3 years 5 months ago
交叉咬合(上の奥歯が下の奥歯の内側に食い込んでいる状態)の治療に歯列矯正は有効か? 要点 小児の奥歯の交叉咬合の矯正には、クワッドヘリックス(固定式)や拡大床装置(取り外し式)を用いた矯正治療が有効である。およらくクワッドヘリックスは拡大床装置よりも効果がある。青年の場合、奥歯の交叉咬合の矯正には、ヘリックス(訳注:歯に金属の輪をかけて、針金でつないでいるもの)とハース(Haas)(訳注:金属と上顎の粘膜に沿ったプラスチックにて構成されたもの)の違いはないと思われる。 何が問題なのか? 後方の交叉咬合は、上の歯や顎が下の歯よりも狭い場合に起こる。歯列弓の片側または両側に起こる可能性がある。この状態では、歯の問題(例:歯の摩耗)、顎の異常な発達、関節の問題、顔の見た目のバランスの悪さなどが起こりやすくなる可能性がある。後方の交差咬合は、欧米では約4%の子供と17%の青年に発生すると言われている。 様々な治療法が提案され、その結果、様々な矯正装置が生み出された。反対咬合を矯正するための基本的な治療法は、口蓋(口の中の天井)に装着した矯正装置を使って、上顎の両側に圧力をかけて上顎を広げるというものである。装置は固定式(例:クワッドヘリックス、ハース、ハイラックス)または取り外し式(例:拡大床装置)がある。固定式の装置は歯に接着し、取り外し式の装置は患者が口の中から取り出すことができる。...
3 years 5 months ago
帝王切開後の新生児呼吸器合併症予防のためのステロイド(薬) レビューの論点 予定帝王切開(選択的帝王切開)により37週以降の正期産で、陣痛が始まる前に生まれた新生児は、経膣分娩で生まれた児よりも呼吸器合併症を発症する可能性が高くなる。分娩前に母体に「副腎皮質ステロイド(薬)(以下ステロイド)」と呼ばれる注射剤を投与することで、34週以前に生まれた新生児の呼吸障害のリスクを減らすことが示されているが、この段階以降の投与が有用かどうかは明らかになっていない。 なぜこれが重要なのか? 帝王切開により出産される新生児は、呼吸障害を起こすリスクが高くなる。例えば、最初の数日間に呼吸が速くなったり(新生児一過性頻呼吸)、より深刻な呼吸窮迫症候群(RDS)を起こしたりする。その場合は、環境の整った場所(訳注:新生児集中治療室などを含む)での治療が必要なことがある。このリスクは、妊娠37週から39週にかけて減少し、段階的に低くなる。帝王切開の多くは妊娠39週以降に行われるが、それ以前に行う必要があるケースもある。このレビューの目的は、ステロイドが母体や乳児に悪影響を与えることなく、帝王切開児の呼吸困難の発生率を減らすことができるかどうかを調査することである。 エビデンスの特定および評価方法 私たちは、信頼できる選択基準を満たし、かつステロイドの効果をプラセボ(ダミー)治療または通常のケアと比較し...
3 years 5 months ago
鎌状赤血球症患者の尿中への蛋白質やアルブミンの漏出を防ぐことを目的とした薬剤投与 レビューの論点 鎌状赤血球症の人が尿中のタンパク質やアルブミン(肝臓で作られるタンパク質)を失わないようにすることを目的とした薬剤の効果に関するエビデンスを検討した。 背景 鎌状赤血球症は、多くの場合、腎臓障害を引き起こす種類の遺伝性疾患である。尿中の蛋白質やアルブミン漏出が多いと、将来の腎不全を強く予測させる。アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤は、尿中のタンパク質やアルブミンの濃度を下げ、腎臓を損傷から守るために投与されることが多い。しかし、これらが鎌状赤血球症の人にどれだけ有効で安全なのかについては、まだよくわかっていない。 検索期間 エビデンスは、2021年8月22日現在のものである。 研究の特性 レビューでは、1件の研究(鎌状赤血球症の成人22名を対象)のみを取り上げ、分析した。参加者は、尿中のタンパク質(タンパク尿)またはアルブミン(微量アルブミン尿)の値が高く、ランダムに選ばれ、カプトプリル(アンジオテンシン変換酵素阻害剤)またはプラセボ(有効な薬が入っていないダミー薬)のいずれかで6ヶ月間治療を受けた。 主な結果 この小規模で非常に質の低い研究の結果は、説得力のあるものではなかった。エビデンスの確実性については、評価したほぼすべての領域でバイアスのリスクが少なくとも不明確または高...
3 years 5 months ago
輸血の回数を減らすために、血球数(ヘモグロビン値)の低下を輸血の判断に使用しても良いのか? 要点 ・血球数の少ない患者(ヘモグロビン値が7.0g/dL~8.0g/dL)に輸血を行うことが、血球数の多い患者(9.0g/dL~10.0g/dL)に比べて、死亡、心臓発作、心筋梗塞、脳卒中、肺炎、血栓、感染症のリスクに影響を与えるというエビデンスはない。 ・血球数の少ない患者(7.0g/dL~8.0g/dL)にだけ輸血をすることで、輸血量を大幅に減らすことができる。また、輸血における不必要なリスクを減らすことができる(輸血は有害な影響を与えることがある)。 ・更なる研究が以下のような理由で必要である: - 心筋梗塞や脳梗塞、またはがん患者にとって輸血が必要となる血球数を決定するため - QOL(生活の質)を含む、死亡以外の転帰はどうであるかを知るため 輸血が必要な人はどのような状態か? 医師や医療従事者は、手術や出血、病気などで血液を失った人に輸血を行うことが多い。例えば、輸血は貧血の患者の手術後の回復を促進するかもしれないが、それは病状の改善に役立つ場合にのみ行われるべきである。血液は限られた資源であり、輸血はリスクを伴う。特に低所得国の人々にとっては、輸血に使用される血液がHIVや肝炎などの有害なウイルスの検査を受けていない可能性がある。 知りたかったこと 血球計算は血液中のヘモグロ...
3 years 5 months ago
早産で生まれた赤ちゃんの血中のブドウ糖(グルコース)濃度を持続的に測定する装置 レビューの論点 皮下センサーを用いて持続的グルコースモニタリング(CGM)を行い、血糖値が高すぎたり低すぎたりした時に補正するアルゴリズムを使用する、あるいは使用しない場合と、 血糖値を間欠的に測定し、血糖値が高すぎたり低すぎたりした時に補正するアルゴリズムを使用する、あるいは使用しない場合とを比較した時のそれぞれにおける利益と有害性は何か?1.血糖値が高すぎたり低すぎたりする危険がある早産児2.血糖値が低すぎることがわかっている早産児3.血糖値が高すぎることがわかっている早産児 背景 早産で生まれた新生児は、血糖値が高すぎたり低すぎたりする傾向がある。このような血糖値の異常を持つ早産児のほとんどは、完全に回復するか、あるいはごく軽度の問題にとどまる。血糖値が極端に高い、または低い(または異常値が長期間続く)早産児の中には、これが原因で死に至ったり、後に問題が生じることがある。 このレビューの目的は、CGMの使用が早産児の長期的な発育を改善したり、死亡率を低下させたりするかどうかを評価することであった。CGMデバイスは皮下に挿入され、リアルタイムで血糖値のデータを示す。血糖値の測定は、一般的に、少量の血液を採取(多くの場合、かかとの穿刺による)して間欠的に行う方法がと...
3 years 5 months ago
疾患による栄養不良の成人に対する食事へのアドバイス レビューの論点 経口栄養補助食品(ONS)を用いた場合と用いない場合の食事へのアドバイスは、成人の疾患による栄養不良を改善できるか? 背景 病気の人は、食欲がなかったり、薬やその他の治療のために気分が悪くなり、いつもより食べる量が少なくなることがよくある。食べる量が少ない状態が長く続くと、体重が減り、栄養失調になり、さらに健康に悪影響が生じて、死に至ることもある。医療従事者は、適切な食事摂取を取り戻すために、食事の変更についてアドバイスを行うことがある。また、体重を増やして栄養状態や健康状態を改善できるように、高タンパク、高エネルギーの食品を推奨するかもしれない。病気の人に対して、経口栄養補助食品(ONS)を提供することが一般的であるが、その際に、食事摂取内容を変えることへのアドバイスをする場合もあればしない場合もある。 本レビューの疑問に対する最良の答えを見つけるために、次の5つの異なる治療法を比較した研究を検索した:食事へのアドバイス vs アドバイスなし、食事へのアドバイス vs 経口栄養補助食品(ONS)の提供、食事のアドバイス+ONS vs 食事へのアドバイス、食事へのアドバイス+適切な場合にONSの提供 vs 食事へのアドバイスなし、食事へのアドバイス+ONS vs 食事へのアドバイスもONSの提供もなし。研究での比...
3 years 5 months ago
子宮内膜症の手術を受けた女性の痛みを緩和するためのレボノルゲストレル放出子宮内装置(LNG-IUD)の使用について 子宮内膜症とは何か 子宮内膜症は子宮内膜(子宮のような)組織が子宮の外側、多くは骨盤内に存在し、不妊や骨盤痛(臍より下の痛み)を引き起こす。 子宮内膜症の治療法 子宮内膜症はしばしばホルモン薬、手術、またはその組み合わせで管理される。プロゲストーゲン(訳注:黄体ホルモン)の一種であるレボノルゲストレルは、子宮外での子宮内膜組織の増殖を止めるとされるホルモン薬の一種である。 このレビューの目的 このレビューの目的は、子宮内膜症の手術を受けたばかりの女性において、LNG-IUDが関連する疼痛症状の管理や生活の質(QOL)や患者満足度の向上に有益か否かを評価することである。 このレビューからわかったこと 現段階では、手術後のLNG-IUDの使用が子宮内膜症による痛みを緩和するかを十分に支持するエビデンスは無い。 手術後にLNG-IUDを使用することで、生理痛の軽減、生活の質(QOL)と患者満足度の向上に役立つというエビデンスがあったが、研究の数や研究参加者が少なく、研究デザインにも欠陥があったため、エビデンスの確実性は低度から非常に低度であった。このため、LNG-IUDの使用を推奨するにはさらなる研究が必要である。 訳注: 《実施組織》内藤未帆、小林絵里子 翻...
3 years 5 months ago
女性の慢性骨盤痛に対する外科的管理 コクランレビューを行った理由 慢性的な骨盤の痛みがある女性に対し、有効で安全な外科的治療があるかどうかを調べた。外科的治療が他の治療法やまったくの無治療と比べて、どの程度有効か検討した。 背景 女性の慢性骨盤痛は、よくみられる心身を消耗させる状態である。さまざまな定義があるが、一般的には6か月間以上の骨盤の痛みと定義される。慢性骨盤痛の原因にはいろいろあるが、特定するのが難しい場合がある。原因が特定できるできないにかかわらず、治療は症状の軽減を目的とする。時には、診断のための腹腔鏡による手術(お腹にカメラを挿入して骨盤内の様子を目で見て確かめる検査)が行われる。子宮内膜症(子宮の内膜に似た組織が別の場所で増殖するもの)や子宮腺筋症(子宮の内膜が子宮の筋肉内の深いところに認められるもの)のような、慢性骨盤痛の原因が明らかな場合には、明らかな問題がない場合と異なる治療戦略が必要になるかもしれない。慢性骨盤痛があるにもかかわらず診断的腹腔鏡手術で病気が見つからない場合、感染や以前の手術による瘢痕組織を取り除いたり(癒着剥離術)、骨盤から脳へ痛覚を伝える神経を焼灼または切除したり(仙骨子宮靱帯焼灼/切除術)するといったさまざまな手術を検討する。これらの外科的治療はどの程度有効かわかっていないが、提案され、実施されている。 わかったこと 原因が特定できな...
3 years 5 months ago
口腔がんおよび咽頭がんに対する化学療法 論点 早期に発見された口腔がん(口のがん)および中咽頭がん(喉のがん)の治療法は主に手術や放射線療法である。いずれの治療法もがんの治癒や延命に有効である。しかし、手術や放射線療法のみではがんが再発する可能性があり、患者の余命が短くなることがある。手術または放射線療法に化学療法を追加することによって余命が長くなる場合がある。 重要である理由 化学療法は、がん細胞のような急速に分裂する細胞を殺すことによって作用する薬剤である。体内には、皮膚や腸内など他にも分裂の早い細胞がある。化学療法はそのような健康な細胞にも影響を与える可能性があるため、不快な副作用が生じることがある。 がんの治療では、化学療法は手術または放射線療法の前、放射線療法中、手術または放射線療法による治療の後に行われることがある。また化学療法には、錠剤として内服するものと静脈から投与するもの(静脈内投与)がある。このような化学療法の投与方法や種類の差によって、余命にさまざまな影響を及ぼす可能性がある。現時点では、最善の方法はわかっていない。 本レビューは2011年に公表されたレビューの更新版である。 知りたかったこと 化学療法に手術または放射線療法を併用することによって生存期間が改善されるかを知りたかった。また、化学療法を手術または放射線療法と併用することによって、がんが縮小する可...
3 years 5 months ago
原発性月経困難症(生理痛)に対するニフェジピンの効果 レビューの論点 原発性月経困難症(生理痛、月経痛としても知られる)に伴う痛みの緩和にニフェジピンは有効か? 背景 原発性月経困難症は、月経(生理)に伴う痛みであり、子宮の痙攣が原因である。生殖可能な年齢にある女性によくみられる症状で、日常の活動に大きな影響を与える可能性がある。ニフェジピンは、早産の妊婦の子宮の収縮を減らすのに効果的な薬である。このレビューでは、ニフェジピンが月経時の子宮の収縮の緩和にも効果的かどうかということを取り上げている。 研究の特徴 3つのランダム比較試験(参加者が治療を受けるか、比較対象になるか、同等の確率で選ばれる研究)を特定した。原発性月経困難症に対するニフェジピンとプラセボ(偽薬)の使用を比較した。合計で106人の女性が試験に参加したが、解析に利用できた情報は、合計66人の女性が参加した2つの試験からのもののみであった。これらの試験のうちの1つでは、ランダム化がグループ間で非常に偏っており、19人の女性がニフェジピンを投与されたのに対し、わずか5人がプラセボを投与されていた。文献の検索は、2019年1月31日に行われ、2020年6月5日と2021年11月25日に繰り返し行われた。1つの試験は別の著者と検討して特定された。 主要な結果 原発性月経困難症に伴う痛みの緩和に対するニフェジピンの有効性は...
3 years 5 months ago
抗精神病薬は、アルツハイマー病や血管性認知症の人の興奮行動や精神病症状を軽減するか? 要点 ハロペリドールのような旧来の第一世代の「定型」抗精神病薬が、興奮した行動(例えば、落ち着きのなさや攻撃性)に効果があるかどうかは不明であり、その効果は良くても中程度である。代表的な抗精神病薬は、認知症の人の妄想や幻覚をわずかに減少させる可能性がある。 リスペリドンのような新しい第二世代の「非定型」抗精神病薬は、おそらく興奮行動をわずかに減少させる。非定型抗精神病薬は、おそらく精神病症状には影響しない。 第一世代と第二世代の抗精神病薬ともに、眠気やその他の望ましくない事象のリスクを高める。抗精神病薬が処方された後に患者の症状が改善した場合、それは時間の経過とともに自然に症状が改善したことが大きいと思われる。 抗精神病薬とはどんな薬か? 抗精神病薬は、統合失調症、双極性障害、重度のうつ病など、一部の精神疾患における精神症状や重度の不穏行動を治療するために処方される薬である。精神病症状は、妄想(事実ではないことを強く信じること)と幻覚(存在しないものが見えたり聞こえたりする感覚)である。 抗精神病薬は、よく2つのグループに分けられる。 1. ハロペリドールなどの第一世代(旧型)または「定型」抗精神病薬 2. リスペリドンなどの第二世代(新型)または「非定型」抗精神病薬 どちらのタイプも、眠気、運...
3 years 5 months ago
冠動脈疾患患者のうつ病に対する治療法 このレビューでは、冠動脈疾患とうつ病を持つ人を対象に、心理的治療と抗うつ薬に関する臨床試験を調べた。目的は、これらの治療法が、うつ病、死亡率、再度の心臓発作や心臓手術などの心臓イベントに及ぼす影響を調べることであった。 その結果、37件の試験がレビューに関連するものとして確認された。15件の試験では心理的治療が検討され、21件の試験では抗うつ薬を含む薬物的介入が検討された。 一般的に、心理療法を対照薬と比較したり、抗うつ薬をプラセボ(非活性薬)と比較したりすることで、治療終了時にうつ病の症状が軽減される可能性があるが、そのエビデンスは確実性が低い。心理的治療を対照薬と比較して、また抗うつ薬をプラセボと比較して、死亡率や心血管イベントを減少させるかどうかについては、エビデンスが非常に不確かである。 エビデンスは2020年8月までのものである。 訳注: 《実施組織》 阪野正大、冨成麻帆 翻訳 [2022.02.01]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲...
3 years 5 months ago
重篤な合併症を併発した慢性大動脈解離タイプB型に対する血管内治療と開腹による血管再建術との比較 背景 大動脈は人体にある主要な動脈で、心臓から出て、全身に血液を供給している。大動脈解離とは、この大動脈の壁に亀裂が入り裂けてしまう疾患のことである。大動脈解離には2つのタイプがある。大動脈の心臓に近いところ(上行大動脈と大動脈弓)で起きるA型と、心臓から遠いところ(左鎖骨下動脈より遠位)で起きるB型である。B型の大動脈解離が起きた後、すぐに手術が必要でない場合には、解離は経時変化し、(6週間以上経過したものは)慢性解離と呼ばれるようになる。その後6週間以上経ってから合併症が起きることがあり、その合併症の重症度と外科的な手術によるリスクとを比較して、必要に応じて外科的手術がとられることがある。解離した血管壁の経時的変化とともに、治療の必要な複数の合併症が組み合わさって併発してくることから、この状態を「複雑な(重篤な合併症を併発した)」B型慢性大動脈解離と呼ぶ。 長年にわたって、その治療の選択肢は開胸手術による血管修復しかなかった。この方法は広く用いられてきたが、それにともなって起きる腎不全、運動麻痺(対麻痺=下肢の麻痺)、再手術、死亡などの大きな問題が残されたままである。 最近になって、医用生体工学の進歩により、ステントグラフト(人工血管(グラフト)に針金状の金属を編んだ金網(ステント...
3 years 5 months ago
下肢を膝から切断することは、膝から上で切断することに比べて、手術後の回復やリハビリテーションの向上につながるのか? 背景 世界では毎年、何千人もの人々が、血管の詰まり(血管病)や糖尿病、怪我などの理由で、手術によって下肢を切断(下肢切断)しなければならない状況にある。下肢切断を計画する場合、外科医は脚をどのくらいの高さで切るか、つまり脚をどのくらい残すかを決める必要がある。この判断は、義足(プロテーゼ;ここでは人工の脚)をつけて歩く能力を向上させるために脚をできるだけ長く残すことと、壊死してしまう部分や治らない部分を取り除くというバランスに基づいている。可能であれば、歩行機能を最大限に発揮できるように、外科医は膝を残すように(膝より下で切断)する。それができない場合には、現在、ほとんどの人が太ももの中央部(膝より上)を切断することになる。しかし、別の選択肢として、膝関節そのものにおいて切断することがある。これは、大腿骨の動きをコントロールするすべての筋肉を損傷しないという利点がある。残っている脚が長ければ、歩行時に義足を振り出す力を軽減するテコとして働き、座位バランスやベッドから椅子への移乗を助けることが期待できる。筋肉を切らないことで、手術による身体的外傷を最小限に抑えることができ、出血を減らし、手術時間を短くすることができる。また、大腿骨の端の部分や、場合によっては膝蓋骨が残...
3 years 5 months ago
Location: Flexible location (remote working) in the UK.
Specifications: Permanent contract.
Hours: Full-time week (flexible working considered) – 37.5 hours.
Salary: £40,000 per annum.
Application Closing Date: Monday 31 January (Midnight GMT).
This role is an exciting opportunity to use your problem-solving skills to make a difference in the field of health care research.
As the Cochrane Library Business Analyst, you will gather, investigate, validate, and document business requirements using workshops, user research, user cases, and task and workflow analysis. You will ensure requirements are sufficiently detailed, reviewed, signed off, and kept up-to-date and are fully traceable. You will create and manage functional specifications, and contribute to identifying and validating appropriate solutions to support business objectives.
You will act as a key liaison between the relevant Cochrane stakeholders and departments, our publisher and their outsourced development vendor, to gather requirements, ensure that technical needs are well defined, that feature implementation goals are met, and that go-to-market activities are successfully performed.
Cochrane is a global, independent network of health practitioners, researchers, patient advocates and others, responding to the challenge of making vast amounts of research evidence useful for informing decisions about health. We do this by synthesizing research findings to produce the best available evidence on what can work, what might harm and where more research is needed. Our work is recognised as the international gold standard for high quality, trusted information.
- For further information on the role and how to apply, please click here.
- The supporting statement should indicate why you are applying for the post, and how far you meet the requirements, using specific examples. Note that we will assess applications as they are received, and therefore may fill the post before the deadline.
- Deadline for applications: Monday 31 January (Midnight GMT).
Tuesday, January 11, 2022
Category: Jobs
Lydia Parsonson
3 years 5 months ago
血圧コントロールのための歯周病治療 レビューの論点 歯周病治療は、高血圧の予防や、高血圧の人の血圧を下げることができるのか? 背景 歯周炎は、歯肉炎(歯周病)が重症化したもので、高血圧に大きな影響を及ぼす動脈硬化性プラーク(脂肪、コレステロール、カルシウムなどが血管内に蓄積したもの)にも含まれるいくつかの特定の細菌が原因となっている。複数の研究により、歯周炎と高血圧の関連が示されている。歯周病治療が高血圧の予防や治療につながるかどうかを評価することは重要である。 検索期間 エビデンスは2020年11月までのものである。 研究の特性 8件のランダム化比較試験(2つ以上の治療群のいずれかに参加者を無作為に振り分ける臨床研究)を対象とし、894人が参加した。研究では、年齢・性別を問わず、また、高血圧の有無にかかわらず、歯周炎と診断された参加者を対象に、歯周病治療の予防・治療効果による血圧の変化を調べた。 主な結果 心血管疾患(高血圧を除いたもの)の有無に関わらず歯周炎と診断された人を対象に、歯周病治療と無治療で血圧の変化を比較した研究が4件見つかった。その結果、治療を受けた人と受けていない人の比較では、どの期間においても、血圧に差が出ないことが示された。 慢性歯周炎の人を対象に、歯周病治療と歯肉縁上スケーリング(目に見える歯石を取り除くだけで、歯周炎への治療効果は限定的)を比較した研究...
3 years 5 months ago
教育現場や職場での乾燥症状や上気道感染症を予防、または軽減するための介入方法 本レビューは、教育現場や職場において、室内の空気を加湿することで、乾燥症状や上気道感染症を予防、または軽減できるかどうかを検討した。 暖房の使用中は、室内の空気の湿度が低くなるため、目や鼻、喉、肌の乾燥などの不調を引き起こす可能性がある。さらに、粘膜が乾燥して炎症を起こすと、上気道感染症にかかりやすくなる。これらの症状は、仕事や学校に行かないことにも関連する可能性がある。加湿器を設置して室内の湿度を上げることで、乾燥症状や上気道感染症を予防、または軽減できる可能性がある。 特定した研究 4,551名が参加した13件の研究を特定した。7件の研究は職場(病院やオフィス)で行われ、5件の研究は教育現場(幼稚園や学校)で実施された。1件の研究のデータは、本レビューの目的に対して分析ができなかった。 室内の空気を加湿する場合 対 加湿しない場合 本レビューに含まれた研究では、職場に加湿器を設置して室内の湿度を上げても効果がないことが示されたが、いくつかの研究では目や皮膚、上気道の乾燥の症状が減少することが示された。しかし、エビデンスの確実性は低度~非常に低度であった。 不登校に対しても、研究の結果(そのほとんどが教育現場で実施された)は一貫していない。そのエビデンスの確実性は非常に低度であった。 エビデンスの質 ...
3 years 5 months ago
マインドフルネスによる医学生および若手医師の精神的健康状態(ウェルビーイング)の改善 なぜこのレビューが重要なのか? 医療の専門職は、そのやりがいと過酷さが認識されている。医学生や若手医師は、研修期間中に個人的・職業的なストレス要因が増加することが知られている。その結果、彼らの精神的健康(ウェルビーイング)への負担は大きくなる。医学生や若手医師の精神的な健康をサポートすることは、彼らの健康全般のバランスを確保し、また患者のケアや患者の安全という彼らの責務を支援するために、重要である。さらに、医学生や若手医師は時間に余裕がないことが多い。したがって、マインドフルネス(今の心に意識を向けること)がその時間的な拘束を正当化できるほど効果的な介入であるかどうかを検証することが重要である。今回の対象者に対するマインドフルネスを検証したコクランレビューは、これまでなかった。 このレビューに関心をもつ人は誰なのか? 医学生や若手医師、研修レベルや専門性の異なる他の医療従事者、医学生の教育や研修に携わる大学や病院などの機関である。 このレビューでわかることは何か? マインドフルネスに基づく心理的介入は、医学生や若手医師の精神的健康状態にどのような効果をもたらすか? このレビューにはどのような研究が含まれたか? 2021年10月までに発表された、医学生と若手医師を対象としたマインドフルネスに関する...
3 years 5 months ago
出血傾向がある、または出血性疾患のキャリアである女性における、出産後の母児のアウトカムに関する自然経腟分娩と帝王切開分娩の比較 レビューの論点 出血性疾患やそのキャリアである女性における、自然経腟分娩あるいは帝王切開分娩で出産した後の母児のアウトカムに関するエビデンスを調べた。これは、以前に公開されたレビューの更新版である。 背景 出血性疾患がある女性とそのキャリアの女性の最も安全な出産方法を検討し、それぞれの方法で出産時に母児に起こりうる問題を評価したいと考えた。 検索日 このレビューにおけるエビデンスは、2021年6月21日現在のものである。 主な結果 出血性疾患の女性における、最も安全な出産方法(自然経腟分娩と帝王切開との比較)や出産時に母児に起こりうる問題を検討した、ランダム化または準ランダム化比較試験は見つからなかった。出血性疾患の希少性や妊娠中に試験を行うことの難しさを考えると、将来的にもランダム化比較試験が行われる可能性は低いと思われる。そのため、臨床医は低レベルのエビデンスを用いて治療法を決定しなくてはならないだろう。 訳注: 《実施組織》 杉山伸子、小林絵里子 翻訳 [2022.02.16]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連...
3 years 5 months ago
急性痛風発作に対する非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の効果 急性痛風発作とは何か、NSAIDsとは何か? 痛風は、尿酸一ナトリウム結晶が関節の内部またはその周辺に沈着したために起こり、通常、自然に治癒する急性関節炎のエピソード(発作)として現れる。 NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は痛みと炎症を抑える薬だが、胃腸の潰瘍や出血のリスクを高める恐れがある。シクロオキシゲナーゼ(COX)‐2選択的阻害薬(COXIBs)はNSAIDsの一種だが、胃潰瘍を起こしにくい。 研究の特徴 本レビューは、2014年に初めて公表され、2020年8月28日に更新されたコクラン・レビューのアップデート版で、28件の試験(参加者3,406人)の結果を反映している。参加者の大半(69%から100%)は男性で、年齢は44~66歳、急性痛風発作の持続時間は48時間未満だった。 これら試験のうち、1件(参加者30人)はプラセボ(偽薬)とNSAIDを、13件(参加者518人)は1つのNSAIDと別のNSAIDを、6件(参加者1,244人)はNSAIDsとCOXIBsを、5件(参加者772人)はグルココルチコイドとNSAIDsを、1件(参加者225人)はインターロイキン‐1阻害薬とNSAIDsを、1件(参加者163人)は鍼治療と赤外線照射を併用した場合とNSAIDsを、そして1件(参加者399人)はコルヒ...