Latest Japanese Reviews

COVID-19を診断するための迅速検査の精度は?

2 years 5 months ago
COVID-19を診断するための迅速検査の精度は? 要点 - 迅速抗原検査は、COVID-19の徴候や症状がある人、特に発病後1週間の間に使用すると、最も正確な検査ができる。陰性でも感染している可能性がある。 - 迅速抗原検査は、感染の兆候や症状がない人に使用すると、かなり精度が落ちるが、COVID-19が確認された人と接触したことがある人には、より良い結果が得られる。 - 迅速抗原検査の精度はメーカーごとに異なり、市販されている多くの検査ではエビデンスが不足している。 COVID-19の医療従事者の診察時の迅速検査とは何か? 迅速抗原検査は、COVID-19の症状がある人と症状がない人を対象とした、COVID-19を確認または除外することを目的とする。それらの検査は: - は持ち運びが可能なものなので、患者がいる場所(ポイントオブケア)や自宅などの医療機関以外の環境でも使用することができる; - は、余分な機材や複雑な準備を最小限に抑え、簡単に行うことができる; - は、標準的な実験室での検査よりも安価である; - 専門のオペレーターやセッティングを必要としない; - は、「待っている間」に結果を提供する。 今回のレビューでは、「ラテラルフローテスト」と呼ばれることもある迅速抗原検査に注目した。これらの検査は、鼻や喉から採取したサンプルに含まれるウイルス上のタンパク質を特定する...

注意欠陥多動性障害とてんかんを併存する患者に対する精神刺激薬と非精神刺激薬の薬物療法

2 years 5 months ago
注意欠陥多動性障害とてんかんを併存する患者に対する精神刺激薬と非精神刺激薬の薬物療法 レビューの目的 このコクランレビューの目的は、注意欠陥多動性障害(ADHD)とてんかんの両方を持つ人々の治療において、精神刺激薬と非精神刺激薬の有効性と安全性を確認することである。関連するすべての研究を収集し、分析した。 背景 てんかんは、脳が発作を起こしやすくなっている病気である。ADHDは、不注意、多動性、衝動性により日常生活に支障をきたす疾患である。てんかんの患者がADHDの診断を受けていることはよくある。これらの診断が重なると、教育、職業、家族・社会関係に悪影響を及ぼす可能性がある。 ADHDは薬物療法で管理することができる。薬物には、メチルフェニデートなどの精神刺激薬とアトモキセチンなどの非精神刺激薬がある。これらの薬物は、脳内の異なる神経伝達物質に作用し、集中力や衝動制御を向上させる。精神刺激薬、特にメチルフェニデートがてんかんを悪化させる、あるいは発作を引き起こす可能性が示唆されている。精神刺激薬も非精神刺激薬も、発作を悪化させる可能性があるという警告付きで処方され続けている。 ADHDとてんかんの治療において、精神刺激薬と非精神刺激薬が有効かどうか、安全かどうかはわからない。また、これらの薬に、毎日飲むことを止めてしまうような耐え難い副作用があるかどうかもわかっていない。 レビュ...

神経画像上で脳小血管病を有するが認知症でない人の認知機能低下予防のための抗血栓療法

2 years 5 months ago
神経画像上で脳小血管病を有するが認知症でない人の認知機能低下予防のための抗血栓療法 背景 脳への血流が乱れると、記憶や思考に支障をきたすことがある。脳小血管病と呼ばれる状態では、脳の奥深くを走る最も細い血管に障害が起こる。この損傷は脳卒中を引き起こす可能性があるが、明らかな脳卒中の症状がない人でも脳スキャンで確認することができる。脳小血管病は通常、時間の経過とともに悪化し、人によっては記憶力や思考力の低下を引き起こすことがある。この低下がひどくなり、日常生活を自立して営むことができなくなると、血管性認知症と呼ばれるようになる。アスピリンなどの抗血栓薬で脳卒中を予防できることがわかっている。抗血栓薬が、脳小血管病で見られる記憶力や思考力の低下を防ぐ可能性があるかどうかを知りたいと考えた。 レビューの論点 脳小血管病のある人の記憶力や思考力の低下を防ぐために、抗血栓薬は有効で安全か? 方法 2021年7月21日までの医学文献を検索し、少なくとも24週間にわたって投与された抗血栓薬と比較対象(通常ケアまたはプラセボ(ダミー)錠のいずれか)を比較した研究を探した。公平に比較するために、これらの研究では、抗血栓薬か比較対象の治療かを無作為に割り当てる必要があった。参加者の記憶や思考のテストの成績、身の回りのことをする能力、認知症や脳卒中の発症リスク、副作用(特に出血によるもの)への影響に関...

再発上皮性卵巣がんの女性患者に対する単剤化学療法としてのタキサンの投与計画

2 years 5 months ago
再発上皮性卵巣がんの女性患者に対する単剤化学療法としてのタキサンの投与計画 背景 再発上皮性卵巣がんに対する化学療法には、さまざまな選択肢がある。再発時の治療決定は、どの薬剤を使うのかだけでなく、投与量や投与頻度も重要である。タキサン製剤には、週1回(低用量)または3週に1回(高用量)のレジメン(投与経路、投与量、投与頻度などを含む投与計画)があり、そのレジメンによって副作用の重症度や効果に差が出ることがある。再発したということは、治癒不可能ながんであることが示唆されるため、治療の延命効果だけでなく、副作用や治療スケジュールの影響、QOL(生活の質)を考慮することがなお一層重要である。 目的 再発上皮性卵巣がん患者に対して、異なる治療間隔と異なる用量のタキサン系化学療法の利点と副作用を評価すること。 方法 本レビューには、再発上皮性卵巣がん患者に対するタキサン系治療薬2剤以上を比較したランダム化比較試験(RCT)(参加者を2つ以上の治療群のいずれかに無作為に分けて比較する臨床試験)を含めた。検討した臨床結果は以下の通りであった。1)全生存期間 - 参加者の診断後の生存期間、2)奏効率 - 化学療法により卵巣がんが縮小したことを示すスキャンや血液検査の結果が得られた参加者の数、3)無増悪生存期間 - 参加者にがんの進行が認められない生存期間、4)神経毒性 - 通常手足の感覚や運動協...

薬剤に関連した顎骨壊死(顎の骨の重篤な損傷)の管理における介入方法について

2 years 5 months ago
薬剤に関連した顎骨壊死(顎の骨の重篤な損傷)の管理における介入方法について レビューの論点 薬剤に関連して生じる顎骨壊死を予防または治療するための介入方法は、異なる介入方法、あるいは非治療/プラセボ群と比較して、どのような効果があるのか。 背景 薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)とは、がんや骨粗鬆症(骨がもろくなる病気)の治療に一般的に使用されている特定の薬剤の作用により、しばしば発生する顎の骨の重篤な損傷のことである。MRONJは痛みを伴う疾患であり、また治療が困難な場合がある。MRONJは、骨粗鬆症を治療するために薬剤を使用している場合に発生することはまれである。しかし、がんの治療に関連して、これらの薬剤を高い用量で投与されている場合では、MRONJ発生のリスクが高くなる傾向があり、最大で100人に5人の割合で発生すると報告されている。MRONJ発生のリスクを減らすための効果的な予防法を明らかにし、またMRONJに対するより良い治療法を見つけることは重要な課題となっている。 本レビューは、2017年に行われたレビューの更新版であり、2021年6月までに実施された文献の検索に基づいている。 研究の特徴 Cochrane Oral Health(訳者注:口腔衛生を扱うコクラン・レビュー・グループ)の協力のもと、2021年6月までに発表された文献を検索した。結果、MRONJの予防に焦点...

統合失調症に対する集団認知行動療法

2 years 5 months ago
統合失調症に対する集団認知行動療法 レビューの論点 精神疾患を対象とした集団認知行動療法(会話療法)(CBTp)は、標準治療や他の会話療法(例えば、集団または個人を対象としたカウンセリング、支持療法)よりも、統合失調症の患者さんに対して効果的であるか? 統合失調症とは? 統合失調症は、深刻な精神疾患である。妄想(奇妙な信念)、幻覚(そこにないものを見たり聞いたりする)、陰性症状(社会的引きこもり、無気力)、無秩序な行動などが特徴的である。抗精神病薬と呼ばれる薬物が主な治療法であるが、統合失調症の陰性症状には必ずしも効果が高くない。CBTpは精神疾患患者に対する薬物療法の有用な追加治療として提案されているが、統合失調症患者に対する有効性のエビデンスは不明である。CBTpは通常、個人療法であるが、集団で行うこともでき、その方が費用対効果が高い場合もある。統合失調症の患者に対する集団CBTpが有効であるかどうか、受け入れられるかどうかを調べることは重要である。 本レビューで行ったことは何か? コクラン統合失調症グループの情報専門家は、2021年2月10日までに、統合失調症患者において集団CBTpと標準治療または他の心理社会的療法(集団または個人)をランダム化した臨床試験を専門臨床試験登録サイトで検索した。 何がわかったのか? その結果、適格基準を満たし、使用可能なデータを提供した、1,...

抗精神病薬は緊張病症状を持つ統合失調症スペクトラム障害の患者さんに対して安全かつ有効であるか?

2 years 5 months ago
抗精神病薬は緊張病症状を持つ統合失調症スペクトラム障害の患者さんに対して安全かつ有効であるか? 要点 - 抗精神病薬が緊張病症状を伴う統合失調症スペクトラム障害に対して安全かつ有効であるかどうかについては、少人数かつ短期間の治療を行った1件の研究しか見つからず、結果に対する信頼性が非常に低いため、回答することができなかった。 -レビューに組み入れられた1件の研究結果によると、抗精神病薬(リスペリドン)と電気けいれん療法は精神病の緊張病症状と陽性症状を改善する可能性があるが、ロラゼパムが効かない人に関して治療開始後3週間は、電気けいれん療法の方が優れているということがわかった。どちらの治療法でも、異常な副作用や危険な副作用は見つからなかった。 - 緊張病症状を持つ統合失調症スペクトラム障害の患者において、他の治療法と比較した抗精神病薬の利益と潜在的な有害性をよりよく推定するためには、より大規模でよく計画された研究が必要である。 統合失調症スペクトラム障害、緊張病症状とは? 統合失調症および関連するスペクトラム障害は、誤った考え(妄想)や声が聞こえる(幻聴)、考えがまとまらないなど、さまざまな精神症状を呈する重篤な精神疾患である。また、動けない、話せない、コントロールが効かない動作を繰り返すなどの、緊張病の症状を示す人もいる。緊張病症状のある人は、他人と交流したり、コミュニケーション...

児童虐待やネグレクト(訳者注:育児放棄)の報告を改善するための専門家向け児童保護研修

2 years 5 months ago
児童虐待やネグレクト(訳者注:育児放棄)の報告を改善するための専門家向け児童保護研修 要点 - 強力なエビデンスがないため、児童保護研修が、研修なし、または代替の研修(文化的感受性研修など)と比べて、専門家による児童虐待やネグレクトの報告を改善するのに優れているかどうかは不明である。 - より広い範囲の専門家集団を対象とした研修の効果を評価するために、より大規模で良く計画された研究が必要である。 - 今後の研究では、対面式とeラーニングによる介入を比較する必要がある。 なぜ、児童虐待やネグレクトの報告を改善する必要があるのか? 児童虐待やネグレクトは、子どもや家族、そして地域社会に大きな害をもたらす。最も深刻なのは子どもの死亡事故であるが、その他にも身体的な傷害、精神的な問題、アルコールや薬物の乱用、学校や雇用における問題などがある。教師、看護師、医師、警察など多くの職業集団は、法律または組織の方針により、児童虐待やネグレクトを受けている、あるいはその疑いがある児童を発見した場合、法定児童保護当局(訳者注:日本においては児童相談所)に報告することが義務づけられている。報告する必要がある状況に備えるため、さまざまな研修が開発され、利用されている。これらの研修の期間、形式、配信方法はさまざまである。例えば、児童虐待やネグレクトの指標、報告義務や手続きの本質、報告義務に対する態度などに...

フレイル高齢者の移動能力と日常生活動作の機能を向上させるモビリティ・トレーニング

2 years 5 months ago
フレイル高齢者の移動能力と日常生活動作の機能を向上させるモビリティ・トレーニング 背景 フレイル(虚弱な状態)にある高齢者は少なくない。フレイルは、転倒、移動(歩行など)や日常生活動作の困難、入院、死亡の可能性を高める。65歳以上の地域在住者の21%がフレイルであると推測されている。モビリティ・トレーニングでは、特定の作業を実行するために、管理された身体動作を行う。モビリティ・トレーニングの例としては、立ったり座ったりする練習、ウォーキングコースを歩く練習、階段の上り下りの練習などがある。モビリティ・トレーニングは、これらの作業を行うのが困難な場合に利用される。 研究の特性 このコクランレビューは2021年6月までのもので、12件の研究、合計1,317人の参加者を含んでいる。研究は9カ国で実施された。研究の参加者の平均年齢は82歳で、73%が女性であった。6件の試験は政府および研究機関からの資金提供を報告しており、1件の試験は営利目的の支援団体からの資金提供を報告した。 主な成果 - トレーニング期間終了時に移動能力は8%向上した(4%向上~13%向上)(12件の試験、1,151人の参加者)。モビリティ・トレーニングを受けていない人は4.69点(Short Physical Performance Batteryスケールでのスコア。12点満点で示される簡易な身体機能の評価方法で、...

生殖補助医療周期における着床前後の糖質コルチコイド投与

2 years 5 months ago
生殖補助医療周期における着床前後の糖質コルチコイド投与 レビューの論点 このレビューでは体外受精(IVF)または卵細胞質内精子注入法(顕微授精、ICSI)を受けた女性に、胚移植の時期に糖質コルチコイドを投与する場合に、投与しない場合と比較して妊娠の可能性が高まるかどうかを調査した。IVFとICSIはいずれも妊娠成立を補助する治療である。 背景 糖質コルチコイドとは、体内で自然に作られるステロイドホルモンに類似した薬の一種である。これらの薬は炎症を抑え体の免疫系を抑制する。糖質コルチコイドは子宮内膜(子宮の中の胚が着床する組織)の炎症を抑制する。このため、IVFやICSI周期の女性に対し、糖質コルチコイドが胚の着床と妊娠の可能性を高めることが示唆されてきた。 研究の特性 IVF/ICSIを受けた2,232組のカップルを対象とした16件のランダム化比較試験(ランダムに治療法を決定する試験であり、通常治療効果について最も信頼できるエビデンスが得られる)を同定した。胚移植の前後に糖質コルチコイドを投与する場合と投与しない、またはプラセボ(ダミーの治療)を投与する場合とを比較した。エビデンスは2021年12月20年現在のものである。 主な結果 エビデンスの質を考慮すると、糖質コルチコイドが出生率に差をもたらすかは不明であった。エビデンスによると、無治療またはプラセボの出生率を9%とした場合...

COVID-19関連肺機能不全における自発呼吸温存の効果

2 years 5 months ago
COVID-19関連肺機能不全における自発呼吸温存の効果 COVID-19患者の肺機能不全の治療において、早期の自発呼吸は有益か? COVID-19の重症患者は、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)と呼ばれる肺機能不全を呈することがある。そのため、呼吸器を使った侵襲的な人工呼吸が必要となる。人工呼吸器を装着していても、患者自身で呼吸(自発呼吸という)することもできる。しかし、人工呼吸器装着時の自発呼吸が、特に人工呼吸器装着の初期に有益であるかどうかは不明である。 要点 COVID-19による肺機能不全の治療において、自発呼吸が有益であるかどうかのエビデンスは見つからなかった。 ARDSにおける早期の自発呼吸の利点は何か? 人工呼吸中の自発呼吸の利点は、横隔膜(肺の下にある呼吸のための主要な筋肉)の動きが保たれることである。特に横隔膜に近い肺胞(肺の中の小さな気嚢)で、吸った空気をよりよく分散できる。一般に、自発呼吸が可能な換気方法では、鎮静剤(脳の活動を鈍化させる)の投与量を少なくすることが必要である。これらは低血圧の原因となるため、さらに循環器系薬剤の投与を減らすことができる。 ARDSの治療において、早期の自発呼吸は有害なのか? 人工呼吸中の自発呼吸では、肺の圧力変動が大きくなることがある。肺内の圧力差の増大は、人工呼吸器関連肺損傷の主な原因である。 早期自発呼吸を使用しない場合は...

脳卒中を対象とした海洋由来脂肪酸療法

2 years 5 months ago
脳卒中を対象とした海洋由来脂肪酸療法 レビューの論点 脳卒中を対象とした海洋由来オメガ-3脂肪酸の、短期(3か月以下)および長期(3か月以上)経過観察後の効果を評価すること 背景 脳卒中は、脳の血管に起因する疾患群を意味する。脳卒中は、脳血管の出血または閉塞によって生じ、脳細胞の機能が失われる。一過性脳虚血発作(Transient ischaemic attack :TIA)は「軽度脳卒中」ともよばれ、脳への血液供給の一時的な中断である。脳卒中は障害を生じる疾患で、通常、長期間の専門治療を必要とし、現在、脳卒中患者のための治療の選択肢は少ない。脂肪分が多い魚に含まれるオメガ-3脂肪酸(エイコサペンタエン酸(eicosapentaenoic acid :EPA)およびドコサヘキサエン酸(docosahexaenoic acid :DHA))は、脳において重要な機能を果たす。動物研究では、特に非常に早期に投与すれば、脳卒中後の脳細胞を保護するようである。しかし、ヒトにおける脳卒中治療薬としてのEPAおよびDHAの効果は不明である。 研究の特性 脳卒中またはTIAの参加者を含む30件の研究を特定し、そのうち9件(合計3,339人)に関連情報を見いだした。3件は短期経過観察(3か月まで)、6件は長期経過観察だった。3件は海洋由来オメガ3-脂肪酸を通常の治療と比較し、それ以外の研究はプラセ...

過敏性腸症候群をもつ人に対する身体活動の利益と害

2 years 5 months ago
過敏性腸症候群をもつ人に対する身体活動の利益と害 主な結果 - 6週間から24週間の身体活動の介入は、過敏性腸症候群をもつ人々の症状を改善する可能性があるが、そのエビデンスは非常に不確かである。 -QOLと腹痛については、身体活動の介入と通常のケアの間には、おそらくほとんど差がないと思われる。 - 身体活動の介入に関連する副作用を評価するには、試験での報告が不十分であったため、十分なエビデンスがなかった。 身体活動の介入とは? 身体活動とは、筋肉によって生み出され、エネルギー消費につながる身体的な動きのことである。身体活動の例としては、日常生活の一部として行われる活動(家事、買い物)、スポーツやレクリエーション活動、仕事の一部として行われる活動(通勤、肉体労働など)などがある。 運動とは、計画的、構造的、反復的で、総合的な体力を向上または維持することを目的とした身体活動の一部である。ストレッチやバランス感覚を養うための活動も、身体活動や運動の一種と考えられている。 現在、英国保健社会福祉省は、成人が少なくとも週5日、毎日30分以上の身体活動に参加することを推奨している。 身体活動や運動による介入は、冠動脈疾患(心臓に供給する血管の狭窄)、糖尿病、うつ病などの長期的な健康状態の予防と管理に有効であるという強力なエビデンスがある。過敏性腸症候群と診断された人が、身体活動をすることで症...

成人の慢性歯周病(歯周炎)に対する、すべての歯(全顎)の24時間以内の治療

2 years 5 months ago
成人の慢性歯周病(歯周炎)に対する、すべての歯(全顎)の24時間以内の治療 背景 長く続く歯周病(歯周炎)は、歯の周りの軟組織(歯肉)や骨に損傷を与え、歯を失うこともある一般的な慢性炎症性疾患である。手術以外の治療法で、疾患を止めたりコントロールをする。これらは、「歯肉縁下インスツルメンテーション」、つまり、感染した歯根面から歯肉の下にある細菌を機械的に除去することを基本とする。 従来の治療は、数週間かけて2~4回に分けて行われ、毎回、口の中の異なる部分(または「象限(訳注:分割した場所)」)をスケーリングする。これは従来、「スケーリング(訳注:歯の表面の歯石などの汚れを除去すること)とルートプレーニング(訳注:歯の根本の表面の汚れを除去こと)」(SRP)として知られている。また、24時間以内に1~2回のセッションで口全体を治療する方法もある(全顎スケーリング(FMS)と呼ばれる)。全顎スケーリングに消毒薬(例:クロルヘキシジン)を加えた場合、この介入は「全顎除菌」(FMD)と言う。全顎アプローチの理論的根拠は、すでに治療を受けた箇所での再感染の可能性を減らすことができるかもしれないということである。 レビューの論点 本レビューは、コクランオーラヘルスグループで行われたもので、2008年に発表されたレビューの2度目の更新である。24時間以内の全顎治療(FMS、FMD)の効果を数週...

嚢胞性線維症に対する短時間作用型吸入気管支拡張薬

2 years 5 months ago
嚢胞性線維症に対する短時間作用型吸入気管支拡張薬 レビューの論点 嚢胞性線維症患者における短時間作用型吸入気管支拡張剤(気道を広げて開き、呼吸をしやすくする治療法)の使用に関するエビデンスを検討した。短時間作用型気管支拡張剤は、すぐに効果が現れ、一般に4~6時間持続する。短時間作用型吸入気管支拡張薬の種類、投与量、デバイス(吸入器、ネブライザー)の種類を問わないものとした。 ネブライザーも吸入器も、薬を届ける器具である。ネブライザーは、液状の薬剤を吸い込みやすい霧状にしたものである。種類はさまざまであるが、使用するには充電池などの電源が必要である。吸入器は、手持ちの手動式装置で薬を短時間に噴射する(エアゾールまたはドライパウダーとして)。最も一般的な吸入器は定量噴霧式吸入器である。吸入器には、スペーサー(吸入器のマウスピースに装着するプラスチック製の空のチューブ)を使用することができる。 吸入気管支拡張剤は、呼吸を助け、肺の粘液を排出しやすくするために、多くの嚢胞性線維症の患者に使用されている。これらの治療が、プラセボ(ダミー)治療や他の種類の短時間作用型吸入気管支拡張剤よりも優れているかどうかを知りたかった。 検索期間 エビデンスは2022年3月28日までのものである。 試験の特徴 レビューには、5歳 から 40 歳 までの嚢胞性線維症患者 191 人 を対象とした 11 件の...

合併症のない憩室炎に対する抗菌薬の投与

2 years 6 months ago
合併症のない憩室炎に対する抗菌薬の投与 憩室炎は、憩室と呼ばれる部分に炎症が起きている状態である。憩室は、腸の壁が弱くなっている状態である。憩室はよく知られており、特に60歳以上の高齢者に多く、無症状であることが多い。憩室炎は、発熱などの感染の兆候を伴う腹痛や圧痛として現れることがある。ほとんどの場合、憩室炎は合併症なく治癒するが、中には合併症を発症し、緊急手術が必要になる患者もいる。 合併症のない急性憩室炎がこのレビューの焦点である。急性憩室炎は従来、大腸で細菌が過剰に繁殖した感染症とされ、抗菌薬で治療されてきた。最近では、憩室炎は感染症ではなく、炎症性疾患である可能性が高いとされ、抗菌薬の使用には疑問が持たれている。その結果、抗菌薬を使用しない治療レジメンへの移行が見られるようになった。合併症のない憩室炎に対する抗菌薬の使用を支持する既存の臨床エビデンスがあるかどうかを調査した。 入院患者を対象とした5件の臨床試験について評価した。1件の試験では2種類の抗菌薬による治療法を検討し、1件の試験では抗菌薬の静脈内投与期間を検討した。3件の試験で、抗菌薬を投与しない場合と投与した場合の実際の抗菌薬の必要性を検討し、そのうち2件の試験では、長期間の追跡結果を別の記録として発表している。いずれの試験でも、検証した抗菌薬のレジメンに統計的な差は認められなかった。抗菌薬投与なしと抗菌薬投与...

嚢胞性線維症患者に対する運動と気道確保技術の比較

2 years 6 months ago
嚢胞性線維症患者に対する運動と気道確保技術の比較 レビューの論点 嚢胞性線維症(CF)患者にとって、運動は他の気道確保法に取って代わることができるか? 背景 嚢胞性線維症(CF)は、多くの身体のシステムに悪影響を与えるが、主に肺に悪影響を与える。肺に粘着性のある濃い粘液がたまり、気道の粘膜に刺激と損傷を与える。CFの治療には、気道確保とも呼ばれる胸部理学療法があり、様々な機器や手技を用いてこの粘液を取り除く。運動にも同様の効果があることが示唆されている。運動をすると、人はさまざまな量と深さの呼吸をすることになる。その結果、気道内の圧力変化と力の変化が生じ、分泌物が肺の外に移動する。運動がCF患者の肺機能に与える影響を他の手法と比較し、運動がCF患者の代替手段として適切かどうかを検討した。CF患者の治療負担を軽減する可能性のあるレビューの論点に答えたいと考えた。 検索期間 エビデンスは2022年2月15日までのものである。 研究の特性 運動または他の気道確保技術の治療セッションを少なくとも2回受けた研究を文献検索し、このレビューでは86人のCFを含む4件の研究について報告する。研究対象者は7歳から41歳までで、病気の重症度もさまざまであった。3件の研究では、臨床的に健康な人を対象とし、1件の研究では、胸部感染症で入院した人を対象とした。研究期間は4日から6か月で、運動(単独または他...

頸動脈内膜剥離術のための日常的または選択的な頸動脈シャント術(および選択的シャント術における異なるモニタリング法)

2 years 6 months ago
頸動脈内膜剥離術のための日常的または選択的な頸動脈シャント術(および選択的シャント術における異なるモニタリング法) 論点 全身麻酔下頸動脈内膜剥離術を受ける患者を対象に、シャント術が脳卒中、死亡、その他の合併症にどのように影響するか、また、選択的シャント術のモニタリング法の違いがこれらの結果にどのように影響するかを検討した。 背景 脳卒中の約20%は、頸動脈(脳に血液を供給する主動脈)の狭窄が原因である。頸動脈内膜剥離術は、この狭窄を取り除くことで脳卒中リスクを低減する手術である。しかし、脳卒中を引き起こす手術時リスクは2%~3%ある。一時的なバイパスとしてシリコンチューブ(シャント)を使用することで、術中に脳への血流が遮断される時間を短縮することができる。これにより、周術期の脳卒中リスクを低減できる可能性があるが、動脈壁の損傷を招き、その結果、脳卒中リスクが高まる可能性もある。シャント手術は、3つのカテゴリーに分類される。第一に、日常的シャント術では、外科医はすべての患者さんにシャントを挿入する。第二に、選択的シャント術では、術者はクランプ後に脳への血液供給が不十分な患者にのみシャントを使用する。この方針では、シャントが必要な人を予測するための超音波検査など、さまざまな脳血流モニタリング技術が用いられてきた。第三に、シャント術なしとは、外科医がシャントを全く使用しないことである...

肩を骨折した成人に最も適した治療法は何か

2 years 6 months ago
肩を骨折した成人に最も適した治療法は何か 要点 ‐腕吊りを1週間使用した後、早い時期に腕を動かすと、3 週間またはそれ以上腕吊りで腕を固定する場合に比べて、長期的な肩の機能や肩の問題の発生に違いがあるかは、エビデンス(科学的根拠)が十分でないため、判断できない。 ‐患者の報告によると、転位を伴う(折れた骨片がずれてしまった)大半の種類の骨折では、手術をしても、手術以外の治療より肩の機能がよくなるとは言えない。他方、合併症ゆえに再手術が必要になるリスクが高まる可能性がある。 ‐手術を行う場合も、どの方法が一番よいか判断するには、エビデンスが十分ではない。 上腕骨近位端骨折とはなにか 上腕骨近位端とは二の腕の骨の上端である。上腕骨近位端骨折は、高齢者によく見られる大きなけがである。これは一般に肩の骨折と呼ばれる。患者が再び腕を使えるようになるまでに数か月かかることがある。よくある長期的な問題には、可動域の制限や痛みがある。 こうした骨折には通常どのような治療が行われるか 治療には以下のものがある。 ‐手術によらない治療:けがした腕を1週間またはそれ以上の期間にわたって腕吊りで支える。 ‐手術:折れた骨片がずれてしまった「転位を伴う骨折」について行われる。手術では、骨折片を元の位置に戻し、金属プレートとねじで留めたり、骨髄内に釘を挿入して固定したりする。あるいは、高齢者の場合、肩の球関...

土壌伝播蠕虫感染症予防のための水・衛生・保健衛生改善への介入

2 years 6 months ago
土壌伝播蠕虫感染症予防のための水・衛生・保健衛生改善への介入 レビューの目的 このレビューは、土壌伝播蠕虫感染症の感染予防に関する水・衛生・保健衛生活動の効果を評価したランダム化比較試験(RCT)(参加者を2つ以上の治療群のいずれかに無作為に割り付ける試験)と非ランダム化試験(非RCT)を要約したものである。 土壌伝播蠕虫(STHs)は、腸内寄生虫の一種で、土壌や水源を汚染した人間の糞便中に排泄された感染性卵の摂取や幼虫の経皮(皮膚からの)侵入により人間に感染する。駆虫を行ったとしても、再感染が急速に進むため、補完的な対策なくしては、感染の阻止は難しい。再感染を抑え、病気を減らすためには、安全で十分な水、基本的衛生設備、衛生(WASH)へのアクセスと利用などの環境改善が不可欠と考えられている。 主な結果 このエビデンスは、研究中のWASHの介入がSTH感染をわずかに減少させる可能性があることを示唆している。これらの結果の多くは、治療群と対照群の両方で大量薬剤投与を行った研究であり、大量薬剤投与の適用以上のSTH感染に対するWASHの影響を示している。 本レビューで検討された内容 WASHとSTH感染症を評価するこれまでのレビューは、非実験的な研究に大きく依存している。STH感染を減らすためのWASHプログラムの役割を評価する厳密で実験的なエビデンスを調査した。 レビューの主な結果...
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7 hours 15 minutes ago
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