1 year 9 months ago
メニエール病に対するさまざまな手術の利点とリスクは何か? 要点 強固なエビデンスが不足していたため、メニエール病の治療に用いられたどのような手術についても、症状の改善に効果があるかどうかは明らかではなかった。また、これらの治療による重大なリスクの可能性についての情報はなかった。 手術の有効性を明らかにし、有害作用について評価を行うためには、より大規模で適切に実施された研究が必要である。 また、メニエール病患者の症状を評価するための最善の方法を明らかにし、治療が有益であるかどうかを評価するためには、さらなる研究が必要である。これには「コアアウトカムセット」(メニエール病に関するすべての研究で測定すべき項目のリスト)の開発が含まれるべきである。 メニエール病とは何か? メニエール病は、内耳に起こる疾患であり、浮動性めまい(ふわふわ浮くような感覚)や回転性めまい(ぐるぐる回るような感覚)の発作を繰り返し、聴覚障害、耳鳴り(リンギング:キーンという高音、ハミング:ブンブンという低音、あるいはバジング:ブーンという低音)、耳が詰まった感覚(耳閉感)または圧迫感を伴う。通常は成人の、特に中年期に発症する。比較的まれな疾患であるが、生活の質に大きな影響を及ぼす可能性がある。 メニエール病はどのように治療されるのか? メニエール病の治療法には、国や地域によって大きなばらつきがあり、現在のところ、...
1 year 9 months ago
メニエール病に対するさまざまな薬の利益とリスクは何か? 要点 確固としたエビデンスがないため、陽圧治療がメニエール病がある人の症状を改善するかどうかは明らかではない。この治療が害をもたらすかどうかについての情報は見つからなかった。 陽圧治療が有効かどうかを確認し、治療による有害な影響がないことを確認するためには、より大規模で十分に実施された研究が必要である。 また、メニエール病がある人の症状を測定し、治療が有効であるかどうかを評価するために、どのような方法が最適であるかをさらに検討する必要がある。これには、メニエール病に関するすべての研究で測定されるべき事項のリストである「コア・アウトカムセット」の開発も含まれるべきである。 メニエール病とはどのような病気か? メニエール病は、内耳が影響を受ける病気である。浮動性めまい(ふわふわと浮いているように感じるめまい)や回転性めまい(自分がぐるぐる回るように感じるめまい)の発作を繰り返し、聴力障害、耳鳴り、耳が詰まった感じや圧迫感も生じる。通常、成人が発症し、中年期から発症する。 メニエール病はどのように治療するか? 経口薬(錠剤)と生活習慣への介入は、メニエール病の最初の治療としてしばしば用いられる。それでも症状を抑えられない場合は、他の治療法を試みることもある。これには陽圧療法も含まれ、ポンプに取り付けたチューブを耳に入れる。ポンプは...
1 year 9 months ago
メニエール病に対するさまざまな薬の利益とリスクは何か? 要点 メニエール病の治療に使用される経口薬(錠剤)は、臨床現場で日常的に使用されているにもかかわらず、確固たるエビデンスがないため、症状の改善に効果があるかどうかは明らかではない。他の疾患に使用する場合、これらの薬剤は副作用を引き起こす可能性がある。しかし、メニエール病を対象とした研究からの情報が少なすぎて、これらの治療による重大なリスクがあるかどうかがわからない。 いくつかの薬が有効であるかどうかを確認し、治療による有害な影響があるかどうかを評価するためには、より大規模で十分に実施された研究が必要である。 また、メニエール病の患者の症状を測定し、治療が有効であるかどうかを評価するために、どのような方法が最適であるかをさらに検討する必要がある。これには、メニエール病に関するすべての研究で測定されるべき事項のリストである「コア・アウトカムセット」の開発も含まれるべきである。 メニエール病とはどのような病気か? メニエール病は、内耳が影響を受ける病気である。浮動性めまい(ふわふわと浮いているように感じるめまい)や回転性めまい(自分がぐるぐる回るように感じるめまい)の発作を繰り返し、聴力障害、耳鳴り、耳が詰まった感じや圧迫感も生じる。通常、成人が発症し、中年期から発症する。 メニエール病はどのように治療するか? メニエール病の最初...
1 year 9 months ago
筋萎縮性側索硬化症/運動ニューロン疾患がある人への診断結果の通知方法 レビューの論点 筋萎縮性側索硬化症(ALS)や運動ニューロン疾患(MND)の診断を伝えることについてのエビデンスを評価することを計画した。 背景 ALSは、MNDとしても知られているが、運動をコントロールしている神経に影響を与える病気である。手足の衰え、呼吸困難、言語障害・嚥下障害など、どんどん障害が進行していく。最も重要なことは、ALS/MNDがある人が、発症から3~5年以内に死に至ることが多いという事実に対処しなければならないことである。診断の際、ALS/MNDがある人やその親族、介護者は大きな苦痛を味わうことになるため、診断をどのように伝えるかを理解することが重要である。ALS/MNDの診断を伝える方法について、ランダム化比較試験(RCT)を広く検索した。 結果 ALS/MNDの診断を伝える方法に関するRCTは見つからなかった。 2022年2月までの文献を検索した。 このエビデンスがお役に立ちましたら、コクランへの寄付をご検討ください。私たちは、人々が医療やケアの意思決定をする際に役立つ、利用しやすいエビデンスを作成する慈善団体です。寄付 訳注: 《実施組織》 阪野正大、杉山伸子 翻訳[2023.04.26]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していま...
1 year 9 months ago
増殖糖尿病網膜症(眼に影響を及ぼす糖尿病合併症)の発症と進行の危険因子 レビューの論点 糖尿病がある人が、視力を脅かす糖尿病合併症である増殖糖尿病網膜症や高リスク増殖糖尿病網膜症を発症する確率を増減させる要因を調べたいと考えた。 背景 糖尿病では、血糖値の上昇によって、目の奥にある網膜という視力のもとになる層の細い血管が、長い時間をかけて傷つけられる。これを「糖尿病網膜症」と呼ぶ。糖尿病や糖尿病網膜症がある人の中には、網膜に異常でもろい血管、いわゆる「新生血管」が生じる人がいる。新しい血管ができると「増殖性糖尿病網膜症」といい、「PDR」とも呼ばれる。この新しい血管は弱く、眼球内で出血することがあり、「硝子体出血」と呼ばれる症状を引き起こす。目の中の血液が視力を奪うが、自然に治ったり(たまに治る)、手術すれば、ほとんどの場合、視力は回復する。また、新しい血管の上に瘢痕組織が成長することもある。瘢痕は網膜を引っ張り、牽引性網膜剥離と呼ばれる、糖尿病網膜症で最も深刻な視力低下をもたらす合併症を引き起こす可能性がある。牽引性網膜剥離は、速やかに手術で治療しなければ、全盲になる可能性がある。 糖尿病がある人のほとんどが糖尿病網膜症を発症するが、このような重篤な合併症に至る人はごくわずかである。その理由は不明である。視力低下は、早期に治療を行えば、通常、予防することができる。そのため、PD...
1 year 9 months ago
腹膜透析患者のカテーテル機能と臨床結果を向上させるためのカテーテル挿入技術 論点 腹膜透析(PD)は、柔軟なプラスチック製のカテーテルを腹腔(腹部の臓器の周りの空間)に挿入し、透析治療を行うものである。このチューブは、老廃物や水分を最適に排出するために、毎日(または一晩)数回、腹膜腔に無菌の液体を出入りさせることができるものでなければならない。腹腔内にPDカテーテルを最初に挿入する方法は、地域性と専門知識によって施設によって異なるため、どのカテーテル挿入方法が、カテーテルの機能、寿命、術後合併症を最小限に抑えながら患者にとって最良の臨床結果(評価項目)をもたらすかは明らかではない。 何を行ったのか? 2022年11月までのコクラン腎・移植専門登録データベースを検索した。特定された研究のうち、本レビューに使用できたのは17件のみであった。含まれる研究のうち9件の研究から、合計658人の参加者が分析に含まれた。他の8件の研究は、記述的レビューにしか適さないものであった。 わかったこと PDカテーテルの挿入方法を検討した研究は一般的に質が低く、PDカテーテルの長期的な結果を分析できるような方法で検討したものはないことがわかった。つまり、どのPDカテーテルの挿入方法が、カテーテルの生存率の点で患者にとって最適なのかは、まだわかっていない。PDカテーテルの挿入方法の違いを比較した研究の中に...
1 year 9 months ago
トラネキサム酸(血液凝固を促進する薬剤)は、慢性鼻副鼻腔炎の内視鏡手術における出血を減少させるか? 慢性鼻副鼻腔炎とは何か? 慢性鼻副鼻腔炎とは、副鼻腔(顔の骨の中にあり、鼻腔とつながっている空洞)の炎症が12週間以上続いている状態である。慢性鼻副鼻腔炎になると、鼻づまりや鼻水、顔の痛みや圧迫感、嗅覚の低下や喪失などの症状が現れる。また、鼻の中にポリープができ、症状が悪化することもある。 慢性鼻副鼻腔炎はどのように治療されるのか? 慢性鼻副鼻腔炎は、通常、生理食塩水のスプレーや洗浄液、抗炎症剤(ステロイド剤)の点鼻薬、抗菌薬、ステロイドの錠剤などを用いて治療される。このような治療を行っても症状が続く場合は、手術が行われることがある。 何を調べようとしたのか? 血液凝固を促進する薬剤であるトラネキサム酸が、内視鏡を用いた副鼻腔手術(内視鏡下副鼻腔手術)における出血を減少させるか、また、合併症のリスクを低下させることができるかどうかを調査した。出血を少なくできるということは、手術時に外科医が副鼻腔の状態をよく観察することができるということである。 何を行ったのか? トラネキサム酸を使用(静脈内投与、またはスプレーや点鼻薬による投与)した治療について、プラセボ(偽の治療)、またはトラネキサム酸を使用しなかった場合とを比較した研究を検索した。小児と成人両方の研究参加者を対象とした。研究結...
1 year 9 months ago
小児の機能性腹痛障害の管理のためのプロバイオティクス 小児の胃痛に対するプロバイオティクス 要点 プロバイオティクスは、プラセボ(ダミー治療)よりも機能性腹痛を持つ小児の胃の痛みを改善する効果がある可能性がある。 シンバイオティクスは、プラセボ(ダミー治療)よりも機能性腹痛を持つ小児の胃の痛みの改善する効果がある可能性がある。 機能性腹痛とは? 機能性腹痛は、小児に多い問題である。症状に対して原因が見つからない場合に機能性腹痛という言葉が使われる。この症状は、半年以上続く頻繁な胃の痛みで、日常生活に支障をきたすものである。 プロバイオティクスとは? プロバイオティクスとは、生きた細菌や酵母のことで、さまざまな利益があるとして推進されている。よく「善玉菌」と呼ばれるものである。これらのプロバイオティクスは、腸内細菌の自然なバランスを助け、特定の病気における症状を改善する可能性があると考えられている。また、プレバイオティクス(これらの細菌や酵母の増殖を助ける食品)と呼ばれる物質を加えることもでき、これらをまとめて一つの製剤にしたものをシンバイオティクスと呼んでいる。 何を調べようとしたのか? プロバイオティクスやシンバイオティクスが小児の機能性腹痛の治療に使えるかどうか、また安全に使えるかどうかを調べたいと考えた。 何を行ったのか? 機能性腹痛障害と診断された4歳から18歳の小児を対...
1 year 9 months ago
血管手術後の出血を抑える薬剤はあるのか ・要点 血管手術時の出血や輸血を減らすために、どの薬剤が最適なのかについては未だ不明である。 ・血管手術とは何か 血管手術とは、血管の破れや弱った部位を修復したり、詰まりを除去したりする手術のことである。本レビューでは、特に重度の出血につながりやすい血管手術に注目した。 ・血管手術中の輸血を減らすことがなぜ重要なのか 血管手術中、または手術後に大量に出血した場合、失った血液を補うために輸血が必要になることがある。輸血は害を及ぼす可能性があるため、できれば輸血を避けることが望ましい。これは、血液の供給が少ないときは特に重要である。 ・何を知りたかったのか 出血を抑えて輸血の必要性を減らすために役立つ薬物療法を知りたかった。また、そのような処置が血栓など副作用のリスクを高めるかどうかについて明らかにしたいと考えた。 ・本レビューで実施したこと 複数の電子ライブラリーを利用して、血管手術後の出血を防ぐ薬剤について、ランダム化比較試験と呼ばれる最も信頼性の高い研究を検索した。 ・わかったこと 出血量を減らすために手術前に注射された薬剤に関する研究が7件、薬剤を含んだドレッシング材(包帯材)や接着剤に関する研究が15件見つかった。このような薬剤は、手術中に出血を止めるために使用されるが、手術後も体内に残留する。血管手術中の出血や輸血を減少させるために...
1 year 9 months ago
小児における近視の進行を遅らせるための介入方法 要点 ・アトロピンなどの薬剤の点眼により、小児の近視の進行を遅らせたり、近視による眼球の伸長を抑制できる可能性がある。高用量のアトロピンが最も効果的であるが、低用量のアトロピンの効果については不確実である。 ・特殊なレンズを使用した眼鏡やコンタクトレンズを利用するなどの方法は、近視の進行を遅らせる可能性があるが、その効果は依然として不確実であり、また有害事象のリスクに関する情報も十分ではない。 ・また、近視の進行に対して使用される薬剤やレンズに関して、現在報告されている効果が、長年にわたって維持されるかどうかについても不明である。 近視とは何か? 近視とは、遠くのものをはっきり見ることができないが、近くのものであればはっきり見ることができる状態のことである。近視は世界的に非常に多く見られ、中国や東南アジアにおいては半数以上の小児に見られると言われている。近視は、学習や仕事など、生活のさまざまな場面で障害をもたらす可能性がある。さらに、近視は目を伸長させるため、網膜が引き伸ばされる。そのため、将来的に、緑内障や黄斑症、あるいは網膜剥離などの眼疾患にかかるリスクが高くなる。 近視はどのように治療されるのか? 従来の眼鏡やコンタクトレンズでも近視を矯正することはできるが、その進行を遅らせることはできない。近視の進行を遅らせることを目的とし...
1 year 9 months ago
妊娠糖尿病になることを防ぐために、妊娠中にミオイノシトールを栄養補助食品として摂取すること 要点 妊娠糖尿病になった女性は、妊娠中や出産時に合併症を起こしたり、その後糖尿病になったりするリスクが高くなると言われている。妊娠糖尿病の母親から生まれてくる赤ちゃんは、本来より大きくなりすぎて、出産時にけがをしてしまう可能性がある。また、子どもの頃や若いうちから、糖尿病になるリスクがある。妊娠糖尿病と診断される女性は世界中で増えており、妊娠糖尿病を防ぐための簡単で費用対効果の高い方法を見つけることが重要である。 ミオイノシトールは、穀類、とうもろこし、緑黄色野菜、肉類などに含まれる天然の糖質で、体内のインスリン感受性に関与している。 何を調べようとしたのか? ミオイノシトールが、妊娠糖尿病を防ぐのに有効な妊婦用栄養補助食品であるかどうかを調べたかった。 何を行ったのか? ミオイノシトール(単独投与または他の治療との併用)を無治療または他の治療と比較した試験を検索した。研究結果を比較、要約し、研究方法や研究規模などに基づいて、エビデンスに対する信頼度を評価した。 何がわかったか? 妊娠10~24週の女性1,319人を対象とした7件の研究を確認した。 主な結果 ミオイノシトールの補給が妊娠糖尿病の発症率の低下と関連するかどうかは不明である。ただし、ミオイノシトールは、妊娠高血圧症候群の減少に...
1 year 9 months ago
リハビリテーションを必要とする人々に対する在宅リハビリテーションサービスの提供に影響を与える要因:質的エビデンス統合 このコクラン質的エビデンス統合の目的は、自宅で提供されるリハビリテーションサービスに影響を与える要因を探ることであった。この統合では、対面で提供されるサービスと、遠隔リハビリテーションで提供されるサービスについて検討した。この疑問に答えるため、53件の質的研究を分析した。 要点 在宅リハビリテーションは、対面または遠隔リハビリテーションによって提供され、施設でのサービスよりも身近で便利なものとして体験することができる。また、患者、サービスの提供者、家族は、在宅サービスを利用することで人間関係のあり方が変わり、実践的で資源的な意味合いがプラスにもマイナスにもなりうることを述べている。 エビデンスの統合で検討したことは何か? COVID-19のパンデミックにより、在宅医療への注目度が高まった。在宅医療には、対面または遠隔リハビリテーションを利用して提供される在宅リハビリテーションサービスの提供が含まれる。在宅リハビリテーションサービスは、施設でのサービスの代わりに、あるいは施設でのサービスを補完するものとして、患者の回復過程における一般的な選択肢となる可能性がある。また、デジタル技術の利用が増えるにつれて、遠隔リハビリテーションも一般的になってきている。 レビューの主...
1 year 9 months ago
神経難病で長期肺感染症の小児への抗菌薬投与 「神経障害」とは、主に神経学的問題(脳性麻痺など)、神経筋の問題(筋ジストロフィーなど)、発達の問題(発達障害、ダウン症など)に起因する一群の状態を指す。これらの疾患を持つ小児や若年者は、移動、摂食、咳などの同様の問題を持つことがある。胸部や呼吸の問題(肺の感染症を含む)は、神経障害のある小児や若年者がよく経験し、病院での治療が必要となる原因となっていることが多い。 胸の分泌物を完全に取り除くことができない人や、頻繁に感染症を起こす人の場合、肺感染症は完全に取り除くことができず、「慢性感染症」となってしまうことがある。このような立場の小児や若年者にとって、どのような治療が最適なのかは不明である。 慢性肺感染症の小児と若年者を対象に、肺感染症の抗菌薬治療について検討したすべての臨床試験を系統的にレビューすることを目指した。2022年2月までに発表された合計1,968件の研究を、さまざまなオンラインデータベースから検討したが、本レビューに含めるべき関連性のあるものはなかった。2件の研究は進行中であったため、今回のバージョンに含めることができなかった。 この重要な問いに答える臨床試験が見つからなかったのは残念である。このような立場の小児や若年者が最善の治療を受けられるよう、今後の課題としていく。 このエビデンスがお役に立ちましたら、コクランへ...
1 year 9 months ago
慢性疾患を持つ小児やティーンエイジャーの教育を支援するサービスは、彼らが学校活動にもっと参加し、学習結果を向上させるのに役立つか? 要点 - 教育支援介入が、スクール・エンゲージメント、学習結果、(ウェルネス期間中の)生徒の学校復帰の可能性などに及ぼす影響については、まだ不明な点が多いのが現状である。 - 教育支援介入が、2件の研究で自尊心として測定されたように、精神的な健康をわずかに改善する可能性があるというエビデンスがいくつかあるが、生活の質は研究で測定されていない。 - これらの介入が有効かどうか、またベストプラクティスモデルがどのようなものかを知るためには、米国以外で行われた研究を含む、より質の高いエビデンスが必要である。 教育支援サービスとは何か、なぜ慢性疾患を持つ小児やティーンエイジャーに役立つ可能性があるのか。 一部の小児やティーンエイジャーにとって慢性疾患に罹患した場合、学校への出席、参加、取り組みに影響を与える可能性がある。そのため、仲間についていけず、自分の可能性を最大限に発揮できない可能性がある。慢性疾患を持つ小児や青少年の教育支援サービスは、病気によって学校を休んだ際に、学校や教育・学習から離脱してしまうことを防ぐことを目的としている。これらのサービスは、病院、通常の学校、地域社会で行われ、小児、家族、学校、病院、地域社会、またはこれらの組み合わせを対象と...
1 year 10 months ago
ビタミンDは重度の喘息発作のリスクを低減、または喘息症状の管理を改善するか? 要点 1)このテーマに関する前回のコクランレビューとは対照的に、今回のレビューでは、ビタミンDの重度の喘息発作に対する予防効果や、喘息症状の管理に対する改善効果は明らかではなかった。 2)頻繁に重度の喘息発作を起こす患者や、平常時のビタミンD濃度が非常に低い患者について、また、25-ヒドロキシビタミンD(カルシジオール)の予防効果について、さらなる研究が必要である。 ビタミンDが喘息患者に有効であると考えられたのはなぜか? ビタミンD(日光浴によって生合成されるため、「サンシャイン・ビタミン」とも呼ばれる)の血中濃度が低いと、経口投与によるステロイド剤の全身投与を必要とするような重度の喘息発作のリスクが上昇するとされている。 このテーマに関して、2016年に行われた前回のコクランレビューでは、ビタミンDが喘息発作のリスクを低下させることが明らかになったが、その後も議論は続いており、いくつかの研究ではビタミンDに効果がないことが報告されている。そこで、前回のレビュー以降に完了した新しい研究のデータを含む最新のメタアナリシスを実施した。 何を知りたかったのか? ビタミンD補給の以下の項目における効果について明らかにすることを試みた: ・重度の喘息発作リスクの低減効果 ・喘息症状の管理の改善効果 ・有害作用の...
1 year 10 months ago
知的障害がある人の攻撃的行動を軽減するための行動療法と認知行動療法 要点 - アンガーマネジメント(認知行動療法に基づく)やポジティブ行動支援(PBS;行動療法に基づく)などのアプローチは、知的障害(学習障害)をもつ人における対外的な攻撃的な行動を減らす可能性がある。 - その他の結果や治療法については、小規模な研究が数件しかないため、エビデンスが確実ではない。 - どのような治療やアプローチが、攻撃性の低減やQOLなどの他の結果の改善に役立つのか、より多くのエビデンスが必要である。 対外的な攻撃行動とは何か、なぜそれが重要なのか。 対外的な攻撃行動には、殴る、蹴る、物を投げるなどの他人に対する身体的な攻撃や、物に対する損害が含まれる。この行動は、その人のニーズが満たされていないというコミュニケーションの一形態かもしれない。このような行動は、デイサービスからの排除や、生活支援施設での生活の破綻、精神科病院への不適切な入院など、ネガティブな結果を招く可能性がある。挑戦的な行動の管理において、抗精神病薬の使用は限られた役割しかない。しかし、これはリスクが非常に高い場合にのみ適用され、抗精神病薬は心理的介入やその他の介入と組み合わせてのみ提供されるべきである。役に立つかもしれない治療法として、思考、感情、行動の関連付けを助けるアンガーマネジメントなどの認知行動的アプローチや、行動のきっ...
1 year 10 months ago
サラセミア患者に対する歯科および歯科矯正治療 サラセミアとは何か? 赤血球は、ヘモグロビンという色素を作り、全身に酸素を運んでいる。サラセミア患者では、2つの特定の遺伝子の異常(突然変異)により、ヘモグロビンに異常が起こる。このことから、サラセミアは、αサラセミアとβサラセミアに分類される。世界人口の約5%に、αグロビン遺伝子が部分的に、あるいは全く機能しないという突然変異が見られ、βグロビン遺伝子の突然変異は世界人口の約1.5%に見られる。どちらの種類のサラセミアも、主にサハラ以南のアフリカから地中海沿岸地域、および中東を経て南アジア、東南アジアに至る国々で発生している。また、国から国へ人々が移動することにより、他の多くの地域でもよく見られるようになってきている。 サラセミアはどのように歯科や矯正歯科における問題を引き起こすのか? 2つの変異遺伝子が遺伝すると、赤血球中の異常ヘモグロビンが体内へ正常に酸素を放出しなくなる。異常細胞が体内の臓器や骨髄細胞に蓄積され、組織の損傷や細胞死を引き起こし、赤血球が減少する(貧血)。貧血による酸素不足で臓器が正常に働かなくなり、赤血球の減少を補うために輸血が必要になることも少なくない。貧血を補うために、体が赤血球を増やそうとした結果、骨髄の入っている空間(骨髄腔)の拡大が起こる。その結果、頭蓋骨、頬骨、および顎骨において、異常に骨が膨張し、...
1 year 10 months ago
手根管症候群に対するステロイド局所注射 要点 手首に副腎皮質ステロイドを注射すると、手根管症候群(手首の神経の圧迫)の症状や手の機能が6か月間改善されると言われている。また、生活の質(QOL)の評価や、注射後3か月までの神経伝導の検査も改善される場合がある。副腎皮質ホルモン注射は、1年後のフォローアップで評価すると、手術の必要性を減らす可能性がある。副作用はほとんどないようである。しかし、治療をしなくても自然な改善が見られるのは、3分の1程度の人たちである。 手根管症候群とは? 手根管症候群は世界的に非常に一般的で、人々のQOLに影響を与え、医療システムにとって大きな財政的負担となっている。症状は、手首の正中神経が「刺激」を受けることで発生し、主に手や指に痛み、しびれ、時には脱力感や機能低下が起こる。 手根管症候群はどのように治療するか? 副腎皮質ステロイドは、炎症や腫れを抑える薬である。手根管(手のひら側にある骨と靭帯に囲まれた狭い通路)への副腎皮質ホルモンの注射は、症状が軽度または中等度の場合に行われる傾向があり、手術よりもはるかに安価であるが、その効果や効果の持続期間については議論の余地がある。 調べたかったこと 手首の手根管に副腎皮質ステロイド(ステロイド)を局所的に注射することが、手根管症候群の患者さんにとって有益かどうかを調べたいと考えた。この疑問に答えるために関連す...
1 year 10 months ago
認知機能への刺激は、認知症の人に効果があるのか? 要点 - 軽度から中等度の認知症患者にとって、認知刺激による認知機能(思考や記憶の一般的な能力)の向上は、おそらくわずかな効果にとどまるであろう。 - その他にも、幸福感(ウェルビーイング)、気分、日常生活能力の向上など、さまざまな効果が期待できることがわかったが、効果は一般的にわずかで、特に認知機能や幸福感については研究によって大きなばらつきがあった。 - ほとんどの研究は、集団に対して行う認知刺激を評価している。今後は、個別に行う認知刺激の効果を明らかにすること、グループセッションをどの程度の頻度で行えば最も効果的であるかを評価すること、認知刺激の恩恵を最も受けるのは誰であるかを明らかにすることが必要である。 認知症とは? 認知症は、数多くの脳疾患の総称である。アルツハイマー型認知症は最も一般的な認知症である。あらゆる年齢の人が認知症になる可能性があるが、多くの場合、人生の後半に発症する。認知症の人は、一般的に認知能力が低下し、記憶、思考、言語、実用的なスキルが損なわれることがある。これらの問題は通常、時間とともに悪化し、認知症の人やケアやサポートをする人にとって、孤立や動揺、苦痛につながる可能性がある。 認知機能刺激 認知刺激法(CS)は、認知症の人のために特別に開発された「頭の体操」である。過去や現在の出来事や興味のある話...
1 year 10 months ago
手洗いやマスクの着用などの物理的な対策は、呼吸器系ウイルスの拡散を止めたり、遅らせたりするか? 要点 マスクやN95/P2呼吸器の着用が、呼吸器系ウイルスの感染拡大の抑制に役立つかどうかは、評価した研究に基づく範囲では不明である。 手指衛生プログラムは、呼吸器系ウイルスの感染拡大を抑制するのに有効かもしれない。 呼吸器系ウイルスはどのようにして広がるのか? 呼吸器系ウイルスは、鼻、喉、肺といった気道の細胞に感染するウイルスである。これらの感染症は深刻な問題を引き起こし、正常な呼吸に影響を与える。インフルエンザ、重症急性呼吸器症候群(SARS)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などの原因となる。 呼吸器系ウイルスに感染した人は、咳やくしゃみをした時にウイルス粒子を空気中に拡散させる。空気中のウイルス粒子やウイルスが付着した表面に触れると、他の人が感染する。呼吸器系ウイルスは、小規模な集団内における流行から、地域や国での流行(エピデミック)、世界的な流行(パンデミック)にいたるまで、急速に広がる可能性がある。 呼吸器系ウイルスが人々の間で広がるのを防ぐための物理的な対策としては、以下のようなものがある。 - こまめに手を洗う、 - 目、鼻、口に触れない、 - くしゃみや咳をする時は、口と鼻を肘で覆う、 - ものの表面を消毒液で拭く、 - マスク、目の保護具、手袋、保護ガウ...
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