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月経前症候群治療用ドロスピレノン配合避妊薬

1 year 5 months ago
月経前症候群治療用ドロスピレノン配合避妊薬 レビューの論点 ドロスピレノンとエストロゲンを含有する避妊薬が、プラセボ(ダミー)ピルまたは他の避妊薬と比較して、PMSの女性の月経前症候群(PMS)症状の改善に有効であるかどうかを調べようとした。また、女性が経験するかもしれない副作用についても調べたいと思った。 背景 PMSはよくある問題だ。重症のものは月経前不快気分障害(PMDD)と呼ばれる。症状には、行動の変化や日常生活に影響を及ぼす身体的徴候や症状が含まれる。これらの症状を治療するために、黄体ホルモンとエストロゲンホルモンを配合した避妊薬が研究されている。米国では、ドロスピレノンに低用量エストロゲンを配合した避妊薬がPMDDの治療薬として承認された。 研究の特性 858人の女性を対象とした5件の試験が見つかった。すべての試験で、ダミーピルとドロスピレノンと低エストロゲンピルが比較された。女性の大半は、試験前にPMSの重症型であるPMDDを患っていた。エビデンスは、2022年6月現在のものである。 主要な結果 3か月後、ドロスピレノンと低エストロゲンピルを服用した女性は、ダミーピルを服用したグループよりも月経前症状の重症度が低かった。ドロスピレノンと低エストロゲンピルを服用している女性は、より多くのことができ、より多くの社会的活動や友人がいると答えた。しかし、ドロスピレノンと低エ...

痛みを伴う処置を受ける乳児の痛みを管理するオピオイド

1 year 5 months ago
痛みを伴う処置を受ける乳児の痛みを管理するオピオイド 要点 - 強力なエビデンスがないため、痛みを伴う処置を受ける乳児の痛みを管理するためのオピオイドの利点とリスクは不明である。 - プラセボ(薬を含まないが、試験中の薬と同じように見える「ダミー」治療、偽治療)と比較すると、オピオイドは、処置中に特定の尺度で評価される痛みを軽減するかもしれないが、処置の1~2時間後に他の尺度で評価される痛みには違いがないかもしれない。 - 他の疼痛スコアや異なる時点における疼痛評価、徐脈(心拍数の低下)や低血圧のエピソードに対するオピオイドの影響については、非常に不確かである。オピオイドは呼吸停止のエピソードを増加させる可能性がある。 なぜオピオイドは、乳児の処置中の痛みを管理するために投与されるのか? 乳児(特に生後4週間)は、入院中に痛みを伴う処置を受けることが多い。成人と同様、これらの処置中も、継続した疼痛管理とコントロールが必要である。オピオイドは、体内の細胞にあるオピオイド受容体と相互作用することで効果を発揮する、痛みを和らげる薬の幅広いグループであり、乳幼児によく使用される。 知りたかったこと 痛みを伴う処置を受ける乳児に、オピオイドが以下の治療と比較して、どのような影響を及ぼすかを調べたかった: - 無治療またはプラセボ; - 薬物以外の治療(甘い溶液など); - 他の薬; - 異...

前立腺肥大症に対する ノコギリヤシ(Serenoa repens)

1 year 5 months ago
前立腺肥大症に対する ノコギリヤシ(Serenoa repens) レビューの論点 Serenoa repens(ノコギリヤシ)単独あるいは他の植物治療剤との併用は、前立腺肥大症の男性の症状を改善するか? 背景 前立腺が肥大すると、日中や夜間に頻繁に尿意をもよおしたり、尿の出が悪くなったり、残尿感があるなど、煩わしい尿路症状が現れることがあるかもしれない。一般的な薬剤を用いた介入のほかに、植物やハーブの使用(植物療法)は一般的であり、多くの西洋諸国で徐々に増えてきている。アメリカノコギリヤシ(矮性椰子)(American saw palmetto、dwarf palm plant)、Serenoa repens(ノコギリヤシ)(植物学名Sabal serrulatumとしても知られている)の抽出物(エキス)は、この症状の治療に利用されているいくつかの植物治療薬のひとつである。 研究の特性 ノコギリヤシ単独または他のハーブ製品との併用とプラセボ(実際には治療を受けていないが、治療を受けたと参加者に思い込ませる方法)を比較した男性4,656例を対象とした27件の研究を同定した。ほとんどの研究は、中程度の症状を有する50歳以上の男性を対象としていた。10件の研究は製薬企業から資金提供を受け、2件の研究は政府から資金提供を受けていた。残りの研究は資金供給元に関する報告がなかった。 主要な...

低グリセミック・インデックス(GI)食または低グリセミック負荷(GL)食は、過体重または肥満の減量に役立つか。

1 year 5 months ago
低グリセミック・インデックス(GI)食または低グリセミック負荷(GL)食は、過体重または肥満の減量に役立つか。 主要な結果 低グリセミック・インデックス(glycaemic index:GI)食または低グリセミック負荷(glycaemic load :GL)食は、高GI食または高GL食など他の食事と比べて、おそらく体重にほとんどまたは全く差を生じない。 これらの食事が人々の生活の質(Quality of Life:QOL)、副作用、死亡に及ぼす影響については非常に不確かである。 低GI食または低GL食とはどんなものか? 低GI食または低GL食は、血糖値の上昇を穏やかにしたり、遅らせたりする食品で構成される。そのため、体内でのインスリン分泌が少なくなり、体重減少につながるかもしれない。 わかったこと 過体重または肥満の人々におけるこれらの食事の効果を評価したいと考えた。体重、QOL、副作用、死亡への影響を検証した。 実施したこと 過体重または肥満の成人におけるこれらの食事の効果を、高血糖指数食または高血糖負荷食(血糖値が急上昇するような食事)などの他の食事と比較した研究を検索した。これらの研究は少なくとも8週間の追跡調査を条件とした。 わかったこと 1,210例(参加者の4.1%は小児、1.9%は65歳以上の成人)を対象とした10件の研究を組み入れた。これらの研究の半数は米国で実施...

早産児の経口哺乳に対する口腔刺激の効果

1 year 5 months ago
早産児の経口哺乳に対する口腔刺激の効果 レビューの論点 妊娠37週より前に生まれた早産児に、指による刺激を用いた口腔刺激介入を行う: 完全経口哺乳を達成するまでの期間(日数)の短縮につながるか? 新生児集中治療室(Neonatal Intensive Care:NICU)で過ごす期間(日数)の短縮につながるか? 入院期間(日数)の短縮につながるか? 栄養チューブ(経静脈栄養)により栄養補給される期間(日数)の短縮につながるか? 背景 これは2016年のレビューのアップデート版である。多くの早産児は、経口(吸啜)哺乳の確立が遅く、最初は栄養チューブや経静脈(非経口)栄養により栄養補給される。経口哺乳能力の発達には、吸啜、嚥下、呼吸の綿密な協調を必要とする。早産児における経口哺乳の確立は困難な場合がある。その理由として、入院期間が長いこと、呼吸困難および早産に関連するその他の医学的症状を呈することが挙げられる。人工呼吸、および口や鼻からの頻回の分泌物吸引といった不快な処置は、経口哺乳能力に悪影響を及ぼす可能性がある。経管栄養から経口哺乳への移行に関する国際的なガイドラインは、内容のばらつきが大きい。医療従事者は、早産時の吸啜・哺乳能力を向上させるためにさまざまな介入を用いており、経管栄養から経口哺乳への移行期間の短縮、入院期間の短縮、乳児の吸啜能力の向上につながることが複数の研究で報...

固定式装置を用いた歯科矯正治療中の患者において、歯の移動を促進させるための補助的な非外科的治療法

1 year 5 months ago
固定式装置を用いた歯科矯正治療中の患者において、歯の移動を促進させるための補助的な非外科的治療法 論点 矯正力による歯の移動(OTM)を促進すると言われている非外科的処置の追加により、歯科矯正治療全体の治療期間が短縮するか? 背景 若年者や成人の歯並びや噛み合わせに問題がある場合、歯の位置を矯正するための歯科矯正治療が世界的に行われている。使用される矯正装置の種類はさまざまであり、自分で取り外しのできない固定式矯正装置(ワイヤーを固定するためのブラケットを歯に接着した上で、矯正用ワイヤーを連結して用いるものなど)や自分で取り外しが可能な可撤式矯正装置(透明な樹脂で作製されたマウスピースタイプのものなど)がある。歯や噛み合わせの状態によって、治療期間は数か月から数年に及ぶことがあるが、全ての歯を対象とした歯科矯正治療のほとんどでは、通常20か月程度を要する。歯科矯正治療は、笑顔を改善し、患者に良い影響を与えることは知られているものの、う蝕、あるいは歯根吸収(OIIRR)の発生などのリスクも伴う。OTMを促進させることで、治療期間を短縮し、時々起こり得る有害事象を軽減できる可能性がある。そのために、外科的治療や非外科的治療を含むいくつかの方法が提案されている。本レビューでは、OTMを促進させるための非外科的治療に関するエビデンスについて評価を行った。 今回、コクラン・オーラルヘルスの...

機能性ディスペプシアに対する中薬(中医学の薬草療法)以外の薬草療法の効果は?

1 year 5 months ago
機能性ディスペプシアに対する中薬(中医学の薬草療法)以外の薬草療法の効果は? 主要な結果 機能性ディスペプシア患者の症状とウェルビーイング(well-being)の改善に有用な複数の薬草療法を同定した。また、偽治療と比較して、重要な望ましくない事象を伴わないかもしれない。しかしながら、薬草療法と他の治療法の有用性を比較した科学的根拠(エビデンス)はほとんどなかった。 薬草療法の有用性は、機能性ディスペプシアに対する一般的な内科的治療と比較して、相対的な有用性を評価する必要があるかもしれない。機能性ディスペプシアについては、特に一般的な消化器合併症がある人を対象とした、より質の高い試験が必要である。 背景 機能性ディスペプシアとは? 機能性ディスペプシアは成人において頻繁にみられる健康問題である。胃の痛みや不快感を特徴とする。しかしながら、器質性ディスペプシアとは異なり、これらの症状は胃や腸の潰瘍やその他の病変が原因とはいえない。 機能性ディスペプシアの治療法とは? この疾患の治療法には薬物療法と非薬物療法があるが、それらにどの程度有用性があるかは不明である。さまざまな薬草(ハーブ)製品が、この症状の治療薬となる可能性があるとしてある程度まで研究が行われている。 わかったこと 本レビューでは、このテーマに関するすべての利用可能な研究を検証し、これらの薬草のどれかが症状やウェルビーイ...

フェノフィブラートは糖尿病網膜症に有効か?

1 year 5 months ago
フェノフィブラートは糖尿病網膜症に有効か? レビューの目的は何か? 1型糖尿病または2型糖尿病の患者において、フェノフィブラートが、プラセボもしくは経過観察と比較して、糖尿病網膜症の発症を予防するのか、あるいはすでに糖尿病網膜症を発症している場合、その進行を遅らせるのかを明らかにすることが目的である。 要点 - 総じてフェノフィブラートは、プラセボとの比較で、糖尿病網膜症の進行にほとんど差がない可能性が高い(中等度の確実性のエビデンス)。 - 糖尿病網膜症を発症している患者では、フェノフィブラートの服用で、糖尿病網膜症の進行が緩やかになる可能性が高い(中等度の確実性のエビデンス)。 - まれではあるが、フェノフィブラートの服用で副作用が増加した(高度の確実性のエビデンス)。 - さらなる研究が必要である。例えば、1型糖尿病患者を含む研究や、患者が受けた他の治療を考慮した研究、そして重要なのは、糖尿病と共に生きる人々にとって重大なアウトカムを含む研究である。 レビューでは何が検討されたのか? 糖尿病網膜症とは、目の奥の血管に障害が起きて生じる疾患で、世界的に失明の主な原因であり、社会への負担となっている。視力を守るためには、糖尿病網膜症の発症を予防し、発症した場合には進行を遅らせたり、防いだりしなければならない。このレビューでは、フェノフィブラートがこの目的に有効なのか、プラセボや...

医薬品の販売方法を規制する政策が及ぼす影響とは?

1 year 5 months ago
医薬品の販売方法を規制する政策が及ぼす影響とは? 要点 多くの国が、製薬業界による製品の販売方法を規制する政策を導入している。しかし、十分に実施された研究が不足しているため、これらの政策がどのような影響を及ぼすかはわかっていない。 医薬品販売政策とは? 新薬を開発し、市場に出すには非常にコストがかかる。そのため製薬業界は、自社の医薬品を宣伝し、その使用量を増やすために多くのリソースを費やしている。製薬業界はしばしば、患者や消費者にこれらの薬を使うよう勧め、医療専門家に処方するよう勧める。また、医療保険機関や政府にも自社の医薬品を宣伝している。例えば、広告、営業担当者の訪問、医薬品の無料サンプル、教育啓発プログラムなどである。 このような戦略は、健康状態やその治療薬に関する有益な情報を広めることができるが、害を及ぼすこともある。例えば、患者、医師、組織は、不必要で高価な、時には有害な薬を使用したり処方したりするよう説得される可能性がある。 このような問題から、政府や非政府組織はしばしば薬物の宣伝方法を規制しようとする。たとえば、ある国では、製薬業界が患者や消費者に処方薬を宣伝することが禁じられている。他の国々では、医療専門家に対して医薬品の宣伝を行うことは、医学雑誌など特定の方法でしか認められていない。国によっては、政府や組織が 単独で活動する。他の国では、政府や組織が製薬業界と協...

がん性疼痛に対する大麻由来の医薬品

1 year 6 months ago
がん性疼痛に対する大麻由来の医薬品 大麻に基づく医薬品は成人のがん性疼痛に効くのか? 要点 大麻由来の医薬品(CbM)は、モルヒネ様医薬品に反応しないがん性疼痛を緩和しなかった。 分析された研究では、世界保健機関(WHO)のがん性疼痛に対する鎮痛薬ラダーにおけるこれらの薬剤の位置づけを示すことはできなかった。 がんにおけるCbMの臨床試験は、これまでに実施されたものよりもはるかに優れたデザインにする必要がある。 がんにおける痛みとその治療 がんに罹った人の2、3人に1人は、中等度または重度の痛みを経験する。痛みはがんの進行とともに強くなる傾向がある。 WHOは、がんによる中等度から重度の痛みに対してモルヒネ様鎮痛薬の服用を推奨しているが、がんの痛みを持つ6人から10人に1人は、モルヒネ様鎮痛薬では十分な鎮痛効果が得られないという。大麻植物をベースにしたいくつかの製品が、がん性疼痛の治療薬として提案されている。これらの製品には、吸入または経口摂取されるハーブ大麻や、植物から得られた、あるいは合成的に作られた大麻の有効成分を含むさまざまなオイル、スプレー、錠剤が含まれる。がん性疼痛のある人の中には、CbMが有効であると報告している人もおり、メディアでもしばしば取り上げられている。 調べたかったこと CbMが、がんと共に生きる人々のがんの痛みを和らげるかどうか。 CbMが何らかの好まし...

統合失調症がある人に対する磁気けいれん療法の利益とリスクは?

1 year 6 months ago
統合失調症がある人に対する磁気けいれん療法の利益とリスクは? 要点 統合失調症がある人に対する磁気けいれん療法(MST)の利益とリスクを評価するには、データが不足している。 これを調査するにはさらに多くのより良い研究が必要である。 統合失調症とは? 統合失調症は、最も一般的で障害を伴う精神疾患の1つである。統合失調症がある人は、現実にもかかわらず歪んだ信念を持ったり、自分の心が作り出した声を聞いたり、他人や自分自身を思いやることに関心がなかったりするなど、病気のために普通の生活を送ることが困難になることがある。 統合失調症がある人にとって、なぜこのことが重要なのか? ほとんどの統合失調症がある人は抗精神病薬による治療を受けている。抗精神病薬にうまく反応しない患者や代替療法を希望する患者には、電気けいれん療法(ECT)が効果的で安全な選択肢となりうる。この治療法は、麻酔をかけた人の脳に電流を流してけいれんを起こさせるもので、こうすることで精神症状が改善または緩和される。しかし、ECTには一時的な記憶喪失や治療後の混乱といった副作用があり、そのため使用には制限がある。磁気けいれん療法は新しい非侵襲的脳刺激法の一つで、ECTのようにけいれんを誘発するが、電流ではなく磁場エネルギーで作用するため、理論的には治療後の記憶喪失や混乱のリスクは少ない。 調べたかったこと MSTが統合失調症があ...

多発性硬化症に対するアレムツズマブ

1 year 6 months ago
多発性硬化症に対するアレムツズマブ 要点 - アレムツズマブは、再発寛解型多発性硬化症(MS)、つまり症状が悪化(再発)した後で回復(寛解)するタイプのMS患者に対して、インターフェロンβ-1a皮下投与と比較して、再発および病勢進行のリスクを低下させる可能性がある。 - 今後、生活の質(QOL)や疲労などの患者関連アウトカムを評価するために、十分にデザインされた研究が必要である。 論点 多発性硬化症(MS)は、若年成人および中年成人が発症する神経系の慢性疾患である。ミエリン鞘(神経を覆って保護する膜)や神経の他の部分に繰り返し損傷を受けると、重篤な障害につながる可能性がある。MSは免疫系の問題に関連している可能性がある。アレムツズマブは生物学的製剤(抗体の一種)であり、すでに他の疾患にも使用されている。 知りたかったこと あらゆるタイプのMS患者に対して、アレムツズマブ単独使用または他の治療薬に起因する利点と望ましくない影響(有害事象と呼ばれる)を調査することを目的とした。アレムツズマブが、MSがある人に対して他の治療薬よりも優れているかどうかを調べたかった。 実施したこと MSの病型を問わず、アレムツズマブに関する研究を検索した。2020年10月までの文献を検索した。レビューに組み入れた研究の結果を分析・比較し、利用可能なエビデンスにどれだけの信頼性があるかを評価した。 わかっ...

小児・青少年における性的虐待の影響を治療するために用いられる心理的介入は、どの程度効果的なのか。

1 year 6 months ago
小児・青少年における性的虐待の影響を治療するために用いられる心理的介入は、どの程度効果的なのか。 要点 - 小児や若者が性的虐待の影響を克服するのを助けるために、多くの心理療法が用いられている。 - 小児や若者が性的虐待から立ち直る上で、特定の介入が通常の管理よりも優れていることを示すエビデンスはほとんどない。 - 性的虐待のさまざまな影響に対処するうえで、ある介入が他の介入よりも優れているかどうかを立証するために、介入に関するより多くの、より良い研究を必要としている。 心理的介入とは何を意味するのか? 心理学的介入とは、人々に変化をもたらそうとするものである。これらはしばしば「トーキングセラピー」と呼ばれるが、セラピストと患者のコミュニケーションが遊びや芸術などの活動に基づいて行われるセラピーも含まれる。 性的虐待を受けた小児や若者が、虐待の結果として生じるさまざまな困難、たとえば心的外傷後ストレス障害(PTSD)、不安、抑うつ、さまざまな行動上の問題などを克服できるように、さまざまな心理的介入が行われている。 性的虐待を受けた小児や若者にとって、なぜこれが重要なのか? これまでの系統的レビューでは、心理療法が小児における結果(評価項目)を改善することが示唆されているが、特定の療法が他の療法よりも効果的かどうかはわかっていない。 調べたかったこと 性的虐待の後に起こりうるさまざ...

中高年における認知症の複数のリスク因子の存在を評価するツールはどのようなものがあり、将来の認知症を正しく予測することができるのだろうか?

1 year 6 months ago
中高年における認知症の複数のリスク因子の存在を評価するツールはどのようなものがあり、将来の認知症を正しく予測することができるのだろうか? 要点 - 中高年を対象に、将来の認知症を予測する14種類のツールが見つかった。 - 7件の研究では、「心血管リスク因子、加齢、認知症:Cardiovascular Risk Factors, Ageing, and Dementia(CAIDE)」と名付けられた予測ツールがテストされた。 - これらのツールを用いて認知症を予測することの利益は、質の高いエビデンスがほとんどないため、不明である。 認知症とは? 認知症とは、一般的に高齢者が罹患し、記憶、問題解決、日常生活動作に進行性の問題を引き起一連の脳疾患を指す。高血圧、過度のアルコール摂取、喫煙、うつ病、運動不足、食生活の乱れなど、中年期に特定の健康状態や行動をとっている人は、その後の人生で認知症を発症する可能性が高い。生活習慣を改善するなどの対策で、これらの健康状態や行動を軽減することができるため、これらの健康状態や行動を認知症の「修正可能なリスク因子」として分類している。 予測ツールとは何か? 予測ツールを開発するために、研究者たちは、そのようなリスク因子を持つ人々の何割が認知症になるかを何年にもわたって観察する。このツールは、中年期のリスク因子の有無に基づいて、晩年認知症になる可能性の高...

インターロイキン-6(身体の免疫系が過剰に反応する際に関与するタンパク質)を阻害する薬は新型コロナウイルス感染症の治療薬として有効か?

1 year 6 months ago
インターロイキン-6(身体の免疫系が過剰に反応する際に関与するタンパク質)を阻害する薬は新型コロナウイルス感染症の治療薬として有効か? 主要な結果 トシリズマブ(インターロイキン-6(IL-6)を阻害する薬)が、治療後28日以内に新型コロナウイルス感染症で死亡する入院患者数を減少させることを確信している。しかし、おそらく臨床的改善(退院または新型コロナウイルス感染症の症状の改善と定義)にはほとんど差がない。 サリルマブによる臨床的改善効果は、おそらくほとんど差がない。 他のIL-6遮断薬を評価した研究はほとんど見つからなかった。したがって、その効果については不確かである。 少数の研究は結果を発表していない。これらの研究で扱われた人数は比較的少なく、その結果が現在の結果を変えることはないだろう。 IL-6とは何か、そして新型コロナウイルス感染症におけるIL-6の役割とは何か? IL-6はサイトカインと呼ばれるタンパク質の一種で、体の免疫系を調整する働きがある。特にIL-6は、ウイルスなどの有害物質から体を守るために、体が感染症を認識し、それと闘うのを助けるために炎症を誘発する。 新型コロナウイルス感染症に罹患すると、免疫系の反応が乱れ、過剰反応を引き起こす可能性がある。身体がこの反応の一部としてIL-6を作り続けると、身体にダメージを与える高レベルの炎症が生じる可能性がある。その結...

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬は、自閉スペクトラム症に関連する中核的障害を軽減するか?

1 year 6 months ago
アセチルコリンエステラーゼ阻害薬は、自閉スペクトラム症に関連する中核的障害を軽減するか? 要点 現在のところ、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が自閉症の中核的特徴の治療に有効かどうかは不明である。というのも、ほとんど研究が行われていないからだ。特定した2件の研究は小規模で、結果もあまり報告されていなかった。しかし、この分野では現在進行中の研究が数多くある。 自閉スペクトラム症とは何か? 自閉スペクトラム症(自閉症)は、人の考え方、感じ方、他者との関わり方、環境の体験の仕方に影響を及ぼす疾患である。自閉症の中核的な行動には、興味の共有の減少、非言語的コミュニケーションの困難(例えば、アイコンタクトの少なさ)、人間関係の形成と維持の困難、制限された、あるいは反復的な行動や興味が含まれる。これらの行動の程度はさまざまだが、日常生活や活動への参加を妨げることに変わりはない。アセチルコリンエステラーゼ阻害薬(神経伝達物質の正常な分解を阻害する化学物質)と呼ばれる薬は、アルツハイマー病の治療に使用されてきた(例えば、ドネペジルやガランタミン)。最近では、この薬剤が自閉症の人たちに見られる困難を軽減する可能性も示唆されている。 調べたかったこと アセチルコリンエステラーゼ阻害薬単独あるいは他の薬との併用は、プラセボ(偽薬)と比較して、自閉症の中核的特徴(社会的コミュニケーションと相互作用、制限...

早産児の壊死性腸炎予防のためのプレバイオティクス

1 year 6 months ago
早産児の壊死性腸炎予防のためのプレバイオティクス レビューの論点 超早産児や超低出生体重児にプレバイオティクスを投与すると壊死性腸炎を予防できるか? 背景 超早産児(予定日より8週以上早く生まれた児)および超低出生体重児(1.5kg未満で生まれた児)は、腸の粘膜の一部が炎症を起こして死に至る重篤な疾患である壊死性腸炎を発症するリスク(危険)がある。この疾患は、死亡、重篤な感染症、長期にわたる障害や発達障害を伴う。壊死性腸炎を予防する1つの方法として、プレバイオティクス(健康な「プロバイオティクス」細菌による腸内コロニー形成をサポートする難消化性の糖鎖)をミルクに添加することが考えられる。 実施したこと 超早産児または超低出生体重児の壊死性腸炎のリスクに対するプレバイオティクスの効果を調べた試験を検索した。試験結果を比較・要約し、試験方法や規模などの要因に基づいて、科学的根拠(エビデンス)の確実性を評価した。 わかったこと 合計705乳児例を対象とした6試験を同定した。臨床試験はほとんどが小規模で、ほとんどにデザイン上の欠陥があり、結果にバイアスが生じている可能性がある。 主要な結果 複合解析の結果、超早産児や超低出生体重児にプレバイオティクスを投与しても、壊死性腸炎や死亡、重篤な感染症のリスクにはほとんどまたは全く差がないかもしれないが、そのエビデンスの確実性は低い。1件の試験で...

糖尿病治療の質を向上させるための戦略:成人の糖尿病の結果に及ぼす影響

1 year 6 months ago
糖尿病治療の質を向上させるための戦略:成人の糖尿病の結果に及ぼす影響 要点 - 品質向上プログラムは、特に複数の戦略を組み合わせた場合に、糖尿病治療を改善することができた。 - これらのプログラムで使用され、糖尿病患者の主な治療結果を最も大きく改善した戦略は、ケースマネジメント、チームの変更、患者教育、および自己管理の促進であった。 なぜ、糖尿病治療の向上が重要なのか? 糖尿病とは、体内における糖代謝の障害であり、心疾患や失明などの合併症を引き起こす可能性がある。患者が最善の治療を受けることができれば、これらやその他の合併症のリスクは低くなる。残念ながら、患者の多くは最善の治療を受けていない。 品質向上戦略とは何か? さまざまな戦略を用いた品質向上プログラムは、医療従事者の治療の向上に有用である。本レビューでは、一般的な12種類の品質向上戦略について検討を行った。 - 医療従事者に対しては、監査とフィードバック、教育、注意喚起、および金銭的な報酬の4種類の戦略が用いられた。 - 糖尿病がある人に対して以下の3種類の戦略が用いられた:教育、注意喚起、および自己管理の促進。 - 医療機関に対しては、ケースマネジメント、チームの変更、電子的患者レジストリ、臨床情報の円滑な伝達、継続的な質の向上の5種類の戦略が用いられた。 何を調べようとしたのか? 以下の項目の改善に最も効果的な戦略を明...

消化管手術を受けた正期産児にラクトフェリンを投与することの利点とリスクは何か?

1 year 6 months ago
消化管手術を受けた正期産児にラクトフェリンを投与することの利点とリスクは何か? 要点 消化管の手術を受けた正期産(妊娠37週以降)の赤ちゃんにラクトフェリン(牛乳に含まれるタンパク質)を与えることの影響を調査した医学的研究は見つからなかった。 ラクトフェリンとは何か? ラクトフェリンは牛乳に含まれるタンパク質で、感染症から身を守る働きがある。ラクトフェリンのサプリメントも販売されており、未熟児を対象に研究されている。ラクトフェリンが未熟児の感染症を予防するというエビデンスがいくつかある。 赤ちゃんの消化管手術のリスクにはどのようなものがあるか? 消化管の手術は感染のリスクを高める。感染症は入院期間を長くする。抗生物質(細菌感染と闘う薬)による治療や手術によるストレスは、消化管内の善玉菌を混乱させる可能性がある。 知りたかったこと 正期産児の消化管手術後にラクトフェリンを投与することで、感染症や死亡率が減少し、消化管内の善玉菌の存在が改善されるかどうかを調べたかった。 何を行ったのか? 消化管手術を受けた乳児を、ラクトフェリンまたはプラセボ(薬を含まないが、試験中の薬と見た目や味が同じ「ダミー」治療薬)に無作為に割り付けた研究を検索した。 わかったこと 消化管手術を受けた正期産児にラクトフェリンを投与してプラセボと比較した研究は見つからなかった。この疑問に答えるためには、十分にデザ...

肥満と新型コロナウイルス感染症の有害な結果

1 year 6 months ago
肥満と新型コロナウイルス感染症の有害な結果 肥満が新型コロナウイルス感染症の結果に与える影響は何か? 要点 ・BMIが40kg/m 2 を超える極度の(病的)肥満の場合、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による死亡率や、人工呼吸器の装着、入院、およびICUにおける治療の必要性を高めるという知見を支持する十分なエビデンスが存在する ・肥満患者の場合、多くは人工呼吸器が必要となる ・BMIが高いほど、COVID-19の重症化率が高くなる 肥満とは何か? 肥満とは、人体のさまざまな部位に異常または過剰に脂肪が蓄積した状態であり、健康上のリスクをもたらす。肥満の評価には、体重(kg)を身長(m)の2乗で割った体格指数(BMI)などの指標が用いられている。WHOは、肥満を3つのクラスに分類している。この分類によると、クラスⅠの肥満は、BMI(kg/m 2 )が30以上35未満、クラスⅡは35以上40未満、クラスⅢは40以上である。 何を調べようとしたのか? 肥満が、死亡率、人工呼吸器の必要性、入院の必要性、ICUでの治療の必要性、症状の重症化、およびCOVID-19に関連した肺炎に影響を与えるかどうかについて調査を行った。 何を行ったのか? 2019年12月から2021年4月にかけて、肥満と死亡率およびその他の結果との関連を調査したエビデンスについて、医学データベースでの系統的検...
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