Latest Japanese Reviews

成人の中枢性睡眠時無呼吸症候群に対する治療薬

2 years 1 month ago
成人の中枢性睡眠時無呼吸症候群に対する治療薬 要点 この分野における研究は小規模であり、使用された薬剤は、偽の薬剤と比較して、いずれも中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)の患者に有効かどうかを結論づけることはできなかった。 中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)とは、どのような病気で、またどのように治療されるのか? CSAは、脳が呼吸を制御する筋肉に適切な信号を送ることができないために、睡眠中に呼吸の停止と開始を繰り返す病気である。CSAは男性および心臓疾患を持つ人に多く発症する。この病気は、気道の閉塞や狭窄によって呼吸が妨げられる閉塞性睡眠時無呼吸症候群とは異なり、発症頻度は低い。CSAの治療には、呼吸の補助装置が使用されることがあるが、必ずしもその使用が好まれているわけではない。睡眠薬(緊張を和らげ、心を落ち着かせるために使用される)や呼吸障害治療薬(呼吸を刺激するために使用される)などの薬剤による治療が、成人におけるCSAの代替療法となる場合がある。 何を調べようとしたのか? 本レビューでは、CSA患者における以下の項目について、薬剤による治療で改善可能かどうかを明らかにすることを目的とした。 ・中枢性無呼吸低呼吸指数(睡眠1時間あたりの呼吸停止回数を測定するCSAの重要な指標) ・心臓疾患による死亡 ・睡眠の質 ・生活の質 ・日中の眠気 ・無呼吸低呼吸指数(無呼吸に対するもう一...

緊急避妊のための黄体ホルモン子宮内避妊具と銅製子宮内避妊具の比較

2 years 1 month ago
緊急避妊のための黄体ホルモン子宮内避妊具と銅製子宮内避妊具の比較 このレビューの重要性 緊急避妊(EC)には利用できる選択肢が少ないため、このレビューは重要である。銅製子宮内避妊器具(Cu-IUD)は、現在利用可能なECの中で最も効果的な方法であるが、その使用と普及率は低い。レボノルゲストレルIUD(LNG-IUD)が他のECの方法と同程度に有効かどうか、文献を調査した。もし、ECの有効性が確認されれば、ECを希望する女性の選択肢の幅が広がるだろう。 エビデンスの特定および評価を行った方法は? ランダム化比較試験については、9件の医学研究データベースと2件の臨床試験登録を検索し、灰色文献(すなわち、従来の商業的・学術的な出版・流通経路以外の組織によって作成された研究)については、1件のウェブサイトを検索した。 黄体ホルモン含有IUDと銅含有IUD、または緊急避妊のための経口EC法を比較したランダム化および非ランダム化研究を検討した。 検索で確認されたすべての抄録と、可能性のある報告の全文をスクリーニングした。バイアスのリスクを評価し、GRADEシステムを用いてエビデンスの確実性を評価した。 わかったこと 2828件の記録が確認された。重複を除外し、組み入れ基準を適用した結果、基準を満たすランダム化比較試験が1件あった。711人の女性を対象とし、ECのためのLNG-IUDとCu-I...

手根管症候群のためのスプリント(固定用装具)

2 years 1 month ago
手根管症候群のためのスプリント(固定用装具) レビューの論点 このコクランレビューは、手根管症候群(CTS)患者に対するリストスプリント(手首固定用装具)の利益と有害性を、無治療または他のタイプの治療と比較することを目的とした。 背景 CTSは、手首にある2本の主神経のうちの1本が圧迫される疾患である。その結果、手や手首に痛みが生じたり、親指、人差し指、中指にしびれやしびれが生じたりする。重度の圧迫を受けると、手の筋肉が衰え、手の器用さが失われることがある。CTSは女性と50歳以上に多い。 CTSを治療するために手術を受ける人も多いが、通常はまず、スプリント(固定用装具)による安静、副腎皮質ステロイド(薬)(以下,ステロイド)注射(炎症を抑える薬)、運動などの非外科的治療が行われる。スプリントは手首をニュートラルな状態(まっすぐな状態)で固定するもので、通常、すべての指は自由に動かせるようにしておく。 研究の特徴 レビューの疑問に答えるために、関連するすべての研究を収集・分析し、CTS患者に対するスプリントの安全性と利益を評価した29件の研究を発見した。参加者の平均年齢は42歳から60歳で、参加者数は1,937人であり81%が女性であった。ほとんどが軽度から中等度の症状であった。 主な結果 装着期間が3か月未満の場合、スプリ ント(固定用装具)はCTSの症状を改善しない可能性があ...

メニエール病に対してゲンタマイシンを耳の中(鼓室)に直接投与することの利点とリスクは何か?

2 years 1 month ago
メニエール病に対してゲンタマイシンを耳の中(鼓室)に直接投与することの利点とリスクは何か? 要点 強固なエビデンスが不足していたため、ゲンタマイシンの鼓室内投与がメニエール病の症状の改善に有効であるかどうかは明らかではなかった。また、治療に伴うリスクの可能性についても明らかではなかった。 この治療が有効であるかどうかを明らかにし、有害作用について評価を行うためには、より大規模で適切に実施された研究が必要である。 また、メニエール病患者の症状を評価するための最善の方法を明らかにし、治療が有益であるかどうかを評価するためには、さらなる研究が必要である。これには「コアアウトカムセット」(メニエール病に関するすべての研究で測定すべき項目のリスト)の開発が含まれるべきである。 メニエール病とは何か? メニエール病は、内耳に起こる疾患であり、浮動性めまい(ふわふわ浮くような感覚)や回転性めまい(ぐるぐる回るような感覚)の発作を繰り返し、聴覚障害、耳鳴り(リンギング:キーンという高音、ハミング:ブンブンという低音、あるいはバジング:ブーンという低音)、耳が詰まった感覚(耳閉感)または圧迫感を伴う。通常は成人の、特に中年期に発症する。 メニエール病はどのように治療されるのか? メニエール病の治療には、まず内服薬(錠剤)が使用されることが多いが、症状が改善しない場合は、アミノグリコシド系の抗菌薬を...

生活習慣や食生活の変更は、メニエール病に対してどのような利点とリスクがあるか?

2 years 1 month ago
生活習慣や食生活の変更は、メニエール病に対してどのような利点とリスクがあるか? 要点 強固なエビデンスが不足していたため、メニエール病の治療に用いられた生活習慣や食生活の変更は、臨床で日常的に行われているにもかかわらず、症状の改善に有効かどうかは明らかではなかった。また、これらの介入に関連したリスクがあるかどうかも不明であった。 生活習慣や食生活の変更の有効性を明らかにし、有害作用について評価を行うためには、より大規模で適切に実施された研究が必要である。 また、メニエール病患者の症状を評価するための最善の方法を明らかにし、介入が有益であるかどうかを評価するためには、さらなる研究が必要である。これには「コアアウトカムセット」(メニエール病に関するすべての研究で測定すべき項目のリスト)の開発が含まれるべきである。 メニエール病とは何か? メニエール病は、内耳に起こる疾患であり、浮動性めまい(ふわふわ浮くような感覚)や回転性めまい(ぐるぐる回るような感覚)の発作を繰り返し、聴覚障害、耳鳴り(リンギング:キーンという高音、ハミング:ブンブンという低音、あるいはバジング:ブーンという低音)、耳が詰まった感覚(耳閉感)または圧迫感を伴う。通常は成人の、特に中年期に発症する。 メニエール病はどのように治療されるのか? メニエール病の治療には、まず内服薬(錠剤)が使用されることが多いが、その他の...

メニエール病に対して副腎皮質ステロイド剤を耳の中(鼓室)に直接投与することの利点とリスクは何か?

2 years 1 month ago
メニエール病に対して副腎皮質ステロイド剤を耳の中(鼓室)に直接投与することの利点とリスクは何か? 要点 強固なエビデンスが不足していたため、副腎皮質ステロイド剤の鼓室内投与がメニエール病の症状の改善に有効であるかどうかは明らかではなかった。また、治療に伴うリスクの可能性についても明らかではなかった。 この治療が有効であるかどうかを明らかにし、有害作用について評価を行うためには、より大規模で適切に実施された研究が必要である。 また、メニエール病患者の症状を評価するための最善の方法を明らかにし、治療が有益であるかどうかを評価するためには、さらなる研究が必要である。これには「コアアウトカムセット」(メニエール病に関するすべての研究で測定すべき項目のリスト)の開発が含まれるべきである。 メニエール病とは何か? メニエール病は、内耳に起こる疾患であり、浮動性めまい(ふわふわ浮くような感覚)や回転性めまい(ぐるぐる回るような感覚)の発作を繰り返し、聴覚障害、耳鳴り(リンギング:キーンという高音、ハミング:ブンブンという低音、あるいはバジング:ブーンという低音)、耳が詰まった感覚(耳閉感)または圧迫感を伴う。通常は成人の、特に中年期に発症する。 メニエール病はどのように治療されるのか? メニエール病の治療には、まず内服薬(錠剤)が使用されることが多いが、症状が改善しない場合は、副腎皮質ステロイ...

メニエール病に対するさまざまな手術の利点とリスクは何か?

2 years 1 month ago
メニエール病に対するさまざまな手術の利点とリスクは何か? 要点 強固なエビデンスが不足していたため、メニエール病の治療に用いられたどのような手術についても、症状の改善に効果があるかどうかは明らかではなかった。また、これらの治療による重大なリスクの可能性についての情報はなかった。 手術の有効性を明らかにし、有害作用について評価を行うためには、より大規模で適切に実施された研究が必要である。 また、メニエール病患者の症状を評価するための最善の方法を明らかにし、治療が有益であるかどうかを評価するためには、さらなる研究が必要である。これには「コアアウトカムセット」(メニエール病に関するすべての研究で測定すべき項目のリスト)の開発が含まれるべきである。 メニエール病とは何か? メニエール病は、内耳に起こる疾患であり、浮動性めまい(ふわふわ浮くような感覚)や回転性めまい(ぐるぐる回るような感覚)の発作を繰り返し、聴覚障害、耳鳴り(リンギング:キーンという高音、ハミング:ブンブンという低音、あるいはバジング:ブーンという低音)、耳が詰まった感覚(耳閉感)または圧迫感を伴う。通常は成人の、特に中年期に発症する。比較的まれな疾患であるが、生活の質に大きな影響を及ぼす可能性がある。 メニエール病はどのように治療されるのか? メニエール病の治療法には、国や地域によって大きなばらつきがあり、現在のところ、...

メニエール病に対するさまざまな薬の利益とリスクは何か?

2 years 1 month ago
メニエール病に対するさまざまな薬の利益とリスクは何か? 要点 確固としたエビデンスがないため、陽圧治療がメニエール病がある人の症状を改善するかどうかは明らかではない。この治療が害をもたらすかどうかについての情報は見つからなかった。 陽圧治療が有効かどうかを確認し、治療による有害な影響がないことを確認するためには、より大規模で十分に実施された研究が必要である。 また、メニエール病がある人の症状を測定し、治療が有効であるかどうかを評価するために、どのような方法が最適であるかをさらに検討する必要がある。これには、メニエール病に関するすべての研究で測定されるべき事項のリストである「コア・アウトカムセット」の開発も含まれるべきである。 メニエール病とはどのような病気か? メニエール病は、内耳が影響を受ける病気である。浮動性めまい(ふわふわと浮いているように感じるめまい)や回転性めまい(自分がぐるぐる回るように感じるめまい)の発作を繰り返し、聴力障害、耳鳴り、耳が詰まった感じや圧迫感も生じる。通常、成人が発症し、中年期から発症する。 メニエール病はどのように治療するか? 経口薬(錠剤)と生活習慣への介入は、メニエール病の最初の治療としてしばしば用いられる。それでも症状を抑えられない場合は、他の治療法を試みることもある。これには陽圧療法も含まれ、ポンプに取り付けたチューブを耳に入れる。ポンプは...

メニエール病に対するさまざまな薬の利益とリスクは何か?

2 years 1 month ago
メニエール病に対するさまざまな薬の利益とリスクは何か? 要点 メニエール病の治療に使用される経口薬(錠剤)は、臨床現場で日常的に使用されているにもかかわらず、確固たるエビデンスがないため、症状の改善に効果があるかどうかは明らかではない。他の疾患に使用する場合、これらの薬剤は副作用を引き起こす可能性がある。しかし、メニエール病を対象とした研究からの情報が少なすぎて、これらの治療による重大なリスクがあるかどうかがわからない。 いくつかの薬が有効であるかどうかを確認し、治療による有害な影響があるかどうかを評価するためには、より大規模で十分に実施された研究が必要である。 また、メニエール病の患者の症状を測定し、治療が有効であるかどうかを評価するために、どのような方法が最適であるかをさらに検討する必要がある。これには、メニエール病に関するすべての研究で測定されるべき事項のリストである「コア・アウトカムセット」の開発も含まれるべきである。 メニエール病とはどのような病気か? メニエール病は、内耳が影響を受ける病気である。浮動性めまい(ふわふわと浮いているように感じるめまい)や回転性めまい(自分がぐるぐる回るように感じるめまい)の発作を繰り返し、聴力障害、耳鳴り、耳が詰まった感じや圧迫感も生じる。通常、成人が発症し、中年期から発症する。 メニエール病はどのように治療するか? メニエール病の最初...

筋萎縮性側索硬化症/運動ニューロン疾患がある人への診断結果の通知方法

2 years 1 month ago
筋萎縮性側索硬化症/運動ニューロン疾患がある人への診断結果の通知方法 レビューの論点 筋萎縮性側索硬化症(ALS)や運動ニューロン疾患(MND)の診断を伝えることについてのエビデンスを評価することを計画した。 背景 ALSは、MNDとしても知られているが、運動をコントロールしている神経に影響を与える病気である。手足の衰え、呼吸困難、言語障害・嚥下障害など、どんどん障害が進行していく。最も重要なことは、ALS/MNDがある人が、発症から3~5年以内に死に至ることが多いという事実に対処しなければならないことである。診断の際、ALS/MNDがある人やその親族、介護者は大きな苦痛を味わうことになるため、診断をどのように伝えるかを理解することが重要である。ALS/MNDの診断を伝える方法について、ランダム化比較試験(RCT)を広く検索した。 結果 ALS/MNDの診断を伝える方法に関するRCTは見つからなかった。 2022年2月までの文献を検索した。 このエビデンスがお役に立ちましたら、コクランへの寄付をご検討ください。私たちは、人々が医療やケアの意思決定をする際に役立つ、利用しやすいエビデンスを作成する慈善団体です。寄付 訳注:  《実施組織》 阪野正大、杉山伸子 翻訳[2023.04.26]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していま...

増殖糖尿病網膜症(眼に影響を及ぼす糖尿病合併症)の発症と進行の危険因子

2 years 1 month ago
増殖糖尿病網膜症(眼に影響を及ぼす糖尿病合併症)の発症と進行の危険因子 レビューの論点 糖尿病がある人が、視力を脅かす糖尿病合併症である増殖糖尿病網膜症や高リスク増殖糖尿病網膜症を発症する確率を増減させる要因を調べたいと考えた。 背景 糖尿病では、血糖値の上昇によって、目の奥にある網膜という視力のもとになる層の細い血管が、長い時間をかけて傷つけられる。これを「糖尿病網膜症」と呼ぶ。糖尿病や糖尿病網膜症がある人の中には、網膜に異常でもろい血管、いわゆる「新生血管」が生じる人がいる。新しい血管ができると「増殖性糖尿病網膜症」といい、「PDR」とも呼ばれる。この新しい血管は弱く、眼球内で出血することがあり、「硝子体出血」と呼ばれる症状を引き起こす。目の中の血液が視力を奪うが、自然に治ったり(たまに治る)、手術すれば、ほとんどの場合、視力は回復する。また、新しい血管の上に瘢痕組織が成長することもある。瘢痕は網膜を引っ張り、牽引性網膜剥離と呼ばれる、糖尿病網膜症で最も深刻な視力低下をもたらす合併症を引き起こす可能性がある。牽引性網膜剥離は、速やかに手術で治療しなければ、全盲になる可能性がある。 糖尿病がある人のほとんどが糖尿病網膜症を発症するが、このような重篤な合併症に至る人はごくわずかである。その理由は不明である。視力低下は、早期に治療を行えば、通常、予防することができる。そのため、PD...

腹膜透析患者のカテーテル機能と臨床結果を向上させるためのカテーテル挿入技術

2 years 1 month ago
腹膜透析患者のカテーテル機能と臨床結果を向上させるためのカテーテル挿入技術 論点 腹膜透析(PD)は、柔軟なプラスチック製のカテーテルを腹腔(腹部の臓器の周りの空間)に挿入し、透析治療を行うものである。このチューブは、老廃物や水分を最適に排出するために、毎日(または一晩)数回、腹膜腔に無菌の液体を出入りさせることができるものでなければならない。腹腔内にPDカテーテルを最初に挿入する方法は、地域性と専門知識によって施設によって異なるため、どのカテーテル挿入方法が、カテーテルの機能、寿命、術後合併症を最小限に抑えながら患者にとって最良の臨床結果(評価項目)をもたらすかは明らかではない。 何を行ったのか? 2022年11月までのコクラン腎・移植専門登録データベースを検索した。特定された研究のうち、本レビューに使用できたのは17件のみであった。含まれる研究のうち9件の研究から、合計658人の参加者が分析に含まれた。他の8件の研究は、記述的レビューにしか適さないものであった。 わかったこと PDカテーテルの挿入方法を検討した研究は一般的に質が低く、PDカテーテルの長期的な結果を分析できるような方法で検討したものはないことがわかった。つまり、どのPDカテーテルの挿入方法が、カテーテルの生存率の点で患者にとって最適なのかは、まだわかっていない。PDカテーテルの挿入方法の違いを比較した研究の中に...

トラネキサム酸(血液凝固を促進する薬剤)は、慢性鼻副鼻腔炎の内視鏡手術における出血を減少させるか?

2 years 1 month ago
トラネキサム酸(血液凝固を促進する薬剤)は、慢性鼻副鼻腔炎の内視鏡手術における出血を減少させるか? 慢性鼻副鼻腔炎とは何か? 慢性鼻副鼻腔炎とは、副鼻腔(顔の骨の中にあり、鼻腔とつながっている空洞)の炎症が12週間以上続いている状態である。慢性鼻副鼻腔炎になると、鼻づまりや鼻水、顔の痛みや圧迫感、嗅覚の低下や喪失などの症状が現れる。また、鼻の中にポリープができ、症状が悪化することもある。 慢性鼻副鼻腔炎はどのように治療されるのか? 慢性鼻副鼻腔炎は、通常、生理食塩水のスプレーや洗浄液、抗炎症剤(ステロイド剤)の点鼻薬、抗菌薬、ステロイドの錠剤などを用いて治療される。このような治療を行っても症状が続く場合は、手術が行われることがある。 何を調べようとしたのか? 血液凝固を促進する薬剤であるトラネキサム酸が、内視鏡を用いた副鼻腔手術(内視鏡下副鼻腔手術)における出血を減少させるか、また、合併症のリスクを低下させることができるかどうかを調査した。出血を少なくできるということは、手術時に外科医が副鼻腔の状態をよく観察することができるということである。 何を行ったのか? トラネキサム酸を使用(静脈内投与、またはスプレーや点鼻薬による投与)した治療について、プラセボ(偽の治療)、またはトラネキサム酸を使用しなかった場合とを比較した研究を検索した。小児と成人両方の研究参加者を対象とした。研究結...

小児の機能性腹痛障害の管理のためのプロバイオティクス

2 years 1 month ago
小児の機能性腹痛障害の管理のためのプロバイオティクス 小児の胃痛に対するプロバイオティクス 要点 プロバイオティクスは、プラセボ(ダミー治療)よりも機能性腹痛を持つ小児の胃の痛みを改善する効果がある可能性がある。 シンバイオティクスは、プラセボ(ダミー治療)よりも機能性腹痛を持つ小児の胃の痛みの改善する効果がある可能性がある。 機能性腹痛とは? 機能性腹痛は、小児に多い問題である。症状に対して原因が見つからない場合に機能性腹痛という言葉が使われる。この症状は、半年以上続く頻繁な胃の痛みで、日常生活に支障をきたすものである。 プロバイオティクスとは? プロバイオティクスとは、生きた細菌や酵母のことで、さまざまな利益があるとして推進されている。よく「善玉菌」と呼ばれるものである。これらのプロバイオティクスは、腸内細菌の自然なバランスを助け、特定の病気における症状を改善する可能性があると考えられている。また、プレバイオティクス(これらの細菌や酵母の増殖を助ける食品)と呼ばれる物質を加えることもでき、これらをまとめて一つの製剤にしたものをシンバイオティクスと呼んでいる。 何を調べようとしたのか? プロバイオティクスやシンバイオティクスが小児の機能性腹痛の治療に使えるかどうか、また安全に使えるかどうかを調べたいと考えた。 何を行ったのか? 機能性腹痛障害と診断された4歳から18歳の小児を対...

血管手術後の出血を抑える薬剤はあるのか

2 years 1 month ago
血管手術後の出血を抑える薬剤はあるのか ・要点 血管手術時の出血や輸血を減らすために、どの薬剤が最適なのかについては未だ不明である。 ・血管手術とは何か 血管手術とは、血管の破れや弱った部位を修復したり、詰まりを除去したりする手術のことである。本レビューでは、特に重度の出血につながりやすい血管手術に注目した。 ・血管手術中の輸血を減らすことがなぜ重要なのか 血管手術中、または手術後に大量に出血した場合、失った血液を補うために輸血が必要になることがある。輸血は害を及ぼす可能性があるため、できれば輸血を避けることが望ましい。これは、血液の供給が少ないときは特に重要である。 ・何を知りたかったのか 出血を抑えて輸血の必要性を減らすために役立つ薬物療法を知りたかった。また、そのような処置が血栓など副作用のリスクを高めるかどうかについて明らかにしたいと考えた。 ・本レビューで実施したこと 複数の電子ライブラリーを利用して、血管手術後の出血を防ぐ薬剤について、ランダム化比較試験と呼ばれる最も信頼性の高い研究を検索した。 ・わかったこと 出血量を減らすために手術前に注射された薬剤に関する研究が7件、薬剤を含んだドレッシング材(包帯材)や接着剤に関する研究が15件見つかった。このような薬剤は、手術中に出血を止めるために使用されるが、手術後も体内に残留する。血管手術中の出血や輸血を減少させるために...

小児における近視の進行を遅らせるための介入方法

2 years 1 month ago
小児における近視の進行を遅らせるための介入方法 要点 ・アトロピンなどの薬剤の点眼により、小児の近視の進行を遅らせたり、近視による眼球の伸長を抑制できる可能性がある。高用量のアトロピンが最も効果的であるが、低用量のアトロピンの効果については不確実である。 ・特殊なレンズを使用した眼鏡やコンタクトレンズを利用するなどの方法は、近視の進行を遅らせる可能性があるが、その効果は依然として不確実であり、また有害事象のリスクに関する情報も十分ではない。 ・また、近視の進行に対して使用される薬剤やレンズに関して、現在報告されている効果が、長年にわたって維持されるかどうかについても不明である。 近視とは何か? 近視とは、遠くのものをはっきり見ることができないが、近くのものであればはっきり見ることができる状態のことである。近視は世界的に非常に多く見られ、中国や東南アジアにおいては半数以上の小児に見られると言われている。近視は、学習や仕事など、生活のさまざまな場面で障害をもたらす可能性がある。さらに、近視は目を伸長させるため、網膜が引き伸ばされる。そのため、将来的に、緑内障や黄斑症、あるいは網膜剥離などの眼疾患にかかるリスクが高くなる。 近視はどのように治療されるのか? 従来の眼鏡やコンタクトレンズでも近視を矯正することはできるが、その進行を遅らせることはできない。近視の進行を遅らせることを目的とし...

妊娠糖尿病になることを防ぐために、妊娠中にミオイノシトールを栄養補助食品として摂取すること

2 years 1 month ago
妊娠糖尿病になることを防ぐために、妊娠中にミオイノシトールを栄養補助食品として摂取すること 要点 妊娠糖尿病になった女性は、妊娠中や出産時に合併症を起こしたり、その後糖尿病になったりするリスクが高くなると言われている。妊娠糖尿病の母親から生まれてくる赤ちゃんは、本来より大きくなりすぎて、出産時にけがをしてしまう可能性がある。また、子どもの頃や若いうちから、糖尿病になるリスクがある。妊娠糖尿病と診断される女性は世界中で増えており、妊娠糖尿病を防ぐための簡単で費用対効果の高い方法を見つけることが重要である。 ミオイノシトールは、穀類、とうもろこし、緑黄色野菜、肉類などに含まれる天然の糖質で、体内のインスリン感受性に関与している。 何を調べようとしたのか? ミオイノシトールが、妊娠糖尿病を防ぐのに有効な妊婦用栄養補助食品であるかどうかを調べたかった。 何を行ったのか? ミオイノシトール(単独投与または他の治療との併用)を無治療または他の治療と比較した試験を検索した。研究結果を比較、要約し、研究方法や研究規模などに基づいて、エビデンスに対する信頼度を評価した。 何がわかったか? 妊娠10~24週の女性1,319人を対象とした7件の研究を確認した。 主な結果 ミオイノシトールの補給が妊娠糖尿病の発症率の低下と関連するかどうかは不明である。ただし、ミオイノシトールは、妊娠高血圧症候群の減少に...

リハビリテーションを必要とする人々に対する在宅リハビリテーションサービスの提供に影響を与える要因:質的エビデンス統合

2 years 1 month ago
リハビリテーションを必要とする人々に対する在宅リハビリテーションサービスの提供に影響を与える要因:質的エビデンス統合 このコクラン質的エビデンス統合の目的は、自宅で提供されるリハビリテーションサービスに影響を与える要因を探ることであった。この統合では、対面で提供されるサービスと、遠隔リハビリテーションで提供されるサービスについて検討した。この疑問に答えるため、53件の質的研究を分析した。 要点 在宅リハビリテーションは、対面または遠隔リハビリテーションによって提供され、施設でのサービスよりも身近で便利なものとして体験することができる。また、患者、サービスの提供者、家族は、在宅サービスを利用することで人間関係のあり方が変わり、実践的で資源的な意味合いがプラスにもマイナスにもなりうることを述べている。 エビデンスの統合で検討したことは何か? COVID-19のパンデミックにより、在宅医療への注目度が高まった。在宅医療には、対面または遠隔リハビリテーションを利用して提供される在宅リハビリテーションサービスの提供が含まれる。在宅リハビリテーションサービスは、施設でのサービスの代わりに、あるいは施設でのサービスを補完するものとして、患者の回復過程における一般的な選択肢となる可能性がある。また、デジタル技術の利用が増えるにつれて、遠隔リハビリテーションも一般的になってきている。 レビューの主...

神経難病で長期肺感染症の小児への抗菌薬投与

2 years 1 month ago
神経難病で長期肺感染症の小児への抗菌薬投与 「神経障害」とは、主に神経学的問題(脳性麻痺など)、神経筋の問題(筋ジストロフィーなど)、発達の問題(発達障害、ダウン症など)に起因する一群の状態を指す。これらの疾患を持つ小児や若年者は、移動、摂食、咳などの同様の問題を持つことがある。胸部や呼吸の問題(肺の感染症を含む)は、神経障害のある小児や若年者がよく経験し、病院での治療が必要となる原因となっていることが多い。 胸の分泌物を完全に取り除くことができない人や、頻繁に感染症を起こす人の場合、肺感染症は完全に取り除くことができず、「慢性感染症」となってしまうことがある。このような立場の小児や若年者にとって、どのような治療が最適なのかは不明である。 慢性肺感染症の小児と若年者を対象に、肺感染症の抗菌薬治療について検討したすべての臨床試験を系統的にレビューすることを目指した。2022年2月までに発表された合計1,968件の研究を、さまざまなオンラインデータベースから検討したが、本レビューに含めるべき関連性のあるものはなかった。2件の研究は進行中であったため、今回のバージョンに含めることができなかった。 この重要な問いに答える臨床試験が見つからなかったのは残念である。このような立場の小児や若年者が最善の治療を受けられるよう、今後の課題としていく。 このエビデンスがお役に立ちましたら、コクランへ...

慢性疾患を持つ小児やティーンエイジャーの教育を支援するサービスは、彼らが学校活動にもっと参加し、学習結果を向上させるのに役立つか?

2 years 1 month ago
慢性疾患を持つ小児やティーンエイジャーの教育を支援するサービスは、彼らが学校活動にもっと参加し、学習結果を向上させるのに役立つか? 要点 - 教育支援介入が、スクール・エンゲージメント、学習結果、(ウェルネス期間中の)生徒の学校復帰の可能性などに及ぼす影響については、まだ不明な点が多いのが現状である。 - 教育支援介入が、2件の研究で自尊心として測定されたように、精神的な健康をわずかに改善する可能性があるというエビデンスがいくつかあるが、生活の質は研究で測定されていない。 - これらの介入が有効かどうか、またベストプラクティスモデルがどのようなものかを知るためには、米国以外で行われた研究を含む、より質の高いエビデンスが必要である。 教育支援サービスとは何か、なぜ慢性疾患を持つ小児やティーンエイジャーに役立つ可能性があるのか。 一部の小児やティーンエイジャーにとって慢性疾患に罹患した場合、学校への出席、参加、取り組みに影響を与える可能性がある。そのため、仲間についていけず、自分の可能性を最大限に発揮できない可能性がある。慢性疾患を持つ小児や青少年の教育支援サービスは、病気によって学校を休んだ際に、学校や教育・学習から離脱してしまうことを防ぐことを目的としている。これらのサービスは、病院、通常の学校、地域社会で行われ、小児、家族、学校、病院、地域社会、またはこれらの組み合わせを対象と...
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8 hours 39 minutes ago
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