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Right tool, right job: deciding when to not use an AI tool

6 days 5 hours ago
From searching and screening to drafting text, artificial intelligence (AI) tools offer the promise of increased efficiency. But with promise comes responsibility. Ella Flemyng, Cochrane’s Head of Editorial Policy and Research Integrity, highlights what you need to consider when deciding whether to use an AI tool, and when you might decide not to.
Ella Flemyng, Cochrane’s Head of Editorial Policy and Research Integrity

Call for an author team to produce Cochrane review title "Over-the-counter medications for acute cough in children and adults"

1 week 4 days ago
We are looking for a new author team to update a key review on over-the-counter medicines for acute cough. The Cochrane review incorporates evidence from 1966 up to 2012 and a new search for recently published evidence is necessary. Take a look at the requirements, the support we can offer and information on how to register your interest.
Unknown

尿失禁の有無を問わず、骨盤臓器脱の女性にとって手術療法の利益とリスクは何か?

1 week 5 days ago
要点

- 骨盤臓器脱(POP)および腹圧性尿失禁(SUI)を持つ女性において、POP手術と同時に尿失禁手術を行うことで、術後のSUI改善率が向上する可能性が高い。尿失禁のない骨盤臓器脱の女性の場合、追加の尿失禁治療は必要ない可能性がある。

- 尿失禁のない骨盤臓器脱の女性において、手術後の腹式尿失禁(SUI)に対しては、経腟的メッシュ(訳注:人工の医療材料)修復術よりも、腟前壁の自家組織による修復術の方が優れている可能性がある。一方、手術から1年~7年後の診察時の骨盤臓器脱再発がより多くなる可能性がある。

骨盤臓器脱とは?

骨盤臓器脱は、特に出産後や閉経後の女性によくみられる状態である。これには子宮、膀胱、腸、腟などの骨盤臓器が、腟口の内側ないし外側に下がる(脱出する)状態が含まれる。しばしば、咳やスポーツなど運動時の尿漏れを併発する。これを「腹圧性尿失禁(SUI)」と呼ぶ。その一方、臓器脱が尿道を圧迫するために、腹圧性尿失禁が骨盤臓器脱の修復を受けるまで気づかれない場合がある。これを「潜在性」(隠れ)SUIと呼ぶ。腹圧性尿失禁が骨盤臓器脱の術後に初めて発症することもあり、「新規発症SUI」と呼ぶ。POPは女性のQOL(生活の質)に深刻な影響を及ぼしうる。臓器脱の程度や合併する排尿・排便の症状によって不快感が増大することが多い。

骨盤臓器脱はどう治療するか?

骨盤臓器脱の手術療法には経腟的、または腹腔鏡(「キーホール」手術)やロボット支援下といった経腹的な方法の選択肢がある。女性自身の結合組織を使用する(native tissue repair, 自家組織修復)ことも、結合組織の代替または補強のためにメッシュを使用することもできる。腹圧性尿失禁の手術を骨盤臓器脱の手術と同時に行うこともできる。治療には尿道を支えるメッシュスリング(中部尿道スリング)や骨盤から尿道両側の組織を引き上げる方法(バーチ手術)がある。

知りたかったこと

骨盤臓器脱の手術を受ける、尿失禁のある女性とない女性にとって、もっともよい治療を知りたかった。尿失禁手術の有無を問わず、骨盤臓器脱手術が術後の尿失禁を減少させるかに関心があった。また、骨盤臓器脱の再発、過活動膀胱症状(突然の尿意)、排尿機能障害(膀胱が上手く空にならないこと)、追加手術の必要性について調査した。

実施したこと

至適治療法を同定するために、研究を検索し、適切なデータを収集、要約、分析した。

わかったこと

尿失禁の有無にかかわらず、また同時尿失禁手術の有無にかかわらず、骨盤臓器脱の手術を受けた3095人の女性を対象とした22件の研究を同定した。

骨盤臓器脱と腹圧性尿失禁の女性に対する手術

骨盤臓器脱の手術中に中部尿道スリングを挿入すると、腹圧性尿失禁が減少する可能性(2研究、319女性)と追加の尿失禁手術を減少させる可能性(1研究、134女性)がある。尿失禁手術を骨盤臓器脱の術後3か月まで延期しても、同様の成功率が得られる。この状況では、尿失禁がないために追加の尿失禁手術を避ける女性がいるかもしれない。

経腹的子宮脱修復(仙骨腟固定術または仙骨子宮固定術)に経腹的尿失禁手術(バーチ手術)を追加することで、腹圧性尿失禁を改善されるかは不明である(1研究、47女性)。別の研究(113女性)はバーチ手術と中部尿道手術の仙骨腟固定術同時実施を術後2年の時点で比較しており、バーチ手術よりも中部尿道スリングの方が腹圧性尿失禁を減少させる可能性があった。

骨盤臓器脱に対する経腟的アーム付きメッシュ留置術と、腹圧性尿失禁に対する中部尿道スリングおよび経腟的native tissue repair(自家組織修復)の比較では、術後の腹圧性尿失禁やその他のアウトカムについて有意差を認めなかった。

骨盤臓器脱および潜在性尿失禁の女性を対象とした手術

中部尿道スリングを併用する経腟的骨盤臓器脱手術は、併用しない場合に比べて腹圧性尿失禁や追加手術率を減少させる可能性が高い(5研究、369女性)。しかし骨盤臓器脱の再発、過活動膀胱、新規発症の過活動膀胱や排尿障害についてはほとんどあるいは全く差がない可能性がある。

腹圧性尿失禁を伴わない骨盤臓器脱の女性を対象とした手術

経腟的骨盤臓器脱の手術に中部尿道スリングを併用する場合を併用しない場合と比べて、新規発症の腹圧性尿失禁には差を認めない可能性がある(1研究、220女性)。

経腹的仙骨腟固定術にバーチ手術を併用する場合と併用しない場合をくらべて、腹圧性尿失禁が改善するかどうかは不明である(2研究、364女性)。

3~7年のフォローアップ期間において、メッシュ手術に比べnative tissue repair(自家組織修復)の経腟的骨盤臓器脱手術は腹圧性尿失禁をわずかに減少させる可能性がある(3件、417女性)。一方、経腟的メッシュ留置は骨盤臓器脱の再発を減少させる可能性がある(3研究、458女性)。

エビデンスの限界

エビデンスの質は中等度から低であった。主な限界として、手術のアウトカム評価に手術の種類が盲検化されていない研究があること、関心を持ったアウトカム全てを網羅していないこと、ほとんどの研究で参加者が少ないことがある。

エビデンスの更新状況

エビデンスは2025年7月現在のものである。

Baessler K, Christmann-Schmid C, Haya N, Mowat A, Chen Z, Wallace SA, Yeung E, Maher C

新生児の敗血症(感染症に対する重篤な反応)や死亡を防ぐために臍帯(へその緒)断端に消毒薬を使うことで、どのような利益とリスクがあるか?

1 week 5 days ago
主なメッセージ
  • 新生児の臍帯断端に消毒薬のクロルヘキシジンを塗布することは、感染症のリスクを減少させる可能性が高く、低・中所得国においては死亡リスクも減少させる可能性がある。クロルヘキシジンは臍帯が脱落するまでの期間を1~2日間遅らせる可能性もある。

  • 他の消毒薬(アルコール、スルファジアジン銀、ポピドンなど)についてのエビデンスは限定的で不明確である。

  • 高所得国においては、臍帯を清潔で乾燥した状態に保つことに比べて、消毒薬を利用することの明確な利益はなかった。消毒薬は臍帯の脱落を遅らせる可能性がある。

なぜ臍帯のケアが重要なのか

赤ちゃんが生まれると臍帯は切断され、小さなへその緒が残り、これは通常5~15日ほどで乾燥して自然に脱落する。この期間のこの部位で、赤ちゃんの皮膚や周囲の環境由来の細菌が容易に繁殖する。臍帯断端には死んだ組織が含まれているため、そこに細菌が繁殖し、周囲の皮膚に感染( 臍炎 と呼ばれる)を引き起こすことがある。時により、これらの細菌が赤ちゃんの血流に入り込み、全身に及ぶ重篤な感染症( 敗血症 )を引き起こす可能性がある。これは、特に衛生環境や医療へのアクセスが限られている地域では、命に関わる恐れがある。

知りたかったこと

消毒薬(細菌の増殖を防ぐ物質)を臍帯断端に塗布することが以下のリスクを減少させるか:

  • 死亡

  • 臍帯感染

  • 臍帯が脱落するまでの期間の変化、これは看護者の関心やケアの方法に影響する可能性があるが、通常は害がない。

また、これらの影響が低所得国、中所得国、高所得国の間で異なるかを知りたかった。

実施したこと

クロルヘキシジン、70%アルコール、スルファジアジン銀、ポピドンヨードなどさまざまな消毒薬と、ドライケア(臍帯断端を清潔で乾燥した状態に保つこと)または同じ消毒薬を使用しないこととを比較したランダム化比較試験のエビデンスをレビューした。

これらの治療がどのように影響したかを評価した:

  • 新生児死亡(生後28日以内)

  • 臍帯断端の感染(臍炎)

  • 臍帯脱落までの期間

研究の質を評価し、類似した研究の結果をメタアナリシスで統合した。また、感染リスクは状況によって異なるため、低・中所得国の研究と高所得国の研究を別々に分析した。

わかったこと

本レビューでは2013年版から9件を加えて18件の研究を対象とした。これらの研究は低所得国と高所得国の両方で実施され、143,150人の新生児が対象となった。

低所得国と中所得国でクロルヘキシジンを使用した場合:

  • 新生児死亡を減少させる可能性がある(1000出生あたり18人から15人へ)が、この効果は不確実である;

  • 臍帯感染を減少させる可能性が高い(1000出生あたり87人から62人);

  • 臍帯脱落までの平均期間が約1.85日延長する可能性が高い。

高所得国でクロルヘキシジンを使用した場合:

  • 新生児死亡の予防については研究されていなかった;

  • エビデンスが非常に不確実であるために、臍帯感染を予防するか、臍帯脱落までの期間に影響するかは不明である。

低所得国と中所得国で70%アルコールを使用した場合:

  • 新生児死亡の予防については研究されていなかった;

  • エビデンスが非常に不確実であるために、アルコールが臍帯感染を予防するかは不明である;

  • エビデンスが非常に不確実であるために、アルコールが臍帯脱落までの期間に影響するかは不明である。

高所得国で70%アルコールを使用した場合:

  • 新生児死亡や臍帯感染の予防については研究されていなかった;

  • 臍帯脱落までの平均期間が約1.6日延長する可能性が高い。

エビデンスの限界
  • 低・中所得国における臍帯感染予防のためのクロルヘキシジン使用に関するエビデンスの確実性は中等度である。これは研究の参加者がどの治療を受けたか知っていたことと、それぞれの研究の設定が異なっていたことによる。クロルヘキシジンが新生児死亡を減少させることについての確実性は低い。これは研究によって結果がばらつくこと、その効果はわずかな有益性から明らかな差がない程度にとどまっていることによる。クロルヘキシジンが臍帯の脱落をわずかに遅らせることに関する確実性は中等度である。

  • 高所得国におけるクロルヘキシジンの使用に関するエビデンスは非常に低く、これは試験が小規模な1件のみであったことによる。

  • 低・中所得国におけるアルコールの使用に関するエビデンスの確実性は非常に低い。アルコールが臍帯感染あるいは臍帯脱落までの期間に影響を与えるかどうかは、研究の対象となった赤ちゃんがほとんどいなかったため、不明である。

  • 高所得国において、アルコールが臍帯脱落をわずかに遅らせることに関する確実性は中等度である。一方、アルコールが臍帯感染を予防するか、新生児死亡に影響するかについては、アウトカムが研究されていないため明らかでない。

このレビューの更新状況

このサマリーは2025年12月時点で入手可能なエビデンスに基づいており、2013年に実施された前回のレビューをアップデートしたものである。

Imdad A, Medina M, Cooper C, Bhutta ZA, supported by the Cochrane Neonatal Review Group

スポーツ団体が提供するプログラムは、健康的な行動を促進し、人々の健康を改善するか?

1 week 5 days ago
要点

• スポーツ団体のプログラムは、人々の身体活動量を少し増やす効果があるだろう。

• スポーツ団体のプログラムは、人々が動かない(座って過ごす)時間にほとんどまたは全く影響を与えないかもしれない。一方、人々が果物や野菜を食べる量は増えるかもしれない。

• スポーツ団体のプログラムの影響で、人々が糖分の多い飲料やアルコール飲料を飲む量あるいは喫煙習慣が変わるかについては、エビデンスが非常に不確実なため、明らかではない。

健康的な行動とは何か?また、なぜそれが重要なのか?

慢性疾患は、世界中で多くの人々がかかり、亡くなる主な原因となっている。健康的な食事や適度な運動などの健康的な生活習慣によって、慢性疾患のリスクを減らすことができる。スポーツ団体は多くの国で人気があり、健康的な行動を促進したり、健康状態を改善したりするための効果的な手段となり得る。

知りたかったこと

スポーツ団体で行われているプログラムが、健康的な行動の促進や人々の健康増進に効果的かどうかを知りたかった。スポーツ団体の選手やその他のメンバー、コーチ、サポーター、小・中・高校生または大学生、選手の親その他を対象としたプログラムを調べることにした。

実施したこと

無作為に2つ以上のグループ、つまり健康増進プログラム群とそのプログラムに参加しなかった群(「対照」群)に割り当てられた人々を対象に、健康に関係する評価項目を比較した研究を検索した。対象とする研究の選定条件は、健康的な行動(身体活動や健康的な食事など)の促進、不健康な行動(飲酒や喫煙など)の抑制、あるいは体重や血圧、健康に関する知識などの評価項目の改善を目的としたプログラムを評価していることとした。

わかったこと

合計8,179人を対象とする20件の研究を特定した。ほとんどの研究は、スポーツ団体の成人会員やサポーターを対象としており、フットボール・クラブ(例:サッカー、アメリカン・フットボール、オーストラリア・フットボール・リーグ)で行われたものだった。14件の研究が、1つ以上の健康的または不健康な行動を対象とするプログラムを評価していた。20件の研究はすべて高所得国で行われていた。半数強(11件)の研究は男性だけを対象とし、1件の研究が女性だけを対象としていた。

主な結果

対照群の人々と比べて、スポーツ団体のプログラムに参加または関与した人々は、

• 身体活動量が、おそらく1日あたり7.4分相当増加した。
• 動かずに(座ったまま)過ごす時間は減らなかった可能性がある。
• より多くの果物や野菜を食べたかもしれない。

しかし、スポーツ団体のプログラムが、糖分の多い飲料やアルコールを飲む量、あるいは喫煙に影響したかは定かではない。

スポーツ団体のプログラムが、参加者に対して望ましくない、有害な影響を与えたかどうかについても、定かではない。予期せぬ悪影響に関する情報を報告したごく少数の研究では、結果はまちまちであった。

エビデンスの限界

このエビデンスに対する信頼度は、中程度から極めて低いものまであった。今後得られるエビデンスによって、結論が変わる可能性がある。信頼度を下げた主な要因は4つある。まず、一部の研究は特定の集団に焦点を当てていたが、このレビューで知りたかった問題はより広いものであった。例えば、主な評価項目(身体活動の増減や、果物、野菜、糖分の多い飲料の摂取状況など)に関するエビデンスの大部分は、過体重や肥満といった健康上のリスク要因を持つ男性や、サッカー等の男性サポーターを対象とした研究に基づいている。第二に、一部の研究では、被験者は自分がプログラムに参加しているかどうかを知っていた。他の研究では、被験者がプログラムへの参加を知っていたかどうかが明確に報告されていなかった。第三に、一部の評価項目については、研究間で結果に大きなばらつきが見られた。最後に、いくつかの研究は規模がかなり小さかった。

エビデンスはいつのものか?

エビデンスは、2024年5月までのものである。

Hodder RK, O'Brien KM, Al-Gobari M, Flatz A, Borchard A, Klerings I, Clinton-McHarg T, Kingsland M, von Elm E

蘇生訓練は赤ちゃんの生存率を向上し、健康上のアウトカムを改善するか?

1 week 5 days ago
要点
  • 新生児蘇生訓練(NRT)のプログラムは生後28日以内、特に最初の24時間以内と7日以内の新生児死亡を減少させる可能性がある。

  • 新生児蘇生訓練が、蘇生を受けた赤ちゃんの脳障害や長期的な発達の問題を減少させるかを明らかにするには、さらなる研究が必要である。

出産時の蘇生訓練の重要性

新生児は、出生時に蘇生(呼吸や心拍がない、あるいは不十分な場合に施される応急処置)を必要とする場合がある。正期産児の約10人に1人が呼吸を開始するために簡単な処置、皮膚の乾燥や刺激を必要とする。約20人に1人が呼吸の補助を含むさらなる支援を必要とする。さらに少数の新生児は、気管挿管、胸骨圧迫、緊急投薬といったさらなる集中的な処置を必要とする。赤ちゃんの健康状態によって、蘇生への反応の良しあしが影響される。例えば、早産で生まれた赤ちゃんは出産時に呼吸の補助やその他の救命処置など、医療的な助けが必要な可能性がより高くなる。

医師、助産師、看護師その他の医療従事者を対象とした新生児蘇生訓練プログラムにはさまざまなものがある。こうした訓練プログラムが新生児死亡を減少させたり、低酸素による脳障害や長期的な発達の問題を予防したりするかはまだ研究されていない。2015年のレビューでは、訓練後に新生児死亡が減少することがわかったが、脳障害や長期的な発達の問題に着目した研究はなかった。今回の更新では、新生児死亡率の低下を支持する新たな研究があるか、また脳障害や長期的な発達の問題について報告した研究があるかを知りたかった。

知りたかったこと

新生児蘇生訓練プログラムが生後24時間、生後7日間、生後8~28日間を含む28日以内の新生児死亡を低下させるか、脳障害や長期的な発達の問題の可能性を低下させるかについて明らかにしたかった。

実施したこと

医師、助産師、看護師ほか出産に関わる医療従事者向けの蘇生訓練に関する研究を検索した。新生児死亡およびまたは脳障害や発達上の問題について報告している研究を対象とした。新生児蘇生訓練プログラムと、訓練を行わないかごく基本の訓練のみを行う場合を比較した研究を検討した。また、新生児蘇生訓練プログラムのみを実施した場合と、リフレッシャー訓練(復習を目的とした訓練)などの追加要素を組み合わせた新生児蘇生訓練プログラムとを比較した研究についても検討した。

研究結果を比較して要約し、研究方法や規模などの要素から、エビデンスの信頼性を評価した。

わかったこと

本レビューでは27件の研究(新生児528,366名)を対象としたが、個々の結果に寄与したのはそのうち1~4件の研究のみであった。

  • 資源の乏しい地域で行われた研究のエビデンスによると、訓練を受けない場合と比較して、新生児蘇生訓練は生後24時間および7日間の新生児死亡を低下させる可能性が高い。

  • 資源の乏しい地域で行われた研究のエビデンスによると、ごく基本的な訓練と比較して、新生児蘇生訓練は生後28日間の新生児死亡を減らす可能性があり、生後24時間および7日間の新生児死亡を低下させる可能性が高い。ごく基本的な訓練と比較して、新生児蘇生訓練は生後8~28日間の新生児死亡を低下させない可能性がある。

  • リフレッシャー訓練を伴う新生児蘇生訓練が、生後28日間の新生児死亡に影響を与えるかどうかはエビデンスが不確実である。

  • 蘇生を受けた赤ちゃんについて、新生児蘇生訓練が脳障害や長期的な発達の問題を減少させるかどうかを調べた研究はなかった。

エビデンスの限界

エビデンスの質は中等度から非常に低かった。対象者や介入の方法が異なっていたため、エビデンスの信頼性は限定的である。また、それぞれの結果に対して対象者が少なく、研究の参加者が治療の方法について知っており、フォローアップの途中で脱落者がいた。多くの研究は資源の乏しい環境で行われているため、その結果は先進国のように資源が豊富な環境には当てはまらない可能性がある。

このレビューの更新状況

このレビューは、前回のレビューを更新したものである。エビデンスは、2025年6月現在のものである。

Dempsey E, Joyce R, Neveln N, Fiander M, Barrington KJ, Pammi M, supported by the Cochrane Neonatal Group

子宮内膜を傷つけることは体外受精を受ける女性のアウトカムを改善させるか?

1 week 5 days ago
要点
  • 子宮内膜に傷をつけることが、体外受精により児を得ることに影響するかどうかは明らかでない。現在のエビデンスは、効果がないあるいはわずかに可能性を高めると示している。

  • 同様に、子宮内膜に傷をつけることが体外受精による妊娠の可能性に影響するかどうかは明らかでない。現在のエビデンスは、体外受精による妊娠の可能性を高める、影響しない、低くするのいずれもありうると示している。

  • 子宮内膜の損傷は、体外受精後の流産のリスクには影響しない可能性がある。

  • 損傷が1回か2回かによって、生児の出産、妊娠の成立、または流産に影響するか否かは明らかでない。

体外受精(IVF)とは?

体外受精とは、妊娠が難しいカップルを対象とした不妊治療である。体外受精では、女性から卵子を採取し、培養室で精子と受精させて胚を作る。胚は、着床することを期待して子宮に移植される。着床とは、胚が子宮内膜の中に入りこむことで、これが妊娠成立の第一歩となる。

子宮内膜損傷とは何か?

子宮内膜の損傷は、体外受精(IVF)周期前に実施できる任意の処置である。この処置では、細いプラスチック製のチューブを子宮内に挿入し、子宮内膜に小さな傷(「スクラッチ」と呼ばれる)を作る。この処置を胚移植の前に実施することで、着床の可能性が高まることが示唆されている。

知りたかったこと

体外受精・胚移植を受ける女性が子宮内膜損傷(またはスクラッチ)を受けることが、処置を受けない場合や偽の処置と比較して、安全かつ有効かを明らかにしたかった。

実施したこと

子宮内膜損傷が、処置を行わない場合や偽処置と比較して、生児の出産や妊娠といった体外受精の主要なアウトカムに及ぼす影響を調査した研究を検索した。流産、多胎妊娠、痛み、出血など、望ましくない影響が生じるかどうかを検討した。

また、1か所の損傷と2か所の損傷を比較した研究も対象に含めた。

本研究では、質の高い研究(ランダム化比較試験)のみを対象とした。十分に類似したすべての対象研究の結果を統合し、子宮内膜の損傷が各アウトカムに及ぼす影響を検討した。研究結果をまとめ、研究方法や規模などの要素に基づいて、エビデンスの信頼性を評価した。

わかったこと

24件の研究(女性7,234名)を対象とした。これらの研究はそれぞれ非常に異なっており、対象となった女性の集団や、使用した医療器具、体外受精の周期に対する処置のタイミングなど処置についてもさまざまであった。多くの研究は質が低かったため、結果の信頼性は低い。したがって、主要な分析には質の高い研究のみを用いた。24件の研究のうち、主要な分析に含めたのは8件(女性4,402名)のみであった。

子宮内膜の損傷が体外受精による出産の可能性に影響を与えるかどうかは明らかではない。体外受精で赤ちゃんを授かる確率が通常約27%だとすると、体外受精の前に子宮内膜を傷つけた場合の赤ちゃんを授かる確率は、27%~32%になる。同様に、妊娠についてもエビデンスは明らかでなかった。体外受精で妊娠する確率を約32%とすると、体外受精の前に子宮内膜を傷つけた場合の妊娠の確率は31%~37%になる。子宮内膜の損傷は、体外受精による流産には影響を与えない可能性がある。

子宮内膜を傷つける処置では、軽度から中程度の痛みがあり、腟からの出血が少量認められるが、長くは続かない。

2件の研究(女性40名)が1回の損傷と2回の損傷について影響を比較していた。潜在的なバイアスの懸念、研究規模の小ささ、および特異的な女性にのみ焦点をあてていることから、このエビデンスにはほとんど信頼性がない。したがって、体外受精前の処置が1回である場合と2回である場合を比較して、体外受精による出産の可能性、妊娠成立、流産に影響があるかは不明である。

エビデンスの限界は何か?

対象とした多くの研究において、参加者と研究スタッフは参加者がどちらの群に割り当てられたか知っていた。また、適切に登録されていない研究が含まれており、どんなアウトカムを報告するかについてのバイアスがあった懸念が生じた。不自然な被験者募集率や、それぞれのアウトカムに対する一貫性のない結果報告など、潜在的なバイアスの兆候を示す研究もあった。

このような問題がない研究に限定して主要な分析を行った。研究の質を問わず全ての研究を対象とした分析を行ったところ、子宮内膜の損傷が妊娠と生児の出産の可能性を高める可能性が示唆された。しかし、これらの研究にはバイアスが生じている可能性があるため、この結果に対する信頼性が低い。

エビデンスの更新状況

本レビューは2021年のコクランレビューの更新版である。本エビデンスは2025年12月現在のものである。

Perera AK, Gan J, Afroz A, Armstrong S, Raine-Fenning N, Martins WP, Lensen SF

針を使う処置の際、新生児に砂糖水を与えることで痛みを軽減できるか

1 week 5 days ago
要点
  • 針を使う処置を受ける際、ショ糖(砂糖水)を与えられた新生児は、何も与えられなかった場合や通常のあやす手段をとられた場合に比べて処置中や直後の痛みが和らぐ可能性が高い。

  • ショ糖はおしゃぶりよりも痛みを和らげる効果があるようだ。肌と肌の触れ合いによるケア(スキン・トゥ・スキンケア)と比較した場合のショ糖の効果について、良質なエビデンスは得られていない。

  • 吐き気や無呼吸(一時的な呼吸停止)などの有害な副作用について報告された研究はなかった。

ショ糖鎮痛とは?

ショ糖とは砂糖のことである。水に溶かして、ごく少量を新生児の鎮痛のために使用することができる。採血や治療のために静脈に針を刺す約2分前およびまたは直前に、赤ちゃんの舌にショ糖を垂らす。

入院中の新生児における痛みの緩和の重要性

入院中の早産児や正期産児は投薬や診断のため、多くの痛みを伴う処置を受ける。痛みは新生児にさまざまな影響を及ぼす。これは身体の発育不良や脳の発達に影響しうる。したがって、赤ちゃんが成長する過程で健康を守るためには、痛みをできるだけ軽減することが重要である。

何を明らかにしたかったのか?

新生児における針を使う処置の間および直後の痛みを和らげるために、ショ糖がどの程度有効か調べたかった。ショ糖が、おしゃぶり、母乳、母親や父親の肌に密着して抱かれること(スキン・トゥ・スキンケア)といった他の鎮痛手段に比べてどのような効果があるか知りたかった。また、ショ糖に有害な影響があるか調べたかった。

何を行ったのか?

ショ糖の鎮痛効果を、母乳、おしゃぶり、抱っこなど他の方法と比較して検討した研究を検索した。結果を要約し、治療された乳児の数や研究方法の質などの要因に基づいて、エビデンスに対する信頼性を評価した。

わかったこと

2764人の新生児を対象とした29件の研究を同定した。これらの研究では、異なる用量と投与方法でショ糖が使用されていた。これらの研究は世界的に実施された。多くはアジアで、そのほかヨーロッパ、北米、南米で行われた。全ての研究がランダム化比較試験であり、乳児は2つ以上の治療群にランダムに割り付けられた。これは、研究グループが類似していることを確実にし、誰がどのグループに属しているかを治験責任医師と両親が知らないようにする最善の方法である。いずれの研究も製薬業界からの支援を受けていなかった。

主な結果
  • ショ糖は、鎮痛措置を施さない場合(水などを与える場合)と比較して、注射針の挿入中および直後(30秒から1分間)の乳児の痛みを軽減する可能性が高い。

  • 処置中の痛みに関しては、ショ糖はスキン・トゥ・スキンケアと比べて、ほとんど、あるいは全く差がない可能性がある。

  • 授乳に比べ、ショ糖は針を刺す際の痛みを和らげる可能性が高い。

  • ショ糖(おしゃぶりと併用)は、おしゃぶりのみの場合と比較して、針の挿入中および直後(30秒から2分間)の痛みを軽減する可能性が高い。

対象とした比較項目について、有害な影響を報告した研究はなかった。

エビデンスの限界は何か?

ショ糖群と非介入群または水群の比較

介入を行わない場合と比較して、ショ糖が痛みを軽減する可能性が高いことについて、確実性は中等度である。一方、研究に参加した人々が、赤ちゃんが受けた治療の種類に気づいていた可能性があり、また研究の対象となった赤ちゃんの数は少なかった。

ショ糖とスキン・トゥ・スキンケアの比較

2つの研究で報告された結果が大きく異なっていたため、ショ糖がスキン・トゥ・スキンケアよりも痛みを軽減することについては確実でない。この知見が、今後の研究によって変わる可能性は高い。

ショ糖と母乳の比較

ショ糖は母乳よりも痛みを軽減する可能性について、確実性は中等度である。しかし、この研究では、その実施方法の詳細が明確に報告されていなかった。

ショ糖とおしゃぶりの比較

おしゃぶりとショ糖を併用した方が、おしゃぶりだけの場合よりも痛みを軽減する可能性について、確実性は中等度である。各研究では、ショ糖の投与方法(投与量、投与方法、おしゃぶりを併用するか否かなど)が異なっていた。

エビデンスはいつのものか?

エビデンスは2024年7月現在のものである。

Bueno M, Candido L, Hu J, Fiander M, Cracknell J, Xu E, Kang J, Yamada J, Supported by the Cochrane Neonatal Group

黄疸のある新生児に対して、より高用量の光線療法を行うことは有効か

1 week 5 days ago
要点
  • 黄疸のある新生児に対して:

    • 高用量と低用量の光線療法のどちらが、退院前の新生児の脳損傷、脳性まひ、死亡を減少させるのかは不明である。

    • 高用量と低用量の光線療法を比較すると、治療開始後12~48時間時点のビリルビン値をわずかに低下させる可能性がある。

  • 乳児の健康状態を改善するための最適な光線療法の用量を決定するには、異なる用量の光線療法について検討する、より大規模で良質な研究が必要である。

新生児黄疸とは

黄疸(皮膚と眼球の黄染)は新生児にもっともよく見られる症状である。これは血液中のビリルビン(黄色がかった色素)によって引き起こされる。ビリルビンは体内で古い赤血球が自然に分解される過程で産生される。ビリルビンの量が、赤ちゃんが尿や便で排出する能力を上回ると、体内に蓄積される。

光線療法とは

光線療法は新生児黄疸の主な治療である。光線療法の装置からの光は、日光と同じように皮膚から吸収される。光線療法はビリルビンを、赤ちゃんが尿や便から輩出できる害の少ない物質に変える特殊な光を使用している。光線療法は異なる用量で行うことができる。用量について、光の強度、使用する装置、光と赤ちゃんの肌の距離を定義した。

黄疸治療の重要性

黄疸は脳の発達や機能に問題を引き起こす可能性がある。例えば脳症(損傷や脳に影響する病気)は、筋肉の制御に影響を及ぼす運動障害である脳性まひの原因となる、恒久的な脳損傷の一種である核黄疸を引き起こす。黄疸による重篤な脳損傷は死亡の原因にもなり得る。

知りたかったこと

新生児に対して高用量の光線療法を行うことで、ビリルビンの減少が速まり、脳損傷や障害に起因する長期的な問題や死亡のリスクが低下するかを調べたかった。

実施したこと

異なる用量の光線療法を比較した研究を検索し、用量の違いによって効果に違いがあるかを調べた。異なる装置、異なる光の強度、異なる赤ちゃんの皮膚と光線の距離について比較した。研究結果をまとめ、研究方法や規模および研究間の整合性などの要素に基づいて、エビデンスの信頼性を評価した。

わかったこと

光線療法による治療を受けた黄疸の新生児6,927人を対象とした41件の研究を同定した。これらの研究における光線療法は16時間から60時間続いた。

主な結果

黄疸の乳児において:

  • 高用量と低用量の光線療法のどちらが、脳症や脳性まひの発生を減少させるかは不明である。

  • 高用量と低用量の光線療法の比較:

    • 入院中の死亡率にはほとんど、あるいは全く差を認めない可能性がある;

    • 治療後24時間または48時間のビリルビン値はわずかに減少する可能性がある;

    • 治療後72時間のビリルビン値の低下にはほとんど、あるいは全く影響を認めない可能性があるが、これらの結果については非常に不確実である。

核黄疸の発生を報告した研究はなかった。

エビデンスの限界

エビデンスの信頼性を低下させた主な要因は3つある。まず、研究の約3分の1において、対象者が各治療群へ厳密に無作為に割り付けられていないようであった。つまり、グループ間の違いは、治療法の違いではなく、対象者の違いによるものである可能性があるということである。つぎに、ビリルビン値についての結果は、このアウトカムを報告している研究間で大きく異なっており、詳細な評価を行った後もその理由を完全には解明できていない。第三に、脳性まひや死亡のアウトカムについての研究や対象者はほとんどなかった。こうした理由から、光線療法の用量がどのように有効であったかについて、確たる結論を出すことはできない。

エビデンスの更新状況

2025年6月9日時点におけるエビデンスである。

Lai NM, Ahmad Kamar A, Lee SWH, Ng KT, Fiander M, Cracknell J, Choo YM, Supported by the Cochrane Neonatal Group

入院中で栄養失調またはそのリスクがある高齢者に対して行うさまざまなタイプの栄養補給の利益とリスク

1 week 5 days ago
要点
  • 特別な食事と飲み物を提供すると、標準的な病院のケアと比べて、入院から1ヵ月後に患者が死亡したり、重大な健康上の問題が生じたりする可能性が低くなるかもしれない。

  • 患者の基本的な日常の活動を行う能力、生活の質 (QOL)、入院期間、体重の面では、さまざまなタイプの栄養補給の利益とリスクは非常に不確かであるか、標準的な病院のケアと比べてほとんどまたはまったく差がない可能性を示すエビデンスがある。

  • より規模が大きく、さまざまなタイプの栄養補給を比較するためによくデザインされた研究によって、これらの結果に対する信頼性が高まるかもしれない。

栄養失調とは?

人は、エネルギーとタンパク質の摂取量がその身体に見合った必要量に満たないと、栄養失調になる。この状態では貯蔵された脂肪と筋肉が減少しかねない。栄養失調になると、人の健康はおびやかされ、免疫系が感染症と闘う能力は低下する。栄養失調の高齢者は、そうでない高齢者と比べて、合併症を引き起こしたり、自立性を失ったり、死亡したりするリスクが高い。また、生活の質 (QOL)も低い。

高齢者が栄養失調となったり、そのリスクに晒される原因は複数あるが、これには食欲減退、咀嚼の問題、身体的制限(たとえば、食事を用意するために長時間立っていられないこと)、孤独などが含まれる。

入院中の高齢者は特に栄養失調になりやすい。病気ゆえにより多くのエネルギーとタンパク質を必要としているのに、十分に食べていない可能性がある。栄養失調は、入院中の高齢者のおよそ3分の1から3分の2程度に起こる。

栄養失調に対してどのような治療が行われるか?

栄養失調に対してはさまざまな治療があり、タンパク質その他の栄養素を補給する特別な食事と飲み物の提供、食事摂取や水分摂取の実際的な介助、間食を増やすこと、タンパク質強化食品やサプリメントの利用、栄養指導、または必要に応じてこれらの方法の組合せることなどがある。

知りたかったこと

入院中で栄養失調またはそのリスクがある高齢者にさまざまなタイプの栄養補給を行うと、標準的なケアよりも以下の点で優れているか知りたかった。

  • 死亡リスクや重大な健康上の問題(感染症など合併症やけがの治癒の遅れ)の低減

  • 基本的な日常の活動を行う能力と生活の質 (QOL)の向上

  • 入院期間の短縮

  • 体重と筋肉量の増加

また、どのタイプの栄養補給が最も有効か知りたかった。

実施したこと

入院中で栄養失調またはそのリスクがある65歳以上の人を対象に行われた研究を探した。1つのタイプの栄養補給を別のタイプと比較した研究、または栄養補給と標準的な病院のケア(つまり通常の病院食)と比較した研究、場合によっては、試験するサプリメントと同一に見える「偽治療薬」を組み合わせた研究を含めた。 すべての治療を要約・比較し、研究方法や参加者数などの要因に基づいて、結果に対する信頼性を評価した。

わかったこと

さまざまな急性疾患で入院した高齢者3,309人が参加した21件の研究があった。これらの人々が受けた治療を5つのカテゴリーに分類した。

  • 特別な食事と飲み物

  • タンパク質を多く含む食品またはサプリメント

  • エネルギー補給用サプリメント

  • 患者の必要に応じた、介護者による食事摂取支援(たとえば、食べ物の好みに配慮したり、食べやすいよう体位を調整したり、食ベる際に介助したりする)。

  • 患者の必要に応じた、栄養士または食事療法士による複合的栄養管理(たとえば、食材を変更したり、カウンセリングを行ったりする)

主な結果

標準的な病院のケアと比べて、特別な食事と飲み物を提供すると、入院から一ヵ月後の、

  • 死亡リスクが低下:1,000人あたりの死亡数は57人減る可能性がある。

  • 重い健康上の問題が減少:1,000人あたりの事例数が84件減る可能性がある。

下記の面では、標準的な病院の看護と比べて、特別な食事と飲み物、タンパク質を多く含む食品またはサプリメント、エネルギー補給用サプリメント、患者の必要に応じた食事摂取支援、患者の必要に応じた複合的栄養管理がもたらす効果は極めて不確かであるか、ほとんどまたはまったく違いがない可能性がある。

  • 基本的な日常の活動を行う能力

  • 生活の質 (QOL)

  • 入院期間

  • 体重と筋肉量

さまざまなタイプの栄養補給をそれぞれ比較したところ、本レビューで測定した項目について、他のすべてに優る結果を得られるような方法は見られなかった。

エビデンスの限界

いくつかの理由から、結果の信頼性は低いまたは非常に低い。一部の研究が採用した方法は、誤った結果につながりうるものだった。参加者が少なすぎるか、本レビューで関心のある要素のすべて(たとえば、評価項目としての筋肉量や、さまざまなタイプの栄養補給どうしの比較など)を調べていない研究が多かった。また、入院中の高齢者はそれぞれの抱える病気や機能的能力が異なるため、さまざまなタイプの栄養補給がさまざまな人々にどのように影響するか評価できなかった。

エビデンスはいつのものか?

エビデンスは2024年7月2日現在のものである。

Kiesswetter E, Schwarzer G, Stadelmaier J, Lohner S, Grummich K, Dagnelie PC, Beck AM, Beelen J, Botella-Carretero JI, Faxén-Irving G, Hickson M, Iff S, Johansen A, Sharma Y, Sorensen JM, Kaegi-Braun N, Wunderle C, Bongaerts B, Meerpohl JJ, Norman K,…

脳内の異常タンパク質の蓄積を抑える薬(抗アミロイドモノクローナル抗体)は、アルツハイマー病による軽度認知障害や軽度認知症のある人にとって有効な治療法なのか。また、副作用はあるか?

1 week 5 days ago
要点
  • 抗アミロイドモノクローナル抗体は、実験室で製造される医薬品である。脳内に蓄積して潜在的に有害なアミロイドタンパク質を標的として、脳から除去する。アルツハイマー病による軽度の記憶や思考の問題(軽度認知障害(MCI))や軽度認知症がある人において、この抗アミロイドモノクローナル抗体は、治療開始から18か月後において、プラセボ (偽薬治療)と比較して、記憶機能や思考能力の低下、あるいは認知症症状の重症度には、ほとんど、あるいは全く差をもたらさないと考えられる。

  • 抗アミロイドモノクローナル抗体は、プラセボよりも脳の腫脹や微小出血を引き起こす可能性が高い。プラセボと比較して、その他の重篤な副作用や死亡のリスクを高めることはない。

  • 脳からアミロイドタンパク質を除去することに成功しても、アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)や軽度認知症がある人において、臨床的に意義のある改善にはつながらないようだ。アルツハイマー病の病態修飾療法(訳注:疾患の原因に直接作用して、疾患の進行を抑制する治療)に関する今後の研究は、他の治療法に焦点を当てるべきである。

アルツハイマー病とは何か?

アルツハイマー病では、タンパク質(アミロイド斑と呼ばれる)が蓄積することで、脳細胞が死滅する。アルツハイマー病は、人の記憶力や思考能力に影響を及ぼす。症状は通常、最初は軽度で、日常生活に支障をきたすことはない。これは「軽度認知障害」(MCI)と呼ばれる。時間が経つにつれて、軽度の認知症へと進行することがあり、その場合は記憶力や思考力の低下が深刻化し、日常生活に支障をきたすようになる。軽度認知障害(MCI)の患者の約15%は、2年以内にアルツハイマー病による認知症を発症する。これは高齢者において最も一般的な認知症の一種である。

抗アミロイドモノクローナル抗体とは何か?

抗体は、病気に対する防御として体内で作られる。また、治療用として実験室で製造することも可能である。抗アミロイド抗体は、アルツハイマー病の原因となるアミロイド斑を形成するアミロイドタンパク質を標的とし、脳からそれらを除去するように設計されている。これらはアミロイドタンパク質のみに作用するため、「モノクローナル」と呼ばれる。脳からアミロイドタンパク質を取り除くことで、アルツハイマー病の進行を遅らせることができるかもしれない。

知りたかったこと

抗アミロイドモノクローナル抗体が、アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)や軽度認知症がある人にとって有効な治療法となるかどうかを調べたかった。抗アミロイドモノクローナル抗体が、以下の項目の進行を遅らせたかどうかを評価した:

  • 記憶力や思考力の低下;

  • 日常生活を送る能力の低下;および

  • 認知症の症状の悪化。

また、抗アミロイドモノクローナル抗体が何らかの副作用を引き起こすかどうかについても知りたかった。

行ったこと

アルツハイマー病に起因する軽度認知障害(MCI)または軽度認知症がある人を対象に、1種類以上の抗アミロイドモノクローナル抗体をプラセボ(薬物を一切含まないが、試験薬と外観が同一で、投与方法も同様である偽薬)と比較した研究を検索した。

研究結果を要約し、研究規模や方法論などの要素を考慮して、エビデンスに対する信頼度を評価した。

わかったこと

さまざまな国で実施され、20,342人が参加した17件の研究を特定した。各研究における平均年齢は70歳から74歳であった。すべての研究は、抗アミロイドモノクローナル抗体を製造する企業から資金提供を受けていた。

主な結果

18か月の治療後、抗アミロイドモノクローナル抗体は:

  • 認知症の症状の重症度には、ほとんど、あるいは全く影響を与えない可能性がある(9件の研究、8,053人);

  • 記憶力や思考力の低下(13件の研究、9,895人)や、日常生活を送る能力(3件の研究、3,478人)に対しては、おそらくほとんど、あるいは全く効果がないと考えられる;

  • 買い物、家計の管理、服薬、交通機関の利用といった、より複雑な日常の活動において、わずかな改善をもたらす可能性がある(1件の研究、1,252人);

  • おそらく脳浮腫の発生率をわずかに上昇させるだろう。モノクローナル抗体を使用した1,000人につき119人が脳浮腫を発症したのに対し、プラセボを使用した1,000人ではわずか12人が脳浮腫を発症した(11件の研究、13,595人);

  • 脳内の微小出血をわずかに増加させる可能性がある(3件の研究、4,308人);

  • それぞれの研究で著者が定義したその他の重篤な有害事象の発生率を増加させない(9件の研究、11,904人);

  • いかなる原因による死亡率も増加させない(7件の研究、9,733人)。

エビデンスの限界

いくつかの理由から、エビデンスへの確実性は限定される。まず、モノクローナル抗体を投与された患者は、プラセボを投与された患者に比べて、脳の浮腫や微小出血がより多く見られた。しかし、ほとんどの研究では、脳浮腫や微小出血による症状がある人と、画像検査でしかこれらの所見が確認されなかった人を区別していなかった。こうした報告の不備により、患者は潜在的な副作用の深刻さを理解するために必要な情報を得ることができなくなっている。第二に、結果は、実施期間がそれほど長くなかった研究に基づくものである。これは、薬の長期的な効果や副作用について知りたいアルツハイマー病患者にとって、重要なエビデンスの限界である。

現在進行中の研究を6件見つけた。新たな結果が明らかになるにつれて、このレビューの結論は変わる可能性がある。

エビデンスの更新状況

エビデンスは2025年8月7日現在のものである。

Nonino F, Minozzi S, Sambati L, Del Giovane C, Baldin E, Bassi MC, De Santis C, Gonzalez-Lorenzo M, Vignatelli L, Filippini G, Richard E

ニコチン吸引を止めるための治療の効果は?

1 week 5 days ago
要点
  • テキストメッセージを使った介入は、何もしない、あるいは最小限の支援しかしない場合に比べ、より多くの若者がベイプをやめるのに役立つ可能性がある。

  • バレニクリンは、プラセボ(偽の治療薬)と比較して、より多くの人がベイプを止めるのに役立つ可能性がある。

  • これらや他の介入が、人々がベイプをやめるのを助けることができるかどうか、それらの潜在的な害、そしてそれらがタバコを吸う人の数に影響を与えるかどうかについてのより多くの情報が必要である。

ニコチン入りベイプとは?

ベイプ(電子タバコまたはe-シガレットとも呼ばれる)は、通常ニコチンや香料を含む液体を加熱する携帯機器である。液体は、使い捨てまたは詰め替え可能なカートリッジ、リザーバー、または「ポッド」に保存される。ベイプは、煙ではなく蒸気としてニコチンを吸入することができる。ベイプはタバコを燃やさないため、タバコよりも有害物質にさらされる量が少ない。しかし、ベイプはベイプをしない場合よりも害を及ぼす可能性が高い。禁煙のためにニコチン・ベイプを使う人もいるが、ニコチン・ベイプを使う人の中には喫煙経験のない人もいる。ニコチン入りベイプの使用をやめたいと思っても、ニコチンには中毒性があるため、なかなかやめられない人もいるだろう。

どのような介入が、人々がベイプを止めるのに役立つだろうか?

ニコチン置換療法(NRT:ガムやパッチなど)、バレニクリン、ブプロピオン、シチシンなど、禁煙を助ける薬も、ベイプをやめるために使われる可能性がある。ベイプをやめるための行動的介入としては、カウンセリング、テキストメッセージ、ベイプ削減プログラム、印刷物などが考えられる。

知りたかったこと

ニコチン入りのベイプを止める最善の方法に関するガイダンスは限られている。どのようなツールがテストされ、人々がベイプを止めるのに役立つかどうかを知りたかった。また、これらの介入がタバコを吸う人を増やすかどうかなど、潜在的な害についても調べた。

実施したこと

ニコチン入りベイプを使用している人がベイプをやめることを支援するためにデザインされた介入を検討した研究を検索した。結果を比較・要約し、研究方法と規模に基づいてエビデンスの信頼性を評価した。

以下の評価を行った:

  • 研究開始から少なくとも6か月後に、何人がベイプを止めたか;

  • 研究開始後少なくとも6か月間におけるタバコ喫煙の変化;

  • 治療開始から少なくとも1週間後に、治療による好ましくない影響を経験した人の数。

わかったこと

ニコチンベイプを使用した5,800人を含む15の件の研究を発見した。14件の研究が米国で、1件の研究がイタリアで行われた。ベイプを止めるために行われた治療は以下の通りである:

  • 2種類のNRTを併用する(コンビネーションNRT);

  • 異なる用量のNRT;

  • シチシン(禁煙補助薬);

  • バレニクリン(禁煙補助薬);

  • ベイプに含まれるニコチンを減らし、ベイプの量を減らすための計画;

  • アプリの有無にかかわらず、テキストメッセージ;

  • メディア・リテラシーeラーニング;

  • 経済的インセンティブ。

主な結果

テキストメッセージによる支援は、支援なし/最小限の支援に比べ、より多くの若者(13~24歳)がベイプをやめるのに役立つ可能性がある。バレニクリンはベイプをやめる助けにもなる。他の介入がベイプを止めるのに役立つかどうかについては、十分な情報がなかった。

重篤な副作用を報告した研究はほとんどなかったが、治療の潜在的有害性について結論を出すには十分な情報がなかった。2件の研究では、介入(NRTの併用;テキストメッセージ)が6か月後にタバコを吸う人の数に影響を与えたかどうかを調べた;エビデンスは、これらの介入が喫煙に影響を与えなかったことを示唆しているが、結果については非常に不確かである。

エビデンスの限界

テキストメッセージによる介入を受けた若者は、何もしない、あるいは最小限の支援を受けた場合よりも、ニコチン吸引をやめる可能性が高いというエビデンスがいくつか見つかった。しかし、これを検証した研究は同じテキストメッセージ介入を用いており、他のテキストメッセージ介入や高齢者においても同様の結果が得られるかどうかはわからない。また、バレニクリンはプラセボ(ダミー治療)よりもニコチン吸引を止めるのに役立つ可能性があることもわかったが、さらなるエビデンスがあれば結論が変わる可能性もある。

6か月後にタバコをやめた人の数や、研究中の介入による重大な好ましくない影響については、明確な結論を出すことができなかった。もっと研究が進めば、もっと確信が持てるようになるだろう。

全体として、調査結果は少数の研究と参加者に基づくものであり、いくつかのケースでは研究方法に問題があったため、エビデンスに対する信頼性は限定的であった。より多くの研究が進行中であり、エビデンスの信頼性が高まるだろう。

本レビューの更新状況

本レビューは、前回のレビューを更新したものである。エビデンスは2025年7月1日までのものである。本レビューはリビングシステマティックレビューであり、毎月新しいエビデンスを探し、本レビューの結論を強化または変更する新しいエビデンスを発見した場合には、レビューを更新する。

Butler AR, Lindson N, Livingstone-Banks J, Notley C, Turner T, Rigotti NA, Fanshawe TR, Begh R, Wu AD, Brose L, Conde M, Simonavičius E, Hartmann-Boyce J

Making our evidence more usable – interoperability in practice

2 weeks 4 days ago
Cochrane has always aimed to provide the right evidence at the right time. As we move into a more collaborative and AI-enabled era, delivering this goal will increasingly rely on structured data. Gert van Valkenhoef, Cochrane’s Head of Data, sets out why we are improving Cochrane’s approach to data, the difference this could make, and what this means for our authors.
Gert van Valkenhoef, Head of Data, Cochrane

無排卵による不妊症に対するクロミフェンおよびその他の抗エストロゲン薬

4 weeks ago
レビューの論点

多嚢胞性卵巣症候群に伴う無排卵の女性において、クロミフェンを含む抗エストロゲン薬は妊孕性を改善するか。

背景

排卵がないことによる不妊症は、女性によく見られる問題である。内科的治療により、これらの女性に排卵を起こすことができる。例えば、クロミフェンのような経口抗エストロゲン薬は、卵巣への刺激を強め、排卵を助ける。

研究の特徴

2016年のアップデート版では新たに13件の試験を追加し、現在のレビューには28件の試験(3377人の女性)が含まれている。対象となった28件の試験のうち、5件が生児出産を報告している。流産、多胎妊娠率、卵巣過剰刺激症候群などの有害事象の報告は少ない。エビデンスは2016年8月現在のものである。

主な結果

得られたエビデンスから、クロミフェンクエン酸塩はプラセボと比較して、臨床的な妊娠の可能性を向上させることが示唆された。

また、クロミフェンとタモキシフェン(類似の抗エストロゲン薬)との違いを示すエビデンスはなかった。クロミフェンクエン酸塩を投与された女性は、ゴナドトロピンを投与された女性と比較すると、妊娠または生児を得る可能性が低いことがわかった。多胎妊娠率の違いに関するエビデンスはなかった。これらの試験では、妊娠した女性の数が非常に少ないため、結果は確実なものではない。

デキサメタゾン(ステロイド)と複合経口避妊薬の両方がクロミフェンを補うために使用されており、その効果に期待が持たれているが、これを確認するためにはさらなる研究が必要である。初期の妊娠成立以降について報告した研究はほとんどなかった。クロミフェン治療に伴う流産のリスクが報告されていることから、効果的な治療法については明確な結論を出すことができない。クロミフェンクエン酸塩の10日間投与のレジメンが5日間投与のレジメンと比較して妊娠転帰を改善することを示唆するエビデンスがあった。しかし、データの量が限られているため、さらなる研究が必要である。クロミフェンクエン酸塩の早期投与と遅れて投与するレジメンの比較については、報告されたデータが不十分であったため、妊娠転帰の違いを判断することができなかった。

エビデンスの質

エビデンスの質は、低度から非常に低度であった。エビデンスの質をダウングレードした主な理由は、不正確さとバイアスのリスクである。

Brown J, Farquhar C

風邪の予防および治療のための亜鉛

4 weeks 1 day ago

要点
‐ 亜鉛サプリメントの摂取は、プラセボ(偽薬)と比較して風邪を発症するリスクはほとんど、あるいはまったく減少しない可能性がある。

‐ 風邪を発症している場合の亜鉛サプリメントの摂取は、プラセボと比較して風邪の発症期間を短縮できる可能性がある。

- 風邪の治療に亜鉛を使用した場合、重篤ではない有害事象のリスクが増加する可能性がある。

風邪とは何か?
風邪とは、一般的に上気道におけるウイルス感染症である。特定の症状の組み合わせが風邪を定義するわけではないが、症状には発熱の有無にかかわらず、鼻づまり、くしゃみ、のどの痛み、咳、疲労感、および鼻水などが含まれる。ほとんどは通常、特別な治療をしなくても回復するが、風邪を予防したり、風邪の期間を短縮したりする決定的な治療法はない。成人および小児における風邪の頻度を考えると、風邪は公衆衛生上の負担であり、労働生産性の低下や学校の欠席における有意な原因となっている。亜鉛による風邪の予防および治療の試みは、現在でも関心を集めている。

何を調べようとしたのか?
亜鉛がプラセボよりも風邪にかかるリスクを低減し、また風邪の発症期間を短縮するのに効果的であるかどうかについて調査した。プラセボとは、見た目は治療薬に似ているが、治療効果が不明な物質のことである。プラセボは、治療を受けているという思い込みがもたらす効果について評価を行うことに役立つ。

また、亜鉛が有害事象と関連しているかどうか、特に風邪の合併症と関連している可能性について調べたかった。さらに、自己評価による風邪の総合的な重症度、それぞれの症状の重症度や持続期間、および仕事や学校を休んだ日数についても調査した。

何を行ったのか?
成人および小児の風邪の治療または予防を目的に亜鉛とプラセボを比較した研究を調査するため、6つのデータベースと2つの臨床試験登録システムについて検索を行った。研究結果を比較、要約し、バイアスのリスクや研究方法などの特定の要因に基づいて、エビデンスの信頼性を評価した。

何が見つかったのか?
風邪の予防または治療に関する合計34件の研究が見つかった。これらの研究は13の国で実施されていたが、ほとんどが米国で実施されていた。12件の研究は小児(18歳未満)を対象としており、22件は成人を対象としていた。ほとんどの治療は自己申告による症状の消失をもって終了としており、治療期間は最短で5日間、最長で540日間であった。また、ほとんどの研究は、関連産業とのつながりのある組織から資金提供を受けていたか、資金提供元についての情報がなかった。その他は民間の診療所、非政府財団、大学、または政府事業体から資金提供を受けていた。

本レビューでは、以下の項目について評価を行った:

- 風邪の予防における亜鉛の効果

- 風邪の治療における亜鉛の効果

得られた結果は以下である:

風邪の予防における亜鉛の効果

亜鉛の摂取は、プラセボと比較して、風邪の予防にはほとんど、または全く差はない(合計1,449人が参加した9件の研究より)。また、風邪の予防のために亜鉛を摂取することは、実際に風邪を発症した場合における発症期間にはほとんど差がなく(合計740人が参加した3件の研究より)、重症度にもほとんど、または全く差がない可能性がある(合計101人が参加した2件の研究より)。有害事象は亜鉛またはプラセボを服用した両群から報告されており、症状としては味覚異常と胃の不調が最も多かった。

風邪の治療における亜鉛の効果

風邪の治療として亜鉛を服用した場合、プラセボと比較して風邪の発症期間が約2日間軽減する可能性がある(合計972人が参加した8件の研究より)。しかし、この結論を裏付けるエビデンスの信頼性は低い。亜鉛が症状の重症度に影響するかどうかは不明である(合計261人が参加した2件の研究より)。有害事象は、プラセボよりも亜鉛を服用した場合に多く報告され、味覚異常と胃の不調が最も多くみられた。経鼻的に亜鉛を投与した研究では、嗅覚喪失の症例は報告されておらず、また特有の有害事象に関する情報も不明であった。

エビデンスの限界は何か?
エビデンスに対する信頼性は、ほとんどが低いか、または非常に低く、今後の研究結果は本レビューの結果と異なる可能性がある。エビデンスの信頼性を低下させた要因はいくつかあるが、第一に、一部の研究において、参加者を無作為に治療群に割り付けた方法についての報告が十分ではなかった。つまり、試験群間の差異は、治療によるものではなく、参加者における差異による可能性があるということである。第二に、治療方法が大きく異なっている研究があった。最後に、亜鉛の有効性を検証する際に使用されたアプローチが研究間で大きく異なっていた。確固とした結論を導くには、さらなる研究が必要であると思われる。

本エビデンスはいつのものか?
2023年5月22日時点におけるエビデンスである。

Nault D, Machingo TA, Shipper AG, Antiporta DA, Hamel C, Nourouzpour S, Konstantinidis M, Phillips E, Lipski EA, Wieland LS