Latest Japanese Reviews

閉塞性睡眠時無呼吸症候群の男性における勃起不全を改善するための非侵襲的気道陽圧療法

2 years 7 months ago
閉塞性睡眠時無呼吸症候群の男性における勃起不全を改善するための非侵襲的気道陽圧療法 レビューの論点 このレビューの目的は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の男性の勃起不全(ED)を改善するための非侵襲的気道陽圧療法の効果と受容性を評価することである。 背景 OSASは、睡眠中に繰り返し喉が閉塞し、呼吸が何回も一時停止する状態をいう。EDとは、男性が満足のいく性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、もしくは維持できない状態をさす。OSASとEDには、偶然とは言えない関連がある。 非侵襲的気道陽圧療法は、酸素を供給するマスクに付ける装置である。この装置は、空気を気道に送り込み、呼吸を助ける。装置には、持続陽圧呼吸法(CPAP)、二層式陽圧呼吸法(BiPAP)、可変陽圧呼吸法(VPAP)など、いくつかの種類がある。CPAPは、OSASに対する第一選択の治療法として広く知られている。しかしながら、CPAPやその他の非侵襲的気道陽圧療法が、OSAS男性のEDに効果があるかどうかはわかっていない。 検索日 エビデンス検索の最終日は、2021年6月14日である。 研究の特徴 6件の研究を対象とし、315人のOSASとEDを持つ男性を対象とした。CPAPを使用する場合と次のいずれかの場合について、少なくとも1ヶ月間比較した。CPAPを使用しない場合、擬似装置(CPAPに似せた、陽圧をかけな...

学校をベースとした身体活動の介入は、子どもと青年の中高強度の身体活動を増加させ、体力を向上させるか?

2 years 7 months ago
学校をベースとした身体活動の介入は、子どもと青年の中高強度の身体活動を増加させ、体力を向上させるか? 要点 学校をベースとした介入は、体力を向上させるかもしれないが、BMI(Body Mass Index、体重が健康的な範囲にあるかどうかを評価するために使用される)に与える影響はほとんど、あるいは全くないかもしれない。しかし、それに関する根拠は明確ではない。 有害な影響があると報告された研究はほとんどない。 実施すべき学校ベースの身体活動プログラムの種類については慎重な検討が必要であり、今後の研究では、学校環境において最適な身体活動介入の種類を特定することが求められる。 なぜ子どもの身体活動を促進することが重要であるのか? 運動(身体活動)不足が原因で死亡する人は、世界で530万人にのぼると推定されており、長期にわたる病気やがんを引き起こす大きなリスク要因となっている。特に、子どもの頃の身体活動のパターンは、大人になってからも同じようなパターンになることが知られているので、これは懸念すべき問題である。子どもが学校で運動するように促すプログラムは、親の行動や子どもの幼少期の社会的・経済的要因など、他の要因にかかわらず、すべての子どもの活動レベルを向上させる方法であると考えられている。 わかったこと 学校で身体活動量を増やすことに重点を置いたプログラムの効果を調べた89件の研究が見つ...

カンナビノイドによる認知症の治療

2 years 7 months ago
カンナビノイドによる認知症の治療 背景 認知症とは、思考力、記憶力、その他の精神的な能力が継続的に低下していく様々な疾患の名称である。認知症の治療法は限られており、その効果もわずかである。認知症の行動・心理症状に対しては、多くの薬物的介入や非薬物的介入が行われている。しかし、有効性、安全性、実現性の面で問題が続いている。そのため、認知症とそれに伴う症状に対して、新しく、安全で、より効果的な治療法が求められている。 レビューの論点 カンナビノイドは、認知症の治療薬として研究されている物質の一つである。このシステマティックレビューの目的は、カンナビノイドが認知症の人を助けることができるかどうか、また、潜在的な有害作用があるかどうかを調査することであった。 方法 科学研究のデータベースを検索し、人々がカンナビノイドで治療を受けるか、比較対照薬で治療を受けるかを無作為に割り付けた研究を探した。レビューに包含した研究の結果を組み合わせて、カンナビノイドの効果を推定した。また、これらの研究がどのように行われたか、その結果がどの程度信頼できるかを評価した。 わかったこと 2020年6月までに発表された関連する研究を検索した。その結果、本レビューの対象基準を満たした試験が4件見つかった。その4つの試験には、合計126人が参加した。ほとんどの参加者はアルツハイマー病であり、少数の参加者は血管性認知...

長期療養施設におけるSARS-CoV-2感染症を薬物療法以外の対策で予防・軽減できるか?

2 years 7 months ago
長期療養施設におけるSARS-CoV-2感染症を薬物療法以外の対策で予防・軽減できるか? 要点 - 薬物療法以外の対策(面会制限や定期的な検査など)により、長期療養施設の入居者やスタッフのSARS-CoV-2感染(COVID-19の原因となるウイルス)を予防できる可能性があるが、その結果の信頼性には懸念がある。 - 特に、実臨床で経験される、より質の高い研究が必要である。 - また、入居者やスタッフの多くがワクチンを接種している施設や、北米・欧州以外の地域での対策についても、さらなる研究が必要である。 薬物療法以外の対策とは何か? 薬物療法以外の対策とは、薬を使わずに病気を予防・軽減する方法のことで、ワクチンなどがこれにあたる。これには、人の動きや接触、個人用防護具(PPE)の使用、定期的な感染に対する検査などが含まれる。 SARS-CoV-2は非常に感染力が強い。ケアハウス(長期介護施設)に入居している高齢者や障がい者は、介護者や来訪者が施設に出入りし、他の人と密接に接触して生活しているため、感染しやすい可能性がある。介護施設の入居者は、高齢や基礎疾患のため、COVID-19で重症化し、死亡するリスクが高くなる。 何を知りたかったのか? 長期介護施設の入居者やスタッフがSARS-CoV-2に感染するのを防ぎ、感染の拡大を抑えるために、薬物療法以外の対策がどれほど有効かを調べたい...

医療消費者(患者、介護者、家族)と医療従事者がパートナーとして連携して医療サービスを計画、提供、評価することで、どのような効果が得られるのか。

2 years 7 months ago
医療消費者(患者、介護者、家族)と医療従事者がパートナーとして連携して医療サービスを計画、提供、評価することで、どのような効果が得られるのか。 個人を中心とした医療サービスとは? 従来、医療サービスは医療従事者によって開発され、特定の病気や医学専門分野に焦点を当ててきた。医療サービスの計画、提供、評価において、消費者をパートナーとして参加させることは、個人のニーズを満たし、ケアを提供するのに適したサービスにつながる可能性がある。 このコクラン・レビューを行った理由 世界各国の政府は、医療従事者が消費者と連携して、個人を中心とした医療サービスを促進することを推奨している。しかし、医療従事者と消費者が連携することによる効果は不明である。 私たちは、医療従事者と消費者が連携して医療サービスを計画、提供、評価することの効果について、調査研究から得られたエビデンスを検証した。 具体的には、消費者と医療従事者が定期的に話し合い、医療サービスに関する意思決定に消費者と医療従事者が対等に関わるという形で、消費者と医療従事者が連携して働くことが、以下の項目にどのような影響を与えるかを知りたかった。 - 医療サービスへの変更。 - 医療サービスへの変更がサービス利用者の優先事項をどの程度反映しているか - 利用者による医療サービスの評価 - 医療サービスの利用 - 医療サービスに関する意思決定や行動...

研修会とワークショップによる継続教育:医療従事者の臨床実践と患者の健康に与える影響

2 years 7 months ago
研修会とワークショップによる継続教育:医療従事者の臨床実践と患者の健康に与える影響 このレビューの目的は何か? このコクランレビューの目的は、研修会が医療従事者の臨床実践や患者の健康に与える影響を評価することであった。この疑問に答えるために関連するすべての研究を検索し、215件の研究をレビューに含めた。 要点 医療従事者の臨床実践と患者の健康を向上させるためには、研修会のみ、あるいはそれがより大きな方法(訳注:学術集会や全国大会など)の主要な部分を占める研修会であっても、研修会が行われなかったり、受けないよりはよいと思われる。また、医療従事者の臨床実践を改善するためには、他のタイプの行動変容の方法よりも優れているかもしれない。しかし、いくつかのタイプの研修会が、他のものより優れているかどうかはわからない。 レビューでは何を調べたのか? 研修会には、コース、セミナー、ワークショップといった様々な形式がある。医師をはじめとする医療従事者は、継続的な医学教育の一環として研修会を利用することが多い。また、医学会や医療システムを経営する雇用者も、新しい知識や新しいタイプのケアを提示して、最高の臨床を促進するために研修会を利用する。このような研修会の種類は、非常に多岐にわたる。例えば、相互が交流するような参加型のものもあれば、講義形式のものもあるであろう。また、研修会を仕切る人のタイプや参加...

双極性障害の再発防止策としてのラモトリギン

2 years 7 months ago
双極性障害の再発防止策としてのラモトリギン レビューの論点 双極性障害の維持療法におけるラモトリギンの臨床的有効性(有益性と有害性)を、プラセボ、併用療法、既存の薬剤(リチウム、オランザピンなど)と比較して検討する。 背景 ラモトリギンは、双極性障害の維持療法(再発防止のための治療)として承認されている。プラセボと比較して再発のリスクが低いことが示された双極性障害の維持療法として、ラモトリギンは実行可能で効果的な治療戦略となる可能性がある。また、ラモトリギンはリチウムと同等の効果があることも報告されている。そこで、双極性障害の維持療法(再発防止のための治療)におけるラモトリギンの有効性と安全性を検討するために、システマティックレビューを実施した。 主な結果 エビデンスは2021年5月までのものである。今回のレビューでは、11件の研究を対象とし、合計2314名の被験者を対象とした。1146名の参加者がラモトリギンに割り付けられ、1168名の参加者が対照群に割り付けられた(869名がプラセボ、299名がリチウムを投与された)。 レビューの結果、以下のことが判明した。 ラモトリギン対プラセボ 効能:ラモトリギンは、以下のアウトカムにおいて、プラセボよりも優れていることがわかった。 1) 躁症状の再発率の低下 2) 抑うつ症状の抑制 3) すべての症状の再発に対する追加治療薬の必要性が低...

マタニティ・ケアのための生理的異常検出・早期警告システム

2 years 7 months ago
マタニティ・ケアのための生理的異常検出・早期警告システム 論点 このレビューの目的は、簡単なモニタリングツールを使用することが、妊婦の臨床上の問題を警告し、妊娠中および出産後6週間の重篤な病気や死亡を減らすのに役立つかどうかを、ランダム化比較試験から明らかにすることである。このようなツールの例としては、マタニティ・ケアのベッドサイドに置いてある異常検出システムや早期警告システムなどがある。 重要である理由 妊娠中は、女性の身体に多くの生理的な機能変化が起こる。その結果、健康で問題ないように見える妊婦さんが、急激に重篤な状態に陥ることがある。これを臨床的悪化という。早期に発見して適切な治療ができなければ、重症化したり死亡することもある。例えば、重篤な出血、血圧上昇時に起こる痙攣、血栓、重篤な感染症などである。産科医療従事者(助産師や医師)は、女性の健康に関する情報を記録するために、簡単なベッドサイドツールやチャートを使用することができる。記録された健康指標は、血圧、脈拍、呼吸数、体温のほか、尿量や精神的な覚醒度などである。ツールは、それぞれの指標が単独ではなく、一緒に観察され、記録され、解釈されるように導入されている。その目的は、重篤な病気の発症やその予兆を検知することである。その時点で医療スタッフが介入することで、深刻な害を防ぐことができる。 得られたエビデンス 2021年5月2...

成人のうつ病に対するケタミンなどのグルタミン酸受容体モジュレーターの効果

2 years 7 months ago
成人のうつ病に対するケタミンなどのグルタミン酸受容体モジュレーターの効果 なぜこのレビューが重要なのか? うつ病は、最も一般的な精神疾患の一つであり、世界で3億5千万人が罹患していると推定されている。大うつ病の患者さんには、最初の治療として抗うつ薬が投与される傾向にある。しかし、これらの薬剤は、1年後には4人に1人程度の効果しかない。うつ病治療のための効果的な代替薬が必要であり、特に迅速な治療が求められている。新しい薬のグループは「グルタミン酸受容体モジュレーター」と呼ばれるもので、グルタミン酸系に作用する。このグループには、ケタミンという薬が含まれている。このレビューでは、ケタミンを含むグルタミン酸受容体モジュレーターの、うつ病治療薬としてのエビデンスを検討した。 このレビューに関心があるだろう人は? - うつ病の人やその友人、家族。 - 一般開業医、精神科医、心理士、薬剤師。 - 成人を対象とするメンタルヘルス業務に携わる医療関係者。 このレビューでわかることは何か? 1.ケタミンをはじめとするグルタミン酸受容体モジュレーターによる治療は、プラセボ(ダミー薬)や他の薬剤による治療よりも効果的であるか? 2.ケタミンやその他のグルタミン酸受容体モジュレーターによる治療は、プラセボや他の薬剤よりも受け入れられやすいか? どのような研究がレビューに含まれているのか? 医療データベー...

6歳以下の子供の吃音に対する薬を使わない治療法

2 years 7 months ago
6歳以下の子供の吃音に対する薬を使わない治療法 このレビューの目的は何か? このレビューの目的は、6歳以下の子どもを対象に、吃音に対する薬を使わない治療によって、短期的および長期的に、言葉の流暢性、子どものコミュニケーション態度、子どものQOL(生活の質)への影響、潜在的な有害な影響が改善されるかどうかを調べることであった。この疑問に答えるために、関連するすべての研究を集めて分析したところ、4件の研究が見つかった。 要点 リドコムプログラムは、研究に含まれた量の治療を受けた幼児の吃音頻度を下げ、発話効率(1分間に話す単語や音節の数)を上げる可能性がある。1年から2年の期間で実施されるプログラムを完了した子どもたちの結果を報告した研究はなく、プログラム全体の影響はまだわかっていない。 治療が長期的にどのように作用したかを報告した研究は1件のみであったが、対照群のほとんどの子どもの結果が欠落していたため、治療の効果をまとめることができなかった。 幼児の吃音治療を評価するためには、より幅広い結果を報告する研究や、リドコムプログラム以外の治療法を評価する研究など、質の高い研究が必要である。 レビューでは何を調べたのか? 吃音(どもり)は、一般的なコミュニケーション障害であり、通常、2歳から4歳の子どもが発症する。吃音は、個々の音声、単語の一部、または単語全体の繰り返し、音声の不随意的な延...

慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者において、処方通りに服薬を継続することを支援する方法はどれか?

2 years 7 months ago
慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者において、処方通りに服薬を継続することを支援する方法はどれか? レビューの論点 慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者が処方された薬の服用を継続し、生活の質を向上させ、入院を減らすためにはどのような手法が有効か? 背景 慢性閉塞性肺疾患(COPD)は長期にわたって呼吸障害を引き起こす肺疾患であり、息切れなどの症状がおこる。それに対する薬物治療はあるものの、処方通りに内服が行われない場合がある。様々な手法を用いることによって、患者が処方通りに内服し、症状や生活の質を改善し、入院を減らすことができる可能性がある。 このレビューでは、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者が処方通りに内服できるような手法があるかどうかを調べることを目的とした。 研究の特定と選択 該当する研究を見つけるためにデータベースを検索した。2人1組で、4人が別々に研究の一覧を見て、どの研究を含めるか意見を一致させた。最新の検索は2020年5月に実施された。 研究の特徴 内服状況を改善する単純な方法(例えば、薬の量を変えることや2つの別々の吸入器の代わりに1つの吸入器を用いること)と通常の慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対するケアを比較した研究を含めた。また、複合的手法(例えば、看護師または薬剤師からの情報提供やトレーニング、服薬の監視)を検証した研究も含めた。 主な結果は何か? 14件の研究(2...

プライマリーケアにおける禁煙治療を改善し、より多くの人の禁煙を支援する方法はあるか?

2 years 7 months ago
プライマリーケアにおける禁煙治療を改善し、より多くの人の禁煙を支援する方法はあるか? プライマリーケアにおける禁煙治療とは何か? プライマリーケアとは家庭医学や総合診療とも呼ばれ、主に日々の健康問題について医療専門家に相談する場所である。タバコを吸う人が禁煙の手助けをしてもらうには、最適な場所の一つである。プライマリーケアを受診すると、タバコを吸うかどうかを聞かれることがある。喫煙している場合には、典型的にはカウンセリングや投薬によって禁煙を支援することになる。 コクランレビューを行った理由 プライマリーケアにおける禁煙支援は、必ずしも十分に、または一貫して行われているとは限らない。医療従事者は、どのように治療を行うのが最善なのか分からなかったり、治療を行うための時間が限られていたり、必要な資源が不足していたりする。プライマリーケアにおける禁煙支援の提供と成功を改善する方法が提案されている。例えば、患者の禁煙を支援する最善の方法について医療従事者を訓練するなど、すでに利用可能な治療が頻繁かつ適切に実施されるように設計されたものもあれば、追加のカウンセリングや印刷物を提供するなど、参加者が利用できる支援を増やすように設計されたものもある。これらのアプローチのうち、どの方法が単独で、あるいは組み合わせで、最も効果的であるかを検討した。 何をしたのか? プライマリーケアにおける標準的な...

案内状の送付、専門家ではない保健医療関係者による介入および教育的介入は、子宮頸がん検診の受診率を高めるか

2 years 7 months ago
案内状の送付、専門家ではない保健医療関係者による介入および教育的介入は、子宮頸がん検診の受診率を高めるか 論点 子宮頸がんは、世界中で4番目に多い女性のがんである。現在、女性は、高リスク型HPV(ヒトパピローマウイルス)や異常細胞または前がん細胞の有無を調べるために、子宮頸がん検診(別名「スメア」または「パパニコロー検査」)を受けるよう求められている。子宮頸がん検診の受診率は、世界的に低い。英国の子宮頸がん検診プログラムでは、検診によってがんが発生する前の前がん病変を早期に発見し治療することで、死亡率が低下する可能性があることが示されている。しかし、検診を受けることができるかどうか、また受けているかどうかは、国によってまた国内でも差がある。また、民族、年齢、教育、社会経済的地位によっても差があり、受診率を高めるための介入策を講じる際にはこの点に留意する必要がある。 レビューの目的 本レビューの目的は、女性に子宮頸がん検診の受診を促す方法を検討することにあった。その方法には、案内状、催促状、教育、効果的な受診勧奨メッセージの工夫、カウンセリング、リスク因子の評価、検査方法の工夫および経済的介入などが含まれる。 主な結果 本レビューには70件の試験を選択し、そのうちの69件(257,899人の女性)をメタアナリシス(メタ解析)に組み入れた。その結果、案内状や、それより効果は小さいが、...

自閉症スペクトラム障害(ASD)患者に併存した強迫性障害(OCD)に対する行動療法および認知行動療法

2 years 7 months ago
自閉症スペクトラム障害(ASD)患者に併存した強迫性障害(OCD)に対する行動療法および認知行動療法 レビューの目的 このレビューの目的は、認知行動療法(CBT)が自閉症スペクトラム障害(ASD)を併せ持つ強迫性障害(OCD)の人に役立つかどうかを確認することである。 背景 ASDの診断を受けている人のあいだでは、似た性質を有することが多い。ASDの診断を受けた人は、社会的な交流やコミュニケーションを他の人とは違った形で理解していることが多い。また、ASDの人は、他の方に比べて考え方が柔軟ではないため、通常の心理療法を適用することが難しい場合がある。ASDに関連するどの研究分野を優先すべきかを臨床家が決定する際に、ASD当事者の意見は貴重である。 OCDと診断された人は、ある特定の症状を持っており、それが生活を送る上である程度影響を与える。OCDを持つ人は、望んでいないにもかかわらず、固執した考えを持っており、その考えが理不尽であると思うことがよくある。このような考えは、自分や誰かが傷つけられるのではないか、何かが完璧ではないまたは正しくないのではないかといった心配であることが多い。OCDの人は、本当は必要ないとわかっていても、「物事を正す」ために何度も考えたり行動したりしなければならないと感じることがある。その繰り返される行動として、手を洗うことなどがある。 ASDの人は、OC...

診断時に転移性ユーイング肉腫が認められた小児、思春期および若年成人患者への大量化学療法と自家造血幹細胞移植

2 years 7 months ago
診断時に転移性ユーイング肉腫が認められた小児、思春期および若年成人患者への大量化学療法と自家造血幹細胞移植 レビューの論点 転移性原発ユーイング肉腫(診断時にすでに他の部位に広がっているがん)の小児、思春期および若年成人患者を対象とする大量化学療法と自家造血幹細胞移植(骨髄回復のために、患者から事前に採取した幹細胞の静脈内点滴投与)の併用療法が、従来の化学療法よりも無イベント生存期間、全生存期間、質調整生存期間(生存年数と生活の質(QOL)の双方を考慮した効果指標)、無増悪生存期間を改善したかどうかのエビデンスを検索した。この治療法により生じた有害作用も検索した。 背景 ユーイング肉腫とは、小児および若年成人の骨や軟部組織に発生することが多い腫瘍のことである。診断時に転移が認められたユーイング肉腫の患者は生存率が低く、5年生存率は30%以下である。孤立性肺転移の場合は、生存の可能性が多少高い(5年生存率は50%)。現在の治療では、多剤併用化学療法に外科治療あるいは放射線治療のいずれかまたは、その両方が併用される。ユーイング肉腫患者のために、治療の改善が不可欠である。 従来の化学療法と比較して、大量化学療法と自家造血幹細胞移植の併用療法により、診断時に転移性ユーイング肉腫であった小児、思春期および若年成人患者に対する延命効果が改善されるかどうかを検討するために、本レビューを実施した...

人工のCOVID-19特異的モノクローナル抗体は、COVID-19の治療に有効か?

2 years 7 months ago
人工のCOVID-19特異的モノクローナル抗体は、COVID-19の治療に有効か? 要点 - COVID-19を唯一の標的とするように設計された人工抗体(病気に対する身体の自然な防御機能)がCOVID-19の有効な治療法であるかどうかは、異なるタイプの患者で、異なる治療法を検討した6件の研究のみを評価したため不明である。 - 現在進行中の研究のうち、終了すればさらに多くのエビデンスが得られると思われる研究が36件存在する。 - より多くのエビデンスが得られれば、このレビューを定期的に更新する。 モノクローナル抗体とは? 抗体は、病気に対する防御として体内で作られる。しかし、病気から回復した人の細胞から人工で作ることもできる。 1つの特定のタンパク質(この場合、COVID-19の原因となるウイルスのタンパク質)のみを標的として設計された抗体が「モノクローナル抗体」である。COVID-19の原因となるSARS-CoV-2ウイルスと結合し、ヒトの細胞内への侵入や複製を阻止することで、感染症との戦いに貢献する。モノクローナル抗体は、他のウイルスの治療にも成功している。これらは、様々な種類の抗体が含まれている回復者血漿に比べて、副作用が少ないと考えられている。 何を知りたかったのか? COVID-19の特異的モノクローナル抗体がCOVID-19の有効な治療法であるかどうかを知りたかった。以...

不妊治療で胚移植を受ける女性がオキシトシンというホルモンを阻害する薬を使うと、子どもを授かる確率が上がるのか?

2 years 7 months ago
不妊治療で胚移植を受ける女性がオキシトシンというホルモンを阻害する薬を使うと、子どもを授かる確率が上がるのか? レビューの論点 胚移植を受ける女性にオキシトシンを阻害する薬を使うことのメリットとリスクは何か? 背景 胚移植(ET)は、生殖補助医療(ART)の重要なステップであり、1つまたは複数の胚(受精卵)を子宮に入れることである。子宮内膜の収縮とは、子宮内膜の表面が波のように動くことで、胚移植をする時期にこの収縮があると妊娠率が低下すると言われている。胚が子宮に着床する際の悪影響を抑えるための治療法は、現在のところない。オキシトシンは天然のホルモンで、陣痛の引き金になることが知られている。この働きを阻害する薬は、早産の子宮収縮を止めるために日常的に使用されている(訳者注:日本では未承認)。胚移植の時期の子宮収縮にも同じホルモンが関わっているという説もある。そのため研究者たちは、陣痛を止める薬を使えば、胚移植の時期に子宮収縮が抑えられ、妊娠率が改善する可能性があるのではないかという臨床疑問をたてた。 研究の特徴 胚移植を受けた3733人の女性を対象に、オキシトシンの働きを阻害する薬の使用を評価した研究が11件見つかった。オキシトシンの働きを阻害する薬は、7件のRCTでは静脈注射(アトシバン)、1件のRCTでは皮下注射(バルシバン)、3件のRCTでは経口投与(ノラシバン)で投与され...

早期乳がんに対する乳房部分照射

2 years 7 months ago
早期乳がんに対する乳房部分照射 論点 乳がんは、女性が罹患するがんの中で最も頻度の高いものである。 早期乳がんの女性が乳房を残すことを希望する場合、乳房内で確実にがんを再増殖させないために、手術と放射線治療を受ける必要がある。放射線治療は高エネルギーX線を用いて行う治療である。通常、乳がんの放射線治療では、週5回、計15~30回、放射線科に通院する。 乳がんが同じ乳房で再増殖した場合(局所再発という)は、切除したがんがあった同じ場所に再発する傾向がある。また、同じ乳房の異なる部位に新たながん(新たな 「別の場所の原発がん」)が生じることもある。最初のがんが発生した部位での再増殖を抑制する目的で行う放射線治療が、「別の場所の原発がん」の発生を抑制するのかどうかは、まだわかっていない。 重要である理由 副作用を少なくするために、放射線を照射する部分を最小限にすることが望ましい。乳房の一部への照射ですめば、必要に応じて同じ乳房の別の部分に再び放射線治療を行える可能性もある。放射線治療の新しい方法では、乳房の一部をこれまでより少ない照射回数で治療できる。それによって患者への負担が減り、治療費も抑えられる可能性が高い。 比較したこと 放射線治療を乳房の一部に行った場合(いわゆる乳房部分照射)、乳房全体に照射する放射線治療と同じ効果が得られるかどうかを調べた。乳房部分照射は治療期間を短縮して...

手術前の剃毛は手術後の感染症を予防できるか?

2 years 8 months ago
手術前の剃毛は手術後の感染症を予防できるか? 要点 剃毛しない場合と比較して: - かみそり(剃刀)で毛を剃った場合の方が、手術部位感染の発生が多い可能性がある。 - サージカルクリッパー(バリカン)での剃毛やクリームを用いての除毛は、感染の発生にほとんど差はない。 サージカルクリッパー(バリカン)での剃毛や除毛クリームを用いての除毛は、かみそりで毛を剃るよりも、おそらく感染の原因になりにくい。 手術前日ではなく、手術当日に剃毛または除毛をすることにより、感染症の発生を少し抑制することができる。 なぜ手術前に剃毛するのか? 外科手術の前には、手術を受ける部位の毛を剃毛することが一般的である。サージカルクリッパー(バリカン)、カミソリ、除毛クリームなど、毛の処理は、さまざまな方法で行うことができる。 例えば、傷口を縫うときや包帯を巻くときなど、手術中や手術後のトラブルを避けるために毛を処理する。しかし、毛を剃ったり抜くことにより、術後の感染症が引き起こされる可能性があるので毛の処理は避けた方が良いとする研究もある。 何を知りたかったのか? 手術の前に剃毛することによって以下がどうなのかを知りたかった。 - 感染症の原因となるのか、予防となるのか; - 皮膚の切り傷や縫合した傷口が開くなどの合併症を防ぐのか; - 手術後の入院期間への影響はどうか; - 費用面での影響はどうか。 また...

肩の痛みに対するグルココルチコイドの画像ガイド下注射とブラインド注射(画像ガイドなし注射)の比較

2 years 8 months ago
肩の痛みに対するグルココルチコイドの画像ガイド下注射とブラインド注射(画像ガイドなし注射)の比較 背景 肩の痛みは、回旋筋腱板損傷もしくは癒着性関節包炎(「凍結肩」)に起因することが多い。回旋筋腱板は(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の回旋筋群からなる4つの)腱で構成されており、肩関節を良い位置で安定させ、腕を上げる動作を可能にする。肩の痛みは、腱板の損傷や炎症、そして、腕を上げたときに腱の上部にある骨が腱を圧迫すること(インピンジメント)が関与している。いずれの状態も、動作時に痛みが生じたり、夜間や患側を下にしての就寝時にしばしば痛みが生じる。また、癒着性関節包炎は肩関節のこわばりも引き起こす。 グルココルチコイド注射は肩の痛みを和らげるが、その効果は通常6~8週間で消失する。従来、注射は肩周辺の解剖学的ランドマーク(目印)を目印にして行われている。また、肩への注射をより正確に行うために、超音波などのイメージング(画像)技術が使用されることもある。画像ガイド下での注射が画像ガイドなしの注射と比べて、効果的に肩の痛みを和らげるかどうかは分かっていない。 研究の特徴 このコクランレビューは2021年2月15日現在のものである。19件の試験(参加者1035人)で、超音波ガイド下注射と「ブラインド」注射(画像ガイドなしの注射)を比較した。試験の参加者の病態は、14件は回旋筋腱板損傷、4...
Checked
13 hours 49 minutes ago
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