Latest Japanese Reviews

妊娠を希望するカップルのためのタイミング療法

1 year 2 months ago
妊娠を希望するカップルのためのタイミング療法 レビューの論点 妊娠を希望するカップルにおいて、(排卵日予測を用いた)タイミングを合わせた性交と、排卵日を予測しない性交の効果に関するエビデンスを検討した。 背景 なかなか妊娠せず、不妊に悩むカップルは多い。女性が妊娠できる期間は、各月経周期において、排卵する約5日前から排卵した数時間後までだけである。なぜなら、精子と卵子の生存期間が限られているためである。そのため、女性の月経周期においてこの妊娠可能な期間を特定し、性交のタイミングをとることで、妊娠率が向上する可能性がある。この方法は、不必要な治療や高度不妊治療にかかる費用を削減できるかもしれないが、ストレスなどの有害事象を引き起こす可能性もある。妊娠可能な期間は、排卵検査薬(尿中に放出されるホルモンの変化を検出し、排卵の時期を示す検査キット)、排卵する時期を自分で推測する方法(FABM)(カレンダーでの確認、おりものの変化や基礎体温の記録など)、超音波検査で卵胞の大きさを確認して排卵の時期を予測する方法など、さまざまな方法で特定することができる。このレビューは、妊娠を希望するカップルの妊娠、出産、悪影響、生活の質(QOL)に対するタイミングを合わせた性交(タイミング療法)の利益とリスクを評価することを目的とした。 研究の特性 2,464人の妊娠を希望する女性またはカップルを対象に、...

抗酸化ビタミン・ミネラルのサプリメントは加齢黄斑変性(AMD)の進行を遅らせるか?

1 year 2 months ago
抗酸化ビタミン・ミネラルのサプリメントは加齢黄斑変性(AMD)の進行を遅らせるか? 主要な結果 - 抗酸化作用のあるマルチビタミンのサプリメントを摂取することで、加齢黄斑変性症(AMD)の進行を遅らせることができるかもしれない。 - 中等度のAMDがある人は、初期のAMDの人よりも進行のリスクが高いため、抗酸化サプリメントの利益を受ける可能性が高い。 ビタミンサプリメントは一般に安全とみなされているが、本レビューの対象の多くが小規模試験であったため、安全性に関する良質なエビデンスは得られなかった。 加齢黄斑変性症とは何か? 加齢黄斑変性症(AMD)は、中心視力が低下する目の病気である。通常、50歳以上の人にのみ診断される。AMDでは、加齢とともに目の奥(網膜)の中心部(黄斑部)が変性して侵される。 初期のAMDでは、網膜の下に黄色い斑点(ドルーゼンと呼ばれる)が眼科医によって確認される。罹患した人は、おそらく問題があることに気付いていない。病気が進行すると、ドルーゼンは大きくなる(中等度AMD)。病気の後期には、視力に必要な、目の奥の細胞が失われることがある。これは地図状萎縮と呼ばれる。時には、新しい(有害な)血管が黄斑部で成長する。これらの血管は出血して瘢痕を残すおそれがある。これは滲出型(血管新生を伴う)AMDと呼ばれる。滲出型AMDおよび地図状萎縮は後期AMDとして知られて...

薬と電子タバコは禁煙にどの程度効果があるのか、またどちらが最も効果的なのか?

1 year 2 months ago
薬と電子タバコは禁煙にどの程度効果があるのか、またどちらが最も効果的なのか? 要点 一部の薬や電子タバコ(通常はニコチンや香料を含む液体を加熱して使用する携帯型機器)は、6か月以上の禁煙に効果がある。 電子タバコと、シチシン(別称タベックス)とバレニクリン(別称チャンティックスとチャンピックス)という薬が、最も多くの人の禁煙に役立っているようで、次いで2種類のニコチン代替療法(ニコチンパッチとガムやトローチなど別の種類)を同時に使用するのが役立つようである。 電子タバコや禁煙補助薬の長期的な害の可能性についてはより多くのエビデンスが必要だが、見つかった深刻な害の数は非常に少ない。 禁煙 喫煙は健康に悪影響を及ぼすが、禁煙すると健康の改善に大きくつながる可能性がある。ほとんどの人が禁煙を望んでおり、そのための薬や電子タバコがある。それらの薬は、ニコチン代替療法として、シチシン、バレニクリン、ブプロピオン(ザイバンまたはウェルブトリンとして知られることもある)、ノルトリプチリン(ノルプレスとして知られることもある)と呼ばれる。ノルトリプチリンはニュージーランドでのみ禁煙治療に使用できるが、シチシンは多くの国で使用できない。本稿執筆時点では、製造上の問題によりバレニクリンが不足している。これらの薬や電子タバコは、カウンセリングなどの行動支援と並行して提供される場合がある。禁煙補助薬や電...

シフト制労働者の睡眠の質を上げ、睡眠時間を増やして、眠気を軽減するための勤務スケジュールの変更

1 year 2 months ago
シフト制労働者の睡眠の質を上げ、睡眠時間を増やして、眠気を軽減するための勤務スケジュールの変更 要点 ・勤務スケジュールを変えると、睡眠の質が改善したり、睡眠時間が増えたり、眠気が軽減されるというエビデンス(科学的根拠)は限定的である。 ・勤務スケジュールの変更が睡眠や眠気に与える効果について、より強固な結論を引き出すには、さらなる研究が必要である。 シフト制労働者の睡眠を改善するために何ができるか? シフト制勤務はしばしば睡眠不足の原因となって、労働者の注意力の低下を招くほか、最終的に健康や労働安全に影響を及ぼす可能性がある。勤務スケジュールの変更は、シフト制勤務の望ましくない影響を抑える可能性のある方法の一つである。 調べたかったこと 勤務スケジュールをどのように調整すると、休日の睡眠を改善して勤務中の眠気を減らせるか調べたかった。 行ったこと 勤務スケジュールの以下の側面を評価した研究を探した。 ・勤務スケジュールが変わる(ローテーションがある)か、一定であるか ・勤務スケジュールの変化が規則的か、不規則であるか ・シフトの循環の方向(朝勤→昼勤→夜勤または夜勤→昼勤→朝勤) ・循環の速さ ・シフト勤務時間の長さ ・各シフトの始業時刻 ・勤務スケジュールの組み方(シフトが少ない長時間勤務またはシフトが多い短時間勤務) シフト間の休息時間の長さ ・スプリット(分割)シフト ・...

多発性硬化症がある人の状態の変化(評価項目)を予測するためにどのようなモデルがあるか?

1 year 2 months ago
多発性硬化症がある人の状態の変化(評価項目)を予測するためにどのようなモデルがあるか? なぜ多発性硬化症を研究することが重要なのか? 多発性硬化症(MS)は、脳、脊椎、神経の慢性疾患である。世界中で何百万人もの人々がこの病気を患っているが、病態やその経過は人によって大きく異なる。MSを完治することはできないが、症状を緩和したり、病状の悪化を遅らせるのに役立つさまざまな治療法がある。これらの治療法の作用の仕方はさまざまで、他の治療法より強い副作用を伴うものもある。MSの重篤度を理解することは、患者本人と医療従事者にとって重要である。 なぜ多発性硬化症では予後予測モデルが重要なのか? 予後予測モデルは、患者の病状がどれだけ進んでいるか、将来どの程度進行するか、患者本人と医療従事者が理解する上で助けとなる。この理解は、患者が人生や治療の選択を行う際のよりどころとなりうる。予後予測モデルはまた、医療従事者が個々の患者にどのような治療が最も適しているか判断したり、病気をよりよく理解するために、あるいは治療法を開発する上で役立ちうる。MSの予後予測モデルでは、病気がどのように進行していくかを予測するために、患者本人に関する一連のさまざまな情報を組合わせることになるかもしれない。予後予測モデルに組み込むべき重要な情報は、例えば、個人の属性に関する情報(年齢、性別、体格指数など)、行動に関する情...

多発性硬化症がある人の結果(評価項目)を予測するためにどのようなモデルがあるか?

1 year 2 months ago
多発性硬化症がある人の結果(評価項目)を予測するためにどのようなモデルがあるか? なぜ多発性硬化症を研究することが重要なのか? 多発性硬化症(MS)は、脳、脊椎、神経の慢性疾患である。世界中で何百万人もの人々がこの病気を患っているが、病態やその経過は人によって大きく異なる。MSを完治することはできないが、症状を緩和したり、病状の悪化を遅らせるのに役立つさまざまな治療法がある。これらの治療法の作用の仕方はさまざまで、他の治療法より強い副作用を伴うものもある。MSの重篤度を理解することは、患者本人と医療従事者にとって重要である。 なぜ多発性硬化症では予後予測モデルが重要なのか? 予後予測モデルは、患者の病状がどのだけ進んでいるか、将来どの程度進行するか、患者本人と医療従事者が理解する上で助けとなる。この理解は、患者が人生や治療の選択を行う際のよりどころとなりうる。予後予測モデルはまた、医療従事者が個々の患者にどのような治療が最も適しているか判断したり、病気をよりよく理解するために、あるいは治療法を開発する上で役立ちうる。MSの予後予測モデルでは、病気がどのように進行していくかを予測するために、患者本人に関する一連のさまざまな情報を組合わせることになるかもしれない。予後予測モデルに組み込むべき重要な情報は、例えば、個人の属性に関する情報(年齢、性別、体格指数など)、行動に関する情報(喫...

手術中に失われた血液を回収して患者自身に戻すことで、献血された血液をその患者に使用する必要性を減らせるか?

1 year 2 months ago
手術中に失われた血液を回収して患者自身に戻すことで、献血された血液をその患者に使用する必要性を減らせるか? 要点 本レビューでは、待機的で緊急性のない(外傷以外の)手術について、自己血回収術を用いる場合と用いない場合を比較した研究を評価した。手術にはさまざまなタイプがあるため、本レビューの対象は非常に広範である。エビデンスは手術のタイプによって分け、医師や患者が自身に関係するものを見つけやすいようにした。 がんの手術、人工心肺装置を使わない心臓手術、血管手術(大血管の手術)については、あまりエビデンスがない。 大半のエビデンスは、自己血回収術を用いると、献血された血液の必要性が少なくなる可能性を示唆している。自己血回収術を用いても通常の処置と比べて合併症は増えない(自己血回収術を用いた群と用いなかった群の間では差がなかった)というエビデンスは不確かだが、全体としては便益がある可能性を示している。しかし、強い結論を下す前に、エビデンスに影響している他の要素に注目した研究をさらに行う必要がある。 自己血回収術とは何か?また、なぜ用いられるのか? 手術を受ける人は、手術中に失われる血液を補うために輸血が必要になる場合がある。「輸血」は、患者の腕の静脈に挿入した細い管を通じて血液を投与するルーチンの医療行為である。輸血に使われるのは、多くは献血者から提供された血液である。輸血によって命を...

音楽療法は早産児とその両親に有益か?

1 year 2 months ago
音楽療法は早産児とその両親に有益か? 要点 ・音楽療法は、標準的なケアと比較して、おそらく早産児の介入中の心拍数を低下させる。この有益な効果は、介入後もさらに増大し、より確実性が高いものとなり、リラックス効果と安定化が長く持続することが示唆された。 ・音楽と音声による有害な影響は見られなかった。しかし、多くの研究で望ましくない影響の可能性について明確に探索していない。 ・介入による乳児、その両親、両親と乳児の愛着に対する他の明確な有益または有害な効果についてのエビデンスは見つからなかった。より明確な結論を出すには、より質の高いエビデンスが必要である。 早産児とは? 早産児とは、妊娠37週以前に生まれた新生児のことで、多くの場合、生存のために新生児集中治療室というストレスの多い環境で数週間から数カ月にわたって治療を受ける必要がある。 なぜ、早産児とその両親に対する音楽療法の潜在的な利点を調べるのか? 早産児はさまざまな健康上の問題を抱えるリスクがある。また、早産は両親にとってもトラウマとなる出来事である。そのため、早産児とその両親の身体的及び精神的健康を改善するために、新生児ケアにおける音楽療法などの補完的アプローチを用いることが多くなっている。しかし、さまざまな研究およびレビューが示す音楽療法の有効性は明確なものではない。矛盾するデータやレビューに対処するために、より包括的で厳格...

貧血予防と健康増進のための調味料への鉄分の添加

1 year 3 months ago
貧血予防と健康増進のための調味料への鉄分の添加 要点 - 調味料に鉄分を添加した場合、鉄分の状態がわずかに改善され、鉄欠乏症が軽減される可能性があり、鉄分を他の微量栄養素と一緒に添加した場合、貧血を軽減できる可能性がある。また、有害事象は報告されていなかった。 - 本レビューに含まれた研究間には多くのばらつきがあり、決定的な結論を出すことは困難である。調味料の鉄分強化の効果については、十分によくデザインされた研究を用いて、その調味料を使っている人々を対象にして今後も研究を続けていくべきである。 貧血とは何か? 鉄欠乏は、世界で最も一般的な栄養欠乏症の1つであり、世界の疾病負荷(訳者注:疾患・傷害による健康損失を死亡だけでなく障害も考慮に入れて数値化した指標)に有意に寄与している。最も一般的な原因である鉄分の摂取不足など、貧血を引き起こす要因は複数あり、世界で約18億人が貧血に罹患している。一般的に、低所得国の方が高所得国よりも貧血が多い。鉄欠乏症や貧血は、小児では身体的、認知的発達に、成人では労働生産性や経済的幸福度に影響を及ぼす可能性がある。調味料の鉄分を強化することは、鉄欠乏症の軽減に有用かつ費用対効果の高い方法である可能性がある。しかし、現在までのところ、政策決定のために鉄分補給の安全性と有効性を系統的に評価した例はない。 何を調べようとしたのか? 調味料に鉄分のみ、または...

心理社会的介入はケアホーム入居者の抗精神病薬使用を減らすことができるか?

1 year 3 months ago
心理社会的介入はケアホーム入居者の抗精神病薬使用を減らすことができるか? 要点 一般的に心理社会的介入が、ケアホームにおける抗精神病薬の使用を減らす効果的な方法であるかどうかは不明である。この調査ではさまざまなアプローチが用いられ、一貫性のない結果が示されたが、異なる医療・社会保障制度における結果を一般化することは難しいようだ。心理社会的介入が、転倒事故や入院などの有害な出来事につながるというエビデンスはなかった。 なぜケアホームの入居者は抗精神病薬を処方されるのか? ケアホームの入居者の多くは認知症を持っており、病気の経過中の様々な時期に、感情や行動の問題を経験するが、より一般的に経験するのは認知症の後期である。症状は、入居者自身や介護者の双方にとって重く、困難の大きいものであり、不安、落ち着きのなさ、徘徊、幻覚(実際にはないものが見えたり聞こえたりする)、他人に対する攻撃的な行動などが含まれる。介護者は、入居者の困難な行動に直面し、その行動の原因、前兆、結果を分析することに直面する。 こうした症状や行動を抑えるために、抗精神病薬が使われることが多い。抗精神病薬は、主に精神病に関連した症状(物事を他の人とは違うように認識したり解釈したりする精神的な健康問題)の治療に使用されるが、認知症など精神病に似た症状を持つ他の病気にも使用される。これらの薬は必ずしも有効であるとは限らず、認...

早産児の気管支肺異形成予防のために静脈内投与されるさまざまな副腎皮質ステロイド(薬)治療の利点とリスクは?

1 year 3 months ago
早産児の気管支肺異形成予防のために静脈内投与されるさまざまな副腎皮質ステロイド(薬)治療の利点とリスクは? 要点 - このレビューでは、ネットワークメタアナリシス(NMA)を用いた。ネットワークメタアナリシスは比較的新しいツールであり、過去の臨床試験で直接比較されていない治療法も含め、関連するすべての治療法を比較することができる。 - NMAは既存のデータにわずかな情報を加えることができ、特に未熟児出生児の気管支肺異形成(BPD)予防のための副腎皮質ステロイド(薬)の投与量の違いによる効果の比較は重要であった。 - 長期的な有害性に関して、意思決定を完全に導くのに充分なエビデンスが得られていない。したがって、ステロイドを投与する最適な方法はまだ示せない。 BPD(気管支肺異形成)とは? 未熟児として生まれた新生児は、気管支肺異形成(BPD)として知られる肺障害を発症する可能性があり、これは深刻で永続的な有害な影響を及ぼす可能性がある。 BPDはどうすれば予防できるのか? 副腎皮質ステロイドとして知られる抗炎症薬は、その抗炎症作用によってBPDの発症を抑えることができるが、それなりの潜在的リスクもある。どの種類のステロイド(デキサメタゾン、ヒドロコルチゾンなどがある)を使うか、どの程度の量を使うか、いつから治療を開始するかなど、これらの利点とリスクのバランスをとるための最適なステロ...

レイヘルスワーカー(補助的な医療従事者)は、子どもの消耗症を効果的に発見し、治療することができるか?

1 year 3 months ago
レイヘルスワーカー(補助的な医療従事者)は、子どもの消耗症を効果的に発見し、治療することができるか? このコクラン・レビューの目的は、消耗症(訳注:急性あるいは重度の栄養不足により、差し迫った死の危険に直面している状態のこと)の子どもの発見と治療において、専門の医療従事者よりもレイヘルスワーカー(補助的な医療従事者)の方が効果的かどうか調べることである。 要点 このレビューの結果は、重度の消耗症に対してレイヘルスワーカー(補助的な医療従事者)からケアを受けた子どもは、専門の医療従事者からケアを受けた子どもと同じような結果になるか、わずかに結果が悪くなる可能性があることを示唆している。 消耗症とは何か? 小児期消耗症とは、身長のわりにやせすぎている子どもを指す。消耗症は、子どもが十分な食事や健康的な食事を摂っていない場合、あるいは病気のために起こる。消耗症に罹患している子どもは、病気の頻度が高く、発達に問題がある場合があり、特に消耗症が重症の場合は死亡する可能性が高い。何百万人もの子どもたちが消耗症に苦しんでおり、そのほとんどが貧しい国に住んでいる。 この問題に対する最善の解決策は、そもそも消耗症の発症をなくすことである。それが不可能な場合は、できるだけ早く消耗症の子どもを発見し、治療することが重要である。しかし、治療には数週間から数カ月を要することもあり、家族が治療を受けるには困...

新生児の処置時の痛みに対する直接授乳または母乳の効果

1 year 3 months ago
新生児の処置時の痛みに対する直接授乳または母乳の効果 レビューの論点 新生児が痛みを伴う処置(予防接種、かかとの穿刺、検査のための採血、眼科検診など)を受けている間、直接授乳や補助的な母乳投与(経管栄養や赤ちゃんの口に搾った母乳を含ませる方法)が痛み止めとしてどの程度有効かを調査した。赤ちゃんの痛みに対する反応(心拍数、酸素濃度、血圧の変化、泣いている時間の割合、泣いている時間など)を医療専門家が評価し、赤ちゃんが経験している痛みを測定した。 背景 直接授乳は、痛みを伴う処置を受ける新生児の痛みを和らげる。痛みを和らげる薬は、大きな痛みを伴う手技の場合は一般的に投与されるが、採血(かかとを刺すか、静脈から血液を採取する)のような小さな痛みを伴う手技の場合は投与されないことがある。赤ちゃんの痛みを軽減するために、抱っこや布でくるむ、おしゃぶり、甘味のある液体(ショ糖やブドウ糖など)を与えるなど、薬物を使わないさまざまな方法がある。新生児を対象としたさまざまな研究により、直接授乳は、小さな痛みを伴う処置の際に感じる痛みを軽減する良い方法である可能性が示されている。これらの研究は、満期産の赤ちゃんを対象に行われたもので、直接授乳が赤ちゃんの泣く時間や、赤ちゃんでも使えると検証されているさまざまな痛みスコアを減少させることを実証し、母乳を直接授乳させることが有効である可能性を示している。...

長期にわたる慢性疼痛を抱える人々にとって、どのような遠隔で配信される心理学的アプローチが症状の改善に役立つのだろうか?

1 year 3 months ago
長期にわたる慢性疼痛を抱える人々にとって、どのような遠隔で配信される心理学的アプローチが症状の改善に役立つのだろうか? 要点 - オンライン認知行動療法は、最も一般的な遠隔で配信される心理療法である。慢性的な痛みを感じている人の痛みや障害を改善する可能性がある。 - 遠隔で配信される心理療法が生活の質(QOL)を向上させるのか、あるいは有害な影響を引き起こすのかは、エビデンスが限られており、その質も限定的であることが多いため、ほとんど不明である。 - 遠隔で配信される心理療法を調査するために、もっともっと良い研究が必要である。今後の研究では、より幅広い技術や治療法を検討し、起こりうる副作用に焦点を当てるべきである。 慢性疼痛に対する遠隔心理療法を検討する理由は? 慢性疼痛とは、3か月以上続く痛みのことである。慢性疼痛は、日常生活や幸福感に大きな影響を与える、一般的な経験である。心理療法は気分や痛みに関連した障害を改善することが分かっている。慢性疼痛に対する最も一般的な心理学的アプローチは認知行動療法(CBT)であり、思考、感情、行動の相互関係に焦点を当て、症状管理をサポートする。 残念ながら、心理療法を受けることは難しいかもしれない。こうしたサービスを提供する有資格の医療専門家の数は限られており、クリニックに通うことが物理的に困難な人もいる。テクノロジー(携帯電話、コンピューター...

ホルモン療法は、閉経期または閉経後の女性の性機能を改善するか?

1 year 3 months ago
ホルモン療法は、閉経期または閉経後の女性の性機能を改善するか? 要点 - エストロゲン(女性の性的・生殖的発育に関連するホルモン)単独では、おそらくプラセボに比べて性機能スコアが改善する。 - エストロゲンとプロゲストーゲン(別の女性ホルモン)、合成ステロイド(チボロンなど)、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(エストロゲンの働きに影響を与える)、選択的エストロゲン受容体モジュレーターとエストロゲンの併用が、プラセボや無治療と比較して性機能に及ぼす影響については不明である。 - ホルモン治療や投与量の違い、評価に使用した質問紙法の違いにより、結果にばらつきが生じた可能性がある。 更年期障害とその女性への影響とは? 更年期とは、女性の月経が止まることで、通常45歳から55歳くらいである。更年期になると、卵巣は月経を調節するホルモンであるエストロゲンを徐々に分泌しなくなる。エストロゲンの減少は、月経が止まる前(更年期)、閉経中、閉経後に望ましくない症状を引き起こす可能性がある。症状には気分の変化、ほてり、寝汗などがある。性交痛、セックスへの興味の欠如、興奮やオーガズムに関する問題などの性的不満は、閉経後によく見られ、女性の自尊心、自信、性的健康に影響を与える可能性がある。 ホルモン療法とはどのようなもので、女性の性機能にどのように役立つのか? ホルモン療法は、更年期症状の軽減に役...

重度で持続する神経性食欲不振症患者に対する心理療法

1 year 3 months ago
重度で持続する神経性食欲不振症患者に対する心理療法 要点 1.重度かつ持続する神経性食欲不振症患者を対象とした1件の小規模研究では、認知行動療法と専門家による支持的臨床管理という2種類の療法が比較された。 2.特定の治療法が他の治療法よりも効果的かどうかを確実に言えるだけのエビデンスはない。 3.重度かつ持続する神経性食欲不振症患者に対する治療の効果を調査するため、より大規模な研究が必要である。 なぜこのレビューが重要なのか? 神経性食欲不振症は摂食障害であり、深刻な精神疾患である。神経性食欲不振症の人は通常、体重が非常に少なく、体重が増えることを強く恐れ、自分の体重に対する歪んだ認識を持っている。神経性食欲不振症の主な治療法は、特定の心理療法と集学的な身体的・栄養的ケアを組み合わせることである。利用できる主な療法は、認知行動療法(CBT)、専門家による支持的臨床管理(SSCM)、神経性食欲不振症の成人のためのモーズレイ式治療(MANTRA)、焦点化精神力動的精神療法(FPT)である。いずれも栄養や身体的なケアに関するアドバイスやカウンセリングを提供するが、心理的な部分のどこに重点を置いているかという点が異なる。CBTは、神経性食欲不振症の行動の根底にある考え(認知)、例えば太ることへの恐怖に対処し、積極的な行動戦略(例えば、不安を引き起こす食物を少しずつ量を増やしながら食べてい...

保育園、幼稚園、児童養護施設における健康的な食事プログラムは、どの程度成功しているのだろうか?

1 year 3 months ago
保育園、幼稚園、児童養護施設における健康的な食事プログラムは、どの程度成功しているのだろうか? 要点 - 幼児教育と保育(ECEC)の場(保育園、幼稚園、家庭的保育など)で実施される健康的な食事プログラムは、子どもの食事の質を改善し、果物の消費量を増加させ、野菜の消費量に好ましい影響を与える可能性があり、あまり健康的でない食品や砂糖入り飲料の消費量には影響を与えない可能性がある。子どもの体重に良い影響を与え、過体重や肥満のリスクを減らす可能性がある。 - 健康的な食事介入が節約になるのか、望ましくない効果をもたらすのかは、これらの点について情報を提供した研究がほとんどないため、わからない。 - 低中所得国のエビデンスはほとんど見つからなかったが、高所得国の健康的な食事プログラムは子どもの健康に役立つ可能性がある。これらのプログラムを実践するために、教育者やスタッフをどのようにサポートすればいいのかわからない。低所得国でのプログラムの提供やその効果について、もっと研究が必要である。 なぜ小児の食生活を改善することが重要なのか? 不健康な食事は、心臓病、2型糖尿病、ある種の癌を含む多くの長期的な病気のリスクになる。調査によると、不健康な食生活が原因で死亡する人は世界で1,100万人を超えると推定されている。食生活の行動や嗜好は、人生の早い時期に確立され、成人期まで続く。 健康的な食事...

小児の逆流性食道炎に対する薬

1 year 3 months ago
小児の逆流性食道炎に対する薬 レビューの論点 胃食道逆流の赤ちゃんや子どもにとって、最も安全で最善の治療法は何か? 要点 - 胃食道逆流症/逆流性食道炎の乳児に対する薬物療法のエビデンスは非常に不確かである; - 胃食道逆流症の小児に対するプロトンポンプ阻害薬の効果については、エビデンスが非常に不確かである。他の薬に関しては、結論を出すのに十分な証拠はなかった。 胃食道逆流とは何か? 胃食道逆流は、胃の内容物が食道に逆流することで起こる。ほとんどの赤ちゃん(1歳未満)は逆流の症状が治まるが、薬は役に立つのだろうか?子供(1歳以上)も大人と同じように逆流することがある。逆流は正常な場合もあるが(「生理的逆流」)、乳幼児や小児の場合、食道が炎症を起こし(食道炎)、痛みや体重減少などの症状を引き起こすことがある。逆流の厄介な症状は「胃食道逆流症」(GORD)と呼ばれる。 胃食道逆流はどのように治療するのか? 胃の内容物を濃くする薬(アルギン酸塩)、胃酸を中和する薬(ラニチジン、オメプラゾール、ランソプラゾール)、胃を早く空にする薬(ドンペリドン、エリスロマイシン)などがある。 何を調べようとしたのか? 私たちは、赤ちゃんや子供の逆流を抑える最善の方法を知りたかった。私たちは、薬が乳幼児や小児の気分(症状スコア)を良くするか、食道を治すか(これは内視鏡検査(小さなカメラを食道に入れて検査...

メンタルヘルスとウェルビーイング(幸福)を向上させるツールとしてのメンタルヘルス・ファーストエイド

1 year 3 months ago
メンタルヘルスとウェルビーイング(幸福)を向上させるツールとしてのメンタルヘルス・ファーストエイド このレビューの重要性は? メンタルヘルス・ファーストエイドとは、「精神衛生上の問題を発症している人、精神衛生上の問題が悪化している人、精神衛生上の危機に陥っている人に提供される援助」と定義されている。ファーストエイドは、適切な専門家の援助を受けるか、危機が解決するまで行われる。 メンタルヘルス・ファーストエイド(MHFA)は、一般の人々にメンタルヘルス・ファーストエイドを教えることを目的としたトレーニングプログラムである。MHFA訓練はカスケード・モデルで行われ、認定された指導員が研修を実施し、受講生がメンタルヘルス・ファーストエイドのスキルを習得できるよう指導する。訓練を受けた受講生は、職場や組織、地域社会の人々にメンタルヘルス・ファーストエイドを提供する。MHFA研修は、精神衛生問題についての知識を深め、それによって精神衛生問題につきまとうスティグマを軽減することを目的としている。受講生は、支援を受ける人への迅速な支援の提供方法と、必要なサービスに繋げる方法を学ぶ。 このレビューに関心を持つ人は誰か? MHFAトレーニングを検討している個人 従業員と雇用主 政策決定者 このレビューで明らかにしたいことは? メンタルヘルス・ファースト・エイド(MHFA)研修が、MHFA研修が実施...

中用量の吸入ステロイド薬でコントロール不良な喘息に推奨される治療選択肢

1 year 3 months ago
中用量の吸入ステロイド薬でコントロール不良な喘息に推奨される治療選択肢 要点 • 中用量の吸入ステロイド薬(ICS)に長時間作用性β2刺激薬(LABA)または長時間作用性抗コリン薬(LAMA)を追加すると、経口ステロイド薬による治療を要する喘息発作が減少する可能性が高い。またICS単独と比較して、良好な症状コントロールのオッズ(達成確率)が増加するが、ICSの用量を2倍にしても、おそらく増加しない。LAMAよりもLABAの方がはるかに多くのデータが見つかった。 • 包含された研究の実施期間は平均わずか6か月であったため、高用量ICSの長期的な副作用について、さらに研究が必要である。ステロイドによる副作用を最小限に抑えるために、ICSは最小有効量で使用することが推奨される。 喘息とは何か、またどのように治療するのか 喘息とは、気道の炎症と狭窄(細く狭くなること)を特徴とする慢性呼吸器疾患であり、喘鳴(ぜんめい)、咳、胸の圧迫感、息切れなどの症状を引き起こす。治療には、発作治療薬(短時間作用性気管支拡張薬など)や必要に応じて発作予防薬(ICSなど)の吸入薬を使用するほか、発作の誘因を避け、健康的な生活習慣を維持することが必要である。 知りたかったこと この研究では、中用量のICSで喘息を上手くコントロールできていない10代および成人を対象に、喘息コントロールを改善するのに最適な方法を...
Checked
20 hours 48 minutes ago
Search on cochrane.org for:
Subscribe to Latest Japanese Reviews feed