患者に対する単剤化学療法としてのタキサンの投与計画

3 years 3 months ago
再発上皮性卵巣がんの女性患者に対する単剤化学療法としてのタキサンの投与計画 背景 再発上皮性卵巣がんに対する化学療法には、さまざまな選択肢がある。再発時の治療決定は、どの薬剤を使うのかだけでなく、投与量や投与頻度も重要である。タキサン製剤には、週1回(低用量)または3週に1回(高用量)のレジメン(投与経路、投与量、投与頻度などを含む投与計画)があり、そのレジメンによって副作用の重症度や効果に差が出ることがある。再発したということは、治癒不可能ながんであることが示唆されるため、治療の延命効果だけでなく、副作用や治療スケジュールの影響、QOL(生活の質)を考慮することがなお一層重要である。 目的 再発上皮性卵巣がん患者に対して、異なる治療間隔と異なる用量のタキサン系化学療法の利点と副作用を評価すること。 方法 本レビューには、再発上皮性卵巣がん患者に対するタキサン系治療薬2剤以上を比較したランダム化比較試験(RCT)(参加者を2つ以上の治療群のいずれかに無作為に分けて比較する臨床試験)を含めた。検討した臨床結果は以下の通りであった。1)全生存期間 - 参加者の診断後の生存期間、2)奏効率 - 化学療法により卵巣がんが縮小したことを示すスキャンや血液検査の結果が得られた参加者の数、3)無増悪生存期間 - 参加者にがんの進行が認められない生存期間、4)神経毒性 - 通常手足の感覚や運動協...

薬剤に関連した顎骨壊死(顎の骨の重篤な損傷)の管理における介入方法について

3 years 3 months ago
薬剤に関連した顎骨壊死(顎の骨の重篤な損傷)の管理における介入方法について レビューの論点 薬剤に関連して生じる顎骨壊死を予防または治療するための介入方法は、異なる介入方法、あるいは非治療/プラセボ群と比較して、どのような効果があるのか。 背景 薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)とは、がんや骨粗鬆症(骨がもろくなる病気)の治療に一般的に使用されている特定の薬剤の作用により、しばしば発生する顎の骨の重篤な損傷のことである。MRONJは痛みを伴う疾患であり、また治療が困難な場合がある。MRONJは、骨粗鬆症を治療するために薬剤を使用している場合に発生することはまれである。しかし、がんの治療に関連して、これらの薬剤を高い用量で投与されている場合では、MRONJ発生のリスクが高くなる傾向があり、最大で100人に5人の割合で発生すると報告されている。MRONJ発生のリスクを減らすための効果的な予防法を明らかにし、またMRONJに対するより良い治療法を見つけることは重要な課題となっている。 本レビューは、2017年に行われたレビューの更新版であり、2021年6月までに実施された文献の検索に基づいている。 研究の特徴 Cochrane Oral Health(訳者注:口腔衛生を扱うコクラン・レビュー・グループ)の協力のもと、2021年6月までに発表された文献を検索した。結果、MRONJの予防に焦点...

統合失調症に対する集団認知行動療法

3 years 3 months ago
統合失調症に対する集団認知行動療法 レビューの論点 精神疾患を対象とした集団認知行動療法(会話療法)(CBTp)は、標準治療や他の会話療法(例えば、集団または個人を対象としたカウンセリング、支持療法)よりも、統合失調症の患者さんに対して効果的であるか? 統合失調症とは? 統合失調症は、深刻な精神疾患である。妄想(奇妙な信念)、幻覚(そこにないものを見たり聞いたりする)、陰性症状(社会的引きこもり、無気力)、無秩序な行動などが特徴的である。抗精神病薬と呼ばれる薬物が主な治療法であるが、統合失調症の陰性症状には必ずしも効果が高くない。CBTpは精神疾患患者に対する薬物療法の有用な追加治療として提案されているが、統合失調症患者に対する有効性のエビデンスは不明である。CBTpは通常、個人療法であるが、集団で行うこともでき、その方が費用対効果が高い場合もある。統合失調症の患者に対する集団CBTpが有効であるかどうか、受け入れられるかどうかを調べることは重要である。 本レビューで行ったことは何か? コクラン統合失調症グループの情報専門家は、2021年2月10日までに、統合失調症患者において集団CBTpと標準治療または他の心理社会的療法(集団または個人)をランダム化した臨床試験を専門臨床試験登録サイトで検索した。 何がわかったのか? その結果、適格基準を満たし、使用可能なデータを提供した、1,...

抗精神病薬は緊張病症状を持つ統合失調症スペクトラム障害の患者さんに対して安全かつ有効であるか?

3 years 3 months ago
抗精神病薬は緊張病症状を持つ統合失調症スペクトラム障害の患者さんに対して安全かつ有効であるか? 要点 - 抗精神病薬が緊張病症状を伴う統合失調症スペクトラム障害に対して安全かつ有効であるかどうかについては、少人数かつ短期間の治療を行った1件の研究しか見つからず、結果に対する信頼性が非常に低いため、回答することができなかった。 -レビューに組み入れられた1件の研究結果によると、抗精神病薬(リスペリドン)と電気けいれん療法は精神病の緊張病症状と陽性症状を改善する可能性があるが、ロラゼパムが効かない人に関して治療開始後3週間は、電気けいれん療法の方が優れているということがわかった。どちらの治療法でも、異常な副作用や危険な副作用は見つからなかった。 - 緊張病症状を持つ統合失調症スペクトラム障害の患者において、他の治療法と比較した抗精神病薬の利益と潜在的な有害性をよりよく推定するためには、より大規模でよく計画された研究が必要である。 統合失調症スペクトラム障害、緊張病症状とは? 統合失調症および関連するスペクトラム障害は、誤った考え(妄想)や声が聞こえる(幻聴)、考えがまとまらないなど、さまざまな精神症状を呈する重篤な精神疾患である。また、動けない、話せない、コントロールが効かない動作を繰り返すなどの、緊張病の症状を示す人もいる。緊張病症状のある人は、他人と交流したり、コミュニケーション...

児童虐待やネグレクト(訳者注:育児放棄)の報告を改善するための専門家向け児童保護研修

3 years 3 months ago
児童虐待やネグレクト(訳者注:育児放棄)の報告を改善するための専門家向け児童保護研修 要点 - 強力なエビデンスがないため、児童保護研修が、研修なし、または代替の研修(文化的感受性研修など)と比べて、専門家による児童虐待やネグレクトの報告を改善するのに優れているかどうかは不明である。 - より広い範囲の専門家集団を対象とした研修の効果を評価するために、より大規模で良く計画された研究が必要である。 - 今後の研究では、対面式とeラーニングによる介入を比較する必要がある。 なぜ、児童虐待やネグレクトの報告を改善する必要があるのか? 児童虐待やネグレクトは、子どもや家族、そして地域社会に大きな害をもたらす。最も深刻なのは子どもの死亡事故であるが、その他にも身体的な傷害、精神的な問題、アルコールや薬物の乱用、学校や雇用における問題などがある。教師、看護師、医師、警察など多くの職業集団は、法律または組織の方針により、児童虐待やネグレクトを受けている、あるいはその疑いがある児童を発見した場合、法定児童保護当局(訳者注:日本においては児童相談所)に報告することが義務づけられている。報告する必要がある状況に備えるため、さまざまな研修が開発され、利用されている。これらの研修の期間、形式、配信方法はさまざまである。例えば、児童虐待やネグレクトの指標、報告義務や手続きの本質、報告義務に対する態度などに...

フレイル高齢者の移動能力と日常生活動作の機能を向上させるモビリティ・トレーニング

3 years 4 months ago
フレイル高齢者の移動能力と日常生活動作の機能を向上させるモビリティ・トレーニング 背景 フレイル(虚弱な状態)にある高齢者は少なくない。フレイルは、転倒、移動(歩行など)や日常生活動作の困難、入院、死亡の可能性を高める。65歳以上の地域在住者の21%がフレイルであると推測されている。モビリティ・トレーニングでは、特定の作業を実行するために、管理された身体動作を行う。モビリティ・トレーニングの例としては、立ったり座ったりする練習、ウォーキングコースを歩く練習、階段の上り下りの練習などがある。モビリティ・トレーニングは、これらの作業を行うのが困難な場合に利用される。 研究の特性 このコクランレビューは2021年6月までのもので、12件の研究、合計1,317人の参加者を含んでいる。研究は9カ国で実施された。研究の参加者の平均年齢は82歳で、73%が女性であった。6件の試験は政府および研究機関からの資金提供を報告しており、1件の試験は営利目的の支援団体からの資金提供を報告した。 主な成果 - トレーニング期間終了時に移動能力は8%向上した(4%向上~13%向上)(12件の試験、1,151人の参加者)。モビリティ・トレーニングを受けていない人は4.69点(Short Physical Performance Batteryスケールでのスコア。12点満点で示される簡易な身体機能の評価方法で、...

生殖補助医療周期における着床前後の糖質コルチコイド投与

3 years 4 months ago
生殖補助医療周期における着床前後の糖質コルチコイド投与 レビューの論点 このレビューでは体外受精(IVF)または卵細胞質内精子注入法(顕微授精、ICSI)を受けた女性に、胚移植の時期に糖質コルチコイドを投与する場合に、投与しない場合と比較して妊娠の可能性が高まるかどうかを調査した。IVFとICSIはいずれも妊娠成立を補助する治療である。 背景 糖質コルチコイドとは、体内で自然に作られるステロイドホルモンに類似した薬の一種である。これらの薬は炎症を抑え体の免疫系を抑制する。糖質コルチコイドは子宮内膜(子宮の中の胚が着床する組織)の炎症を抑制する。このため、IVFやICSI周期の女性に対し、糖質コルチコイドが胚の着床と妊娠の可能性を高めることが示唆されてきた。 研究の特性 IVF/ICSIを受けた2,232組のカップルを対象とした16件のランダム化比較試験(ランダムに治療法を決定する試験であり、通常治療効果について最も信頼できるエビデンスが得られる)を同定した。胚移植の前後に糖質コルチコイドを投与する場合と投与しない、またはプラセボ(ダミーの治療)を投与する場合とを比較した。エビデンスは2021年12月20年現在のものである。 主な結果 エビデンスの質を考慮すると、糖質コルチコイドが出生率に差をもたらすかは不明であった。エビデンスによると、無治療またはプラセボの出生率を9%とした場合...

COVID-19関連肺機能不全における自発呼吸温存の効果

3 years 4 months ago
COVID-19関連肺機能不全における自発呼吸温存の効果 COVID-19患者の肺機能不全の治療において、早期の自発呼吸は有益か? COVID-19の重症患者は、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)と呼ばれる肺機能不全を呈することがある。そのため、呼吸器を使った侵襲的な人工呼吸が必要となる。人工呼吸器を装着していても、患者自身で呼吸(自発呼吸という)することもできる。しかし、人工呼吸器装着時の自発呼吸が、特に人工呼吸器装着の初期に有益であるかどうかは不明である。 要点 COVID-19による肺機能不全の治療において、自発呼吸が有益であるかどうかのエビデンスは見つからなかった。 ARDSにおける早期の自発呼吸の利点は何か? 人工呼吸中の自発呼吸の利点は、横隔膜(肺の下にある呼吸のための主要な筋肉)の動きが保たれることである。特に横隔膜に近い肺胞(肺の中の小さな気嚢)で、吸った空気をよりよく分散できる。一般に、自発呼吸が可能な換気方法では、鎮静剤(脳の活動を鈍化させる)の投与量を少なくすることが必要である。これらは低血圧の原因となるため、さらに循環器系薬剤の投与を減らすことができる。 ARDSの治療において、早期の自発呼吸は有害なのか? 人工呼吸中の自発呼吸では、肺の圧力変動が大きくなることがある。肺内の圧力差の増大は、人工呼吸器関連肺損傷の主な原因である。 早期自発呼吸を使用しない場合は...

脳卒中を対象とした海洋由来脂肪酸療法

3 years 4 months ago
脳卒中を対象とした海洋由来脂肪酸療法 レビューの論点 脳卒中を対象とした海洋由来オメガ-3脂肪酸の、短期(3か月以下)および長期(3か月以上)経過観察後の効果を評価すること 背景 脳卒中は、脳の血管に起因する疾患群を意味する。脳卒中は、脳血管の出血または閉塞によって生じ、脳細胞の機能が失われる。一過性脳虚血発作(Transient ischaemic attack :TIA)は「軽度脳卒中」ともよばれ、脳への血液供給の一時的な中断である。脳卒中は障害を生じる疾患で、通常、長期間の専門治療を必要とし、現在、脳卒中患者のための治療の選択肢は少ない。脂肪分が多い魚に含まれるオメガ-3脂肪酸(エイコサペンタエン酸(eicosapentaenoic acid :EPA)およびドコサヘキサエン酸(docosahexaenoic acid :DHA))は、脳において重要な機能を果たす。動物研究では、特に非常に早期に投与すれば、脳卒中後の脳細胞を保護するようである。しかし、ヒトにおける脳卒中治療薬としてのEPAおよびDHAの効果は不明である。 研究の特性 脳卒中またはTIAの参加者を含む30件の研究を特定し、そのうち9件(合計3,339人)に関連情報を見いだした。3件は短期経過観察(3か月まで)、6件は長期経過観察だった。3件は海洋由来オメガ3-脂肪酸を通常の治療と比較し、それ以外の研究はプラセ...

過敏性腸症候群をもつ人に対する身体活動の利益と害

3 years 4 months ago
過敏性腸症候群をもつ人に対する身体活動の利益と害 主な結果 - 6週間から24週間の身体活動の介入は、過敏性腸症候群をもつ人々の症状を改善する可能性があるが、そのエビデンスは非常に不確かである。 -QOLと腹痛については、身体活動の介入と通常のケアの間には、おそらくほとんど差がないと思われる。 - 身体活動の介入に関連する副作用を評価するには、試験での報告が不十分であったため、十分なエビデンスがなかった。 身体活動の介入とは? 身体活動とは、筋肉によって生み出され、エネルギー消費につながる身体的な動きのことである。身体活動の例としては、日常生活の一部として行われる活動(家事、買い物)、スポーツやレクリエーション活動、仕事の一部として行われる活動(通勤、肉体労働など)などがある。 運動とは、計画的、構造的、反復的で、総合的な体力を向上または維持することを目的とした身体活動の一部である。ストレッチやバランス感覚を養うための活動も、身体活動や運動の一種と考えられている。 現在、英国保健社会福祉省は、成人が少なくとも週5日、毎日30分以上の身体活動に参加することを推奨している。 身体活動や運動による介入は、冠動脈疾患(心臓に供給する血管の狭窄)、糖尿病、うつ病などの長期的な健康状態の予防と管理に有効であるという強力なエビデンスがある。過敏性腸症候群と診断された人が、身体活動をすることで症...

Cochrane seeks Managing Editor

3 years 4 months ago

Specifications: Full Time (Permanent)
Salary: circa £40,000 per annum
Location: Ideally based in the UK, Germany or Denmark. Candidates from the rest of the world will be considered; however, Cochrane’s Central Executive Team is only able to offer consultancy contracts outside these countries (1-year fixed-term contracts)
Application Closing Date: 7th September 2022

 

Cochrane has established a centrally-resourced Editorial Service to support the efficient and timely publication of high-quality systematic reviews in the Cochrane Library. The reviews that are published through the Central Editorial Service address some of the research questions considered to be the most important to decision makers.

Reporting to the Executive Editor of the Central Editorial Service, the Managing Editor will manage the editorial process of protocols and reviews submitted to the Central Editorial Service. The role-holder should be alert to the demands of delivering high-quality review content for publication in a timely fashion, and work to ensure that deadlines can be met.   

Cochrane is a global, independent network of health practitioners, researchers, patient advocates and others, responding to the challenge of making vast amounts of research evidence useful for informing decisions about health. We do this by synthesizing research findings to produce the best available evidence on what can work, what might harm and where more research is needed. Our work is recognised as the international gold standard for high quality, trusted information. An understanding of Cochrane’s work and health research more generally is an advantage, but not essential.

The majority of Cochrane Central Executive staff are located in London, UK, however flexible locations are possible for the right candidate. Please note, however, that we are only able to offer consultancy contracts outside of the UK, Germany or Denmark.

We will consider extended notice periods if required for applicants who wish to honour existing contracts. We fully support remote and flexible working arrangements. 

How to apply

  • For further information on the role and how to apply, please click here
  • The deadline to receive your application is by 7th September. 
  • The supporting statement should indicate why you are applying for the post, and how far you meet the requirements, using specific examples.
  • Note that we will assess applications as they are received, and therefore may fill the post before the deadline.
  • Read our Recruitment Privacy Statement
Thursday, August 18, 2022 Category: Jobs
Lydia Parsonson