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Updated: 3 hours 52 min ago

学校をベースとした身体活動の介入は、子どもと青年の中高強度の身体活動を増加させ、体力を向上させるか?

Sat, 10/16/2021 - 05:01
学校をベースとした身体活動の介入は、子どもと青年の中高強度の身体活動を増加させ、体力を向上させるか? 要点 学校をベースとした介入は、体力を向上させるかもしれないが、BMI(Body Mass Index、体重が健康的な範囲にあるかどうかを評価するために使用される)に与える影響はほとんど、あるいは全くないかもしれない。しかし、それに関する根拠は明確ではない。 有害な影響があると報告された研究はほとんどない。 実施すべき学校ベースの身体活動プログラムの種類については慎重な検討が必要であり、今後の研究では、学校環境において最適な身体活動介入の種類を特定することが求められる。 なぜ子どもの身体活動を促進することが重要であるのか? 運動(身体活動)不足が原因で死亡する人は、世界で530万人にのぼると推定されており、長期にわたる病気やがんを引き起こす大きなリスク要因となっている。特に、子どもの頃の身体活動のパターンは、大人になってからも同じようなパターンになることが知られているので、これは懸念すべき問題である。子どもが学校で運動するように促すプログラムは、親の行動や子どもの幼少期の社会的・経済的要因など、他の要因にかかわらず、すべての子どもの活動レベルを向上させる方法であると考えられている。 わかったこと 学校で身体活動量を増やすことに重点を置いたプログラムの効果を調べた89件の研究が見つ...

慢性腰痛の治療のための運動

Wed, 10/06/2021 - 13:01
慢性腰痛の治療のための運動 長く続く腰痛の治療に、運動は有効な治療法か? 要点 - 運動は、長期にわたる(慢性)腰痛を持つ人において、無治療、通常の治療、プラセボ(偽治療)と比較して、おそらく痛みを軽減する。 - 運動は、電気治療や教育などの一般的な治療に比べて、痛みを軽減し、障害を改善する可能性がある。 - この分野では多くの研究が行われているが、しっかりとした結論を導き出すためには、より大規模でより良いデザインの研究が必要である。 長く続く腰痛に運動はどのように役立つのか? 長く続く(慢性的な)腰痛は、世界中で障害の原因となっており、医療費や労働時間の損失などの面で多くの費用がかかる。運動療法は、筋力や関節の強化、筋機能や可動域の改善を目的としている。これにより、痛みや障害が軽減され、回復や通常の活動への復帰が早まるはずである。運動療法は、医療従事者が考案または処方するもので、運動の種類、時間、実施方法などは多岐にわたる。運動療法の例としては、グループで行う一般的なフィジカルフィットネスプログラム、ウォーキングプログラムなどの有酸素運動、体幹の安定性を高めるための特定の筋肉や筋肉群の強化などがある。 何を知りたかったのか? 運動が、無治療、通常の治療、プラセボ、その他の一般的な治療よりも、慢性腰痛の人の痛みや障害を改善するかどうかを知りたかった。このレビューにおける慢性腰痛と...

マタニティ・ケアのための生理的異常検出・早期警告システム

Wed, 10/06/2021 - 05:01
マタニティ・ケアのための生理的異常検出・早期警告システム 論点 このレビューの目的は、簡単なモニタリングツールを使用することが、妊婦の臨床上の問題を警告し、妊娠中および出産後6週間の重篤な病気や死亡を減らすのに役立つかどうかを、ランダム化比較試験から明らかにすることである。このようなツールの例としては、マタニティ・ケアのベッドサイドに置いてある異常検出システムや早期警告システムなどがある。 重要である理由 妊娠中は、女性の身体に多くの生理的な機能変化が起こる。その結果、健康で問題ないように見える妊婦さんが、急激に重篤な状態に陥ることがある。これを臨床的悪化という。早期に発見して適切な治療ができなければ、重症化したり死亡することもある。例えば、重篤な出血、血圧上昇時に起こる痙攣、血栓、重篤な感染症などである。産科医療従事者(助産師や医師)は、女性の健康に関する情報を記録するために、簡単なベッドサイドツールやチャートを使用することができる。記録された健康指標は、血圧、脈拍、呼吸数、体温のほか、尿量や精神的な覚醒度などである。ツールは、それぞれの指標が単独ではなく、一緒に観察され、記録され、解釈されるように導入されている。その目的は、重篤な病気の発症やその予兆を検知することである。その時点で医療スタッフが介入することで、深刻な害を防ぐことができる。 得られたエビデンス 2021年5月2...

不妊治療で胚移植を受ける女性がオキシトシンというホルモンを阻害する薬を使うと、子どもを授かる確率が上がるのか?

Wed, 10/06/2021 - 05:01
不妊治療で胚移植を受ける女性がオキシトシンというホルモンを阻害する薬を使うと、子どもを授かる確率が上がるのか? レビューの論点 胚移植を受ける女性にオキシトシンを阻害する薬を使うことのメリットとリスクは何か? 背景 胚移植(ET)は、生殖補助医療(ART)の重要なステップであり、1つまたは複数の胚(受精卵)を子宮に入れることである。子宮内膜の収縮とは、子宮内膜の表面が波のように動くことで、胚移植をする時期にこの収縮があると妊娠率が低下すると言われている。胚が子宮に着床する際の悪影響を抑えるための治療法は、現在のところない。オキシトシンは天然のホルモンで、陣痛の引き金になることが知られている。この働きを阻害する薬は、早産の子宮収縮を止めるために日常的に使用されている(訳者注:日本では未承認)。胚移植の時期の子宮収縮にも同じホルモンが関わっているという説もある。そのため研究者たちは、陣痛を止める薬を使えば、胚移植の時期に子宮収縮が抑えられ、妊娠率が改善する可能性があるのではないかという臨床疑問をたてた。 研究の特徴 胚移植を受けた3733人の女性を対象に、オキシトシンの働きを阻害する薬の使用を評価した研究が11件見つかった。オキシトシンの働きを阻害する薬は、7件のRCTでは静脈注射(アトシバン)、1件のRCTでは皮下注射(バルシバン)、3件のRCTでは経口投与(ノラシバン)で投与され...

早期乳がんに対する乳房部分照射

Wed, 10/06/2021 - 05:01
早期乳がんに対する乳房部分照射 論点 乳がんは、女性が罹患するがんの中で最も頻度の高いものである。 早期乳がんの女性が乳房を残すことを希望する場合、乳房内で確実にがんを再増殖させないために、手術と放射線治療を受ける必要がある。放射線治療は高エネルギーX線を用いて行う治療である。通常、乳がんの放射線治療では、週5回、計15~30回、放射線科に通院する。 乳がんが同じ乳房で再増殖した場合(局所再発という)は、切除したがんがあった同じ場所に再発する傾向がある。また、同じ乳房の異なる部位に新たながん(新たな 「別の場所の原発がん」)が生じることもある。最初のがんが発生した部位での再増殖を抑制する目的で行う放射線治療が、「別の場所の原発がん」の発生を抑制するのかどうかは、まだわかっていない。 重要である理由 副作用を少なくするために、放射線を照射する部分を最小限にすることが望ましい。乳房の一部への照射ですめば、必要に応じて同じ乳房の別の部分に再び放射線治療を行える可能性もある。放射線治療の新しい方法では、乳房の一部をこれまでより少ない照射回数で治療できる。それによって患者への負担が減り、治療費も抑えられる可能性が高い。 比較したこと 放射線治療を乳房の一部に行った場合(いわゆる乳房部分照射)、乳房全体に照射する放射線治療と同じ効果が得られるかどうかを調べた。乳房部分照射は治療期間を短縮して...

クループの子どもに対するヘリウム・酸素(ヘリオックス)療法

Wed, 10/06/2021 - 04:01
クループの子どもに対するヘリウム・酸素(ヘリオックス)療法 レビューの論点 ヘリウムと酸素の混合ガス(ヘリオックス)を吸入することが、偽薬による治療法(プラセボ)や、30%の加湿酸素、エピネフリン(アドレナリン、気道を広げる薬)を添加した100%の酸素などの治療法と比較して、子どものクループの治療に安全で有用であるかどうかを調べた。 背景 クループは、上気道が塞がれてしまう短期の病気である。生後6ヶ月から3歳までの子供に多く、ウイルス感染が原因で、秋から冬にかけて多発する。症状としては、犬が吠えるような咳、嗄れ声、異常な呼吸音、胸壁の引き込み(吸気時に胸壁の皮膚や胸骨が内側に動くこと)などがある。 コルチコステロイド薬は、クループの子どもたちに対する標準的な治療法だが、この治療法の限界は、薬の効果が出るまでに時間がかかることである。重症のクループの子どもたちには、気管チューブや機械的な呼吸補助など、追加の緊急治療が必要になる場合がある。重度のクループの子供には、酸素とアドレナリンを細かい霧状にして吸入する(ネブライズと呼ばれる処置)必要がある。アドレナリンは一般的に安全だが、心拍数が速くなったり、不安になったりする副作用がある。安全で、効果的で、即効性のある治療法を特定することは、子どもとその家族にとって重要である。 ヘリオックス(ヘリウムと酸素の混合ガス)は、空気の流れを良くし...

経腟分娩の補助器具

Sun, 10/03/2021 - 02:01
経腟分娩の補助器具 我々は、経腟分娩を補助するために使用されるさまざまな鉗子と真空吸引カップを評価するために、ランダム化比較試験から得られたエビデンスを使用した。 論点 分娩の後半にあたる第二期(子宮頸部が完全に拡張してから赤ちゃんが出るまでの間)に、器具を使って腟から赤ちゃんの娩出を補助することが必要になることがある。その原因として、母親の疲労、赤ちゃんの苦痛が疑われる状況、または医学的な理由で母親にとって陣痛が長引くのが望ましくないことがある。 器具には、鉗子と真空吸引カップの2種類がある。鉗子はさらに、赤ちゃんの頭が正しい位置にあるときに使う「通常鉗子」と、赤ちゃんの頭を正しい位置に回転させるときに使う「回転鉗子」に分けられる。真空カップには、カップが硬いものと柔らかいものがあり、また、手持ちの吸引装置が付いているものと、足踏み式や電動ポンプにチューブで接続されているものがある。これらの器具の選択は、多くの場合、臨床的な状況によって決定されるが、時には選択の余地がある。 重要である理由 すべての種類の器具は、母体や赤ちゃんに合併症を引き起こす可能性があり、またすべてが失敗する可能性もある。そのため、重大な合併症のリスクを最小限に抑えながら経腟分娩を成功させるためには、臨床状況に応じて適切な器具を選択することが重要である。 どのようなエビデンスが得られたか? 2021年5月1...

心血管疾患予防のための服薬アドヒアランスを支援するために携帯電話で配信される介入

Sun, 10/03/2021 - 02:01
心血管疾患予防のための服薬アドヒアランスを支援するために携帯電話で配信される介入 レビューの論点 心血管疾患(例えば、心臓発作や脳卒中など)を予防するための服薬時に、携帯電話から配信される介入の効果に関するエビデンス(根拠)をまとめた。 背景 毎年約1760万人が心血管疾患で亡くなっている。薬物療法は心血管疾患の予防に役立つことがあるが、これらの薬を投与されている人の多くは、推奨されているほど頻繁には、あるいは常に服用していない。つまり、心血管疾患を予防できるほどには、薬が効かないということである。携帯電話を使った介入、例えばテキストメッセージによる催促などは、人々が推奨された通りに薬を服用できるようにするための低コストの方法であるかもしれない。 研究の特徴 エビデンスは2020年1月までのものである。少なくとも部分的に携帯電話を利用した介入を検証し、少なくとも12ヶ月間参加者を追跡調査した研究が14件見つかった。 主要な結果 介入内容が大きく異なるため、ほとんどの試験の結果を統合することができなかった。2件の研究はバイアスのリスクが低く、12件の研究はバイアスのリスクが高かった。介入の効果が研究間で一貫していなかったため、それらの研究の結果については確信が持てない。血圧の自己測定と携帯電話による遠隔医療サポートは、血圧コントロールを改善する可能性があるが、試験にはバイアスのリス...

長期療養施設におけるSARS-CoV-2感染症を薬物療法以外の対策で予防・軽減できるか?

Sat, 10/02/2021 - 11:01
長期療養施設におけるSARS-CoV-2感染症を薬物療法以外の対策で予防・軽減できるか? 要点 - 薬物療法以外の対策(面会制限や定期的な検査など)により、長期療養施設の入居者やスタッフのSARS-CoV-2感染(COVID-19の原因となるウイルス)を予防できる可能性があるが、その結果の信頼性には懸念がある。 - 特に、実臨床で経験される、より質の高い研究が必要である。 - また、入居者やスタッフの多くがワクチンを接種している施設や、北米・欧州以外の地域での対策についても、さらなる研究が必要である。 薬物療法以外の対策とは何か? 薬物療法以外の対策とは、薬を使わずに病気を予防・軽減する方法のことで、ワクチンなどがこれにあたる。これには、人の動きや接触、個人用防護具(PPE)の使用、定期的な感染に対する検査などが含まれる。 SARS-CoV-2は非常に感染力が強い。ケアハウス(長期介護施設)に入居している高齢者や障がい者は、介護者や来訪者が施設に出入りし、他の人と密接に接触して生活しているため、感染しやすい可能性がある。介護施設の入居者は、高齢や基礎疾患のため、COVID-19で重症化し、死亡するリスクが高くなる。 何を知りたかったのか? 長期介護施設の入居者やスタッフがSARS-CoV-2に感染するのを防ぎ、感染の拡大を抑えるために、薬物療法以外の対策がどれほど有効かを調べたい...

COVID-19感染後の持続的な嗅覚障害(嗅覚機能障害)に対する治療介入

Sat, 10/02/2021 - 11:01
COVID-19感染後の持続的な嗅覚障害(嗅覚機能障害)に対する治療介入 なぜこれが重要なのか? 嗅覚は、匂いや味を楽しむために重要であり、安全のためにも重要である。COVID-19のパンデミックでは、感染に伴う初期症状の一つとして嗅覚の変化に注目が集まっている。その中では、嗅覚の低下、変化、または完全な喪失となったケースがある。ほとんどの人は一時的な症状であったが、中には数週間から数ヶ月続く人もいる。長期間にわたって嗅覚が失われた場合(COVID-19に感染してから4週間以上経過した場合)、嗅覚を回復させる治療法があるかどうかは分かっていない。 どのようにしてエビデンスを特定し、評価したか 医学文献を検索し、関連する試験を特定し、結果をまとめた。研究の質だけでなく、エビデンスの確実性についても評価した。その要因としては、研究の規模、実施方法、研究者による結果の報告方法などが挙げられる。これらの評価結果に基づいて、エビデンスの確実性を「非常に低い」、「低い」、「中等度」、「高い」に分類した。 わかったこと 見つけた唯一の研究が終了している臨床研究では、18人が参加していた。すべての患者は、嗅覚障害が4週間以上続いており、COVID-19の感染後に発症した。嗅覚障害は、研究チームが実施した特別な嗅覚識別テストで確認された。患者さんは、治療あり群と無治療群に無作為に分けられた。このケ...

慢性的な抜毛症(トリコチロマニア)の薬物治療

Sat, 10/02/2021 - 04:01
慢性的な抜毛症(トリコチロマニア)の薬物治療 抜毛症(TTM、トリコチロマニア)は、髪の毛を何度も引っ張って抜いてしまうことを特徴とする、一般的な障害のある状態である。抜毛症は、多くの苦痛や障害を伴うことがある。また、うつ病や不安障害などの他の精神疾患(併存疾患と呼ばれる)と関連している場合もある。研究者たちは、この症状には薬物療法が有効であると提案している。 このレビューに関心をもつ人は誰か? - 抜毛症やその他の一般的な併存疾患を持つ人。 - 抜毛症やその他の一般的な併存疾患を持つ人の家族や友人。 - 心の健康を扱う臨床医、一般開業医、精神科医、心理士、薬剤師。 このレビューでわかることは何か? - 成人や児童・青少年の抜毛症に対して、薬物療法は有効な治療法であるか?つまり、意図した結果があるかどうか? - 抜毛症の成人または児童・青年に対して、薬物療法は症状の重症度を軽減するか? - 抜毛症を発症した成人や児童・青少年のうつ病の症状に対して、薬物療法は有効であるか? - 抜毛症の人にとって、薬は効果的で、副作用の面でも許容できるものであるか? - 薬物療法は生活の質を向上させ、障害を軽減させるか? どのような研究がレビューに含まれたか? - 成人の抜毛症の治療において、薬とプラセボ(対照となる物質/活性のない薬)を比較した9件の研究を対象とした。 - 成人の抜毛症の治療にお...

急性呼吸窮迫症候群(ARDS)患者の人工呼吸における呼気終了時の肺の圧力レベルが高い場合と低い場合の影響について

Fri, 10/01/2021 - 09:01
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)患者の人工呼吸における呼気終了時の肺の圧力レベルが高い場合と低い場合の影響について レビューの論点 我々は、高レベルと低レベルのPEEPの有益性と有害性に関するランダム化比較試験のエビデンスを検索した。成人の急性肺傷害(ALI)および急性呼吸窮迫症候群(ARDS)患者を対象にした。これらの患者は、血中の酸素濃度が低く、それに伴って組織の酸素化も低下している。 PEEPでは、呼気終末時に肺(肺胞)に陽圧をかける。PEEPは、人工呼吸管理を行っている患者において、肺が受動的に空になり肺胞(肺の中でガス交換をする小さな袋状の組織)が虚脱するのを防ぐ働きをする。肺胞の虚脱は、次の呼吸での肺の拡張を妨害し、酸素化の低下につながる。すなわちPEEPは、酸素化を改善するために用いられる。 背景 ALIとARDSは、肺の中の液体が漏れたり、肺胞の広範囲にわたる損傷や肺への液体貯留の原因となる局所的な炎症があったりすることで生じる。液体の貯留は、胸部レントゲン検査で確認できる。肺胞の損傷は、後に瘢痕化(線維化)を引き起こすことがある。一般的な原因は、肺炎や敗血症のような全身性の感染症である。 ALIとARDS患者には、人工呼吸管理(通常気管チューブを用いて、肺に圧をかけて空気を送り込む)が行われる。人工呼吸器は、外部の器械を使用して患者の気道にガスを送り、人工的に呼吸...

限局性前立腺がんに対し後壁補強RALPと標準RALPのいずれを実施すべきか

Sun, 09/26/2021 - 05:01
限局性前立腺がんに対し後壁補強RALPと標準RALPのいずれを実施すべきか レビューの論点 ロボット機器を活用した前立腺摘出術(ロボット支援前立腺全摘出術、RALP)によって前立腺を切除する前立腺がん患者に対して、尿道の背中(後ろ)側の組織の縫合(いわゆる後壁補強)を実施する手術を、実施しない場合(標準RALP)と比較する。 背景 前立腺がん患者の前立腺を摘出する際に泌尿器科医はロボット機器をしばしば用いる。手術後しばらくの間、大半の患者に尿の漏れが発生する。この問題は尿失禁と呼ばれ、多くの場合は術後6~12カ月で改善するが、それまでの間は非常に煩わしいことがある。 研究の特性 後壁補強を実施するRALPと実施しない標準のRALPのいずれかに患者をランダムに割り付けて比較した8件の研究を対象とした。研究参加者の合計は1,085人で、平均年齢は60~67歳であった。参加者のPSA(前立腺特異抗原)の平均値は8.15ng/mLであった。PSAが高いほど前立腺がんが悪化している可能性を示す。 主な結果 後壁補強を実施したRALPは標準RALPと比較してカテーテル抜去後1週間の時点での尿失禁の状態を改善する可能性がある(差がない可能性もある)ことがわかった。一方、術後3カ月時点または12カ月時点での差はわずかであるか、差がないと考えられる。後壁補強を実施したRALPによる重篤な有害事象は...

双極性障害の再発防止策としてのラモトリギン

Wed, 09/22/2021 - 13:01
双極性障害の再発防止策としてのラモトリギン レビューの論点 双極性障害の維持療法におけるラモトリギンの臨床的有効性(有益性と有害性)を、プラセボ、併用療法、既存の薬剤(リチウム、オランザピンなど)と比較して検討する。 背景 ラモトリギンは、双極性障害の維持療法(再発防止のための治療)として承認されている。プラセボと比較して再発のリスクが低いことが示された双極性障害の維持療法として、ラモトリギンは実行可能で効果的な治療戦略となる可能性がある。また、ラモトリギンはリチウムと同等の効果があることも報告されている。そこで、双極性障害の維持療法(再発防止のための治療)におけるラモトリギンの有効性と安全性を検討するために、システマティックレビューを実施した。 主な結果 エビデンスは2021年5月までのものである。今回のレビューでは、11件の研究を対象とし、合計2314名の被験者を対象とした。1146名の参加者がラモトリギンに割り付けられ、1168名の参加者が対照群に割り付けられた(869名がプラセボ、299名がリチウムを投与された)。 レビューの結果、以下のことが判明した。 ラモトリギン対プラセボ 効能:ラモトリギンは、以下のアウトカムにおいて、プラセボよりも優れていることがわかった。 1) 躁症状の再発率の低下 2) 抑うつ症状の抑制 3) すべての症状の再発に対する追加治療薬の必要性が低...

研修会とワークショップによる継続教育:医療従事者の臨床実践と患者の健康に与える影響

Wed, 09/22/2021 - 13:01
研修会とワークショップによる継続教育:医療従事者の臨床実践と患者の健康に与える影響 このレビューの目的は何か? このコクランレビューの目的は、研修会が医療従事者の臨床実践や患者の健康に与える影響を評価することであった。この疑問に答えるために関連するすべての研究を検索し、215件の研究をレビューに含めた。 要点 医療従事者の臨床実践と患者の健康を向上させるためには、研修会のみ、あるいはそれがより大きな方法(訳注:学術集会や全国大会など)の主要な部分を占める研修会であっても、研修会が行われなかったり、受けないよりはよいと思われる。また、医療従事者の臨床実践を改善するためには、他のタイプの行動変容の方法よりも優れているかもしれない。しかし、いくつかのタイプの研修会が、他のものより優れているかどうかはわからない。 レビューでは何を調べたのか? 研修会には、コース、セミナー、ワークショップといった様々な形式がある。医師をはじめとする医療従事者は、継続的な医学教育の一環として研修会を利用することが多い。また、医学会や医療システムを経営する雇用者も、新しい知識や新しいタイプのケアを提示して、最高の臨床を促進するために研修会を利用する。このような研修会の種類は、非常に多岐にわたる。例えば、相互が交流するような参加型のものもあれば、講義形式のものもあるであろう。また、研修会を仕切る人のタイプや参加...

医療消費者(患者、介護者、家族)と医療従事者がパートナーとして連携して医療サービスを計画、提供、評価することで、どのような効果が得られるのか。

Wed, 09/22/2021 - 13:01
医療消費者(患者、介護者、家族)と医療従事者がパートナーとして連携して医療サービスを計画、提供、評価することで、どのような効果が得られるのか。 個人を中心とした医療サービスとは? 従来、医療サービスは医療従事者によって開発され、特定の病気や医学専門分野に焦点を当ててきた。医療サービスの計画、提供、評価において、消費者をパートナーとして参加させることは、個人のニーズを満たし、ケアを提供するのに適したサービスにつながる可能性がある。 このコクラン・レビューを行った理由 世界各国の政府は、医療従事者が消費者と連携して、個人を中心とした医療サービスを促進することを推奨している。しかし、医療従事者と消費者が連携することによる効果は不明である。 私たちは、医療従事者と消費者が連携して医療サービスを計画、提供、評価することの効果について、調査研究から得られたエビデンスを検証した。 具体的には、消費者と医療従事者が定期的に話し合い、医療サービスに関する意思決定に消費者と医療従事者が対等に関わるという形で、消費者と医療従事者が連携して働くことが、以下の項目にどのような影響を与えるかを知りたかった。 - 医療サービスへの変更。 - 医療サービスへの変更がサービス利用者の優先事項をどの程度反映しているか - 利用者による医療サービスの評価 - 医療サービスの利用 - 医療サービスに関する意思決定や行動...

6歳以下の子供の吃音に対する薬を使わない治療法

Fri, 09/17/2021 - 07:01
6歳以下の子供の吃音に対する薬を使わない治療法 このレビューの目的は何か? このレビューの目的は、6歳以下の子どもを対象に、吃音に対する薬を使わない治療によって、短期的および長期的に、言葉の流暢性、子どものコミュニケーション態度、子どものQOL(生活の質)への影響、潜在的な有害な影響が改善されるかどうかを調べることであった。この疑問に答えるために、関連するすべての研究を集めて分析したところ、4件の研究が見つかった。 要点 リドコムプログラムは、研究に含まれた量の治療を受けた幼児の吃音頻度を下げ、発話効率(1分間に話す単語や音節の数)を上げる可能性がある。1年から2年の期間で実施されるプログラムを完了した子どもたちの結果を報告した研究はなく、プログラム全体の影響はまだわかっていない。 治療が長期的にどのように作用したかを報告した研究は1件のみであったが、対照群のほとんどの子どもの結果が欠落していたため、治療の効果をまとめることができなかった。 幼児の吃音治療を評価するためには、より幅広い結果を報告する研究や、リドコムプログラム以外の治療法を評価する研究など、質の高い研究が必要である。 レビューでは何を調べたのか? 吃音(どもり)は、一般的なコミュニケーション障害であり、通常、2歳から4歳の子どもが発症する。吃音は、個々の音声、単語の一部、または単語全体の繰り返し、音声の不随意的な延...

COVID-19の治療にビタミンDは有効かつ安全か?

Thu, 09/16/2021 - 12:01
COVID-19の治療にビタミンDは有効かつ安全か? 要点 - ビタミンDがCOVID-19に罹患した成人患者に対して有効または安全な治療法であるかどうかを判断するのに十分な、質の高いエビデンスは見つからなかった。 - このテーマについては、さらに研究が必要である。今後の研究では、しっかりとした方法でデザインされた研究に焦点を当てたほうがいい。 - このテーマについては、現在進行中の研究が21件見つかった。今後、より多くのエビデンスが得られれば、このレビューを更新する。 ビタミンDとCOVID-19の関連性は? 重症のCOVID-19で入院している人は、ビタミンDの量も少ない(ビタミンD欠乏症)ということを示している研究がある。しかし、COVID-19が重症化する危険因子は、ビタミンD欠乏症を発症する危険因子と同じであるため、ビタミンD欠乏症自体が重症のCOVID-19の危険因子であるかどうかはわからない。リスク因子として、一般的な体調不良、食生活の乱れ、糖尿病や肝臓・腎臓疾患などの既往症などが挙げられる。 ビタミンDは、健康な骨、歯、筋肉に重要な役割を果たす。血糖値の調整、心臓や血管、肺や気道の調節に役立つ。また、体の免疫力を高める役割もある。これらはCOVID-19の影響を受けるので、COVID-19患者にビタミンDを与えることで、より早く回復したり、病状が軽くなったりするか...

成人のうつ病に対するケタミンなどのグルタミン酸受容体モジュレーターの効果

Thu, 09/16/2021 - 00:01
成人のうつ病に対するケタミンなどのグルタミン酸受容体モジュレーターの効果 なぜこのレビューが重要なのか? うつ病は、最も一般的な精神疾患の一つであり、世界で3億5千万人が罹患していると推定されている。大うつ病の患者さんには、最初の治療として抗うつ薬が投与される傾向にある。しかし、これらの薬剤は、1年後には4人に1人程度の効果しかない。うつ病治療のための効果的な代替薬が必要であり、特に迅速な治療が求められている。新しい薬のグループは「グルタミン酸受容体モジュレーター」と呼ばれるもので、グルタミン酸系に作用する。このグループには、ケタミンという薬が含まれている。このレビューでは、ケタミンを含むグルタミン酸受容体モジュレーターの、うつ病治療薬としてのエビデンスを検討した。 このレビューに関心があるだろう人は? - うつ病の人やその友人、家族。 - 一般開業医、精神科医、心理士、薬剤師。 - 成人を対象とするメンタルヘルス業務に携わる医療関係者。 このレビューでわかることは何か? 1.ケタミンをはじめとするグルタミン酸受容体モジュレーターによる治療は、プラセボ(ダミー薬)や他の薬剤による治療よりも効果的であるか? 2.ケタミンやその他のグルタミン酸受容体モジュレーターによる治療は、プラセボや他の薬剤よりも受け入れられやすいか? どのような研究がレビューに含まれているのか? 医療データベー...

COVID-19感染後の持続的な嗅覚障害(嗅覚機能障害)の予防のための介入

Tue, 09/14/2021 - 13:01
COVID-19感染後の持続的な嗅覚障害(嗅覚機能障害)の予防のための介入 なぜこれが重要なのか? COVID-19は、嗅覚に問題を生じることがわかっている。匂いを感じる能力が低下することもあれば、完全に嗅覚が失われることもある。多くの人は短期間で回復するが、数週間から数ヶ月間続く人もいる。このレビューでは、嗅覚を失ってからすぐに(症状が始まってから4週間以内に)、長期的な問題にならないようにするための治療法があるかどうかを検討する。 どのようにしてエビデンスを特定し、評価したか 結果をまとめるために、医学文献から関連するすべての研究を検索した。また、研究の規模や実施方法などを考慮して、エビデンスの確実性を評価した。これらの評価に基づいて、エビデンスの確実性を「非常に低い」、「低い」、「中等度」、「高い」に分類した。 わかったこと 終了した研究は1件しか見つからなかった。これには100人の患者が含まれており、全員が研究開始時に短期間(4週間以内)の嗅覚障害を抱えていた。この研究では、ステロイドの点鼻薬で治療を受けた人と、何も治療を受けなかった人を比較した。また、すべての被験者には、嗅覚の回復を促すために、毎日短時間で特定の香りを嗅ぐ練習をする「嗅覚トレーニング」を行うことが推奨された。研究者は、3週間にわたって患者を追跡し、何が起こったかを確認した。この1回の比較で得られた結果を...

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