3 years 5 months ago
非アルコール性脂肪性肝疾患患者への栄養補給 本レビューの目的 何らかの栄養補給が、非アルコール性脂肪性肝疾患による寿命、健康関連QOL(生活の質)、慢性肝疾患およびその合併症に対する影響を減少させるかどうか、また栄養補給で何らかの害が生じるかどうかを明らかにすることが目的であった。 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)とは、肝臓にダメージを与えるような既往(大量のアルコール摂取、医薬品の使用、C型肝炎ウイルス感染などの疾患、飢餓状態など)がない人の肝臓に脂肪が蓄積する病気である。脂肪肝は、炎症(非アルコール性脂肪性肝炎(NASH))や肝瘢痕化(肝硬変)などの肝障害を引き起こす可能性がある。非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)には様々な医学的治療が試みられている。しかし、現在のところ、どれも効果があるというエビデンスはない。栄養補給は肝障害を減少させる可能性があるが、それが本当かどうかは現在のところ不明である。本レビューは、最良の治療法を見つけるために、関連する全てのランダム化臨床試験を収集し、分析を行った。その結果、202件のランダム化臨床試験(参加者を2つの治療群のいずれかに無作為に割りつける試験)が見つかった。データの分析手法には、一度に2つの治療法しか比較できない、標準的なコクランの方法を用いた。さらに、複数の治療法を同時に比較できる高度な技術(通常、「ネットワーク...
3 years 5 months ago
認知症を発症する可能性のある人を検出するための、構造化された質問票(IQCODE)の使用 背景 認知症をもつ方を正確に同定することは、社会的にも専門家にとっても関心の高い分野である。認知症は病状が進行するまで診断されないことが多く、そのため適切な医療的・社会的支援を適時に受けることができない場合がある。認知症の症状が問題となる前、あるいは明らかになる前に、認知症を早期に発見するための検査が注目されている。その一つとして、ある人を検査し、時間をおいて再評価することで、その人が認知症を発症したかどうかを確認する方法がある。 今回のレビューでは、IQCODE(Informant Questionnaire for Cognitive Decline in the Elderly)と呼ばれる質問紙ベースの認知症評価の精度に注目した。そして、最初のIQCODEスコアによって、最初のIQCODE評価から数ヶ月後、あるいは数年後に認知症を発症する人を特定できるかどうかを記述した。 発表された研究に関する電子データベースを検索し、IQCODEとその後の認知症の診断について検討したすべての研究を探した。科学分野のデータベースで、最初に入手可能な論文から2016年1月までのものを検索した。 研究の特性 3つの関連研究が見つかったが、いずれも特定の病院環境で実施されたものであった。2つの論文は急性脳梗...
3 years 5 months ago
乳幼児のマラリア予防のための抗マラリア薬の投与 本レビューの目的 本レビューの目的は、サハラ以南のアフリカに住む乳幼児を対象とした抗マラリア治療薬を繰り返し内服することが、マラリアの予防に効果的かどうか検討することである。本レビューの臨床疑問と関連のある1999年~2013年の間に実施された乳児(生後1~12ヶ月の子ども)を対象とした12件の研究結果を同定し、分析した。 要点 スルファドキシン/ピリメタミン合剤(SP)による間欠的な予防的処置 マラリアの予防的処置としてSPを乳幼児に投与することは、効果の評価対象であったアフリカ諸国において臨床的マラリア(臨床像からマラリアが強く疑われ、かつ他の疾患が否定的であること)、貧血、入院のリスクを低減させた可能性がある。しかし、この効果は最近の研究では弱くなっていた。 アルテミシニン併用療法(ACT)による間欠的な予防的処置 乳幼児に対しマラリアの予防としてACTを用いることで、臨床的マラリアのリスクを減らす可能性がある。また、血液中にマラリアが寄生している(寄生虫血症の)乳児の割合を減らす可能性も示唆された。 本レビューで検討された内容 マラリアが多発している地域では、乳幼児がマラリアの感染を繰り返すことは珍しくない。マラリアへの感染が通年で発生している地域では、マラリアの症状の有無に関わらず一定の間隔(子どもが予防接種で医療機関を訪...
3 years 5 months ago
入院および外来の診療にて患者の認知症を検出する上で、Mini-Cogはどのくらい正確か? なぜ認知症であるとわかることが重要なのか? 認知症は一般的で重要な疾患だが、認知症を抱えながら生活している人の多くは、認知症と診断されたことがない。認知症の診断を受けることで、社会的支援、アドバンス・ケア・プランニング(今後の治療について、本人・家族が医療従事者とあらかじめ話し合うこと)、特定の疾患では投薬治療などの機会が得られる。しかし、認知症がないのに誤って認知症と診断(偽陽性)されることは、本人や家族を苦しめ、診断に用いる検査の資源の浪費になってしまう。 本レビューの目的 本コクラン・レビューの目的は、入院および外来の診療にて患者の認知症を検出するための検査であるMini-Cogの精度を調べることである。この疑問を明らかにするために3つの研究をレビューに含めた。 本レビューで検討された内容 Mini-Cogは、3つの特定の物体を記憶し、同時に繰り返し、後で思い出す力を評価するという記憶力と思考力による短い検査である。さらに、検査を受ける人は、特定の時間に関する時計の文字盤を描くことが求められる。3つの物体の想起力と時計の文字盤の完成度を点数化する。Mini-Cogは、一般的に記憶力や思考力に問題があり、より詳細な評価のために、専門の医療機関を受診することが有益であるかどうかを確認するた...
3 years 5 months ago
一般診療所で認知症の評価にミニコグテストを使用した場合、その精度はどの程度か? レビューの背景と理論的根拠 世界の多くの地域では高齢者が増えており、それに伴ってアルツハイマー病、その他の認知症などの記憶障害が増加している。記憶障害のある人の多くは、家庭医や看護師などのプライマリ・ケアの医療従事者を通じて、最初にケアを求めたり、医療システムの中で認定されたりする。そのため、認知症や記憶障害の可能性のある人を特定できるツールが必要とされている。また、これらのツールは、認知症を伴わない、あるいは深刻な記憶障害を伴わない、記憶の問題を訴える人が認知症である可能性を除外することができるはずである。このようなツールは、プライマリ・ケアでの使用が可能なように、比較的使いやすく、短時間で実施でき、正確であると同時に、認知症を過剰に診断したり、過小に診断したりしないものでなければならない。認知症の簡易スクリーニングツールであるミニコグは、精度が高く、プライマリ・ケアの現場で比較的容易に実施できることが報告されているため、プライマリ・ケアにおける認知症のスクリーニング検査としての可能性が示唆されている。ミニコグは、3つの単語を思い出す記憶課題と、時計を描く課題の評価で構成されている。 研究の特性 ミニコグを評価した論文を電子データベースで検索した。このエビデンスは2017年1月時点でのものである。レ...
3 years 5 months ago
潜在的な認知症を評価するための簡易認知機能スクリーニングテスト(Mini-Cog)について 人口の高齢化に伴い、記憶障害や認知症の可能性のある高齢者が増えている。認知症の高齢者を特定することは、必要なケアの計画や認知症に特化した治療の開始を支援するためにも重要である。認知症を診断するために、医療従事者やその他のサービス提供者は、記憶力などの認知機能のテストと、その他の調査を組み合わせて行う。Mini-Cogのような簡単な記憶力テストは、認知症かどうかを判断するためにさらなる評価が必要な人たちを特定するためのスクリーニングテストとして有用である。Mini-Cogは、高齢者が3つの単語を思い出したり、時計を描いたりする能力を評価する簡単な認知機能テストである。このレビューでは、医学文献データベースを検索し、Mini-Cogが認知症の専門家による詳細な評価と比較して、認知症の人とそうでない人をどの程度区別できるかを評価した研究を特定した。今回のレビューでは、地域在住の環境で実施された研究に焦点を当てた。Mini-Cogを評価した3つのランダム化比較研究を発見した。これらの研究では、Mini-Cogの精度にばらつきがあり、重要なのは、Mini-Cogの精度の過大評価につながる可能性のある研究内のいくつかの潜在的な限界があったということである。今回の調査で得られた情報をもとに、地域在住の環...
3 years 5 months ago
認知症の発見のためのMontreal Cognitive Assessment (MoCA) レビューの論点 認知症を検出するためのMontreal Cognitive Assessment(MoCA)テストの精度に関するエビデンスを検討した。 背景 認知症は高齢者によく見られる疾患で、英国では65歳以上の少なくとも7%が罹患しており、その数は世界中で増加している。このレビューでは、定評のある認知機能検査のMoCAを使用することで、ゴールドスタンダードの診断検査と比較して、認知症を正確に検出できるかどうかを発見したいと考えた。MoCAは、一連の質問で精神機能のさまざまな側面をテストする。 研究の特性 検討したエビデンスは、2012年8月までのものである。その結果、基準に合致する研究が7件見つかった。メモリークリニック(認知症が疑われる人が紹介される専門クリニック)から3件、一般病院のクリニックから2件、プライマリ・ケアからは1件もなく、一般住民を対象に行われた研究が2件あった。すべての研究が高齢者を対象としており、1件の研究では最も低い平均年齢が61歳であった。7件の研究には合計9422人が参加したが、350人以上が参加したのは1件の研究だけであった。 認知症の人の割合は、人口を対象とした2件の研究では5%~10%、クリニックを対象とした5件の研究では22%~54%であった。それ...
Checked
22 hours 34 minutes ago
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