Latest Japanese Reviews

赤ちゃんがとても大きい(巨大児)と疑われる場合の、妊娠末期または末期近くの分娩誘発

1 year 8 months ago
赤ちゃんがとても大きい(巨大児)と疑われる場合の、妊娠末期または末期近くの分娩誘発 論点 大きい赤ちゃん(巨大児、出生体重が4000gを越える)の出産は難しく、時には分娩外傷がおこる。この外傷を減少させるための一つの方法は、赤ちゃんが大きくなりすぎる前に分娩を誘発することである。出産前に赤ちゃんの体重を推定することは難しく、あまり正確ではない。臨床的な推定は子宮の感触と子宮底の高さに基づいている。いずれもかなりのばらつきがある。超音波検査も正確ではなく、大きいことが疑われた赤ちゃんは出産時にそうでないことがある。これは両親を心配させうる。 重要である理由 陣痛誘発が早すぎると、赤ちゃんも臓器も未熟に生まれてくる可能性がある。 得られたエビデンス 赤ちゃんが大きいことが疑われる、妊娠37週から40週の女性を対象として行った分娩誘発を評価した、4件の試験を同定した。合計1,190人の糖尿病でない女性が対象となった。2015年10月31日にエビデンスを検索した。女性がどのグループに割りつけられたかを、女性や医療スタッフに盲検化することはできなかったが、研究の質は中等度から良好であった。ただし、これはバイアスを誘っているかもしれない。 結果が意味すること 赤ちゃんの肩がつかえてしまうこと(肩甲難産)や骨折(多くは鎖骨で、後遺症なく治る)は、陣痛誘発群で減少した。肩甲難産についてのエビデン...

腰痛症に対する脊髄刺激療法

1 year 8 months ago
腰痛症に対する脊髄刺激療法 背景 腰痛症(腰痛)は、世界において障害を引き起こす主要な原因となっている。脊髄刺激療法は、脊髄に電気インパルスを与える装置を埋め込む外科的治療法であり、長期にわたる腰痛を改善できる可能性が示唆されている。本レビューの目的は、腰痛患者に対する脊髄刺激療法の有益性と有害性に関するエビデンスを評価することである。 研究の特徴 2022年6月10日に、オンラインデータベースおよび臨床試験登録システム上で、関連する研究を検索した。その結果、合計699人の参加者を対象とした13件の研究が見つかった。このうち55%が女性で、平均年齢は47歳から59歳だった。参加者における腰痛の平均持続期間は、5年間から12年間と幅があった。13件の研究のうち10件は、脊髄刺激装置の製造業者と金銭的なつながりがあった。 主な結果 脊髄刺激療法がプラセボ(偽の治療)よりも優れているかどうかについて、6か月以上の検証が行われた研究はなかった。これは、長期的な治療効果は不明であることを意味する。利用可能な研究のほとんどでは、治療開始後1か月未満での結果だけが評価されており、1件の研究においてのみ、治療開始後6か月目における結果が評価されていた。 痛みの強さ(0~100で評価、ポイントが低いほど痛みが少ないことを意味する) 唯一利用可能であった研究からは、プラセボと比較して、治療開始6か月...

ランダム化試験において、標準プラセボと比較して活性プラセボを使用した場合、治療効果は異なるか?

1 year 8 months ago
ランダム化試験において、標準プラセボと比較して活性プラセボを使用した場合、治療効果は異なるか? 要点 1.活性プラセボと標準プラセボの間に明確な効果の差は認められなかったが、この結果については非常に不確かである。 2.副作用が明確な医薬品を調査する際には、プラセボの種類を慎重に検討することを提案する。 標準プラセボ、活性プラセボとは何か? 盲検化(またはマスキング)はランダム化試験の重要な部分であり、参加者が実験的な治療を受けているかどうかを知ることによって、参加者や医療提供者が影響を受けないようにするものである。もしこのような知識があれば、意図せず治療効果を過大評価(あるいは過小評価)してしまうかもしれない。盲検化の方法の1つは、非治療群の参加者にプラセボを与えることである。プラセボは、薬のように見えるが(例えば、同様の形、色、匂い、味、質感の錠剤)、有効成分を含んでいない。 プラセボによる盲検化は必ずしも成功するとは限らない。治療薬にはプラセボと区別できる副作用があるため、治療効果を正確に測定することができない場合がある。そのため、試験によっては、実験薬の副作用を模倣した活性プラセボを使用することもある。しかし、プラセボの種類の選択によって、実際に治療効果に差が出るかどうかは不明である。 何を知りたかったのか? ランダム化試験における治療効果が、標準プラセボと比較して、活性プ...

オピオイドは手術後の乳児の疼痛管理に最適か?

1 year 8 months ago
オピオイドは手術後の乳児の疼痛管理に最適か? 要点 - 乳幼児の手術後の痛みを管理するためのオピオイド(鎮痛薬の一群)の有益性とリスクに関する十分な質の高いエビデンスは見つからなかった。対象となる研究は4件しか見つからず、信頼できる結果を出すのに十分な数の乳児が登録されていなかった。 - オピオイド、その他の医薬品、非医薬品ベースの治療法の利益と潜在的有害性をよりよく推定するためには、より大規模でデザインされた研究が必要である。 乳児の手術後の痛みを抑えるために、なぜオピオイドが投与されるのか? 乳児は(特に生後4週間は)手術を受けなければならないことがしばしばある。大人と同様に、これらの手術後も継続的な痛みの管理が必要であり、オピオイドは一般的に乳児の手術後の痛みを和らげるために使用される。 何を調べようとしたのか? 手術を受ける乳児にオピオイドを投与した場合の影響を以下のものと比較して調べようとした: 1) 無治療またはプラセボ(薬を含まないが、見た目や味が試験中の薬と同じ「ダミー」の治療); 2)薬を使わない治療法(甘い溶液など); 3) 他の医薬品; 4) 異なる種類のオピオイド 何を行ったのか? オピオイドと上記の4種類の治療法を比較した研究を検索した。その結果を比較、要約し、研究方法や規模などの要素から、エビデンスに対する信頼性を評価した。 何が見つかったのか? 33...

成人の直近に骨折した骨に対する超音波療法および衝撃波治療

1 year 8 months ago
成人の直近に骨折した骨に対する超音波療法および衝撃波治療 要点 - 超音波や衝撃波による治療が、骨折後の人々の生活の質(QOL)を向上させるかどうかは定かではない。 - 超音波療法を行っても、おそらく骨の治り具合に差はないだろう。 - 衝撃波療法で、大腿骨(太ももの骨)や脛骨(すねの骨)を骨折した人の受傷1ヶ月後の痛みを、ごくわずかに軽減させる可能性がある。しかし、この痛みの軽減が意味のあるほどのものかは疑わしい。 - 超音波や衝撃波による治療が骨折を治すのに役立つかどうかを見るには、よりよくデザインされた大規模な研究が必要である。 なぜ直近に起こった骨折に対する治療が重要か? 時には、骨折が治るのに時間がかかったり、完治しない可能性がある。その結果、人々の生活の質(QOL)が低下し、通常の生活(仕事など)に戻るまでの時間を長引かせかねない。 骨折を確実に治すためには、骨を治りやすくさせる治療が役に立つだろう。 音波が骨折部を刺激して、新しい骨を作ることで、折れた骨を治す可能性がある。 超音波や衝撃波療法などの音波を使って治療できる可能性がある。どちらの治療も、骨折部位の上の皮膚に特殊な装置を毎日約20分間あてて行う。 低エネルギーの音波を使用する超音波療法と、あてられている部位が振動のように感じる高エネルギーの音波を使う衝撃波療法がある。 何を知りたかったのか? 私たちは、超音...

脳卒中がある人の活動性向上のための体幹トレーニング

1 year 8 months ago
脳卒中がある人の活動性向上のための体幹トレーニング 背景 脳卒中は一般的な疾患であり、成人では大きな障害や死に至ることさえある。脳卒中は、動作の制限を含め、人間の機能のさまざまな側面に重要な影響を及ぼす。脳卒中後に頻繁に観察される障害のひとつに、体幹の機能低下がある。この障害は、とりわけ、可動性の低下、座位バランスの低下、内的・外的障害に対する反応の遅れや低下、筋力の低下、体幹の筋活動パターンの低下によって特徴づけられる。体幹の動きと座位バランスは、どちらも機能的自立、つまり、着替え、食事、身だしなみなどの日常生活作業を手助けなしで行う能力にとって重要である。体幹の機能は、脳卒中後の回復度や自立度を大きく左右する。 体幹トレーニングは、体幹の機能を取り戻すことを目的としている。体幹トレーニングは、腹筋や背筋の筋力トレーニング、体幹の可動性を高めることに焦点を当てたエクササイズ、座位バランスを改善することを目的とした、座っているときの横方向や前方向のバランスを改善するエクササイズなど、さまざまな要素から構成される。 胴体は身体の中核であり、頭部や四肢をコントロールし、動かすための安定した土台となる。体幹のトレーニングは、体幹の機能だけでなく、日常生活動作、立位バランス、歩行、幸福感など、他の結果にも好影響を与える可能性がある。 レビューの論点 脳卒中後、体幹のトレーニングによって日...

新生児黄疸に対する間欠的光線療法と持続的光線療法の比較

1 year 8 months ago
新生児黄疸に対する間欠的光線療法と持続的光線療法の比較 レビューの論点 新生児黄疸において、間欠的光線療法は持続的光線療法と比較してビリルビン濃度を低下させるのに有効か。 背景 新生児黄疸とは、血液中のビリルビン(血液に含まれる黄色の化合物)濃度が高いために新生児の皮膚が黄色に変化することである。光線療法は、新生児黄疸に対する有効な治療法として広く受け入れられている。通常、光線療法は持続的に行われるが、間欠的光線療法は母親による哺乳やボンディング(訳注:絆の形成)を促進するといった利点が期待される。間欠的光線療法が持続的光線療法と同等の効果があるかは不明である。 研究の特性 2022年1月までの医学データベースの検索により、乳幼児における間欠的光線療法の効果を評価した33件の研究を同定した。これらのうち、12件の試験(合計1600例の乳児を含む)がこのレビューの選択基準を満たしていた。1件の試験が進行中であり、4件の試験が分類待ちである。主要評価項目は、血清ビリルビン値の低下率とビリルビン誘発性神経機能異常(BIND)であった。検索結果は2022年1月31日時点で最新のものである。 主な結果 間欠的光線療法と持続的光線療法の間には、ビリルビン濃度の低下についてほとんど、あるいはまったく差がなかった。持続的光線療法は早産児においてより有効であったが、これが有意な差であるかは不明であ...

成人の中枢性睡眠時無呼吸症候群に対する治療薬

1 year 8 months ago
成人の中枢性睡眠時無呼吸症候群に対する治療薬 要点 この分野における研究は小規模であり、使用された薬剤は、偽の薬剤と比較して、いずれも中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)の患者に有効かどうかを結論づけることはできなかった。 中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)とは、どのような病気で、またどのように治療されるのか? CSAは、脳が呼吸を制御する筋肉に適切な信号を送ることができないために、睡眠中に呼吸の停止と開始を繰り返す病気である。CSAは男性および心臓疾患を持つ人に多く発症する。この病気は、気道の閉塞や狭窄によって呼吸が妨げられる閉塞性睡眠時無呼吸症候群とは異なり、発症頻度は低い。CSAの治療には、呼吸の補助装置が使用されることがあるが、必ずしもその使用が好まれているわけではない。睡眠薬(緊張を和らげ、心を落ち着かせるために使用される)や呼吸障害治療薬(呼吸を刺激するために使用される)などの薬剤による治療が、成人におけるCSAの代替療法となる場合がある。 何を調べようとしたのか? 本レビューでは、CSA患者における以下の項目について、薬剤による治療で改善可能かどうかを明らかにすることを目的とした。 ・中枢性無呼吸低呼吸指数(睡眠1時間あたりの呼吸停止回数を測定するCSAの重要な指標) ・心臓疾患による死亡 ・睡眠の質 ・生活の質 ・日中の眠気 ・無呼吸低呼吸指数(無呼吸に対するもう一...

緊急避妊のための黄体ホルモン子宮内避妊具と銅製子宮内避妊具の比較

1 year 8 months ago
緊急避妊のための黄体ホルモン子宮内避妊具と銅製子宮内避妊具の比較 このレビューの重要性 緊急避妊(EC)には利用できる選択肢が少ないため、このレビューは重要である。銅製子宮内避妊器具(Cu-IUD)は、現在利用可能なECの中で最も効果的な方法であるが、その使用と普及率は低い。レボノルゲストレルIUD(LNG-IUD)が他のECの方法と同程度に有効かどうか、文献を調査した。もし、ECの有効性が確認されれば、ECを希望する女性の選択肢の幅が広がるだろう。 エビデンスの特定および評価を行った方法は? ランダム化比較試験については、9件の医学研究データベースと2件の臨床試験登録を検索し、灰色文献(すなわち、従来の商業的・学術的な出版・流通経路以外の組織によって作成された研究)については、1件のウェブサイトを検索した。 黄体ホルモン含有IUDと銅含有IUD、または緊急避妊のための経口EC法を比較したランダム化および非ランダム化研究を検討した。 検索で確認されたすべての抄録と、可能性のある報告の全文をスクリーニングした。バイアスのリスクを評価し、GRADEシステムを用いてエビデンスの確実性を評価した。 わかったこと 2828件の記録が確認された。重複を除外し、組み入れ基準を適用した結果、基準を満たすランダム化比較試験が1件あった。711人の女性を対象とし、ECのためのLNG-IUDとCu-I...

手根管症候群のためのスプリント(固定用装具)

1 year 8 months ago
手根管症候群のためのスプリント(固定用装具) レビューの論点 このコクランレビューは、手根管症候群(CTS)患者に対するリストスプリント(手首固定用装具)の利益と有害性を、無治療または他のタイプの治療と比較することを目的とした。 背景 CTSは、手首にある2本の主神経のうちの1本が圧迫される疾患である。その結果、手や手首に痛みが生じたり、親指、人差し指、中指にしびれやしびれが生じたりする。重度の圧迫を受けると、手の筋肉が衰え、手の器用さが失われることがある。CTSは女性と50歳以上に多い。 CTSを治療するために手術を受ける人も多いが、通常はまず、スプリント(固定用装具)による安静、副腎皮質ステロイド(薬)(以下,ステロイド)注射(炎症を抑える薬)、運動などの非外科的治療が行われる。スプリントは手首をニュートラルな状態(まっすぐな状態)で固定するもので、通常、すべての指は自由に動かせるようにしておく。 研究の特徴 レビューの疑問に答えるために、関連するすべての研究を収集・分析し、CTS患者に対するスプリントの安全性と利益を評価した29件の研究を発見した。参加者の平均年齢は42歳から60歳で、参加者数は1,937人であり81%が女性であった。ほとんどが軽度から中等度の症状であった。 主な結果 装着期間が3か月未満の場合、スプリ ント(固定用装具)はCTSの症状を改善しない可能性があ...

メニエール病に対してゲンタマイシンを耳の中(鼓室)に直接投与することの利点とリスクは何か?

1 year 8 months ago
メニエール病に対してゲンタマイシンを耳の中(鼓室)に直接投与することの利点とリスクは何か? 要点 強固なエビデンスが不足していたため、ゲンタマイシンの鼓室内投与がメニエール病の症状の改善に有効であるかどうかは明らかではなかった。また、治療に伴うリスクの可能性についても明らかではなかった。 この治療が有効であるかどうかを明らかにし、有害作用について評価を行うためには、より大規模で適切に実施された研究が必要である。 また、メニエール病患者の症状を評価するための最善の方法を明らかにし、治療が有益であるかどうかを評価するためには、さらなる研究が必要である。これには「コアアウトカムセット」(メニエール病に関するすべての研究で測定すべき項目のリスト)の開発が含まれるべきである。 メニエール病とは何か? メニエール病は、内耳に起こる疾患であり、浮動性めまい(ふわふわ浮くような感覚)や回転性めまい(ぐるぐる回るような感覚)の発作を繰り返し、聴覚障害、耳鳴り(リンギング:キーンという高音、ハミング:ブンブンという低音、あるいはバジング:ブーンという低音)、耳が詰まった感覚(耳閉感)または圧迫感を伴う。通常は成人の、特に中年期に発症する。 メニエール病はどのように治療されるのか? メニエール病の治療には、まず内服薬(錠剤)が使用されることが多いが、症状が改善しない場合は、アミノグリコシド系の抗菌薬を...

生活習慣や食生活の変更は、メニエール病に対してどのような利点とリスクがあるか?

1 year 8 months ago
生活習慣や食生活の変更は、メニエール病に対してどのような利点とリスクがあるか? 要点 強固なエビデンスが不足していたため、メニエール病の治療に用いられた生活習慣や食生活の変更は、臨床で日常的に行われているにもかかわらず、症状の改善に有効かどうかは明らかではなかった。また、これらの介入に関連したリスクがあるかどうかも不明であった。 生活習慣や食生活の変更の有効性を明らかにし、有害作用について評価を行うためには、より大規模で適切に実施された研究が必要である。 また、メニエール病患者の症状を評価するための最善の方法を明らかにし、介入が有益であるかどうかを評価するためには、さらなる研究が必要である。これには「コアアウトカムセット」(メニエール病に関するすべての研究で測定すべき項目のリスト)の開発が含まれるべきである。 メニエール病とは何か? メニエール病は、内耳に起こる疾患であり、浮動性めまい(ふわふわ浮くような感覚)や回転性めまい(ぐるぐる回るような感覚)の発作を繰り返し、聴覚障害、耳鳴り(リンギング:キーンという高音、ハミング:ブンブンという低音、あるいはバジング:ブーンという低音)、耳が詰まった感覚(耳閉感)または圧迫感を伴う。通常は成人の、特に中年期に発症する。 メニエール病はどのように治療されるのか? メニエール病の治療には、まず内服薬(錠剤)が使用されることが多いが、その他の...

メニエール病に対して副腎皮質ステロイド剤を耳の中(鼓室)に直接投与することの利点とリスクは何か?

1 year 8 months ago
メニエール病に対して副腎皮質ステロイド剤を耳の中(鼓室)に直接投与することの利点とリスクは何か? 要点 強固なエビデンスが不足していたため、副腎皮質ステロイド剤の鼓室内投与がメニエール病の症状の改善に有効であるかどうかは明らかではなかった。また、治療に伴うリスクの可能性についても明らかではなかった。 この治療が有効であるかどうかを明らかにし、有害作用について評価を行うためには、より大規模で適切に実施された研究が必要である。 また、メニエール病患者の症状を評価するための最善の方法を明らかにし、治療が有益であるかどうかを評価するためには、さらなる研究が必要である。これには「コアアウトカムセット」(メニエール病に関するすべての研究で測定すべき項目のリスト)の開発が含まれるべきである。 メニエール病とは何か? メニエール病は、内耳に起こる疾患であり、浮動性めまい(ふわふわ浮くような感覚)や回転性めまい(ぐるぐる回るような感覚)の発作を繰り返し、聴覚障害、耳鳴り(リンギング:キーンという高音、ハミング:ブンブンという低音、あるいはバジング:ブーンという低音)、耳が詰まった感覚(耳閉感)または圧迫感を伴う。通常は成人の、特に中年期に発症する。 メニエール病はどのように治療されるのか? メニエール病の治療には、まず内服薬(錠剤)が使用されることが多いが、症状が改善しない場合は、副腎皮質ステロイ...

メニエール病に対するさまざまな手術の利点とリスクは何か?

1 year 8 months ago
メニエール病に対するさまざまな手術の利点とリスクは何か? 要点 強固なエビデンスが不足していたため、メニエール病の治療に用いられたどのような手術についても、症状の改善に効果があるかどうかは明らかではなかった。また、これらの治療による重大なリスクの可能性についての情報はなかった。 手術の有効性を明らかにし、有害作用について評価を行うためには、より大規模で適切に実施された研究が必要である。 また、メニエール病患者の症状を評価するための最善の方法を明らかにし、治療が有益であるかどうかを評価するためには、さらなる研究が必要である。これには「コアアウトカムセット」(メニエール病に関するすべての研究で測定すべき項目のリスト)の開発が含まれるべきである。 メニエール病とは何か? メニエール病は、内耳に起こる疾患であり、浮動性めまい(ふわふわ浮くような感覚)や回転性めまい(ぐるぐる回るような感覚)の発作を繰り返し、聴覚障害、耳鳴り(リンギング:キーンという高音、ハミング:ブンブンという低音、あるいはバジング:ブーンという低音)、耳が詰まった感覚(耳閉感)または圧迫感を伴う。通常は成人の、特に中年期に発症する。比較的まれな疾患であるが、生活の質に大きな影響を及ぼす可能性がある。 メニエール病はどのように治療されるのか? メニエール病の治療法には、国や地域によって大きなばらつきがあり、現在のところ、...

メニエール病に対するさまざまな薬の利益とリスクは何か?

1 year 8 months ago
メニエール病に対するさまざまな薬の利益とリスクは何か? 要点 確固としたエビデンスがないため、陽圧治療がメニエール病がある人の症状を改善するかどうかは明らかではない。この治療が害をもたらすかどうかについての情報は見つからなかった。 陽圧治療が有効かどうかを確認し、治療による有害な影響がないことを確認するためには、より大規模で十分に実施された研究が必要である。 また、メニエール病がある人の症状を測定し、治療が有効であるかどうかを評価するために、どのような方法が最適であるかをさらに検討する必要がある。これには、メニエール病に関するすべての研究で測定されるべき事項のリストである「コア・アウトカムセット」の開発も含まれるべきである。 メニエール病とはどのような病気か? メニエール病は、内耳が影響を受ける病気である。浮動性めまい(ふわふわと浮いているように感じるめまい)や回転性めまい(自分がぐるぐる回るように感じるめまい)の発作を繰り返し、聴力障害、耳鳴り、耳が詰まった感じや圧迫感も生じる。通常、成人が発症し、中年期から発症する。 メニエール病はどのように治療するか? 経口薬(錠剤)と生活習慣への介入は、メニエール病の最初の治療としてしばしば用いられる。それでも症状を抑えられない場合は、他の治療法を試みることもある。これには陽圧療法も含まれ、ポンプに取り付けたチューブを耳に入れる。ポンプは...

メニエール病に対するさまざまな薬の利益とリスクは何か?

1 year 8 months ago
メニエール病に対するさまざまな薬の利益とリスクは何か? 要点 メニエール病の治療に使用される経口薬(錠剤)は、臨床現場で日常的に使用されているにもかかわらず、確固たるエビデンスがないため、症状の改善に効果があるかどうかは明らかではない。他の疾患に使用する場合、これらの薬剤は副作用を引き起こす可能性がある。しかし、メニエール病を対象とした研究からの情報が少なすぎて、これらの治療による重大なリスクがあるかどうかがわからない。 いくつかの薬が有効であるかどうかを確認し、治療による有害な影響があるかどうかを評価するためには、より大規模で十分に実施された研究が必要である。 また、メニエール病の患者の症状を測定し、治療が有効であるかどうかを評価するために、どのような方法が最適であるかをさらに検討する必要がある。これには、メニエール病に関するすべての研究で測定されるべき事項のリストである「コア・アウトカムセット」の開発も含まれるべきである。 メニエール病とはどのような病気か? メニエール病は、内耳が影響を受ける病気である。浮動性めまい(ふわふわと浮いているように感じるめまい)や回転性めまい(自分がぐるぐる回るように感じるめまい)の発作を繰り返し、聴力障害、耳鳴り、耳が詰まった感じや圧迫感も生じる。通常、成人が発症し、中年期から発症する。 メニエール病はどのように治療するか? メニエール病の最初...

筋萎縮性側索硬化症/運動ニューロン疾患がある人への診断結果の通知方法

1 year 8 months ago
筋萎縮性側索硬化症/運動ニューロン疾患がある人への診断結果の通知方法 レビューの論点 筋萎縮性側索硬化症(ALS)や運動ニューロン疾患(MND)の診断を伝えることについてのエビデンスを評価することを計画した。 背景 ALSは、MNDとしても知られているが、運動をコントロールしている神経に影響を与える病気である。手足の衰え、呼吸困難、言語障害・嚥下障害など、どんどん障害が進行していく。最も重要なことは、ALS/MNDがある人が、発症から3~5年以内に死に至ることが多いという事実に対処しなければならないことである。診断の際、ALS/MNDがある人やその親族、介護者は大きな苦痛を味わうことになるため、診断をどのように伝えるかを理解することが重要である。ALS/MNDの診断を伝える方法について、ランダム化比較試験(RCT)を広く検索した。 結果 ALS/MNDの診断を伝える方法に関するRCTは見つからなかった。 2022年2月までの文献を検索した。 このエビデンスがお役に立ちましたら、コクランへの寄付をご検討ください。私たちは、人々が医療やケアの意思決定をする際に役立つ、利用しやすいエビデンスを作成する慈善団体です。寄付 訳注:  《実施組織》 阪野正大、杉山伸子 翻訳[2023.04.26]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していま...

増殖糖尿病網膜症(眼に影響を及ぼす糖尿病合併症)の発症と進行の危険因子

1 year 8 months ago
増殖糖尿病網膜症(眼に影響を及ぼす糖尿病合併症)の発症と進行の危険因子 レビューの論点 糖尿病がある人が、視力を脅かす糖尿病合併症である増殖糖尿病網膜症や高リスク増殖糖尿病網膜症を発症する確率を増減させる要因を調べたいと考えた。 背景 糖尿病では、血糖値の上昇によって、目の奥にある網膜という視力のもとになる層の細い血管が、長い時間をかけて傷つけられる。これを「糖尿病網膜症」と呼ぶ。糖尿病や糖尿病網膜症がある人の中には、網膜に異常でもろい血管、いわゆる「新生血管」が生じる人がいる。新しい血管ができると「増殖性糖尿病網膜症」といい、「PDR」とも呼ばれる。この新しい血管は弱く、眼球内で出血することがあり、「硝子体出血」と呼ばれる症状を引き起こす。目の中の血液が視力を奪うが、自然に治ったり(たまに治る)、手術すれば、ほとんどの場合、視力は回復する。また、新しい血管の上に瘢痕組織が成長することもある。瘢痕は網膜を引っ張り、牽引性網膜剥離と呼ばれる、糖尿病網膜症で最も深刻な視力低下をもたらす合併症を引き起こす可能性がある。牽引性網膜剥離は、速やかに手術で治療しなければ、全盲になる可能性がある。 糖尿病がある人のほとんどが糖尿病網膜症を発症するが、このような重篤な合併症に至る人はごくわずかである。その理由は不明である。視力低下は、早期に治療を行えば、通常、予防することができる。そのため、PD...

腹膜透析患者のカテーテル機能と臨床結果を向上させるためのカテーテル挿入技術

1 year 8 months ago
腹膜透析患者のカテーテル機能と臨床結果を向上させるためのカテーテル挿入技術 論点 腹膜透析(PD)は、柔軟なプラスチック製のカテーテルを腹腔(腹部の臓器の周りの空間)に挿入し、透析治療を行うものである。このチューブは、老廃物や水分を最適に排出するために、毎日(または一晩)数回、腹膜腔に無菌の液体を出入りさせることができるものでなければならない。腹腔内にPDカテーテルを最初に挿入する方法は、地域性と専門知識によって施設によって異なるため、どのカテーテル挿入方法が、カテーテルの機能、寿命、術後合併症を最小限に抑えながら患者にとって最良の臨床結果(評価項目)をもたらすかは明らかではない。 何を行ったのか? 2022年11月までのコクラン腎・移植専門登録データベースを検索した。特定された研究のうち、本レビューに使用できたのは17件のみであった。含まれる研究のうち9件の研究から、合計658人の参加者が分析に含まれた。他の8件の研究は、記述的レビューにしか適さないものであった。 わかったこと PDカテーテルの挿入方法を検討した研究は一般的に質が低く、PDカテーテルの長期的な結果を分析できるような方法で検討したものはないことがわかった。つまり、どのPDカテーテルの挿入方法が、カテーテルの生存率の点で患者にとって最適なのかは、まだわかっていない。PDカテーテルの挿入方法の違いを比較した研究の中に...

トラネキサム酸(血液凝固を促進する薬剤)は、慢性鼻副鼻腔炎の内視鏡手術における出血を減少させるか?

1 year 9 months ago
トラネキサム酸(血液凝固を促進する薬剤)は、慢性鼻副鼻腔炎の内視鏡手術における出血を減少させるか? 慢性鼻副鼻腔炎とは何か? 慢性鼻副鼻腔炎とは、副鼻腔(顔の骨の中にあり、鼻腔とつながっている空洞)の炎症が12週間以上続いている状態である。慢性鼻副鼻腔炎になると、鼻づまりや鼻水、顔の痛みや圧迫感、嗅覚の低下や喪失などの症状が現れる。また、鼻の中にポリープができ、症状が悪化することもある。 慢性鼻副鼻腔炎はどのように治療されるのか? 慢性鼻副鼻腔炎は、通常、生理食塩水のスプレーや洗浄液、抗炎症剤(ステロイド剤)の点鼻薬、抗菌薬、ステロイドの錠剤などを用いて治療される。このような治療を行っても症状が続く場合は、手術が行われることがある。 何を調べようとしたのか? 血液凝固を促進する薬剤であるトラネキサム酸が、内視鏡を用いた副鼻腔手術(内視鏡下副鼻腔手術)における出血を減少させるか、また、合併症のリスクを低下させることができるかどうかを調査した。出血を少なくできるということは、手術時に外科医が副鼻腔の状態をよく観察することができるということである。 何を行ったのか? トラネキサム酸を使用(静脈内投与、またはスプレーや点鼻薬による投与)した治療について、プラセボ(偽の治療)、またはトラネキサム酸を使用しなかった場合とを比較した研究を検索した。小児と成人両方の研究参加者を対象とした。研究結...
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