Latest Japanese Reviews

産後出血を予防、発見、治療するための、世界保健機関(WHO)の勧告を実現させるにはどんな対策が優れているか?

8 months 2 weeks ago
産後出血を予防、発見、治療するための、世界保健機関(WHO)の勧告を実現させるにはどんな対策が優れているか? 主なメッセージ 複数の対策を組み合わせると、世界保健機関(WHO)の産後出血(PPH)を予防するための勧告により従えるようになる可能性があるが、集中治療室(ICU)への入院、追加の手術が必要になる数、または妊産婦の死亡数には恐らく差はない。複数の対策を組み合わせることが、出血量や輸血の有無に影響するかどうかはわからない。 一つだけの対策では、WHOのPPH予防のための勧告が守られるかどうか、出血量、または輸血の有無に影響するかどうかはわからない。一つだけの対策では、妊産婦の死亡数には差がなく、ICUへの入院が増えるかもしれない。一方、追加の手術を必要とする数が減る可能性がある。 研究の件数が少なく、解析した研究の間で収集されたデータに差があるなどの限界があって、有効な対策について結論を出すことができなかった。しかし、同一の対策が、異なる研究で程度の違いこそあれ成功を収めており、今後この領域での研究を行う必要性が非常に高い。 産後出血(PPH)とは何か? 産後出血(PPH)とは、通常、出産後24時間以内に500mlを超える出血があること、と定義される。 PPHはどのようにして予防、診断、治療されているか? WHOのガイドラインは、PPHを予防するために、出産直後にオキシトシ...

うつ病を対象とした母乳育児支援介入は、産後のうつ病発症を予防できるか?

9 months ago
うつ病を対象とした母乳育児支援介入は、産後のうつ病発症を予防できるか? 主な結果 - 心理社会的な母乳育児支援介入は、支援を受けてから1~3か月後の母親の産後うつ病の一部を予防し、支援を受けてから7~12か月後の母乳育児期間を延長する可能性がある。その他のメンタルヘルスや母乳育児の結果に対する影響については、非常に不確かなエビデンスしかない。 - 母乳育児支援以外の介入(特にマインドフルネス)が産後うつ病やその他のメンタルヘルス、母乳育児の結果に与える影響に関するエビデンスは、非常に不確かである。 - 介入に直接関係する有害事象は記載されていなかったが、ほとんどの研究で有害事象が測定されているかどうかはわからなかった。 - 今後の母乳育児支援介入研究は、バイアスのリスクを減らすために慎重に実施されるべきであり、母親の精神的健康状態の差を検出するのに十分な規模でなければならない。 産後うつ病とは何か? 産後うつ病は、出産後に起こる精神疾患で、抑うつ気分や、活動に対する喜びや興味の喪失が長期間続くことが特徴である。母親、赤ちゃん、そして家族全体に深刻な影響を及ぼしかねない病気である。 知りたかったこと うつ病を対象とした母乳育児支援介入が、産後うつ病の予防や産後うつ病の症状の軽減において、標準的な産後ケアよりも優れているかどうかを調べたいと考えた。また、母乳育児支援介入に有害な副作用...

不妊治療を受けると卵子がたくさんできてしまう女性にとって、最善の治療とは何か?

9 months 1 week ago
不妊治療を受けると卵子がたくさんできてしまう女性にとって、最善の治療とは何か? 主なメッセージ 多嚢胞性卵巣症候群(卵巣で成熟卵子がうまく作られない状態)の女性が不妊治療を受ける場合、体外成熟(未熟な卵子を、受精に十分な成熟度まで体外で育てること)が体外受精(卵子を体外で精子と受精させる治療法)よりも生児出産や妊娠を増やすのに優れているかどうかはわかっていない。 体外成熟は、体外受精に比べて流産を増加させる。一方、多嚢胞性卵巣症候群の女性における卵巣過剰刺激症候群(卵巣が卵子を過剰に産生する痛みを伴う状態)を減少させる。 早産(妊娠37週未満での出産)と胎内での赤ちゃんの発育については、体外成熟と体外受精ではほとんど差がないが、より多くの研究が必要である。 論点 なかなか妊娠しない女性は、妊娠する可能性を高めるための治療を必要とする場合がある。これには、女性が卵子の成熟を促す薬を服用し、卵子を取り出して体外で精子と受精させ、できた受精卵を女性の子宮に戻す方法がある。これを体外受精(IVF)という。なかなか妊娠しない女性の中には、多嚢胞性卵巣症候群(卵巣で成熟卵子をうまく作れない状態)の人がいる。このような女性が卵子の成熟を促す薬を服用すると、卵子が過剰に作られることがある(卵巣過剰刺激症候群と呼ばれる)。これは卵巣が腫れて痛みを伴い、重篤な病気や(まれには)死に至ることもある。多...

喘息児やその介護者または両方に、在宅で喘息教育を提供するのはどれだけ役に立つか?

9 months 1 week ago
喘息児やその介護者または両方に、在宅で喘息教育を提供するのはどれだけ役に立つか? 主なメッセージ 在宅教育を行うと、他所でなされる教育と比べて生活の質 (QOL)が向上するほか、その介入の度合いが低い場合と比べて入院回数が減るという限定的なエビデンスがある。 救急外来の受診や副腎皮質ステロイド薬(気道内の炎症(腫れ)を抑える喘息治療薬)を使った治療が必要となるほどの喘息の悪化、喘息の症状または肺の機能状態の変化に関して、在宅で行う教育が他所で行う教育より優れているか劣っているかを示す十分なエビデンスはない。 - 実際に喘息教育のどの要素が喘息の知識の向上と結果(評価項目)の改善につながるかを調べるには、周到にデザインされた試験が必要である。 喘息とは? 喘息とは慢性の(長期の)肺疾患である。喘息をもつ人は肺の気道内で炎症(腫れ)が起きる。症状は喘鳴、息苦しさ、胸の圧迫感、咳である。 喘息教育とは? 喘息教育は、患者と医療従事者の協力関係を利用して、患児と介護者に喘息をどのように管理するか教えることを目的とする。喘息教育の内容としては、喘息に関する情報、吸入器の効果的な使い方を含む喘息管理の訓練、管理の方策、薬の正しい用法の指導などがある。ピークフローメーター(手に持って、全力でどれだけ速く息を吐けるか測定する器具)などを用いた喘息のモニタリングと医療従事者による定期検査も喘息教育...

子どもの肥満を管理するのに、精密栄養学に基づく介入をするとどんな効果があるのか?

9 months 2 weeks ago
子どもの肥満を管理するのに、精密栄養学に基づく介入をするとどんな効果があるのか? 要点 - 精密栄養学(個人の生物学的特徴や環境に基づいて、その人に合った食事や食品を提供すること)が、肥満の子どもの体重や体格指数(BMI)で測定される体重の変化に効果があるかどうかは不明である。 - 子どもの肥満を管理するのに、精密栄養学に基づく介入がどんな効果があるのかを理解するためには、大規模なものを含む研究がさらに必要である。 過体重と肥満症とは何か? 体格指数(BMI)は、体重(キログラム)を身長(メートル)の二乗で割って算出する。BMIは、脂肪をたくわえ過ぎた状態である「過体重」と、健康を害するほど脂肪をたくわえ過ぎていることが特徴の慢性疾患である「肥満症」を定義するために使用されることがある。 過体重や肥満症はどのように管理されるのか? 肥満症は、食事や生活習慣の改善、手術、薬物療法によって管理できる。一方で、2022年現在、5歳未満の子ども約3,700万人が肥満症になっている。また、青年の肥満症の割合は、1990年の4倍にまで増えている。これは、個別化または精密栄養学に基づく介入など、治療に対する代替的または補完的方法が必要であることを示している。 何を調べようとしたか? 最近、「精密栄養学」(個人の行動、生理学的特徴、ライフスタイル、食事が、介入にどのように利用できるかを研究する学...

全般性不安障害の抗うつ薬

9 months 2 weeks ago
全般性不安障害の抗うつ薬 主なメッセージ - 抗うつ薬はプラセボ(見せかけの錠剤)よりも治療反応を改善する効果が高く、プラセボと同程度の受容性がある。プラセボ群に比べ抗うつ薬群では効果不足による脱落者が少なく、プラセボ群に比べ抗うつ薬群では好ましくない作用による脱落者が多かった。 - 今後の研究では、方法と結果の報告がより透明化されるかもしれない。今後のレビューでは、併存する病状を持つ人々も含めるかもしれない。 全般性不安障害とは何か? 全般性不安障害は、日常的な出来事に対する過剰な不安と継続的な心配を特徴とする精神疾患である。全般性不安障害はよく見られるもので、一般に女性は男性の2倍の頻度で罹患する。 全般性不安障害はどのように治療するのか? 治療法には、さまざまな心理学的アプローチ(心や人の行動に働きかける)や薬がある。薬の中では、抗うつ薬(うつ病の治療に用いられる)、特に選択的セロトニン再取り込み阻害薬とセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬と呼ばれる2種類の抗うつ薬が全般性不安障害の治療によく用いられ、多くの研究でプラセボによる偽治療に対する有用性が示されている。 このレビューに関心を持つ人は誰か? 全般性不安障害がある人、一般開業医、メンタルヘルス専門家。 知りたかったこと このレビューでは、このトピックに関して利用可能なすべてのエビデンスの最新の要約を提供するこ...

電子タバコは禁煙に役立つのか?また、禁煙目的で使用した場合、副作用はないのか?

9 months 2 weeks ago
電子タバコは禁煙に役立つのか?また、禁煙目的で使用した場合、副作用はないのか? 電子タバコとは? 電子タバコ(e-シガレット)は、携帯型のデバイスで、通常はニコチンと香料を含んだ液体を加熱することで作動する。電子タバコは、煙ではなく蒸気でニコチンを吸い込むことができる。電子タバコはタバコを燃やさないため、一般的に、従来のタバコを使用する人に病気を引き起こす可能性があるのと同じレベルの化学物質に使用者がさらされることはない。 電子タバコを使用することは、「ベイピング」と呼ばれている。電子タバコは、タバコを止めるために使用する人が多い。このレビューでは、主にニコチン入り電子タバコに焦点を当てている。 レビューを行った理由 禁煙は多くの病気のリスクを下げる。多くの人が、タバコを止めるのは難しいと思っている。電子タバコの使用が禁煙の助けになるかどうか、また、電子タバコを使用している人に望ましくない影響がないかどうかを調べた。 実施したこと 禁煙のために電子タバコを使用した研究を検索した。 人々が受けた治療が無作為に決定されたランダム化比較試験を探した。このような研究方法(ランダム割付)は、治療効果について最も信頼性の高いエビデンスが得られるとされている。また、全員が電子タバコによる治療を受けた研究も探した。また、ランダム化群でなくても、喫煙者に電子タバコを与え、その健康状態をモニターした...

成人の禁煙支援介入は、社会経済的背景によって効果が異なるのか?

9 months 3 weeks ago
成人の禁煙支援介入は、社会経済的背景によって効果が異なるのか? 主な結果 - すべての治療法のエビデンスにほとんど、あるいはまったく確信を持てない。つまり、社会経済的に低いグループと高いグループとで異なる禁煙介入策を用いることを支持する明確なエビデンスはなく、また、どのような介入策も健康格差に効果があるという明確なエビデンスもない。しかし、もっと研究が進めば、この結論も変わるかもしれない。 - 各研究グループの社会経済的地位別に禁煙率を報告する研究がもっと必要である。 禁煙と社会経済的地位の差 喫煙は病気と早死にの主要なリスクであり、喫煙者の2人に1人、世界中で毎年800万人が死亡している。喫煙者は心臓病、肺疾患、がんのリスクが高まる。 禁煙にはさまざまな治療法がある。これらの治療には、薬物療法やカウンセリングなどの行動支援が含まれ、さまざまな方法で行われる。 社会経済的に低いグループの人々(例えば、低所得で生活している人々、失業している人々、教育レベルが低い人々)は、社会経済的に高いグループの人々に比べて、喫煙する可能性は高いが、現在の治療法の助けを借りて禁煙する可能性は低い。 禁煙が健康格差に与える潜在的影響 健康格差とは、人々のグループ間の健康状態の差のことである。喫煙は他に類を見ないほど有害で致命的であるため、喫煙者数の増加は、不利な立場にある人々の喫煙に関連した疾病や死...

ルラシドンと定型抗精神病薬:統合失調症の治療にはどちらが有効か?

9 months 4 weeks ago
ルラシドンと定型抗精神病薬:統合失調症の治療にはどちらが有効か? 要点 - 統合失調症の治療において、ルラシドンという新しい抗精神病薬をハロペリドールのような従来の抗精神病薬と比較した。 - 2件の研究によると、ルラシドンが従来の薬と比較して統合失調症の症状を改善するのか、あるいは望ましくない作用をもたらすことが少ないのかは不明である。 - 統合失調症の治療におけるルラシドンの有益性と潜在的有害性を明らかにするためには、さらなる研究が必要である。 統合失調症とは? 統合失調症は、現実の捉え方に影響を及ぼす病気で、幻覚、妄想、明瞭な思考困難などの症状を引き起こす。また、慣れ親しんだ環境が奇妙に感じられるようになり、人間関係や社会的交流に影響を及ぼすこともある。統合失調症とともに生きることは困難なことであるが、多くの人が症状をコントロールし、充実した生活を送るために努力している。 統合失調症の治療法は? 抗精神病薬は統合失調症の重い症状を軽減するのに不可欠である。 知りたかったこと 以下の項目に関して、ルラシドンが有効かどうかを確かめたかった。 - ハロペリドールなどの従来の抗精神病薬よりも、統合失調症の症状を軽減する効果があるか。 - 望ましくない作用(有害事象)が少ないか。 - 生活の質(QOL)を改善し、自殺や自然死による死亡のリスクを軽減するか。 実施したこと ルラシドンと従...

カロリー(エネルギー)表示によって食品およびアルコール飲料の選択と摂取を変えることができるのか

10 months ago
カロリー(エネルギー)表示によって食品およびアルコール飲料の選択と摂取を変えることができるのか 要点 - 現在のエビデンスから、メニューや飲食物製品の上または隣にカロリー(エネルギー)を表示すると、カロリーの低い食品やノンアルコール飲料の選択と購入につながることが示唆されている。摂取(飲食)に関するエビデンスでも同様の効果が示唆されているが、エビデンスの量が少なく、質も低い。 - アルコール飲料にカロリーを表示することによる効果を推定するには、エビデンスが不十分である。 - 食品のカロリー表示は、大規模に実施された場合、公衆衛生に有意な影響をもたらす可能性があるが、飲食やアルコール飲料については、さらに質の高い研究が必要である。 なぜ商品にカロリーを表示するのか 食べ過ぎやアルコール飲料の摂取は、健康を損なう重要な原因である。飲食店のメニューや食料品の包装に、どの程度のエネルギー量(「カロリー」、単位はキロカロリー)が含まれているかを表示することによって、高カロリー食品の購入やその摂取量を減らし、より健康的なものを選ぶことが促される可能性がある。 知りたかったこと ノンアルコール飲料を含む食品やアルコール飲料にカロリーを表示することにより、その製品に対する選択や飲食の傾向が変化するかどうかを検討した。 実施したこと あらゆる年齢層を対象に、飲食物製品のカロリー表示の有無が食料品の...

神経筋疾患によりふくらはぎの筋力が低下している人の歩行を改善するための足首の装具

10 months ago
神経筋疾患によりふくらはぎの筋力が低下している人の歩行を改善するための足首の装具 主なメッセージ 足首の装具(Ankle-foot orthoses:AFO)は、神経筋疾患によりふくらはぎの筋力が低下している人が歩くときの負担を軽減し、歩行速度と歩行時の満足感を向上させる可能性があるが、これらの結果については不確かである。 AFOが歩行の負担感、バランス、AFOの使用感、有害事象に及ぼす影響については、結論を出すことができない。 歩行の改善への影響は、AFOの素材によってさまざまであることが示唆されている。今後の研究で、この点をさらに深く調べることができるだろう。 なぜこの問題が重要なのか? 多くの神経筋疾患(つまり筋肉や筋肉を動かす神経の障害)によって、ふくらはぎの筋力低下が起こる。ふくらはぎの筋力は安全で効率的な歩行に欠かせないため、この筋力が衰えると歩き方が大きく変わってしまう。ふくらはぎの筋力が衰えると、歩行は不安定になり、より多くのエネルギーが必要となる。これにより、転倒や疲労感のような問題が起こる。 何を調べたかったのか? AFOは、神経筋疾患の人の歩行を改善するために処方される装具である。AFOにはさまざまな種類があり、歩行に対する影響もかなり異なっている。AFOを使用するとき、医療従事者と患者が十分な情報を得た上で決定できるように、歩行への影響に関する入手可能なエ...

インセンティブ(報奨)は禁煙の促進に有効か、また長期的な効果はあるのか?

10 months ago
インセンティブ(報奨)は禁煙の促進に有効か、また長期的な効果はあるのか? 要点 ・世界において、喫煙は、病気と早期死亡の主要な、かつ予防可能な原因である。禁煙は、人々が健康で長生きするために極めて重要である。 ・インセンティブは、少なくとも6か月間禁煙を続けるのに有用である。 ・この効果はインセンティブの終了後も続き、長期的な効果が示唆されている。 ・インセンティブは、妊娠中の喫煙者が禁煙するのにも有用である。この効果は出産後も継続する。 インセンティブ(報奨)とは何か? 禁煙を奨励し、また禁煙を継続できた場合に与える報奨として、金銭、商品券、またはデポジットなどのインセンティブが利用されている。これらの制度は、職場や診療所で実施されることが多く、時には地域社会のプログラムとして実施されることもある。 何を調べようとしたのか? インセンティブを与えることが長期的な禁煙につながるかどうかについて評価を行った。 何を行ったのか? 成人を対象に、禁煙を促すためのインセンティブの提供について調査した研究を探した。参加者は、インセンティブを受諾するか、あるいは対照条件(通常の治療または別の禁煙介入)を受けるかについて無作為に割りつけられた。参加者には、さまざまな集団の人々や妊婦も含められた。 何がわかったか? 禁煙を支援するためのさまざまなインセンティブを試験した48件の研究が見つかった。...

ニコチン・ベイプを止めるための最善の方法とは?

10 months 1 week ago
ニコチン・ベイプを止めるための最善の方法とは? 主な結果 テキストメッセージに基づく介入は、サポートなしまたは最小限のサポートと比較して、若者のベイプを止めるのに役立つ可能性があり、バレニクリンは、サポートなしまたは最小限のサポートと比較して、ベイプを止めるのに役立つ可能性があるが、より多くのエビデンスが必要である。 他の介入策がベイプをやめる手助けになるかどうかについては、もっと情報が必要だ。 介入策の潜在的な害や、それがタバコを吸う人の数に影響するかどうかについては、もっと情報が必要だ。 ニコチン入りベイプとは? ベイプ(電子タバコまたはe-シガレットとも呼ばれる)は、通常ニコチンや香料を含む液体を加熱する携帯機器である。液体は、使い捨てまたは詰め替え可能なカートリッジ、リザーバー、または「ポッド」に保存される。ベイプは、煙ではなく蒸気としてニコチンを吸入することができる。ベイプはタバコを燃やさないので、タバコを吸う人の病気の原因となる物質にさらされることは少ない。しかし、ベイプはベイプをしない場合よりも害を及ぼす可能性が高い。禁煙のためにニコチンを吸う人もいるが、ニコチンを吸う人の中にはタバコを吸ったことがない人もいる。ニコチンを含むベイプの使用をやめたいと思っても、ニコチンには中毒性があるため、なかなかやめられない人もいるだろう。 どのような介入が、人々がベイプを止めるの...

アスピリンに対する耐性を誘発する方法は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に対して過敏症のある成人にとって有効な治療法か?

10 months 1 week ago
アスピリンに対する耐性を誘発する方法は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に対して過敏症のある成人にとって有効な治療法か? 主要メッセージ • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に対して過敏症のある人における治療選択肢としてのアスピリン減感作(ATAD)(過敏症を誘発する薬(アスピリン)を少しずつ体内に取り入れ、アスピリンに対する耐性を誘発する方法、すなわちアスピリンに徐々に慣らしていく方法)の利益と有害性は、確実なエビデンス(科学的根拠)が不足しているため、不明なままである。 • ATAD療法は生活の質の向上につながるかもしれないが、そのエビデンスは小規模な研究から得たものである。 • 今後の研究では、手術や副腎皮質ステロイド(薬)(以下,ステロイド)使用の必要性に対し、アスピリン治療(アスピリン減感作療法)の明確な効果を実証するために、大規模な研究を行うべきである。 NSAID過敏喘息(NSAID不耐性、アスピリン喘息)とは? NSAID過敏喘息(N-ERD)とは、アスピリンやイブプロフェンなどのNSAIDsによって誘発される過敏症であり、鼻ポリープ(鼻茸、鼻や副鼻腔の粘膜の良性の腫瘍)や喘息を伴うまたは伴わない慢性の鼻副鼻腔炎(12週間以上続く鼻と副鼻腔の炎症)を合併している。N-ERDがある人にNSAIDを使用すると、30分から120分以内に鼻水、鼻閉(鼻づまり)...

25歳までの若者の自傷行為や自殺を防ぐために、学校、大学で行われている活動(介入)は効果的か?

10 months 4 weeks ago
25歳までの若者の自傷行為や自殺を防ぐために、学校、大学で行われている活動(介入)は効果的か? 主な結果 - この疑問に答える研究は51件見つかったが、自傷行為を減らすための教育現場での介入の影響については不明確なままである。 - 有望な結果もあるが、それを確認するためには大規模な研究が必要であり、若者と共同で設計された、安全な環境で、長期間にわたって実施できるさまざまな介入アプローチの組み合わせを検討する研究が必要である。 自傷行為や自殺を防ぐには? 若者の自傷行為や自殺は、若者やその友人、一緒に過ごす他の若者、そして地域社会に苦痛を与える重大な公衆衛生の問題である。自殺や自傷行為を予防するための活動は、若者を守るスキル(技能)の構築など、変えることのできる要素に取り組むものである。活動は主に3つの種類がある。 「普遍的介入」とは、メンタルヘルスや自殺啓発教育プログラムのように、自傷行為や自殺予防に関する知識やスキル(技能)を高めることを目的としたものである。また、「普遍的介入」とは、問題解決能力のような、保護因子として働く特異的なスキルを教えるものである。これは否定的な態度や羞恥心を減らすのに役立ち、自殺願望があったり自傷行為に及んだりした場合に助けを求める可能性を高める。 「選択的介入」は、自殺願望があったり、自傷行為に及んだりしている人に気づき、支援を提供するものである。...

自分自身で記入する認知機能評価ツールは、どの程度正確に認知症を発見できるのだろうか?

10 months 4 weeks ago
自分自身で記入する認知機能評価ツールは、どの程度正確に認知症を発見できるのだろうか? 主な結果 - このエビデンスは、認知症の発見と診断に、自己記入式認知機能評価ツールを使用できることを示唆している。 - 一種類の評価ツールを他のものよりも推奨する十分なエビデンスはない。 - 診療所や家庭など、さまざまな環境におけるこれらの認知機能評価ツールの使用や、認知症を示すスコアについて、さらなる研究が必要である。 なぜ認知症の発見を改善することが重要なのか? 世界的に長寿化が進んでいるため、認知症と診断される人の数は今後大幅に増加すると予想されている。認知症の人が増えると、多大な医療や社会にかかわる費用をもたらすだろう。認知症は、日常生活に介助が必要になるまで記憶力が低下する永続的な症状である。正確で迅速な診断により、認知症の人やその家族は治療や支援を受けることができる。病態が存在するのに気づかなかった場合(偽陰性)、記憶、思考、行動を助ける治療を受けるのが遅れたり、ソーシャルワークや作業療法などの社会サービスからの支援を受けるのが遅れたりすることがある。認知症の誤った診断(偽陽性)は、検査を受けた人とその家族に精神的、心理的苦痛を与える可能性がある。現在、認知症の診断には専門のクリニックでの対面評価が必要であり、病歴、身体検査、血液検査、脳スキャンなどが検討される。 自己記入式認知機能...

生徒の健康を向上させるための学校単位の方針と実践の改善

11 months ago
生徒の健康を向上させるための学校単位の方針と実践の改善 主な結果 - 学校やその職員は、支援する戦略が用いられた場合、生徒の健康的な食事、身体活動、肥満、タバコやアルコールの使用に対処するための介入をより適切に実施することができる。 - 学校とその職員がこうした介入策を実施するのを支援するためには、どの個別戦略が最適なのかを理解するために、さらなる研究が必要である。 - これまでの研究では、学校への実施支援による好ましくない影響は確認されておらず、その費用に関する情報も限られている。 知りたかったこと 5歳から18歳の生徒の食事、身体活動、肥満、タバコやアルコールの使用に対処するための学校単位の介入策の実施を支援するために、どのような戦略が有効であるかを知りたかった。例えば、学校食堂の運営者に対する教育や訓練(実施戦略)により、健康的でない食品の入手を減らし(実施結果)、生徒の食生活を改善するための健康的な食堂政策の実施(介入)を改善できるかどうか。また、費用対効果はあるのか、有害作用はないのか、などを知りたかった。その他の戦略の例としては、品質向上のための方法、学校の様子に関するフィードバック、注意書きや注意喚起、教育資源(マニュアルなど)などがある。 実施したこと 介入の実施を支援する戦略の使用したものとしていないものを比較した研究、あるいは2種類以上の異なる実施戦略を比較し...

妊娠中の鉄欠乏性貧血治療における鉄剤の静脈注射と経口投与の利点とリスクは?

11 months 1 week ago
妊娠中の鉄欠乏性貧血治療における鉄剤の静脈注射と経口投与の利点とリスクは? 要点 妊娠中の鉄分不足による貧血の治療には、鉄剤の経口投与よりも静脈注射の方が適している可能性が高い。 鉄剤の静脈注射は、経口投与と比べて、産後の大量出血にほとんど差がないかもしれない。また、輸血の必要性にもほとんど差がない可能性が高い。 重篤な副作用はまれであり、鉄剤の経口投与と比べて、鉄剤の静脈注射で増加することはない。 鉄欠乏性貧血とは? 鉄欠乏性貧血は、血液が全身に酸素を運ぶ能力に影響を与える疾患である。血液中の鉄分が不足することで発症する。血液中の鉄分が不足すると、全身の細胞に酸素を運ぶのに必要なヘモグロビンが十分に作られなくなる。鉄欠乏性貧血になると、疲労、脱力感、頭痛、めまい、息切れなどが起こる。 鉄欠乏性貧血を鉄剤で治療するには? 鉄剤による治療は、血液中の利用可能な鉄の量を増やすのに役立つ。したがって、貧血の原因が他になければ、ヘモグロビンの濃度を上げることができる。鉄剤による治療の手段には、主に静脈注射と経口投与の2種類がある。さらに、それぞれの投与法に、複数の製剤があり成分が異なるものも多くある。 何を調べようとしたのか? 妊娠中の鉄欠乏性貧血の治療において、鉄剤の経口投与よりも静脈注射の方が優れているかどうか、また、投与経路の違いによって生じる好ましくない影響について調べたいと考え...

運動は変形性膝関節症に対する効果的な治療法か?

11 months 2 weeks ago
運動は変形性膝関節症に対する効果的な治療法か? 主なメッセージ - 運動は、アテンションコントロールグループ(研究担当者またはケア提供者との1回以上の関わりがあるグループ[訳注:健康教育や栄養指導など、痛みや機能等の結果に影響しない介入をうけた])やプラセボグループ[訳注:痛みや機能等の結果に影響しない介入を受けた]と比較した場合、痛みや身体機能の改善につながり、治療なしや通常のケア(かかりつけ医による日常的な治療など)、限定的な教育(基本的な情報が載ったパンフレットやオンライン情報へのリンクの提供など)と比較した場合、痛みや身体機能、生活の質(QOL)の改善につながる可能性がある。また、運動に別の治療を加えた場合も、その治療のみのときと比較して、痛み、身体機能、QOLの改善につながる可能性がある。しかし、その効果は臨床上重要かどうかは不明であり、患者にはっきりとした違いがわかるような症状の変化がない可能性があった。 - 研究数が多いにもかかわらず、多くの研究は参加者数が少なく、研究の質も低かった(参加者は自分がどの治療グループかどうかを知っていたなど)ため、結論に対する確実性が低かった。 運動は変形性膝関節症の人にどのように役に立つか? 変形性膝関節症は、持続的な痛みや能力が低下する原因となることが多い。運動は筋力を増加させ、関節の機能と可動域を改善することを目的としており、変...

筋力トレーニングはがんと診断された人の倦怠感に対する有効な療法であるか?

11 months 2 weeks ago
筋力トレーニングはがんと診断された人の倦怠感に対する有効な療法であるか? 要点 ‐がんの治療中に筋力トレーニングを行うと、倦怠感が軽減され、生活の質 (QOL)が向上する可能性がある。 ‐がんの治療後に筋力トレーニングを行うと、生活の質 (QOL)がやや向上するかもしれない。 ‐より多くの研究が行われれば、がんの治療前の筋力トレーニングの効果を理解するのに役立つだろう。 がん関連倦怠感とはなにか? がん関連倦怠感は、長期間続く極度の疲労感である。原因はがんそのもの、がんの治療、あるいはその両方である。がん関連倦怠感は身体と気分の両方に影響し、通常の活動を行うのが難しくなる。単なる疲労よりも強く、休んでも回復しない。 筋力トレーニングとは何か、またどのような効力を持つか? 筋力トレーニングとは、たとえばダンベル、トレーニングマシン、エクササイズバンド、あるいは自身の体重など、負荷をかけて筋肉を働かせるタイプの運動である。筋力トレーニングは、がん関連倦怠感に関係する多くの側面で作用する。たとえば、筋力を強化し、筋肉の減少を防ぎ、気分、睡眠、健康状態を改善する。このため、筋力トレーニングはがん関連倦怠感の緩和に役立つ可能性がある。 知りたかったこと 知りたかったのは、筋力トレーニングによってがん関連倦怠感が緩和されるかどうかである。倦怠感に対する何らかのプラスの効果がトレーニング終了後...
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7 hours 12 minutes ago
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