Latest Japanese Reviews

高血圧予防に対するカルシウム補充

2 weeks 1 day ago
高血圧予防に対するカルシウム補充 レビューの論点 血圧が正常な人を対象に、カルシウムの摂取が血圧に与える影響を調べた。 背景 高血圧症は、心疾患および腎疾患リスクを高める重篤な健康障害である。複数の研究により、正常範囲の血圧の人であっても、カルシウム摂取量を増やすことで血圧が低下することが示されている。カルシウム摂取量を増やすことで、妊娠転帰に効果があり、その効果は血圧低下にも関係しているようである。高血圧は、死亡率に対する主要な危険因子とされており、血圧がわずかに低下するだけでも、冠動脈疾患、脳卒中および死亡の発生を減少させる可能性がある。 研究の特徴 すべての年齢層の正常血圧の人を対象に、サプリメントや食物の栄養価の強化などの食事性カルシウムでの介入による血圧に対する効果を評価した研究を選択した。最終の検索は2020年9月に実行された。 主な結果 このレビューでは、20試験の情報を分析し、そのうち18件の試験(3,140人)で介入の効果に関するデータが得られた。その結果、カルシウムの摂取量を増やすと、収縮期血圧と拡張期血圧がそれぞれ1.37mmHg低く、1.45mmHg低くなることが分かった。カルシウムの用量が1,000mg/日超で効果が高かった。収縮期血圧は、カルシウムの用量が1,000~1,500mg/日で1.0505mmHg、カルシウムの用量が1,500mg/日以上で2...

疾患による栄養不良の成人に対する食事へのアドバイス

1 month ago
疾患による栄養不良の成人に対する食事へのアドバイス レビューの論点 経口栄養補助食品(ONS)を用いた場合と用いない場合の食事へのアドバイスは、成人の疾患による栄養不良を改善できるか? 背景 病気の人は、食欲がなかったり、薬やその他の治療のために気分が悪くなり、いつもより食べる量が少なくなることがよくある。食べる量が少ない状態が長く続くと、体重が減り、栄養失調になり、さらに健康に悪影響が生じて、死に至ることもある。医療従事者は、適切な食事摂取を取り戻すために、食事の変更についてアドバイスを行うことがある。また、体重を増やして栄養状態や健康状態を改善できるように、高タンパク、高エネルギーの食品を推奨するかもしれない。病気の人に対して、経口栄養補助食品(ONS)を提供することが一般的であるが、その際に、食事摂取内容を変えることへのアドバイスをする場合もあればしない場合もある。 本レビューの疑問に対する最良の答えを見つけるために、次の5つの異なる治療法を比較した研究を検索した:食事へのアドバイス vs アドバイスなし、食事へのアドバイス vs 経口栄養補助食品(ONS)の提供、食事のアドバイス+ONS vs 食事へのアドバイス、食事へのアドバイス+適切な場合にONSの提供 vs 食事へのアドバイスなし、食事へのアドバイス+ONS vs 食事へのアドバイスもONSの提供もなし。研究での比...

下肢を膝から切断することは、膝から上で切断することに比べて、手術後の回復やリハビリテーションの向上につながるのか?

1 month 1 week ago
下肢を膝から切断することは、膝から上で切断することに比べて、手術後の回復やリハビリテーションの向上につながるのか? 背景 世界では毎年、何千人もの人々が、血管の詰まり(血管病)や糖尿病、怪我などの理由で、手術によって下肢を切断(下肢切断)しなければならない状況にある。下肢切断を計画する場合、外科医は脚をどのくらいの高さで切るか、つまり脚をどのくらい残すかを決める必要がある。この判断は、義足(プロテーゼ;ここでは人工の脚)をつけて歩く能力を向上させるために脚をできるだけ長く残すことと、壊死してしまう部分や治らない部分を取り除くというバランスに基づいている。可能であれば、歩行機能を最大限に発揮できるように、外科医は膝を残すように(膝より下で切断)する。それができない場合には、現在、ほとんどの人が太ももの中央部(膝より上)を切断することになる。しかし、別の選択肢として、膝関節そのものにおいて切断することがある。これは、大腿骨の動きをコントロールするすべての筋肉を損傷しないという利点がある。残っている脚が長ければ、歩行時に義足を振り出す力を軽減するテコとして働き、座位バランスやベッドから椅子への移乗を助けることが期待できる。筋肉を切らないことで、手術による身体的外傷を最小限に抑えることができ、出血を減らし、手術時間を短くすることができる。また、大腿骨の端の部分や、場合によっては膝蓋骨が残...

マインドフルネスによる医学生および若手医師の精神的健康状態(ウェルビーイング)の改善

1 month 2 weeks ago
マインドフルネスによる医学生および若手医師の精神的健康状態(ウェルビーイング)の改善 なぜこのレビューが重要なのか? 医療の専門職は、そのやりがいと過酷さが認識されている。医学生や若手医師は、研修期間中に個人的・職業的なストレス要因が増加することが知られている。その結果、彼らの精神的健康(ウェルビーイング)への負担は大きくなる。医学生や若手医師の精神的な健康をサポートすることは、彼らの健康全般のバランスを確保し、また患者のケアや患者の安全という彼らの責務を支援するために、重要である。さらに、医学生や若手医師は時間に余裕がないことが多い。したがって、マインドフルネス(今の心に意識を向けること)がその時間的な拘束を正当化できるほど効果的な介入であるかどうかを検証することが重要である。今回の対象者に対するマインドフルネスを検証したコクランレビューは、これまでなかった。 このレビューに関心をもつ人は誰なのか? 医学生や若手医師、研修レベルや専門性の異なる他の医療従事者、医学生の教育や研修に携わる大学や病院などの機関である。 このレビューでわかることは何か? マインドフルネスに基づく心理的介入は、医学生や若手医師の精神的健康状態にどのような効果をもたらすか? このレビューにはどのような研究が含まれたか? 2021年10月までに発表された、医学生と若手医師を対象としたマインドフルネスに関する...

臨床試験における新しいモニタリング戦略

1 month 2 weeks ago
臨床試験における新しいモニタリング戦略 論点 新しいモニタリング戦略が、モニタリングの所見、参加者の募集、参加者のフォローアップ、臨床試験における資源の使用などに及ぼす影響に関するエビデンスをまとめた。また、検証された戦略のさまざまな構成要素と、プロセス評価から得られた質的なエビデンスをまとめた。 背景 臨床試験のモニタリングは、参加者の安全性と結果の信頼性を確保するために重要である。診療のモニタリングのために新しい方法が開発されているが、患者の権利と安全、試験結果の品質保証の観点から、既存の方法に劣ることなく有効性が向上するかどうか、これらの新しい方法についてさらなる評価が必要である。臨床試験においてこの疑問を検証した研究、すなわち、臨床試験で使用される様々なモニタリング戦略を比較した研究のレビューを実施した。 研究の特性 国内試験や大規模な国際試験を含む幅広い臨床試験において、様々なモニタリング戦略を対象とした8件の研究を対象とした。これらは、一次(一般)、二次(専門)、三次(高度専門)医療施設で行われたものである。研究規模は32人から4371人、施設数は1施設から196施設であった。 主な結果 本レビューでは、5つの比較を特定した。1つ目の比較として、リスクベース(試験の質や安全性に影響を及ぼす可能性のあるリスクを特定し、評価をすること)のモニタリングと広範な現場でのモニタ...

精神病性うつ病の薬物療法

1 month 2 weeks ago
精神病性うつ病の薬物療法 精神病性うつ病とは、精神病的な特徴(妄想や幻覚など)を伴う重度のうつ病のことである。精神病性うつ病に対する最も効果的な薬物治療は、抗うつ薬単独、抗精神病薬単独、あるいは抗うつ薬と抗精神病薬の併用のいずれかであり、不確実性が高い。 このレビューの目的は、精神病性うつ病の治療に用いられてきたさまざまな形態の薬物治療の有効性を比較することである。そのために、すべてのランダム化比較試験(RCT)を分析した。12件のRCTが組み入れ基準を満たした。これらの試験には、合計929人が参加した。 これらの試験から、精神病性うつ病に対して、抗うつ薬と抗精神病薬の併用が、どちらか一方の治療のみの場合よりも有効であるというエビデンスが得られた。しかし、これらの情報は少数のRCTから得られたものであり、少数の人を対象としたものであるため、この結論に対する確信は限られている。さらに、RCTによって対象者のタイプが異なり、これらの試験はデザインも異なるため、自信を持って結果を一般化することはできない。 訳注:  《実施組織》 阪野正大、冨成麻帆 翻訳 [2021.12.14]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコ...

軍人や第一線の救急隊員が実際の配備前に行うレジリエンス構築プログラムは、どのような効果があるか

1 month 2 weeks ago
軍人や第一線の救急隊員が実際の配備前に行うレジリエンス構築プログラムは、どのような効果があるか 軍人や第一線の救急隊員は、トラウマになりそうな出来事を目撃すると、PTSD(心的外傷後ストレス障害)やその他のトラウマに関連した心理的困難に陥る危険性がある。このような出来事には、けがや死亡を目撃したり、隊員がけがや死亡の危険にさらされる状況を経験することが含まれる。理論的には、このような種類のイベントに直面する前に、これら隊員の心理的な回復力を高めることで、心的外傷後の苦痛の発生と重症度を軽減することができるかもしれない。本レビューでは、この種のレジリエンス構築プログラムのエビデンスを特定し、照合した。実験群と対照群を比較するデザイン(ランダム化比較試験(RCT)/クラスターRCT)を用いた研究のみをレビューの対象とした。6,774件以上の記録がスクリーニングされ、28件の研究がレビューの対象として選ばれた。このレビューの対象となったプログラムは、それぞれ異なる理論(「理論的方向性」)に基づいており、提供方法も異なっていた(例:オンライン/オフライン、グループベース/個人ベース)。このようなプログラムが、心理的ストレスの症状に対する回復力を高め、重大事件後のPTSDの診断を防ぐことができるという主張を裏付けるには、まだ十分なエビデンスがない。とはいえ、既存のエビデンスの基盤には限界が...

成人の慢性疼痛の治療における電気的脊髄刺激・後根神経節刺激の利点とリスクは何か?

1 month 3 weeks ago
成人の慢性疼痛の治療における電気的脊髄刺激・後根神経節刺激の利点とリスクは何か? この研究疑問が重要である理由 持続的な(慢性的な)痛みは、あらゆる立場の人に共通する問題である。さまざまな疾患が原因となり、時には原因不明の場合もあるが、多くの場合、大きな苦痛、悩み、障害をもたらし、その人の生活の質に大きな影響を与える。 埋め込み型脊髄神経調節法(SNMD)は、神経や脊髄の周囲の空間にワイヤー(電極)を外科的に埋め込み、通常は患者の皮下に埋め込まれる「パルスジェネレータ」装置に接続する。神経や脊髄に電気刺激を与える。この刺激は、脊髄や脳に送られる危険なメッセージを妨害することで、痛みを感じにくくすると考えられている。一旦、SNMDを装着すると、人々はそのデバイスを装着したまま生活することになり、場合によっては永続的に使用することになる。これらの介入が、痛み、障害、薬の使用を減らし、生活の質を向上させるのに有効であるかどうか、また、これらの介入が引き起こす可能性のある合併症のリスクとタイプを調べるために、エビデンスを検討した。SNMDには大きく分けて、脊髄の近くに電極を置く「脊髄刺激(SCS)」と、脊髄から神経が分岐する神経根の近くに電極を置く「後根神経節刺激(DRGS)」の2種類がある。 どのようにしてエビデンスを特定し、評価したか まず、医学文献に掲載されているすべての関連研究を...

気管支炎で入院中の小児に対する点滴と経鼻胃管または経口胃管による水分補給の比較

1 month 3 weeks ago
気管支炎で入院中の小児に対する点滴と経鼻胃管または経口胃管による水分補給の比較 レビューの論点 気管支炎の小児入院患者の水分補給には、栄養チューブと静脈カテーテルのどちらが適しているか? 背景 気管支炎は幼児によく見られる呼吸器系の感染症で、呼吸の努力性や粘液の分泌量が増えるため食事などによる口からの栄養補給が困難になる。口からの栄養補給が難しいと判断された場合、栄養チューブや静脈カテーテルを使って水分を与える方法がある。栄養チューブは、鼻や口から子どもの胃の中に挿入され、ミルクや補水液などの透明な液体を与えるために使用される。静脈カテーテルは静脈に挿入され、医療用の水分補給液を静脈内に投与する。ある水分補給の方法が他の方法よりも優れているかどうかは明らかではなく、気管支炎で入院した子どもたちがどの方法で水分補給を行われるかは、かなりのばらつきがある。今回のレビューでは、標準的なコクランの手法を用いて、栄養チューブまたは静脈カテーテルのいずれかに子どもを無作為に割り付け、2つの輸液療法の効果を比較した研究を特定した。本レビューは、ある方法が他の方法よりも優れているかどうかを検証することを目的とした。 検索期間 エビデンスは2021年3月8日現在のものである。 研究の特性 気管支炎で入院している子どもで栄養チューブの使用を静脈カテーテルの使用と比較した研究は2件しかなかった。対象と...

赤茶(ローゼル)による成人の血圧低下作用

1 month 4 weeks ago
赤茶(ローゼル)による成人の血圧低下作用 要点: ローゼルを摂取することで、高血圧症(高血圧)の人の血圧が下がるかどうかはわからない。 高血圧症の人がローゼルを摂取しても安全かどうか、心拍数や脈圧に影響を与えるかどうかはわからない。 何を知りたかったのか 私たちは、プラセボ(ダミー治療)や無治療と比較して、赤茶(ローゼル)が成人の高血圧患者の血圧を下げる安全で効果的な治療法であるかどうかを知りたいと思った。ローゼルにはアントシアニンと呼ばれる物質が含まれており、動物や人を対象とした研究では、血圧を下げる効果が認められている。 実施したこと 高血圧症の人を対象に、ローゼルをプラセボまたは無治療と比較した研究を検索した。 わかったこと 2型糖尿病と高血圧を有する60人の被験者を対象とした1件の研究を対象とした。参加者は、純粋なローゼルエキスのカプセルまたは乳糖を含むプラセボのいずれかを8週間にわたって摂取した。ローゼルが血圧に影響を与えるかどうかは定かではないし、この研究ではローゼルの安全性や心拍数の変化については報告されていない。 エビデンスの限界 少数の被験者を対象とし、全員が糖尿病を患っていた試験が1件だけ見つかった。様々なタイプの参加者や、ローゼルの摂取方法(形態、量、時間帯、使用期間)を変えた研究がさらに必要である。 このレビューの更新状況 本レビューは、前回のレビューを更...

集中治療や高度医療を行う病棟以外で入院治療を受けている成人患者のせん妄を予防するための非薬物的アプローチ

2 months ago
集中治療や高度医療を行う病棟以外で入院治療を受けている成人患者のせん妄を予防するための非薬物的アプローチ レビューの論点 集中治療室(ICU、重篤な患者を治療するための専門病棟)で治療を受けている人を含まない、入院中の成人患者のせん妄を予防するための非薬理学的(薬を使わない)アプローチに関するエビデンスを評価した。 背景 せん妄は、成人、特に入院中の高齢患者によく見られる重要な病気である。せん妄は時々「急性錯乱状態」と呼ばれる。典型的には、せん妄患者は変動する混乱状態が突然現れ、集中力、記憶力や思考力の低下、周囲の状況に対する認識の低下、眠気や焦燥感、落ち着きのなさ、そして通常は視覚的な幻覚(実際にはないものが見える)などをしばしば伴う。せん妄は本人やその家族にとって苦痛になり得る。また、入院中に死亡したり、入院期間が長くなったり、退院後に多くの医療が必要になるなどの合併症リスクも高まる。せん妄は、認知症の発症や悪化など、記憶力や思考力の永続的な悪化のリスクを高めるというエビデンスがますます増えている。 非薬理学的アプローチとは、薬を使わず、医療の他の側面に重点を置いたアプローチである。それらはせん妄リスクを低減する上で重要であることはすでに認識されているが、特にせん妄の一般的な危険因子のいくつかを対象とした複数要素介入はそうである。これらの複合的介入のうち、どの要素がせん妄の予...

神経内分泌腫瘍の治療選択肢

2 months ago
神経内分泌腫瘍の治療選択肢 レビューの論点 消化管および膵臓の神経内分泌腫瘍(NET)に対する治療法の安全性と有効性に関するエビデンスをレビューし、治療法の順位付けを行なった。 背景 NETは、多様な希少がんの総称であり、体のどこにでも発生する可能性がある。とはいえ、ほとんどのNETが消化管または膵臓から発生する。NETには多くの種類があり、増殖速度や症状もさまざまである。過剰なホルモンを分泌するNETがある一方、ホルモンを分泌しない、あるいは分泌しても症状が出るほどではないNETもある。治療の選択肢およびその組み合わせや順序は、腫瘍の種類、部位、悪性度、過剰なホルモン産生の有無によって異なる。 これまで、NETに対してどの治療が最も効果的で、有害事象が最も少ないかについて、明確な推奨ができなかった。そこで、入手可能な情報に基づき、統計的手法を用いてすべての治療法を相互に比較した。 研究の特性 2020年12月11日までに発表されたランダム化比較試験(RCT、参加者を治療群に無作為に割り当てる研究)22件、合計4,299人を対象とした。研究間では、腫瘍の部位(消化管および膵臓)、腫瘍の種類、対象患者数、治療法、研究の質に差があった。 主な結果 本解析では、消化管および膵臓NETのいずれでも、全般的にソマトスタチン様薬を含む併用療法の優位性が示唆された。しかし、膵臓NETでは、エベ...

病院における成人への投薬ミスを減らすための介入方法

2 months ago
病院における成人への投薬ミスを減らすための介入方法 臨床疑問の背景 薬剤有害事象(ADE)とは、薬剤に関連した医療介入によって生じる傷害のことである。ADEは、時に、投薬ミスと関連している。ADEや投薬過誤は、重要な損害、コスト、さらには死亡を引き起こす可能性がある。 投薬ミスを減らすための介入としては、患者の投薬指示と患者が服用していた薬を比較するプロセスであるMedication Reconciliation(薬物調整)がある。薬物調整は、電子処方システム、薬剤を正しく投与するためのバーコード、組織の変更、投薬ミスに関するフィードバック、専門家の教育、調剤システムの改善など、他の介入と一緒に行うことができる。 レビューの論点 病院環境で成人への投薬ミスを減らすための介入の有効性は? 入院患者(二次医療機関、三次医療機関、集中治療室、手術室)、外来患者、救命・救急部門を対象とした。 研究の特性 科学的研究のデータベースを検索した。65件の研究を対象とし、そのうち51件はランダム化比較試験であり、病院環境にある23,182人の成人を対象とした。残りの14件の研究は、介入の効果を評価するために介入の前後の長期的な期間を考慮した大規模な分割時系列研究で、87,000人以上の参加者を対象としていた。 エビデンスの確実性 我々は、含まれているエビデンスを評価して、その効果が真実であり、こ...

成人のうつ病に対するオメガ3脂肪酸

2 months ago
成人のうつ病に対するオメガ3脂肪酸 なぜこのレビューが重要なのか? 大うつ病性障害(MDD)は、憂鬱な気分、あらゆる活動に対する興味や喜びの顕著な低下を特徴とする。MDDは個人や社会に悪影響を与え、しばしば長期にわたる。MDDに対する有望な治療の1つがオメガ3油として知られるn-3多価不飽和脂肪酸(n-3PUFA)で、脂肪の多い魚やその他の魚介類、ナッツや種子類に含まれる。さまざまなエビデンスが、n-3PUFAが抑うつ症状に影響する可能性を示唆しているが、知見が異なる研究が多く、結論に達するのは困難である。 このレビューに関心をもつ人は誰か? 総合診療医、メンタルヘルスや精神科の専門医など医療従事者。MDD患者、患者の家族など。 このレビューでわかることは何か? MDDと診断された患者において、n-3PUFAは別の方法と比較して、抑うつ症状、好ましくない副作用、回復率、生活の質、研究からの脱落率に影響を及ぼすか? どのような研究がレビューに含まれたか? このレビューは、同じ手法を用いた以前の論文(Appleton 2015)を更新したものである。MDDと診断された成人にn-3PUFAまたは他の代替物を投与した、2021年1月までに完了したあらゆるランダム化比較試験について、科学的データベースを検索した。 35件の関連研究が含まれている。1,924人を対象とした34件の研究では、n...

脳卒中患者とその介護者への情報提供

2 months ago
脳卒中患者とその介護者への情報提供 レビューの内容は何か? 脳卒中後の人への情報提供の効果に関するエビデンスを検討した。脳卒中や軽度の脳卒中(一過性脳虚血発作(TIA))を発症した人、またはその友人や家族などの介護者を対象にした。主に、脳卒中という病気そのものや脳卒中のケアに関する知識、気分、生活の質(QOL)への影響を調べた。 背景 脳卒中は、血液の供給不足により、突然、脳の機能が失われる病気である。脳卒中は、死亡や身体的・精神的な問題を引き起こす可能性がある。そして、その人の人生や周りの人に大きな影響を与える。 脳卒中の生存者とその介護者は、脳卒中について十分な情報を提供されなかったと訴えることが多い。また、退院後の生活の準備ができていないと感じることが多い。何も考えられなかったという人もいる。情報が説明されなかったり、間違ったタイミングで与えられることもあった。情報は、健康をよりよく管理し、脳卒中後の生活に適応するのに役立つかもしれない。 このレビューでは、多くの情報を与えられた方が良いのか悪いのかを検討した。また、情報の提供の仕方が重要かどうかも検討した。 研究の特性 5,255人の脳卒中患者と3,134人の介護者を対象とした33件の研究が見つかった。11件の研究では、リーフレット、DVD、病歴、個人用パンフレットにより、受動的に情報を提供された。22件の研究では、講演、...

病状が不良な入院患者を認識し、管理するためのチェックリストと専門チーム

2 months ago
病状が不良な入院患者を認識し、管理するためのチェックリストと専門チーム 本レビューの目的は何か 臨床のスタッフは、病状が悪化した成人の入院患者が支援を必要としていることを迅速に認識する必要がある。そのための方法の1つとして、病棟で働く医師や看護師は、バイタルサイン(血圧や脈拍など)のチェックリストを使って、患者の状態が悪化している兆候を認識することができる。また、これらのチェックリストは、迅速な評価と治療のために、医師や看護師の専門チームに患者を紹介する際にも使用される。チェックリストの使用と専門家チームへの紹介が、これらの資源を持たない病棟と比較して、死亡数、集中治療室(ICU)への予定外の入室/再入室、入院期間、および心停止/呼吸停止の数を減少させるかどうかを検証するために、本レビューを実施した。 要点 医師や看護師が、病状が悪化する患者を早期に認識し、管理のために専門家チームに紹介するためのチェックリストは、死亡数、予定外の集中治療室(ICU)への入室数、入院期間、院内での心停止の数において、ほとんど、あるいは全く差がない可能性があるというエビデンスが見つかった。 レビュー結果から分かったこと このコクランレビューでは、医師や看護師が病院内で病状が悪化している患者を認識し、専門チームに紹介するための病院内チェックリストの効果に関する研究から分かったことを紹介する。急性期病棟...

肺炎の予防と治療のためのビタミンC補給

2 months 1 week ago
肺炎の予防と治療のためのビタミンC補給 レビューの論点 成人と小児において、肺炎の予防および治療を目的としたビタミンC補給の役割を、補給しない場合と比較する。 背景 肺炎は、ウイルス、細菌、真菌により引き起こされる胸部感染症である。ビタミンCは免疫系に関与するため、その補給は小児および成人で肺炎の予防と治療に重要となり得る。肺炎の予防と治療におけるビタミンCの役割を評価した。 検索期間 2020年3月4日までの文献を検索した。 研究の特徴 5つの研究と2件の進行中の研究を対象とした。5件の研究には計2,655人が参加し、1つの高所得国(米国)および2つの低中所得国(バングラデシュ、パキスタン)で実施された。3件の研究は病院、1件は学校、1件は軍事訓練センターで行われた。3件の研究に5歳未満の小児が含まれ、1件に学齢期の子供が、1件に成人の参加者が含まれていた。2件の研究が肺炎予防におけるビタミンC補給の効果を、3件の研究は肺炎治療におけるビタミンC補給の効果を評価した。ビタミンCの用量は、125 mg、200 mg、1 g、および2 gであった。 研究の資金源 2件の研究が製薬会社からの資金提供を受けていた。3件の研究は資金提供元について報告されていなかった。 主な結果 肺炎予防のためのビタミンCについて、肺炎の割合(発生率)、一般的な肺炎の頻度(有病率)、肺炎による死亡数(死亡...

成人がん患者にみられる化学療法による悪心・嘔吐の予防には、どのような薬剤の組み合わせがよいか

2 months 1 week ago
成人がん患者にみられる化学療法による悪心・嘔吐の予防には、どのような薬剤の組み合わせがよいか 化学療法による悪心・嘔吐の負担とその予防に役立つものは何か 化学療法は、成人がん患者の約70~80%に対して悪心(吐き気、嘔気)と嘔吐を誘発する(CINV)。化学療法の種類によって、高度催吐性化学療法(高度の吐き気を催すもの)と中等度催吐性化学療法(中等度の吐き気を催すもの)がある。複数の薬剤の組み合わせにより、高度および中等度催吐性化学療法を受けている成人のCINVに対して高い有用性が示されている。 本レビューの目的 ネットワークメタアナリシスを用いて、高度または中等度の催吐性化学療法を受けている患者のCINV予防のためのさまざまな薬剤の組み合わせの有益性と有害性を比較し、治療の順位を明らかにすることを目的とした。ネットワークメタアナリシスとは、すでに発表された試験で報告された異なる治療法を比較するために使用される手法であり、これには元の各試験にそのような比較が記載されていない場合も含まれる。 レビューの対象とした試験 検索対象として選択した医学データベースと試験登録を2021年2月まで検索した。臨床でよく使用されている高度または中等度催吐性化学療法を受けるあらゆる種類のがんの成人患者を対象に、CINVの予防を目的として複数の薬剤の組み合わせを比較した研究を対象とした。特に、化学療法後...

脳卒中回復のための選択的セロトニン再取り込み阻害薬

2 months 1 week ago
脳卒中回復のための選択的セロトニン再取り込み阻害薬 レビューの論点 選択的セロトニン取り込み阻害薬(SSRI)が脳卒中の回復に与える影響は? 背景 脳卒中は身体障害の主な原因の一つである。脳卒中による障害には、トイレや洗濯、歩行などの日常生活に支障をきたすものがある。時には障害が重く、基本的な動作を行うために他人に頼るようになることもある(これを「依存」という)。以前、SSRI(脳内の化学物質のレベルを変化させることで作用する、通常、気分障害の治療に用いられる薬剤の一種)が脳卒中後の回復を改善するかどうかを調べることを目的としたコクラン・レビューはの更新版を発表した。 2019年の更新以降、2つの大規模な研究が完了しているため、このレビューのさらなる更新を行う必要がある。バイアスを回避するための厳密な方法(例えば、脳卒中患者が実薬とプラセボのどちらを投与されたかを評価者が知っているなど)を用いた、質の高い試験のみを主な分析対象とした。これらの研究を「バイアスリスクが低い」研究と呼んでいる。 また、SSRIの他の効果、例えば、腕や脚の脱力感の重症度の改善、気分、不安、認知、生活の質の改善、出血や発作などの副作用の有無などについても調べた。 研究の特性 合計で76件の研究が見つかり、脳卒中後1年以内の脳卒中患者13,029人を対象とした。参加者は幅広い年齢層であった。約半数の研究では...

高齢者の大腿骨頸部骨折からの回復を支援するには、様々な専門分野(多職種)の混合チームが最適か?

2 months 2 weeks ago
高齢者の大腿骨頸部骨折からの回復を支援するには、様々な専門分野(多職種)の混合チームが最適か? 要点 - 老年病の医師やその他の医療専門家が率いる様々な専門性を持つチーム(多職種リハビリテーションチーム)が提供するケアは、通常のケアと比較して、より多くの大腿骨頸部骨折による入院高齢者の回復に貢献する可能性がある。 - 退院後の多職種によるリハビリテーションが通常のケアよりも優れているかどうかは、十分なエビデンスがないためわからない。 - 今後の研究は、人々が早期に退院して地域で支援を受けられるように、様々な専門家が集まって構成される多職種チームが提供する最善の治療法を特定することを目的に行なうべきである。 大腿骨頸部骨折の治療法にはどのようなものがあるか? 高齢者において、大腿骨頸部骨折はよくおこるが、重大な損傷である。大腿骨頸部骨折をした人の約3分の1は、怪我をしてから1年以内に死亡する。大腿骨頸部骨折をした人は、その他の状態により回復が遅くなる場合もある。多くの人が、骨折前の運動能力や自立した生活を取り戻すことができず、その後、介護施設での入所生活が必要になることもある。 通常、大腿骨頸部骨折の治療は、手術後に、運動機能や入浴・着替えなどの日常生活の基本的な機能を回復させるための治療が病棟で行われる。これには、院内の他の部署の人も関わることがある。しかし、大腿骨頸部骨折の人は...
Checked
19 hours 13 minutes ago
Search on cochrane.org for:
Subscribe to Latest Japanese Reviews feed