1 year 2 months ago
スタチンを服用することで、血栓を起こしたことのない人の静脈に血栓ができるのを防げるか? 主な結果 - 静脈血栓塞栓症(VTE;静脈内に血栓ができたりそれが詰まったりする疾患)の一次予防を目的としてスタチンを使用したら、VTEおよび何らかの原因による死亡の発症率をわずかに減少させるかもしれないが、その減少幅は小さすぎて重要ではないかもしれない。 - スタチンは、深部静脈血栓症(DVT:下肢に血栓ができる疾患)、肺塞栓症(PE:肺の血管に血栓が詰まる疾患)、ミオパチー(骨格筋に影響を及ぼす疾患)を起こす可能性に影響を与えないかもしれない。 - 入手可能なエビデンスは限られており、その信頼性については確実ではない。今後の前向き研究は、十分な計画のもとに実施されるべきである。多くの人々が参加し、少なくとも1年以上の妥当な期間にわたって実施されるべきである。 静脈血栓塞栓症(VTE)とは何か? VTEとは、静脈に血栓ができて血管が詰まる病気である。血栓ができた静脈の血流が減少し、腫れや痛みを引き起こす。VTEは下腿、大腿、骨盤の「深部静脈」で起こることが最も多く、DVTと呼ばれる。血栓が外れて肺に移動した場合は、PEと呼ばれる。世界では、年間10万人あたり、57人がVTE、35人がDVT、21人がPEと診断されている。 スタチン系薬剤には、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ピ...
1 year 2 months ago
慢性腎臓病と高血圧がある人にとって、血圧目標値を標準的な降圧目標値より低く設定すると、より多くの利益が得られるか? 主要な結果 ・血圧が高い人(高血圧患者)の血圧を下げると、健康上の利益が得られる。しかし、高血圧と慢性腎臓病の両方がある人において、血圧目標値をどれだけ低くするべきかはわかっていない。 ・血圧目標値を標準的な降圧目標値より強化しても(標準的な降圧目標値より血圧を下げても)、慢性腎臓病がある人の死亡数、重篤な好ましくない有害事象、あるいは心血管系イベント(心臓や血管に影響を与える疾患)は減らない可能性がある。血圧目標値を低くしても、心血管系疾患に関わる死亡数を減らしたり、腎臓病の悪化を遅らせたりすることはできないかもしれない。 慢性腎臓病とは? 慢性腎臓病とは、腎臓の機能が低下および損傷し、血液を正常に濾過できなくなる長期的な疾患である。慢性腎臓病は時の経過と共に進行しうるため、いずれは腎臓がまったく機能しなくなる可能性がある。高血圧(異常に高い血圧)は糖尿病に次いで二番目に多くみられる慢性腎臓病の原因である。 慢性腎臓病はどのように治療するか? 高血圧と慢性腎臓病がある人に対する治療法はないが、血圧を下げることで腎臓病の進行を遅らせることができる。しかし、最適な血圧水準についてはまだよくわかっていない。 知りたかったこと 知りたかったことは、高血圧と慢性腎臓病がある...
1 year 2 months ago
SARS-CoV-2感染者を診断するのに、(RNA抽出・精製を事前に行ったRT-PCR検査に代わる)検査室で行う分子検査はどの程度正確なのか? 要点 * TMA検査(逆転写酵素とRNA合成酵素を利用した、核酸増幅検査)と、RNA(ほとんどの生物学的機能に必須な分子)を抽出・精製する工程を省けるように特別に設計された市販のRT-PCR検査(逆転写ポリメラーゼ連鎖反応を利用した、核酸増幅検査)は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染者を特定するために、RNAの抽出・精製を事前に行うRT-PCR検査に取って代わるのに十分な精度があると思われる。しかし、エビデンスには若干の限界があるため、これらの結果は慎重に解釈・使用する必要がある。 * 他の検査室で行う分子検査の精度は、RT-PCR検査の代替検査として行うには、世界保健機関(WHO)が推奨する基準を下回っているか、信頼できる結論を導き出すのに十分な量のエビデンスがない。 * 評価した検査から得られた精度に関するデータを同じ技術を用いた他ブランドの検査に外挿することは、解析した主な検査手法がそれぞれ高精度だったブランドの検査によって占められていたため、困難である。実際の臨床現場におけるこれらの検査については、さらなる評価が必要である。 SARS-CoV-2感染者を特定するための、検査室で行う分子検査にはどのようなものがあるか?...
1 year 3 months ago
水道水へのフッ化物添加はむし歯の予防に有効か? 要点 - 水道水へのフッ化物添加は、小児における乳歯のう蝕をわずかに減少させる可能性がある - 水道水へのフッ化物添加は、う蝕に罹患していない小児がわずかに増える可能性がある - 水道水へのフッ化物添加の利点は、歯磨き粉(歯磨剤)へのフッ化物添加が普及する以前よりも少ない可能性がある むし歯(う蝕)とフッ化物の使用 むし歯(う蝕)は、成人や小児のほとんどが罹患する世界的な問題である。う蝕を治療せずに放置すると、痛みを引き起こし、歯を抜かなければならなくなる可能性もある。 フッ化物は無機物として水中にさまざまな濃度で存在し、う蝕を予防する効果がある。1975年以降、フッ化物はほとんどの歯磨剤に含まれている。フッ化物は洗口液にも使用されており、歯科医師はフッ化物を治療に応用している。また、地域の水道水にフッ化物を添加することも可能であり、この場合、当該地域のすべての人に対しフッ化物を応用することができる。 小児が永久歯の形成期にフッ化物を過剰に摂取すると、永久歯に白い斑点が生じることがあり、これは歯のフッ素症と呼ばれる。歯のフッ素症は多くは非常に軽度で、ほとんどが目立たない白い線や筋ができる程度である。しかし、まれにフッ素症が顕著に現れることもあり、歯の見た目に悪影響を及ぼすこともある。 何を調べようとしたのか? フッ化物を添加した水道...
1 year 3 months ago
統合失調症がある人やその家族を対象とした介入は、標準治療よりも効果的なのか? 要点 - 家族介入によって統合失調症がある人の再発を減少させる可能性がある。 - 家族介入は介護者の負荷を軽減する可能性が高く、統合失調症がある人の家族における感情表出(家族関係や交流関係を含む患者にとって不利な家族環境)を改善する可能性がある。 - 統合失調症がある人とその家族に対する家族介入について確かな結論を出すためには、さらなる研究が必要である。 統合失調症とはどのような病気で、家族にどのような影響を及ぼすのか? 統合失調症は深刻で長期にわたる精神障害である。統合失調症がある人は、妄想、幻覚、まとまらない言動、活動性やセルフケアの低下、あるいはこれらの症状の組み合わせに悩まされることがある。また、回復してもまた病気になる(再発)ことが多い。治療は通常長期的で、薬物療法と、社会技能訓練、会話療法、行動療法などの「心理社会的」介入が含まれ、統合失調症がある人の症状の回復と管理を支援する。家族は病気の家族の世話において重要な役割を担っており、その結果、家族に精神的苦痛や大きな負担がかかり、統合失調症がある人の再発リスクを高める可能性がある。家族への介入は、家族の知識、感情、行動、そして家族環境全体を改善することに焦点を当て、それによって家族の幸福と患者の症状管理に利益をもたらす。プライバシーや家族への...
1 year 3 months ago
心理的または教育的な介入(もしくはその両方)は自宅で生活している高齢者の転倒を減らすことができるか? 主なメッセージ - 心理的な介入、すなわち動機づけ面接(「変わりたい一方で変わりたくない」のような不確定な気持ちを丁寧に引き出し、個人の内発的動機づけを促すことで行動変容を目指す方法)とコーチングを含む介入に、それに合わせた教育的な介入(運動や薬物療法に関するアドバイスなど)を組み合わせても、転倒する人数(転倒者)はほとんど、あるいは全く変わらないが、転倒する回数は減少する可能性が高い(ただし、どの程度減少するかは不明)。 - 個々の心理的または教育的な介入の効果を確信できるほどの十分に質の高いエビデンスはなかった。 調べたかったこと 年齢を重ねるにつれ、転びやすくなり、ケガをする可能性が高くなる。高齢者の3人に1人が毎年転倒していると推定され、転倒は自立した生活や健康寿命に影響を及ぼす可能性がある。転倒はさまざまな理由で起こるが、それぞれの危険因子(筋力低下、視力、環境、薬など)に合わせた運動や介入を行うことで、転倒を減らすことができる。転倒するかもしれないと不安になれば、行動を制限することになり、転倒リスクが高まる可能性がある。心理的な介入は、転倒に対する不安を軽減し、転倒を予防するための行動をとる意識や意欲を高めることを目的としている。教育的な介入は、転倒のリスクを減らす方...
1 year 3 months ago
小児喘息の発作における非侵襲的陽圧換気法 要点 ・どの研究でも、死亡または重篤な好ましくない事象は一切報告されていない(1件で挿管率(気管へのチューブ挿入)の報告があるのみ)。 ・非侵襲的陽圧換気は喘息症状スコアの改善、挿管率の低下につながり、小児集中治療室の滞在期間がわずかに短縮される可能性があるが、この結果の確実性は非常に低い。 小児喘息の発作に対してどのような治療が行われるか 喘息は世界的に重要な公衆衛生上の課題で、経済的な影響も大きい。喘息のある小児には、入院や、場合によって集中治療室入室が必要となる発作がしばしば起きる。 喘息発作に対する治療は、特に集中治療室に入室した小児の場合、主に、気道の筋肉を弛緩させる気管支拡張剤と炎症を抑えるステロイド(薬)の吸入または静脈内投与(静脈内への注入)である。これらの患者の多くは、うまく呼吸ができないので、持続陽圧換気(CPAP)や二相性陽圧換気(BiPAP)などの非侵襲的陽圧換気(NPPV)の形で呼吸補助が行われる。これらはいずれも侵襲的な人工気道を使わずに陽圧による呼吸補助を行う方法である。CPAPでは、かかる圧力は呼吸のサイクルを通じて一定だが、BiPAPでは息を吸うときには、吐くときよりも高い圧力がかかる。この陽圧はしばしば、フロージェネレーター(加圧空気供給装置)に接続された鼻マスクまたは(鼻と口を覆う)顔面マスクを介して...
1 year 3 months ago
認知症や軽度認知障害のある人にとって、エクサゲームの利益とリスクは何か? 要点 - 体を動かすビデオゲーム(「エクサゲーム」)は、認知症や軽度認知障害のある人の学習や項目の記憶といった思考能力の向上に役立つ可能性があるが、完全な確証はない。 - 現時点では、認知症や軽度認知障害のある人の歩行能力、バランス能力、支払いや買い物などの日常生活能力を向上させるのに役立つ可能性を示唆するエビデンスはほとんどない。 認知症と軽度認知障害とは? 認知症は、記憶力、思考力、日常業務遂行能力に影響を及ぼすような脳の変化を伴う疾患である。物事を記憶したり、計画を立てたり、集中したり、コミュニケーションをとったりすることが難しくなる。こうした変化は通常、時間とともに悪化し、最終的には日常生活に支障をきたすようになる。 軽度の認知障害とは、記憶や思考に何らかの問題があることを意味するが、認知症のある人ほど重度ではない。しかし、後に認知症になる可能性もある。軽度認知障害のある人は、物事を思い出したり、はっきりと考えたりすることに苦労することがあっても、請求書の支払いや買い物に行ったり、家をきれいに保ったりといった日常的な仕事はこなすことができる。基本的には、認知症ほど重度ではないが、時間の経過とともに進行する可能性のある、記憶や思考の困難があるようなものだ。 エクサゲーム(体性感覚ゲーム)とは何か? 現...
1 year 3 months ago
成人が足首(足関節)を骨折した後の回復に役立つのはどのようなアプローチか? 主なメッセージ - 手術後3週間以内に、骨折した足首に体重をかけると、回復が早まる可能性がある。しかし、早まる期間は短いかもしれない。 - 手術後6週間は、取り外しができる足首用サポーター(怪我をした足首を伸ばしたり動かしたりできる)を使用すると、回復が早まるかもしれない。しかし、繰り返しになるが、早まる期間は短いかもしれない。 - 足首を骨折した後の回復に向けた理学療法の価値を評価する十分なエビデンスはない。 足首の骨折 足首の骨折は、最も一般的な骨折のひとつである。骨折を治すために手術が必要なこともあれば、足首が治るまでの数週間、サポーターだけで対応できることもある。骨折が治るには通常6週間ほどかかるが、日常生活を今まで通りに送るためには、もっと長い時間がかかることもある。この回復の時期には、足首の動きや筋力、あるいはその両方を改善させるために、さまざまなアプローチを用いることができる。 回復のためにはどのようなアプローチがあるか? - 体重を早期にかける(早期荷重)か、遅れてかける(遅延荷重)か:手術後3週間以内に足首に体重をかけ始めるように勧められることもある。あるいは、最初の6週間ほどは、骨折した足首に一切体重をかけないように言われることもある。 - 取り外しができる足首用サポーター、または取り...
1 year 3 months ago
脳卒中後の成人の筋肉や腱の短縮による関節の拘縮の改善に対して支援技術は役立つか? 主なメッセージ ・質の低い研究が7件しか見つからなかったため、支援技術による治療が通常の治療より優れているかどうかについて確信をもって結論づけることはできない。 ・脳卒中後の成人の拘縮管理における支援技術の有益性と有害性を評価するためには、さらなる研究が必要である。 拘縮とは? 脳卒中後、多くの人は筋肉や腱が短くなったり硬くなったりすることで手足の変形を起こす。拘縮の主な原因は、手足が縮んだ状態で動かなくなることである。 支援技術とは? 支援技術とは、電気刺激や機械的な手段、例えばスプリント(プラスチック製の患部を固定する装具)などを使って筋肉や軟部組織を伸ばす装置のことである。 知りたかったこと 脳卒中後の成人の他動的な関節可動域(外部からの補助によって関節をどれだけ動かせるか)と拘縮部分の衛生状態を改善するために、どのような支援技術が、通常の治療、治療なし、あるいは別の支援技術よりも優れているかどうかを知りたかった。また、支援技術による有害事象があるかどうかも知りたかった。 実施したこと 支援技術の効果を、治療なし、通常の治療、または別の支援技術と比較して評価している研究を探した。研究結果を比較し、まとめた上で、研究方法や研究規模などの要素に基づくエビデンスの確実性を評価した。 わかったこと 支...
1 year 3 months ago
心房細動がある人に対する運動を中心とした心臓リハビリテーション 主なメッセージ ・運動を中心とした心臓リハビリテーションは、おそらく心房細動(AF)がある人の症状や生活の質を改善し、運動耐容能(その人が耐えることができる最大の運動量)を向上させる可能性がある。 ・死亡者数や重篤な有害事象に対する運動の影響については、十分なエビデンス(証拠)がない。 ・エビデンスの質は、中程度から非常に低いものまであった。さらなる質の高い研究が必要である。 心房細動とは? 心房細動(AF)は不整脈である。心房細動は、脳卒中やその他の心臓関連の合併症のリスクを高める可能性がある。心房細動の症状には、動悸、倦怠感、めまいなどがある。運動は、心臓や心身および全体的な健康状態に影響を与えるため、心房細動がある人にとって有益であるかもしれない。 調べたかったこと 心房細動がある人に対する運動を中心とした心臓リハビリテーションの有益性と起こりうる弊害について調べた。 実施したこと 心房細動がある人に対して、運動を中心とした心臓リハビリテーションを実施した場合と運動なしの場合を比較した研究を調べた。また、死亡者数、重篤な有害事象、心房細動の重症度や患者のウェルビーイング(心身のみならず社会的にも良好な状態)など、さまざまな尺度への影響を知りたかった。 わかったこと 合計2,039人の心房細動がある人を対象とした...
1 year 3 months ago
顎関節症に対する咬み合わせ(咬合)の治療の利益とリスクは何か? 要点 顎関節症の患者に対して、スプリント(Occlusal splint)というマウスピースの一種を使用することで、治療を行わなかった場合と比較して咀嚼時の痛みが軽減する可能性があるが、その結果は非常に不確実である。また、スプリントが他の利益をもたらすというエビデンスはほとんど、または全くなく、この結果についても不確実である。 スプリントの使用や咬合調整(歯を削って咬み合わせを調整すること)が有益か、または有害かの明確なエビデンスを見つけ、他の治療法と比較した際の効果を評価するためには、さらなる研究が必要である。 顎関節症とは何か? 顎関節症(Temporomandibular disorders:TMD)は、顎の関節(顎関節)やそれを動かす筋肉に影響を及ぼし、痛み、開口量の減少、顎関節の音(クリック音)などの問題を引き起こすことがある。顎関節症は、顔の片側または両側の筋肉、関節、またはその両方が関係することがある。 咬合治療とは何か? 咬合治療とは、咀嚼時などの上下の歯を咬み合わせる時や、安静時における歯の接触状態を変化させる治療である。これは、スプリントを装着したり、歯を削るなどの調整(咬合調整)をすることによって行われる。スプリントは、その働きによって、スタビライゼーション(安定化)タイプ、レフレックスタイプ(...
1 year 4 months ago
生命を脅かす疾患を持つ人々の不安、うつ状態、実存的苦悩を治療するためのサイケデリック支援療法 主な結果 - 生命を脅かす疾患(癌など)を持つ人々において、「古典的な」サイケデリック(シロシビン(「マジックマッシュルーム」)、LSDなど)を用いたサイケデリック支援療法が、不安やうつ症状の軽減をもたらす可能性があることがわかった。 - また、実存的苦悩(人生に意味がないと感じるなど)や生活の質(QOL)は、古典的なサイケデリック薬によって改善されるかもしれないが、そのエビデンスはまちまちであり、非常に不確かであることもわかった。 - MDMA(「エクスタシー」)を用いたサイケデリック補助療法については、これらの結果(評価項目)に関するデータはごくわずかであり、その結果については非常に不確かである。 - 特定した研究では、サイケデリック補助療法による重篤な副作用は報告されていないが、そのエビデンスは非常に不確かである。中等度の副作用は、薬効が消失した後、あるいはその後1週間以内に治まった。 生命を脅かす病気を持つ人々における不安、うつ状態、実存的苦悩の意義とは? 不安、うつ状態、実存的苦悩は、生命を脅かす病気に直面した人々が頻繁に経験し、本人だけでなく介護者の生活の質(QOL)にも悪影響を及ぼす。 不安、うつ状態、実存的苦悩はどのように治療されるのか? これらの症状の治療は、特に終末期...
1 year 4 months ago
進行性多発性硬化症の進行を遅らせたり、遅らせたりする可能性のあるさまざまな治療法の利益とリスクは何か? 要点 - 全体として、再発や障害の悪化を遅らせる治療効果については非常に不確かである。リツキシマブは治療2年後、インターフェロンβ1bは治療3年後に投与すると、おそらく再発を経験する人の数をわずかに減少させるというエビデンスが見つかった。 - 有害事象のために服用を中止する人の数は、インターフェロンβ1aでわずかに多く、インターフェロンβ1b、リツキシマブ、免疫グロブリン、酢酸グラチラマー、ナタリズマブ、フィンゴリモド、シポニモド、オクレリズマブでおそらくわずかに多い。 - 進行性多発性硬化症がある人に対して、長期にわたって免疫系に作用する薬剤の有益性と有害性を評価するためには、治療法間の比較を行う長期間の研究が必要である。今後の研究では、生活の質(QOL)や思考力、学習能力、記憶力、判断力、意思決定能力など、進行性多発性硬化症がある人にとって重要な他の影響も考慮すべきである。 背景 多発性硬化症は、免疫システムの障害による脳と脊椎の炎症によって引き起こされ、その結果、日常生活動作が徐々に制限されるようになる。多発性硬化症がある人は通常、疲労感、痛み、筋肉のけいれん、体の一部の感度や強度の低下や喪失を経験する。症状の出現は「再発」と呼ばれ、「再発寛解型」と呼ばれる多発性硬化症で...
1 year 4 months ago
がんによる疲労を軽減するには、有酸素トレーニングと筋力トレーニングのどちらが効果的か? 主なメッセージ - がんによる疲労、ウェル・ビーイング(心身および社会的にも良好な状態)および副作用に対する、有酸素および筋力トレーニングの影響についてのエビデンスは非常に不確かである。小規模な研究がいくつかあるのみである。 - ある特定の運動が他の運動より優れているかどうかを判断するには、もっと研究が必要である。研究には、さまざまな種類のがんや治療法も含まれるべきである。 がんによる疲労とは? がんによる疲労とは、極度の疲労感が長時間続くことである。がんやがん治療、もしくはその両方に関連している。心身の両方に影響を及ぼし、日常生活が困難になることもある。がんによる疲労は、通常の疲労よりもずっとひどく、睡眠や休息を多くとっても解消されることはない。 調べたかったこと がんによる疲労の治療と予防、ウェル・ビーイング(生活の質としても知られている)、副作用に与える影響ついて、有酸素トレーニングと筋力トレーニングの間に違いがあるかどうかを調べたかった。有酸素トレーニングには、ウォーキング、ランニング、水泳、サイクリングなどの運動が含まれ、筋力トレーニングには、自重トレーニング(自分の体重を負荷として行う運動)、重りや伸縮性のあるバンドを使った運動が含まれる。 実施したこと さまざまな種類のがん患者に...
1 year 4 months ago
統合失調症がある人にとって、移行期の退院ケアにはどのような利益があるのか? 要点 - 移行期の退院ケア(入院から地域社会への移行を支援する介入)は、入院や生活の質(QOL)にほとんど差はなく、日常生活での機能向上や退院時の治療への満足度を改善する可能性があるが、その結果については非常に不確かである。 - 移行期の退院ケアプログラムの運営費用に関する結果については結論が出ておらず、再発(新たな精神衛生上の危機)や望ましくない影響に関する情報もない。 - 統合失調症や統合失調症に関連した障害を持つ人々が、病院から地域社会へ移行する際に、どのように支援すればよいかを調査するために、さらなるより良い研究が必要である。 統合失調症とは? 統合失調症は、幻覚(現実のように見えるが、心の中にしか存在しないものを聞いたり、見たり、嗅いだり、味わったり、感じたりすること)や妄想(事実でないことを強く信じること)などの衰弱した症状が現れ、生活の質(QOL)が低下する、持続性のある重度の精神疾患である。統合失調症関連障害がある人には、統合失調症に似た症状がある。この病気はさまざまで、その時々によって症状が異なり、しばしば治療のために入院が必要になる。 統合失調症や統合失調症関連障害のある人が退院するとどうなりますか? 統合失調症や統合失調症に関連した障害を持つ人は、健康状態を改善するために入院し、その...
1 year 4 months ago
業務のために非公式に個人の携帯電話を利用することについての医療従事者の見解、経験、および実践はどのようなものか? 要点 ・ 医療従事者は、医療システムのギャップを埋めるために、非公式に個人の携帯電話を使用することがある。 • 調査結果は、個人の携帯電話の利用は医療従事者の業務をより効率的に行うのに役立つことを示唆している。また、患者や医療従事者のニーズにより迅速に対応できるようにもなる。 • しかし、患者や医療従事者にとって問題を引き起こす可能性や、医療システムを弱体化させる可能性もある。 非公式な携帯電話の使用とは何か? 医療従事者は、業務中の個人の携帯電話の使用に対する正式な規定がない場合であっても、個人の携帯電話を使用することがある。これは、職場のシステムに効果的で利用しやすい情報共有手段がない場合に、医療従事者の業務に役立つ可能性があるものの、しかし、新たな問題を引き起こす可能性もある。 何を調べようとしたのか? 医療従事者の業務を補助するための個人の携帯電話の非公式な使用について評価を行うことを試みた。 何を行ったのか? 医療従事者の職場における個人の携帯電話の使用に関する見解、経験、および実践に関する研究を検索した。その結果を分析し、レビューの結果の信頼性について評価を行った。 何を見つけたのか? 2013年から2022年の間に発表された合計30件の研究を見つけた。こ...
1 year 4 months ago
妊娠中における日常的な鉄の経口的補充の効果 要点 鉄のサプリメントを毎日摂取している女性は、プラセボを摂取している女性や鉄を補充していない女性と比較して、出産予定日前後の出産時に貧血や鉄欠乏が減少する可能性がある。 本レビューのエビデンス(科学的根拠)から、鉄の補充が女性とその児のその他の転帰に与える影響については、あまり定かではない。 貧血とは何か? 貧血とは、赤血球の数が通常より少ない状態、または赤血球1つ1つに含まれるヘモグロビン(血液中に含まれる赤い物質で、酸素と結合して体中に酸素を運ぶ)の量が少ない状態のことである。鉄欠乏が貧血の主な原因であり、葉酸やビタミンB 12 などの微量栄養素の欠乏も貧血の原因となる。妊婦が貧血になったり、鉄やその他の栄養素が不足したりすると、その栄養分を十分に胎児に供給できなくなる。女性の鉄および葉酸の低値により貧血を生じる可能性があり、そのため女性は疲労を感じ、失神を起こし、感染症のリスクが増大する可能性がある。 知りたかったこと 妊婦が鉄のサプリメント(単独、または葉酸や他のビタミン、ミネラルとの併用)を毎日摂取することが、妊婦と胎児の健康と栄養を改善するかどうかを検証したいと考えた。 実施したこと 妊娠中の毎日の鉄の補充(単独、または葉酸や他のビタミン・ミネラルとの併用)の効果を調査した研究を検索した。研究結果を比較および要約し、研究方...
1 year 5 months ago
心臓発作(急性心筋梗塞)に対して、骨髄から採取した幹細胞を心臓へ移植する治療は、安全かつ効果的な治療法か? 要点 - 幹細胞による治療は、急性心筋梗塞の臨床成績の改善にはつながらない。 - 幹細胞による治療は、急性心筋梗塞の治療期間中に有害事象を引き起こすことはほとんどない。 急性心筋梗塞が引き起こす問題は何か? 急性心筋梗塞は、心臓の筋肉(心筋)に血液を供給する動脈の閉塞によって引き起こされる。新しい治療法が進歩しているとはいえ、急性心筋梗塞を起こした人の多くは心臓の機能が低下し、余命も短くなる。 急性心筋梗塞はどのように治療されているのか? 現在の急性心筋梗塞に対する標準的な治療法は、経皮的冠動脈形成術(PCI)である。小さな風船を用いて閉塞した動脈を再び開き、ステントと呼ばれる小さな管を挿入して動脈の開通状態を維持する方法である。 どのような治療法が研究されているのか? 骨髄由来細胞は、損傷した心筋を修復する能力があることから、心臓発作の追加治療として研究されており、心臓の損傷に関係する血液中の化学物質や、心機能を測定する画像検査などの結果に有益な効果が見られることがわかっている。しかし、死亡や再入院、または別の重大な心臓疾患(脳卒中や他の心臓発作など)を起こす可能性といった重要な臨床成績に影響を与えるかどうかについてはわかっていない。 何を調べようとしたのか? すべての研...
1 year 5 months ago
アトピー性皮膚炎に対する外用薬(皮膚に直接塗る薬)の比較 要点: 強力な副腎皮質ステロイド外用薬(以下ステロイド)、JAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬、タクロリムス0.1%(いずれも免疫系を抑制する薬剤)は、アトピー性皮膚炎の徴候や症状を軽減するのに一貫して有効である。 灼熱感(ほてり感)や刺激感(ヒリヒリ感)などの望ましくない効果(副作用)は、タクロリムス、ピメクロリムス、クリサボロールでより起こりやすく、ステロイドでは起こりにくい;皮膚が薄くなるなど、他の副作用は、強力なステロイドを長期使用(長期塗布)した場合にのみ起こりやすい。 アトピー性皮膚炎に対する抗炎症外用薬の長期的な有効性と安全性については不確実であるため、製品の入手可能性、費用面、個人の優先事項など、他の要因も考慮するべきである。 何を調べたかったのか? アトピー性皮膚炎は、(現在のところ)治らないとされている炎症性の皮膚疾患である。アトピー性皮膚炎の症状を軽減するとされているさまざまな皮膚に直接塗る(外用)抗炎症治療薬(抗炎症外用薬)を比較した。アトピー性皮膚炎がある人に対して最も有効性が高くかつ最も安全な抗炎症外用薬を見つけたかった。 実施したこと 年齢や湿疹の重症度を問わず、アトピー性皮膚炎の人が参加したランダム化試験を対象とした。外用治療(塗り薬)は少なくとも1週間使用する必要があり、他の抗炎症治療または無治...
Checked
1 hour 20 minutes ago
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