3 weeks 1 day ago
要点
- 非反応性統合失調症がある人に対して、別の抗精神病薬に切り替えた方が結果(評価項目)が良いのか、同じ抗精神病薬を継続した方が良いのかは、エビデンスが非常に不確かであるためわからない。
- この論点を検討した数少ない研究は、使用された抗精神病薬、試験期間、初期無反応の定義などの点で互いに著しく異なっていた。
- この重要なトピックをより深く調査するには、さらに大規模で適切に実施された研究が必要である。
統合失調症とは?
統合失調症は重篤で、長期にわたり身体機能に支障をきたす精神疾患である。人がどう考え、どう感じ、どう行動するか(思考、感情、行動)に影響を与える。約100人に1人が、人生のある時点で統合失調症を発症する。男性も女性も同じように生涯を通じてこの疾患を発症する可能性があるが、男性の方が早期に診断される傾向がある。
治療法は?
抗精神病薬による薬物療法は、統合失調症の主な治療である。抗精神病薬は、統合失調症がある人が経験する幻覚、妄想、思考の混乱、激しい興奮などの症状を抑えるのに役立つ。
しかし、多くの統合失調症がある人は最初の抗精神病薬治療に反応しない(「非反応性」統合失調症と呼ばれる)。このような状況では、抗精神病薬の追加する、他の向精神薬(気分安定薬や抗うつ薬など、抗精神病薬以外の精神障害治療薬)を追加する、最初に投与された薬の量を増やす、他の抗精神病薬に切り替えるなどの治療法が考えられる。しかし、何が最良の治療であるかは依然として不明である。
知りたかったこと
このレビューでは、同じ抗精神病薬で治療を継続する場合と比較して、別の抗精神病薬に切り替えることによって、患者の治療反応率が改善し、統合失調症の全体的な症状や特異的な症状が緩和され、また治療中断率や副作用(好ましくない影響や有害作用)が増加するどうかを検討した。
実施したこと
初期治療に反応しなかった統合失調症がある人を対象に、抗精神病薬の切り替えと同じ抗精神病薬の継続を比較検討した研究を検索した。研究結果を比較、要約し、研究方法や研究規模などの要因に基づいて、エビデンスに対する信頼性を評価した。
わかったこと
参加者997人を対象とした10件の研究のみ特定された。ほとんどの研究は小規模で、参加者が100人を超えた研究は3件しかなかった。
薬物に対する反応性、忍容性(有害な作用のために試験を早期に中止した人数で測定)、生活の質(QOL)などの主要な結果において、2種類の戦略(すなわち、別の抗精神病薬に変更した場合と元の抗精神病薬を継続した場合)の間に差は認められなかった。しかし、関心のある結果のほとんどについて、エビデンスは非常に不確実であった。
エビデンスの限界
エビデンスに対する信頼性は限定的である。主な理由は、参加者数が少なく、少数の研究しか含まれていないためである。さらに、調査された抗精神病薬、研究デザイン、試験期間、研究者が用いた非反応の定義に関して、これらの研究は大きく異なっていた。医療従事者が非反応性の統合失調症がある人を治療する最善の方法を決定するためには、より大規模で適切にデザインされた研究が緊急に必要である。
本エビデンスはいつのものか?
エビデンスは、2022年12月現在のものである。
Samara MT, Kottmaier E, Helfer B, Leucht C, Christodoulou NG, Huhn M, Rothe PH, Schneider-Thoma J, Leucht S
3 weeks 1 day ago
要点
-
リスペリドンとアリピプラゾールは易刺激性の症状を軽減する可能性があるが、ルラシドンはおそらく自閉症の小児ではほとんど易刺激性の症状を軽減しない。
-
自閉症のある小児の攻撃性、体重増加、不随意運動(震えなど)に対するこれらの薬剤の効果については、かなり不確実性がある。
-
これらの薬は、自閉症のある小児の強迫症状(望まない考え(強迫観念)や反復行動(強迫行為))や不適切な言動を減少させる可能性がある。
-
成人の自閉症がある人におけるこれらの薬剤の有益性と有害性については、データが少なく、十分に検討することができなかった。
自閉症とは?
自閉症は、自閉スペクトラム症または自閉症スペクトラム状態とも呼ばれ、コミュニケーション、社会的相互作用、行動に影響を及ぼす発達障害である。
非定型抗精神病薬とは?
抗精神病薬は主に精神疾患の治療に使用され、脳内の特定の神経伝達物質(神経が体全体に伝達するための自然発生的な化学物質で、例えばドーパミン)のバランスを維持し、様々な症状を改善する。
非定型
抗精神病薬は、
定型
抗精神病薬とは異なる有益性と有害性を持つ薬である。
知りたかったこと
非定型抗精神病薬が自閉スペクトラム症のある小児と成人の易刺激性の軽減にどの程度効果があるかを比較したかった。さらに、他の症状に対する有効性と有害性も把握したかった。
実施したこと
自閉スペクトラム症と診断された人を対象に、異なる非定型抗精神病薬をプラセボ(ダミー治療)または別の非定型抗精神病薬と比較した研究を検索した。
わかったこと
1,027人を含む17件の研究が見つかった。ほとんどの研究は小児を対象としており、大人を対象とした研究は1件のみであった。
リスペリドンやアリピプラゾールなどの一部の非定型抗精神病薬は、自閉スペクトラム症の小児の易刺激性を短期間で軽減する可能性がある。一方、ルラシドンはほとんどまたは全く効果がないとされている。非定型抗精神病薬は強迫症状を改善し、不適切な言動を減らす可能性がある。攻撃性、体重増加、運動に関する好ましくない影響については非常に不確かである。
エビデンスの限界
エビデンスの信頼性は、中等度から非常に低いものまであった。易刺激性など、いくつかの症状や尺度についてはより高い信頼性が認められるが、より強力なエビデンスがまだ必要である。体重増加や運動に関連した好ましくない影響といった指標については、研究が小規模で結果にばらつきがあることから、信頼性はさらに低い。さらに、入手可能なデータのほとんどは短期間の研究によるものであった。
本レビューの更新状況
この情報は2024年1月までのものである。
Meza N, Franco JVA, Sguassero Y, Núñez V, Escobar Liquitay CM, Rees R, Williams K, Rojas V, Rojas F, Pringsheim T, Madrid E
3 weeks 1 day ago
要点
- メチルフェニデートは多動や衝動性を抑え、小児が集中力を高める助けになるかもしれない。また、一般的な行動の改善にも役立つかもしれないが、生活の質(QOL)には影響しないようである。
- メチルフェニデートは、最長6か月間までの使用では、重篤な(生命を脅かす)副作用のリスクを増加させないようである。しかし、睡眠障害や食欲減退など、重篤でない副作用のリスクが高まる。
- 今後の研究では、副作用の報告にもっと焦点を当てるべきであり、より長期間にわたって行われるべきである。
注意欠如・多動症(ADHD)とは?
ADHDは、最もよく診断され、治療されている小児期の精神疾患のひとつである。ADHDの小児は集中するのが難しい。多動(そわそわし、長時間じっとしていられない)で衝動的(考える時間をとらずに物事にとりかかる)であることが多い。ADHDの小児は、指示に従ったり集中したりするのが難しいため、学校でうまくやっていくのが難しくなる。行動上の問題は、家族や友人とうまくやっていく妨げになり、他の小児よりも多くの問題を起こすことが多い。
ADHDの治療法は?
メチルフェニデート(例えばリタリン)は、ADHDの小児や青年に最もよく処方される薬である。メチルフェニデートは興奮剤で、集中力に関係するような脳の部分の活動を高めるのに役立つ。メチルフェニデートは、錠剤として服用することも、皮膚パッチとして投与することもできる。即効性があるように配合することもできるし、数時間かけてゆっくりと効かせることもできる。メチルフェニデートは、頭痛、腹痛、睡眠障害などの副作用を引き起こす可能性がある。時には、心臓の障害、幻覚、顔の「チック」(痙攣)などの重篤な副作用を引き起こすこともある。
知りたかったこと
メチルフェニデートが、小児のADHD症状(注意力、多動性)が主に教師の評価(さまざまな尺度を用いた)において改善するかどうか、また死亡、入院、障害のような重篤な副作用を引き起こすかどうかを調べたいと考えた。また、睡眠障害や食欲不振など、それほど深刻ではない副作用や、小児の一般的な行動やQOLへの影響にも関心があった。
実施したこと
ADHDの小児および青年におけるメチルフェニデートの使用を調査した研究を検索した。研究参加者は18歳以下で、ADHDの診断を受けていることが条件であった。他の障害や病気を抱え、他の薬を服用したり、行動療法を受けている可能性もある。参加者はIQ(知能指数)が正常でなければならなかった。研究では、メチルフェニデートとプラセボ(見た目や味はメチルフェニデートと同じだが、有効成分を含まないようにデザインされたもの)または無治療を比較していた。参加者は無作為にメチルフェニデートを投与するかしないかを決められていた。研究結果を比較、要約し、研究方法や研究規模などの要素から、エビデンスに対する信頼性を評価した。
わかったこと
16,302人のADHDの小児または青年を対象とした212件の研究が見つかった。ほとんどの研究はメチルフェニデートとプラセボを比較したものであった。70人程度の小規模な研究が多く、平均年齢は10歳であった(年齢は3歳から18歳)。ほとんどの研究の期間は短く、平均1か月程度であった。最も短い研究では1日、長い研究では425日であった。大部分の研究は米国で行われた。
教師による評価では、プラセボまたは無治療と比較して、メチルフェニデートは:
- ADHD症状を改善する可能性がある(21件の研究、1,728人)
- 重篤な副作用に差がない可能性がある(26件の研究、3,673人)
- 重篤でない副作用がより多く発現する可能性がある(35件の研究、5,342人)
- 一般的な行動が改善する可能性がある(7件の研究、 792人)
- QOLに影響しないかもしれない(4件の研究、608人)
エビデンスの限界
レビューの結果に対する信頼性は、いくつかの理由から限定的である。研究関係者は、小児がどの治療を受けているかを知ることが可能であることが多く、それが結果に影響を与える可能性があった。結果の報告は多くの研究で完全ではなく、いくつかの結果については研究によって結果が異なっていた。研究は小規模で、症状を測定する尺度も異なっていた。また、ほとんどの研究は短期間しか行われておらず、メチルフェニデートの長期的な効果を評価することは不可能である。約41%の研究が製薬企業から資金提供を受けているか、一部資金提供を受けている。
本エビデンスはいつのものか?
これは2015年に実施されたレビューのアップデートである。エビデンスは2022年3月現在のものである。
Storebø OJ, Storm MR, Pereira Ribeiro J, Skoog M, Groth C, Callesen HE, Schaug JP, Darling P, Huus C-ML, Zwi M, Kirubakaran R, Simonsen E, Gluud C
3 weeks 5 days ago
レビューの論点
基礎体力トレーニングが脳卒中生存者の健康と機能に有益であるかどうかを考察するエビデンスをレビューした。
背景
体を動かすことは、ウォーキングや階段を上るなどの日常的な活動を実行できるようにするために重要だ。体力は人によって異なる。例えば、男性の体力は女性よりも少し高くなる傾向があり、年を取るにつれて、また身体的活動が少なくなると、すべての人の体力が低下する。特に、脳卒中生存者の体力は低い傾向にある。これは、日常活動を行う能力を制限し、また脳卒中に関連する障害を悪化させる可能性がある。このため、脳卒中生存者の役に立つアプローチとして基礎体力トレーニングが提案されている。基礎体力レーニングに参加すると、認知機能(思考スキル)の向上、気分、生活の質の向上など、脳卒中生存者にとって重要な利点が得られ、再び脳卒中を発症する危険性が低下する可能性がある。
研究の特徴
我々は2018年7月に75件の研究を特定し、本レビューの対象とした。研究には、入院中や在宅療養を含むケアのすべての段階における合計3,617人の参加者を対象とした。参加者の多くは一人で歩くことができた状態である。研究では、さまざまな形態の基礎体力トレーニングを評価した。心肺または「持久力」トレーニング、レジスタンスまたは「強度」トレーニング、または心肺とレジスタンストレーニングを組み合わせた混合トレーニングが含まれる。
主な結果
特にウォーキングを含む心肺フィットネストレーニングは、脳卒中後の体力、バランス、ウォーキングを改善できることがわかった。心肺機能の改善により、脳卒中による入院のリスクが7%減少する可能性がある。混合トレーニングは歩行能力とバランスを改善することができる。筋力トレーニングは、バランスの改善をする可能性がある。したがって、一般的に、脳卒中生存者に対し、心肺トレーニングを含むトレーニングやウォーキングを含むトレーニングが最も有効なようである。ただし、基礎体力ストレーニングが生活の質、気分、認知機能などの他の領域に与える影響について信頼できる結論を導き出すには、十分な情報がなかった。認知機能は脳卒中生存者にとって重要な関心のある結果であるにもかかわらず、十分に検証されていない。さまざまな種類の基礎体力トレーニングが怪我やその他の健康問題を引き起こしたというエビデンスはなかったため、運動は安全のようである。脳卒中生存者にとって最も重要である利点を検証ために、特に歩くことができなくなった重症の脳卒中生存者に向けて、さらに多くの研究が必要である。
エビデンスの質
基礎体力トレーニングの研究は、実行するのが難しい場合がある。心肺トレーニング(中程度から高度の強度)から得られた効果の評価に絶対の信頼を置いている。他の種類のトレーニングに対するエビデンスは、中程度から弱いとされる。ただし、一貫した調査結果としては、参加者の異なるグループで同様の効果を示す傾向があると明らかになった。
Saunders DH, Sanderson M, Hayes S, Johnson L, Kramer S, Carter D, Jarvis H, Brazzelli M, Mead GE
4 weeks ago
要点
- 合成黄体ホルモン製剤の経口投与は、おそらくプラセボ(ダミーの治療)よりも子宮内膜症に伴う痛みの症状をやわらげる。合成黄体ホルモン製剤がどの程度痛みをやわらげるかは、痛みの種類や治療期間によって異なる。合成黄体ホルモン製剤の経口投与が、他のホルモン剤による治療と比べて、痛み全般、骨盤痛、生理痛、性交の時の痛みに効果があるかどうかついては、結論が出ていない。
- また、合成黄体ホルモン製剤のデポー(効果が長期間続く注射製剤)が、経口避妊薬、性腺刺激ホルモン放出ホルモン療法(GnRH作動薬および拮抗薬で、エストロゲンとプロゲステロンの濃度を低下させる治療)、レボノルゲストレル放出子宮内避妊具(子宮内に挿入する小さな器具で、レボノルゲストレルという合成黄体ホルモンを放出する)、エトノゲストレル避妊インプラント(腕の皮下に挿入する小さなプラスチックの棒)と比べて、痛み全般、骨盤痛、生理痛、性交の時の痛みに効果があるかどうかについても、結論が出ていない。合成黄体ホルモン製剤のデポーは、GnRH作動薬と比べると、望ましくない作用がおそらく少ない。合成黄体ホルモン製剤のデポーは、他の治療と比べて望ましくない作用に明らかな差はなかった。
- 限界はあるものの、このレビューは子宮内膜症の治療に関するさらなる研究の必要性を強調している。
子宮内膜症とは何か
子宮内膜症は、子宮の内膜に似た組織が体の他の部分で増える病気である。生殖できる年齢の女性の5~10%がかかり、多様な性の人ではその数は不明である。子宮内膜症は、特に生理中に痛むことが多い。合成黄体ホルモン製剤と呼ばれる、経口薬や注射、インプラントが治療法として研究されてきた。これらの治療は、子宮内膜症の悪化を防ぐ可能性がある。
知りたかったこと
子宮内膜症の患者に合成黄体ホルモン製剤がどのくらい効くのか知りたかった。具体的には、合成黄体ホルモン製剤が痛みやQOL、患者の満足度に与える影響に関心があった。また、合成黄体ホルモン製剤に望ましくない作用があるかどうかも知りたかった。
実施したこと
症状がある子宮内膜症の患者を対象に、合成黄体ホルモン製剤とプラセボ(ダミーの治療)または他の薬剤と比べた研究を検索した。研究の選択と分析には、複数のレビュー著者が関わり、複数のツールを使った。
わかったこと
5,059人の子宮内膜症の患者を対象とした33件の研究が見つかった。
以下の所見は、比べた治療内容や評価項目それぞれに対する研究の数が少ないため、結論は限定的である。
- プラセボと比べて、経口黄体ホルモン製剤は、6ヵ月後の痛み全般と3ヵ月後の生理痛をやわらげる可能性が高い。
- 経口避妊薬やGnRH作動薬と比べて、経口黄体ホルモン製剤は、痛みやQOL、望ましくない作用の軽減に明らかな効果を示さない。
- GnRH作動薬と比べて、黄体ホルモン製剤のデポーは、生理痛をやわらげるが、6ヵ月後の骨盤痛にはほとんど影響しないかもしれない。望まない作用が起こるリスクについて、黄体ホルモン製剤のデポーは、GnRH作動薬よりおそらく低い。
- GnRH拮抗薬と比べて、黄体ホルモン製剤のデポーは、痛みをやわらげる効果や望ましくない作用の発現リスクに対してほとんど影響を与えないかもしれない。しかし、黄体ホルモン製剤のデポーによる治療を受けている人は、望ましくない作用のために研究から離脱する可能性がおそらく高い。
- 痛みや患者の満足度、副作用に関して、エトノゲストレルのインプラントと比べた黄体ホルモン製剤のデポーの効果についてはわからない。
これらの結果は、子宮内膜症の症状に対する合成黄体ホルモン製剤の有効性がさまざまであることを示唆しており、さらなる研究の必要性を強調している。
エビデンスの限界
それぞれの比較に対して、研究が数件ずつしかなかった。多くの研究は、参加者が少なかった。これらの知見が決定的なものであるかどうかを知るためには、より多くの参加者による大規模な研究が必要である。
このエビデンスはどれくらい最新のものか?
エビデンスは、2024年10月29日現在のものである。
Chen I, Kives S, Zakhari A, Nguyen DB, Goldberg HR, Choudhry AJ, Le A-L, Kowalczewski E, Schroll JBennekou
4 weeks ago
要点
- 超早産児や極低出生体重児には、粉ミルクではなくドナー母乳を与えることで、壊死性腸炎のリスクを約半分に減らすことができる。
- 乳児の入院中の感染率や死亡率には、おそらくほとんど影響はないだろう。
壊死性腸炎とは?
超早産児(8週間以上早く生まれた児)や極低出生体重児(出生時の体重が1.5 kg未満の児)は、壊死性腸炎を発症するリスク(危険)がある。壊死性腸炎は、乳児の腸の内壁の組織が炎症を起こし、死に至る重篤な疾患である。この状態は、重篤な感染症、死亡、障害や発達の問題を引き起こす可能性がある。
ドナーミルクとは何か?
超早産児や極低出生体重児の壊死性腸炎を予防する方法の一つとして、母乳が入手できない場合に、人工粉ミルク(通常は牛乳から作られる)よりもドナー母乳(他の女性から提供される)を与えることが良い可能性がある。
知りたかったこと
我々は、母親自身の母乳が得られない場合、超早産児や極低出生体重児に粉ミルクではなくドナー母乳を与えることで、壊死性腸炎、重篤な感染症、死亡のリスクが減少するかどうかを知りたかった。
何を行ったのか?
研究を検索し、見つかった研究の結果を比較し、要約した。研究方法や研究規模などの要因に基づいてエビデンスに対する信頼性を評価した。
わかったこと
合計2296人の乳児を対象とした12件の研究が見つかった。- 超早産児や極低出生体重児には、粉ミルクではなくドナー母乳を与えることで、壊死性腸炎のリスクを約半分に減らすことができる。- 乳児の入院中の感染率や死亡率には、おそらくほとんど影響はないだろう。
エビデンスの限界は何か?
壊死性腸炎に効果があるというエビデンスには確実性がある。重篤な感染と死亡に関するエビデンスについては、私たちは中程度の確実性しか持っていない。なぜなら、その影響について確信できるほど十分な研究がなかったからであり、また、研究に参加した人々がどの治療を受けているかを知っていた可能性があり、それが結果に影響を与えた可能性があるからである。
本エビデンスはいつのものか?
エビデンスは2024年2月時点のものである。
Quigley M, Embleton ND, Meader N, McGuire W
4 weeks ago
要点
- ランダム化比較試験(RCT)の効果推定値と観察研究の効果推定値には、平均してごくわずかしか差がない。効果推定値とは、臨床試験や研究で検討した2つのグループの結果の差という点で、介入効果の大きさを表す統計的構成要素である。
- さらに多くの研究によって、さまざまな種類の研究の間にみられる効果推定値の類似性や差に影響を与える可能性のある要因を注意深く検討する必要がある。
RCTと観察研究とはどのようなもので、なぜその効果推定値が異なる可能性があるのか
ランダム化比較試験(RCT)とは、参加者を2つ(またはそれ以上)の治療群のいずれかに無作為に割り付ける医療実験の一種である。一方のグループには実験的治療(「介入」とも呼ばれる)が行われ、もう一方のグループは介入を行わない「対照」グループである。RCTは、理想的な条件下で実験的治療にどの程度の効果があるのか、また安全なのかを検証するものである。
観察研究は、実験的ではない「実際の現場(リアルワールド)」で介入の有効性を測定しようとするものである。観察研究のなかでもよくみられるのが、症例対照研究(または後ろ向き研究)とコホート研究の2種類である。症例対照研究では、特定の疾患や疾病がある人と、そうでない人のグループを比較する。コホート研究は、共通の特徴がある人のグループを長期にわたって追跡し、そのうちの何人がある健康上の結果に到達したかを検討するものである。
同じ研究課題を扱ったRCTと観察研究の結果が異なる場合もある。両者の研究は、実施方法と系統的エラーの起こりやすさが異なる。
知りたかったこと
研究の種類(RCTと観察研究)が要約効果推定値に与える影響を評価し、その差が説明される可能性がある方法論的側面を評価したかった。
実施したこと
健康に関する同じ研究課題を扱ったRCTと観察研究で報告された効果推定値を系統的に比較したレビューをデータベースから検索した。発表された言語に制限を設けず、あらゆる医療の結果を含むレビューを探した。1990年1月1日から2022年5月12日までに発表されたレビュー/オーバービューを検索した。そのあとレビューの結果を比較して、エビデンスをまとめた。レビューに用いられた方法やその規模、レビュー間の結果の一貫性などの要因に基づいて、このエビデンスに対する信頼性を評価した。
わかったこと
関連する47件のレビューを特定し、34件のデータが主な解析に寄与した。対象としたレビューでは、RCTの効果推定値をコホート研究、症例対照研究、またはその両方の効果と比較しており、健康に関するさまざまなトピックが取り上げられていた。レビューは世界各国で実施されていたが、ほとんどが米国であった。12件のレビューでは、レビューの資金源に関する情報は報告されていなかった。8件のレビューが、著者らは資金提供を受けていないと報告している。23件のレビューには、著者らは政府からの資金提供、大学や財団からの資金提供など公的資金を受けたと報告されていた。2件のレビューが欧州連合(EU)の資金援助を受けており、2件のレビューが産業界の資金援助を受けたと報告している。資金提供を受けたレビューのほとんどが、複数の資金源を報告していた。
主な結果
- RCTと観察研究の効果推定値は、ほとんど差がないか、まったく差がないことがわかった。
- (手術や理学療法などの他の医療処置とは対照的に)薬物のみを調査した研究の効果推定値を比較すると、わずかな差があるかもしれない。
また、以下のデータに基づいて推定された効果も、ほとんど差がないことがわかった:
- 統計的にかなりの異質性(異なる研究で評価された介入効果のばらつき)を示した、RCTと観察研究を混ぜたメタアナリシス、
- 介入の有効性に影響を及ぼしうる集団の特徴を考慮する方法(傾向スコアによる調整)を用いていないか、その方法が不明確であった観察研究、
- 研究デザインについて十分な情報を提供しなかった観察研究。
エビデンスの限界
エビデンスの信頼性は低い。というのも、対象としたレビューには、その実施方法による系統的エラーのリスクがある可能性があるためである。さらに、レビューの対象となった人や介入の種類も異なっていたため、レビュー間の個々の結果はかなり異なっていた。
本レビューの更新状況
エビデンスは2022年5月までのものである。
Toews I, Anglemyer A, Nyirenda JLZ, Alsaid D, Balduzzi S, Grummich K, Schwingshackl L, Bero L
4 weeks ago
主要メッセージ
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重症筋無力症がある成人において、症状(疾患)の重症度、日常生活における動作能力、および深刻な有害性に対するリツキシマブという薬剤の影響については、エビデンスが非常に不確実である。
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リツキシマブによる治療は、ステロイド使用量を1日10mg以下までに減量できないかもしれないが、9か月以上にわたる治療で、救援療法(静脈内投与の免疫グロブリン療法や血漿交換療法など)を必要とする重症筋無力症の再発(症状悪化)を大幅に減少させる可能性がある。
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全タイプの重症筋無力症に対するリツキシマブの治療効果をよりよく理解するには、さらなる研究が必要である。
重症筋無力症とは何か、そしてどのように治療されるのか?
重症筋無力症は、神経と筋肉の接合部の機能に影響を与える自己抗体(通常、感染から体を守るための免疫系が、誤って自分自身を標的として産生される蛋白質)が関与する自己免疫疾患である。この自己抗体により、神経から筋肉への刺激伝達が困難になり、筋力の低下につながる。重症筋無力症は、物が二重に見える(複視)、まぶたが垂れ下がる(眼瞼下垂)、会話障害、噛むこと(咀嚼)や飲み込むこと(嚥下)が困難になる、呼吸困難、手足の筋力低下など、さまざまな症状が現れる。多くの重症筋無力症の人は、これらの症状をコントロールするために、免疫反応を抑制する薬が必要になる。リツキシマブは、B細胞(免疫系の構成要素のひとつ)の数を劇的に減少させる治療薬である。
知りたかったこと
重症筋無力症の治療において、リツキシマブが、無治療、プラセボ(偽薬)、または他の治療薬よりも優れているかどうかを調べたかった。また、リツキシマブと有害事象との関連性についても明らかにしたかった。
実施したこと
重症筋無力症がある成人を対象に、リツキシマブを無治療、プラセボ、または他の治療薬と比較した研究を検索した。参加者が治療群にランダムに割り当てられており、どの治療を受けていたかを認識していない研究(ランダム化比較試験)を対象とした。研究結果を比較および要約し、エビデンスに対する信頼性を評価した。
わかったこと
スウェーデンと米国で99人が参加した2件の研究を特定した。
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長期的(9ヵ月以上)には、リツキシマブは症状の重症度を軽減し、日常生活における動作を向上させる可能性があるが、エビデンスは非常に不確実である。
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リツキシマブによる治療は、ステロイド使用量を1日10mg以下までに減量できる可能性がないかもしれない。
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9か月以上にわたるリツキシマブ治療で、救援療法を必要とする重症筋無力症の再発を大幅に減少させる可能性がある。98人を対象とした研究結果に基づくと、プラセボ群では1000人中490人が救援療法を必要とする重症筋無力症の再発を経験するに対し、リツキシマブ群では1000人中220人が再発を経験するとされる。
-
リツキシマブは、重篤な有害事象を減少させる可能性があるが、エビデンスは非常に不確実である(プラセボ群では1000人中367人が重篤な有害事象を経験する可能性があるに対し、リツキシマブ群では1000人中298人が重篤な有害事象を経験する可能性がある)。
エビデンスの限界は何か?
調査結果について確信を持つには、研究数が不足している。研究は、主にアセチルコリン受容体(AChR)に対する抗体を持つ人を対象としており、筋特異的受容体型チロシンキナーゼ(MuSK)に対する抗体を持つ人は含まれていなかった。リツキシマブは、抗体の生成に関与している免疫細胞(B細胞)と抗体の種類により、AChR抗体陽性の重症筋無力症よりもMuSK抗体陽性の重症筋無力症に高い有効性を示す可能性がある。
このエビデンスはどれくらい最新のものか?
対象とした2件の研究は、どちらも2022年に発表されている。この検索結果は、2024年11月時点のものである。
Dodd KC, Clay FJ, Forbes AM, Handley J, Keh RYS, Miller JAL, Storms K, White LM, Lilleker JB, Sussman J
4 weeks ago
主なメッセージ
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3件の小規模研究から得られた限られたエビデンスによれば、喫煙者における経口ニコチンパウチの短期的な深刻な健康被害は認められなかった。
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経口ニコチンパウチが、喫煙を通常通り続けるよう指示されたり、禁煙のサポートがない場合に比べ、禁煙に役立つかどうかは不明である。
-
特に、経口ニコチンパウチと他の積極的治療(ニコチン置換療法や電子タバコなど)との比較など、今後の研究が必要である。
経口ニコチンパウチとは何か?
経口ニコチンパウチは、ニコチンを含む分包されたパウチであり、さまざまなフレーバーとニコチンの強さで販売されている。見た目も使い方もスヌース(無煙タバコの一種)と似ている。スヌースは歯茎と唇の間に挟むタイプの無煙タバコで、北欧諸国で人気があるが、英国とスウェーデンを除く欧州連合(EU)諸国では販売が禁止されている。スヌースとは異なり、ニコチンパウチにはタバコの葉は入っていない。ニコチン入り電子タバコやニコチン補充療法(ニコチンパッチやガムなど)の医薬品と同様、経口ニコチンパウチは、タバコの葉を含まず、電子タバコとは異なり肺に蒸気を吸い込まない製品に置き換えることで、有害な形態のタバコ・ニコチン製品使用からの移行を助けることができるかもしれない。
経口ニコチンパウチの一般的なブランド名には、Zyn、Velo、Nordic Spiritなどがある。
知りたかったこと
経口ニコチンパウチが喫煙、ニコチンベイプ、その他のタバコの使用からの脱却に役立つかどうかを確かめたかった。また、経口ニコチンパウチをこの目的で使用した場合、好ましくない影響が出るかどうかも知りたかった。
実施したこと
禁煙の方法として、喫煙者、電子タバコ吸引者、その他のタバコ製品を使用している人に経口ニコチンパウチを投与した研究を検索した。タバコの使用やニコチン入り電子タバコ(ベイプ)の使用を4週間以上追跡した研究、あるいは血液、呼気、尿中の好ましくない影響や化学的変化を1週間以上調べた研究を対象とした。
わかったこと
試験開始時に喫煙者であった合計284人を含む4件の研究が見つかった。これらの研究は2006年から2023年の間に実施され、人種または民族を報告したものでは、白人が大多数を占める集団で実施された。各研究の平均年齢は34歳から50歳であった。試験開始時の参加者の1日平均喫煙本数は14本から23本であった。最も長い実施期間の研究は8週間行われた。3件の研究は独自に資金提供を受けており、1件はタバコメーカーから資金提供を受けていた。
2件の小規模な研究に基づくと、ニコチンパウチの使用が、喫煙を継続するよう指示した場合や禁煙支援なしの場合と比較して、より多くの人の禁煙に役立つかどうかは明らかではなく、ニコチンパウチ使用者の禁煙率は、ニコチン入り電子タバコ(ベイプ)使用者と比較して低い可能性がある。
この情報を報告した3件の研究では、どのグループでも重篤な健康被害は発生していないため、ニコチンパウチの使用が重篤な健康被害を経験する可能性に影響するかどうかは不明である。
また、血液、呼気、尿から測定される、有害物質への暴露を示す特定の化学物質についても調べた。タバコの使用は、癌を引き起こす化学物質に体をさらす。NNAL(4-(メチルニトロサミノ)-1-(3-ピリジル)-1-ブタノール)は、これらの癌を引き起こす化学物質が体内に入ると生成される化学物質で、タバコの煙に含まれる有害成分への暴露を測定する。1件の小規模な研究では、禁煙のための特別な治療を受けていない人と比較して、経口ニコチンパウチを使用している人のNNALレベルが低いことが報告されている。2件の研究から得られたエビデンスを統合すると、高用量のニコチンパウチと低用量のニコチンパウチを投与された人の間で、NNAL値に差がないことが示唆された。一酸化炭素はタバコの煙に含まれる有毒ガスである。一酸化炭素が血液中のヘモグロビンと結合すると、カルボキシヘモグロビンと呼ばれる物質が形成される。カルボキシヘモグロビンは、人の血液中の一酸化炭素暴露量を測定する。1件の研究では、経口ニコチンパウチを使用している人のカルボキシヘモグロビン濃度が、喫煙を続けている人に比べて低いことがわかった。高用量のニコチンパウチと低用量のニコチンパウチを比較したところ、同じ研究で、高用量グループのカルボキシヘモグロビン値がごくわずかに低いことがわかった。
エビデンスの限界は?
研究が比較的小規模であり、結果を確信できるほど十分な研究がないため、エビデンスに対する信頼性はほとんどない。また、いくつかの研究では、結果に影響を及ぼす可能性のあるデザイン方法に問題があった。現在、多くの研究が進行中であり、その結果が得られ次第、このレビューを更新する予定である。
このレビューの更新状況
エビデンスは2025年1月現在のものである。
Hartmann-Boyce J, Tattan-Birch H, Brown J, Shahab L, Goniewicz ML, Ma CL, Wu AD, Travis N, Jarman H, Livingstone-Banks J, Lindson N
4 weeks ago
要点
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プラセボ(偽薬)と比較したリラグルチドは、体重を少なくとも5%減少させる人の数を増加させる可能性が高い。一方、望ましくない影響、生活の質(QOL)、主要な心血管イベントに対する影響は、中期(6~24か月)および長期(24か月以上)のいずれにおいても小さいか、不確実であると思われる。
-
研究の方法や情報の欠落により、エビデンスに対する信頼性は限られている。リラグルチドの製造元が、24件の研究のうち22件に関与しており、結果の信頼性に懸念がある。
-
今後の研究では、さまざまなタイプの人々における長期的な結果を調べ、リラグルチドの製造元に依存しないようにすべきである。
肥満症とは何か?
肥満症は、長期的に体脂肪が多すぎる状態である。2型糖尿病、心臓や血管の病気(心血管系疾患)、ある種の癌などの健康問題のリスクを高める可能性がある。肥満症は世界的に増加しており、医療制度に大きな負荷をかけている。肥満症の治療には通常、より健康的な食事や運動量を増やすなど、ライフスタイルを変えることが必要である。しかし、多くの人はこのような改善を維持するのが難しいと感じ、医師は減量をサポートする薬を処方することがある。
リラグルチドとは何か?
リラグルチドは、満腹感を早く感じるようにする薬のひとつで、食事の量を減らすことができる。もともとは2型糖尿病の治療薬として開発されたが、多くの国で減量補助薬として承認されている。リラグルチドは、毎日の注射で投与される。リラグルチドを服用している人の中には、気分が悪くなったり、下痢や便秘など望ましくない影響を経験する人もいる。リラグルチドは「GLP-1受容体作動薬」(GLP-1RA)である。類似薬にはセマグルチドやチルゼパチドがある。
知りたかったこと
成人の肥満症患者において、リラグルチドが中期(6〜24か月)および長期(24か月以上)においてどの程度有効であるかを知りたかった。体重、望ましくない影響、肥満に関連した健康問題、QOL、死亡リスクへの影響を調べた。リラグルチドの服用を中止した後のことは調べていない。
実施したこと
肥満症の成人患者を対象としたリラグルチドに関する研究を検索した。リラグルチド(投与量は問わない)をプラセボ(偽薬)、無治療、生活習慣の変更、他の減量薬と比較する研究を対象とした。リラグルチドを6か月以上服用した研究を選択した。結果を比較・分析し、エビデンスに対する信頼性を評価した。
わかったこと
31歳から64歳の肥満の男女9,937人を対象とした24件の研究が見つかった。糖尿病や肝臓病など、体重に関連した疾患を持つ人もいた。ほとんどの研究はリラグルチドとプラセボを比較していた。主に高所得国と中所得国で行われた。
リラグルチドをプラセボと比較
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体重減少:
リラグルチドを服用した人は、中期(18試験、6,651人)および長期(2試験、1,262人)において、プラセボを服用した人よりも体重が5%以上減少する可能性が高かった。しかし、リラグルチドの試験開始から中期までの全体での体重変化率(16試験、6,050人)に対する影響については不明であり、長期的には体重変化率にほとんど差がないかもしれない(2試験、1,262人)。
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望ましくない影響:
中期的には、リラグルチドを服用している人は、プラセボを服用している人よりも、何らかの望ましくない影響(16試験、8,147人)および重篤な望ましくない影響(20試験、8,487人)を経験する可能性がある。軽度から中等度の望ましくない影響(17試験、7,440人)、あるいは望ましくない影響のために治療を中止したかどうか(19試験、8628人)については不明である。長期投与(2試験、2,640人)では、リラグルチドは望ましくない影響を増加させる可能性があり、そのために治療を中止する可能性が高い。全体的な望ましくない事象や軽度から中等度の望ましくない影響については不明である。
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QOL
:リラグルチドは、中期(6試験、3,733人)、長期(1試験、863人)ともに、QOLにほとんど影響を与えない。
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その他の結果:
リラグルチドは中期的には主要な心血管イベントにほとんど、あるいは全く影響を及ぼさない(6試験、5,762人)。長期的な主要心血管系イベントや中長期的な死亡に対する影響については不明である。
エビデンスの限界
リラグルチドを服用した人がプラセボを服用した人よりも体重を減らすことに中等度の確信を持っている。しかし、その他のエビデンスについては、研究の進め方の問題や情報不足のために、信頼性は限定的である。長期的な影響を調査した研究や、さまざまな場所のさまざまな人々を対象とした研究はほとんどないため、この結果がすべての人に当てはまるとは限らない。リラグルチドの製造元が、24試験中22試験のデザイン、実施、解析に関与しており、結果の信頼性には限界がある。独立した研究がさらに必要である。
エビデンスの更新状況
2024年12月時点におけるエビデンスである。
Meza N, Bracchiglione J, Escobar Liquitay CM, Madrid E, Varela LB, Guo Y, Urrútia G, Er S, Tiller S, Shokraee K, Alvarez Busco F, Solà I, Ocara Vargas M, Novik A V, Poloni D, Franco JVA
4 weeks ago
要点
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プラセボ(偽薬)と比較して、チルゼパチドは中期的(最長2年)に肥満の成人の体重を減らす可能性が高く、この体重減少は長期的(2年以上)に維持される可能性が高い。チルゼパチドは、中長期的には非重篤な望ましくない作用のリスクを高める可能性があるが、チルゼパチドの服用を中止する原因となるような重篤な望ましくない作用にはほとんど影響を与えない可能性がある。生活の質(QOL)、主要心血管系イベント、死亡率にはほとんど影響しないかもしれない。
-
チルゼパチドの製造元は、対象となった9試験すべての資金提供、デザイン、実施、報告に関与した。これは、結果に影響を与えるかもしれない利益相反についての懸念を引き起こす。独立した研究がさらに必要である。
肥満とは何か?
肥満とは、体脂肪が多すぎる状態のことで、2型糖尿病、心臓病、ある種のがんなどの健康問題のリスクを高める可能性がある。肥満の治療には、より健康的な食事や、より積極的に体を動かすなど、ライフスタイルを変えることが必要である。場合によっては、医師が減量をサポートする薬を処方することもある。
チルゼパチドとは何か?
チルゼパチドは、肥満症や体重に関連した健康問題を抱える人々の治療のために開発された薬剤である。チルゼパチドは、食欲、空腹感、満腹感、血糖値、代謝を調整する2種類のホルモンを模倣することで作用する。チルゼパチドは、週1回の注射で投与される。チルゼパチドを服用している人の中には、消化不良、気分不良、下痢、便秘などの望ましくない作用を経験する人もいる。他の類似薬としては、リラグルチドとセマグルチドがある。
知りたかったこと
成人の肥満症患者において、チルゼパチドが中期的(2年まで)および長期的(2年以上)にどの程度有効であるかを知りたかった。体重減少、肥満に伴う健康問題、望ましくない作用、生活の質、死亡リスクに対する効果を調べた。チルゼパチドの服用を中止した後のことは調べていない。
実施したこと
チルゼパチドとプラセボ(偽治療)、無治療、ライフスタイルの変更、または他の体重減少薬を比較した研究を検索した。チルゼパチドとプラセボを比較した研究に焦点を当てた。参加者を少なくとも6か月間追跡した研究を対象とした。結果を分析し、エビデンスに対する信頼度を評価した。
わかったこと
主に中・高所得国の36歳~65歳の肥満症成人7,111人を対象とした、9件の研究をレビューに含めた。チルゼパチドとプラセボを比較した研究は8件、チルゼパチドとセマグルチドを比較した研究が1件であった。チルゼパチドは週1回、5mgから15mgの用量で注射された。プラセボとの主な比較(8試験、6,361人)では、次のような結果が得られている。
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チルゼパチドは中期的(約1.5年まで)に有意な体重減少をもたらし、長期的(約3.5年)にはおそらくこの効果を維持すると思われる。
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チルゼパチドを服用している人は、重篤でない望ましくない作用を経験する可能性があるが、プラセボを服用している人と比べて、このような作用のために治療を中止する可能性は高くも低くもない。重篤な副作用にはほとんど、あるいはまったく差がないかもしれない。
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チチゼパチドは心血管イベントにほとんど差をもたらさないかもしれないが、QOLの改善や死亡率の減少をもたらさないかもしれない。
エビデンスの限界は?
いくつかの研究の実施方法に懸念があるため、エビデンスに対する信頼性は限定的である。長期的な結果は、たった1件の研究に基づくものである。チルゼパチドの製造元がすべての研究に資金を提供しているため、結果の信頼性に懸念がある。独立した研究がさらに必要である。
エビデンスの更新状況
本エビデンスは2024年12月時点のものである。
Franco JVA, Guo Y, Varela LB, Aqra Z, Alhalahla M, Medina Rodriguez M, Salvador Oscco EL, Patiño Araujo B, Banda S, Escobar Liquitay CM, Bracchiglione J, Meza N, Madrid E
4 weeks ago
要点
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肥満症の成人では、プラセボ(偽薬)よりもセマグルチドの方が体重が減少する。しかし、24か月後の好ましくない事象がおこるリスクは、おそらくプラセボよりも高いと思われる。セマグルチドは、生活の質(QOL)、主要心血管イベント、死亡に対してほとんど差がないか、あるいは影響が不確実である。
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セマグルチドの製造元が18件の試験のうち17件に関与しており、結果の信頼性に懸念がある。さまざまな背景や場所の人々に焦点を当てた、より独立した研究が必要である。
肥満症とは何か?
肥満症は、長期的に体脂肪が多すぎる状態である。2型糖尿病、心臓や血管の病気(心血管系疾患)、ある種の癌などの健康問題のリスクを高める可能性がある。肥満症は世界的に増えており、医療制度に大きな負荷をかけている。肥満症の治療には、より健康的な食事や、より積極的に体を動かすなど、ライフスタイルを変えることが必要である。しかし、多くの人はこのような変化を維持するのが難しいと感じ、医師は減量をサポートする薬を処方することがある。
セマグルチドとは何か?
セマグルチドは天然の腸管ホルモンを模倣した薬である。セマグルチドは食欲を減退させ、減量を助ける。セマグルチドには注射薬と飲み薬がある。セマグルチドを服用している人の中には、気分が悪くなったり、下痢や消化不良などの好ましくない作用を経験する人もいる。類似薬にはリラグルチドやチルゼパチドがある。
知りたかったこと
成人の肥満症患者において、セマグルチドが中期(6〜24か月)および長期(24か月以上)においてどの程度有効であるかを知りたかった。体重減少、望ましくない影響、肥満症に伴う健康問題、QOL、死亡リスクに対する効果を調べた。
セマグルチドの服用を中止した後のことは調べていない。
実施したこと
肥満症患者を対象に、セマグルチドとプラセボ(偽薬)、生活習慣の改善、他の減量薬を比較した研究を検索した。結果を比較・分析し、エビデンスに対する信頼性を評価した。
わかったこと
セマグルチドを6か月から4年以上服用した41歳から69歳の男女27,949人を対象とした18件の研究を対象とした。これらの研究は主に高中所得国または高所得国で行われ、そのほとんどが白人とアジア人であった。セマグルチドをプラセボ、リラグルチド、チルゼパチドと比較した。プラセボとの主な比較では、次のような結果が得られた。
-
中期(16試験、10,041人):
セマグルチドはプラセボに比べ、体重の割合でより多くの体重減少をもたらし、より多くの人が体重の5%を減少させた。セマグルチドにより軽度から中等度の副作用を経験する可能性があるが、これらの副作用はおそらく、治療の中止を決定する人々にとってほとんど、あるいはまったく違いのないものであろう。重篤な副作用に対するセマグルチドの効果は不明である。セマグルチドはQOLにほとんど、あるいは全く影響を与えず、主要な心血管イベントや死亡を有意に減少させない可能性がある。
-
長期(2試験、17,908人):
セマグルチドによる体重減少は、体重に対する割合の観点で、また体重が5%減少した人の数の観点で、おそらく継続する。セマグルチドはおそらく重篤な副作用にはほとんど影響を及ぼさず、軽度から中等度の副作用に対する影響については不明である。しかし、このような好ましくない作用があるために、治療を中止する人が増えるのだろう。セマグルチドはQOL、主要心血管系イベント、死亡にほとんど、あるいは全く影響を与えない可能性が高い。
エビデンスの限界は?
セマグルチドを服用している人がプラセボを服用している人よりも体重を減らすことの信頼性は非常に高い。しかし、セマグルチドのメーカーがほとんどの研究に関与しており、その結果に対する信頼性は限定的である。研究の場所や参加者は非常に類似していたので、異なる背景や場所の人々に対してセマグルチドがどのように作用するかはわからない。
本レビューの更新状況
エビデンスは2024年12月17日現在のものである。
Bracchiglione J, Meza N, Franco JVA, Escobar Liquitay CM, Novik A V, Ocara Vargas M, Lazcano G, Poloni D, Rinaldi Langlotz F, Roqué-Figuls M, Munoz SR, Madrid E
4 weeks ago
主なメッセージ
- 不眠症に対する認知行動療法(CBT-I、助けにならない思考に気づき、それを疑い、より健康的な考え方や行動を学ぶことを支援するトークセラピーの一種)は、他の治療法と比較して、がん患者において不眠症の重症度をわずかに軽減し、睡眠の質をわずかに改善する可能性があるが、これらの結果については非常に不確かである。
- CBT-Iは、望ましくない有害な事象を引き起こさないようであるが、この結果についても不確かである。
- 今後の研究では、がんの種類や治療段階が異なる人々がCBT-Iにどのように反応するかを理解することに焦点を当てるべきである。
不眠症はなぜがん患者にとって問題なのか?
がん患者の多くは不眠症と闘っている。つまり、眠るべきタイミングになかなか眠れない。がんに罹患している人は、一般の集団よりも不眠症になりやすい。痛み、ストレス、心配事、がん治療による副作用のために眠れないこともある。よく眠れないと、疲労感、不安感、抑うつ感が強くなり、がんやその治療に対処するのが難しくなる。
がん患者の不眠症はどのように治療するか?
不眠症の治療には、薬物療法とCBT-Iや運動などの非薬物療法の2種類の方法がある。CBT-Iは構造化された治療法で、睡眠についての考え方を変え、睡眠がどのように機能するかを理解し、次のような実用的なツールを使えるようになるのを助ける:
- より良い睡眠習慣を作る
- ベッドと睡眠を結びつけるよう脳を訓練する;
- 睡眠の質を高めるために、ベッドにいる時間を制限する。
CBT-Iは、一般集団における不眠症治療の第一選択として広く認知されているが、がん患者におけるその有効性については、徹底した最新の詳細な評価が必要である。
知りたかったこと
CBT-Iが、(1)積極的治療なし、または(2)他の治療法よりも、不眠症の重症度、睡眠の質、睡眠日誌のパラメーター(いつベッドに入ったか、眠りにつくまでどのくらい時間がかかったか、夜中に何回目が覚めたか、など)の改善において優れているかどうかを知りたかった。また、CBT-Iが重大な望ましくない出来事や有害な出来事を引き起こしたかどうかも知りたかった。
実施したこと
がん患者に対するCBT-Iと他の治療法を比較した研究を探した。研究結果を比較、要約し、エビデンスに対する信頼度を評価した。
わかったこと
その結果、乳癌と診断された2,431人(主に成人女性)を対象とした21件の研究が見つかった。21件の研究のうち17件は北米で行われたものである。本レビューでは、5種類の比較を特定した。この要約では、以下の2種類の主な比較結果を紹介する:
- CBT-Iと積極的治療なしとの比較;
- CBT-Iと有酸素運動の比較。
主な結果
CBT-Iと積極的治療なしとの比較
がん患者において、CBT-Iは、追加の望ましくない、あるいは有害な事象を引き起こすことなく、不眠症の重症度、睡眠の質、およびほとんどの睡眠日誌パラメータをわずかに改善する可能性がある。しかし、不眠症の重症度、入眠後どれくらいの頻度で、あるいはどれくらいの時間で目覚めるか、重篤な望ましくない有害事象についての結果は非常に不確かである。
CBT-Iと有酸素運動との比較
CBT-Iは、追加の望ましくない、あるいは有害な事象を引き起こすことなく、不眠症の重症度と睡眠の質をわずかに改善する可能性がある。しかし、CBT-Iでは、ほとんどの睡眠日誌パラメータにほとんど差がない可能性がある。重篤な望ましくない有害事象、睡眠日誌に記録された総睡眠時間についての結果は非常に不確かである。
エビデンスの限界
結果に確信がない。というのも、研究に参加した人々は、自分がどの治療を受けているかを知っていた可能性があり、それが治療への反応に影響を与えた可能性があるからである。加えて、研究数が少なすぎて、興味あるアウトカムについての結果を確かめることができなかった。
エビデンスはいつのものか?
本エビデンスは2025年4月現在のものである。
Cai Z, Tang Y, Liu C, Li H, Zhao G, Zhao Z, Zhang B
4 weeks ago
要点
HPVワクチン接種は:
- 16歳以前にワクチン接種を受けた人の子宮頸癌罹患率を約80%減少させる;
- 悪性度が高い子宮頸部前癌病変や尖圭コンジローマの罹患率を減少させる;
- 長期的な副作用や不妊症のリスクの増加とは関連していない;
- 性行為を経験する前、16歳以下で投与するとより効果的である。
HPVとは?
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、腟性交や肛門性交、オーラルセックスを含む性的接触によって人と人の間で感染する。HPVには多くの種類がある。無害なタイプもあるが、癌を引き起こすタイプもある。子宮頸癌は、HPVが引き起こす可能性のある癌の中で最も一般的なものであるが、腟癌、外陰癌、陰茎癌、肛門癌、頭頸部癌、さらには尖圭コンジローマ(特定の型のHPVによって引き起こされる性感染症)の原因にもなる。HPVに感染してから子宮頸癌が発症するまでには通常10年以上かかり、他の癌はもっと長くかかる。
HPVワクチンはどのように有益なのか?
女児と男児のHPVワクチンは、時に癌や尖圭コンジローマの原因となるHPV感染を予防することを目的としている。HPVワクチンは、すでにHPVに感染している人には効果がない。このため、ほとんどの予防接種プログラムは、性的に活発になる前の若者にワクチンを接種することを目的としている。
知りたかったこと
ランダム化比較試験(2種類以上の治療群に無作為に割り付けた試験)では答えられない、長期的で稀な結果に関する以下のような疑問について、より多くの情報を求めていた:
- HPVワクチン接種の導入は、子宮頸癌、腟癌、外陰癌、肛門癌、陰茎癌の地域別罹患率、および癌発症の前癌病期にどのような影響を及ぼすか?
- HPVワクチン接種の導入は、尖圭コンジローマを発症する人の数やHPV関連疾患の治療を受ける人の数にどのような影響を与えるか?
また、HPVワクチンが有害な影響、特にソーシャルメディア上で最も頻繁に議論されている影響と関連しているかどうかを知りたかった。
実施したこと
HPVワクチン接種が、子宮頸癌およびその他の癌、高悪性度前癌病変(高リスクHPV持続感染後に発生し、治療しなければ癌に発展する可能性のある細胞異常)、尖圭コンジローマ、治療率、HPV感染、望ましくないまたは有害な事象について、集団レベルに及ぼす影響を評価した研究を検索した。これには、HPVワクチン接種後の集団を追跡調査した研究や、HPVワクチン接種の国家レベルでの導入後のこれらの疾患の変化を観察した研究が含まれる。
また、HPVワクチン接種に関連する有害事象について、ソーシャルメディア(WebMDとX(旧Twitter))を検索した。これらの事象に対するHPVワクチン接種の影響を評価した研究を検索し、組み入れた。
わかったこと
HPVワクチン接種の有益性と有害性について報告した、1億3,200万人以上を対象とした、世界各地からの225件の適切な研究が見つかった。
HPVワクチン接種は、16歳以前に接種した人の子宮頸癌発生率をおそらく約80%減少させる。予防接種を受けた時期が遅いほど、その減少率は低くなる。
HPVワクチン接種は、おそらく高悪性度の子宮頸部前癌病変(CIN3+、CIN3、CIN2+、CIN2)や尖圭コンジローマの罹患率を低下させる。この場合も、16歳以前にHPVワクチンを接種した人ほど減少率が高い。
非浸潤性腺癌、その他の前癌病変、HPVに関連するその他の癌(腟癌、外陰癌、肛門癌、陰茎癌など)など、発症に時間がかかるまれな疾患に対するHPVワクチン接種の効果に関するエビデンスは、確実性が低かった。これらの結果に関する研究は少なかった。
体位性頻脈症候群、慢性疲労症候群/筋痛性脳脊髄炎、麻痺、複合性局所疼痛症候群、ギラン・バレー症候群、不妊症など、具体的に検討した有害事象のほとんどについて、HPVワクチン接種が発症リスクを高めることはないだろうという中等度の確実性のエビデンスがあった。HPVワクチン接種によって性的活動が増加することもなかった。
また、HPVワクチン接種はHPV関連疾患の治療を受ける人の数を低下させ、子宮頸がん検診プログラムへの参加率を高め、HPV感染を減少させるようである。
エビデンスの限界
子宮頸癌、高悪性度子宮頸部疾患、尖圭コンジローマおよび特定の有害性についての結果に関しては、中等度の確実性がある。しかし、より良い、より大規模な研究がなされれば、予防できる割合についてより信頼できる正確な結果を示すことができるだろう。
本レビューの更新状況
エビデンスは2024年9月までの最新のものである。
Henschke N, Bergman H, Buckley BS, Crosbie EJ, Dwan K, Golder SP, Kyrgiou M, Loke YK, McIntosh HM, Probyn K, Villanueva G, Morrison J
1 month 3 weeks ago
要点
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多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の女性では、更年期女性の尿から抽出されたゴナドトロピン製剤と遺伝子組換え卵胞刺激ホルモン(遺伝子組み換え技術を用いて生成されたもの)を比べても、生児出産率、多胎妊娠率(双子や三つ子など)、妊娠率、流産率にほとんど差がないかもしれない。
-
更年期女性の尿から抽出されたゴナドトロピン製剤のうち、ゴナドトロピンを抽出した製剤(HMG)とより精製して卵胞刺激ホルモンだけにした製剤との比較では、生児出産率、多胎妊娠率、妊娠率、流産率に差があるかどうかは分からなかった。
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クロミフェンクエン酸塩を服用しても妊娠しない女性では、ゴナドトロピン製剤は、クロミフェンクエン酸塩による治療を続ける場合と比べて、双子や三つ子のリスクは増やさず、生児出産や妊娠がより多いだろう。ゴナドトロピン製剤は、流産のリスクを高めるかもしれない。
論点
世界中の7組に1組のカップルは、不妊症かもしれない。不妊症とは、妊娠を望んでから1年以上たっても妊娠しないものを言う。月経周期の中で排卵(卵子が放出されること)に問題があることによる不妊
は、女性がカウンセリングや治療を受ける理由として最もよくあるものである。このような女性には、薬を使って卵巣から卵子が放出されることを促す、いわゆる「排卵誘発」という治療が行われる。治療の第一選択は、通常、クロミフェンクエン酸塩の飲み薬である。クロミフェンクエン酸塩を服用しても効果が出ない場合、最も一般的な治療の第二選択は、注射薬であるゴナドトロピン製剤による排卵誘発である。
どのような治療法があるか?
更年期女性の尿を処理することによって、さまざまな種類のゴナドトロピン製剤が開発されてきた。これらのゴナドトロピン製剤には、精製および高純度のヒト更年期ゴナドトロピン製剤、および精製および高純度卵胞刺激ホルモン製剤が含まれる。その後、さらに高い純度を得るために、遺伝子組換えの技術を用いて人工的に生成した卵胞刺激ホルモンが開発された。排卵はするが、クロミフェンクエン酸塩による治療を6回しても妊娠しない女性は、クロミフェンクエン酸塩による治療を続けるほか、ゴナドトロピン製剤に切り替えることがある。ゴナドトロピン製剤は、複数の卵胞を発育させる可能性がある。その場合、多胎妊娠や卵巣過剰刺激症候群(OHSS)という重篤な状態を防ぐために、その周期の治療をやめる必要がある。
医師や女性が十分な情報を得た上で治療方針を決めるためには、どの薬が最も効果的かを知ることが重要である。
何が知りたかったのか?
クロミフェンクエン酸塩を服用しても排卵しない、あるいは妊娠しないPCOSの女性において、排卵を促すにはどのゴナドトロピン製剤が最もいいかを調べたかった。
何を行ったのか?
PCOSの女性において、排卵を促すためのさまざまなゴナドトロピン製剤を比べた研究を検索した。レビューに含んだ研究の結果を要約し、研究方法や研究規模などの要因にもとづいて、エビデンスに対する信頼性を評価した。
何を見つけたのか?
このレビューには、PCOSの女性2,348人を対象とした15件の研究が含まれた。遺伝子組換え卵胞刺激ホルモンと尿から抽出されたゴナドトロピン製剤を比べた研究は10件あった。3件の研究では、ヒト更年期ゴナドトロピン製剤と精製された尿由来卵胞刺激ホルモン製剤を比べていた。また、ゴナドトロピン製剤とクロミフェンクエン酸の継続とを比べた研究が1件あった。
主な結果
尿から抽出されたゴナドトロピン製剤と遺伝子組換え卵胞刺激ホルモンの間には、生児出産、多胎妊娠、臨床的妊娠、流産率においてほとんど差がないかもしれない。ヒト閉経期ゴナドトロピン製剤が、尿から抽出された卵胞刺激ホルモン製剤と比べて、PCOSの女性の妊娠転帰を改善するかどうかは不明である。どの治療法も、OHSSや子宮外妊娠のリスクを減らすかどうかは分からない。
クロミフェンクエン酸塩による治療を続けた場合と比べると、ゴナドトロピン製剤はおそらく、多胎妊娠率を増やさず、生児出産と妊娠がより多くなるだろう。ゴナドトロピン製剤は、クロミフェンクエン酸より流産が多いかもしれないが、OHSSの症例はなかった。
エビデンスの限界は何か?
エビデンスに対する信頼性は、非常に低いものから中程度のものまでさまざまあった。対象者の数が少ない研究が多く、またかなり昔に実施されたものも多かった。そのため、研究方法に関する重要な情報が不足していた。レビューに含んだ15件のうち10件の研究は、企業による支援があると報告されていた。費用や利便性については考慮されていない。治療を受ける時には、費用や利便性、望ましくない影響について医療従事者と相談することが勧められる。
このエビデンスはどれくらい最新のものか?
このレビューは、更新版である。エビデンスは、2024年3月現在のものである。
Weiss NS, Kostova EB, Mol BWJ, van Wely M
1 month 3 weeks ago
主な結果
- 尿失禁(尿漏れ)のある女性において、骨盤底筋トレーニングとともにバイオフィードバック装置(筋肉の収縮を測って、音声または視覚的なフィードバックをくれるセンサー付きの装置)を使っても、尿失禁に関連したQOL(生活の質)、尿失禁の頻度、症状が治癒または改善したと感じる頻度にほとんど差はない。ほとんどのエビデンスは、腹圧性尿失禁(咳やくしゃみ、歩行、ランニング、ジャンプなどによって起こる尿漏れ)のある女性から得られている。
- 副作用を調べた研究はほとんどなく、調べた研究でも、副作用は軽微で短時間であったか、あるいは全くなかったというものであった。
- どのバイオフィードバックが他のものより優れているのか、バイオフィードバックの方がフィードバックより優れているのか、は不明である。
尿失禁とは何か
尿失禁とは、自分の意思とは関係なく、尿が漏れてしまうことである。女性によく見られる症状で、加齢、妊娠、出産、太り過ぎ、アルコールやカフェインの飲み過ぎなどが原因となる。尿失禁には、咳やくしゃみ、歩行、ランニング、ジャンプなどの体に力が入った時に尿が漏れてしまう「腹圧性尿失禁」と、尿意を強く感じてがまんできずに尿が漏れてしまう「切迫性尿失禁」がある。両方の尿失禁が重なる場合もあり、「混合性尿失禁」という。
骨盤底筋トレーニング、フィードバック、バイオフィードバックとは?
多くの場合、尿失禁の最初の治療法は「骨盤底筋トレーニング」で、骨盤底筋体操やケーゲル体操ともいう。骨盤底筋は骨盤の底にある筋肉で、腸や膀胱を支えている。女性の場合は、子宮と腟も支える。これらの筋肉を鍛えれば、女性が自分の膀胱をよりコントロールできるようになるかもしれない。トレーニングでは、これらの筋肉を収縮させる(締めて持ち上げる)。多くの女性にとって、このトレーニングをうまくできているかを判断するのは難しい。フィードバックやバイオフィードバックは、女性がどの程度うまくいっているのか、より多くの情報を与えることができる。「フィードバック」とは、医療従事者が筋肉に触れたりつまんだりして、女性にうまくできているか伝える方法である。「バイオフィードバック」はセンサー付きの装置を使う。この装置は、腟や直腸に入れ、筋肉が収縮する時の変化を測定し、画面やスピーカーに信号を送るので、女性はそれを見たり聞いたりすることができる。
知りたかったこと
骨盤底筋トレーニングにフィードバックやバイオフィードバック、あるいはその両方を使うことで、以下の効果が得られるかを知りたかった。
- 尿失禁に関連する生活の質を改善する;
- 尿失禁の回数を減らす;
- 尿失禁の量と頻度を減らす。
また、女性が尿失禁が治った、あるいは改善されたと感じているかどうか、治療に満足しているかどうか、フィードバックやバイオフィードバックによる好ましくない影響があるかどうかについても知りたいと考えた。
実施したこと
尿失禁の女性に対する骨盤底筋トレーニングにフィードバック、バイオフィードバック、またはその両方を使ったものとそれらを使わなかった骨盤底筋トレーニングとを比べた研究を検索した。また、いずれかのバイオフィードバックを他のものと比べた研究も探した。その結果を比較し、要約し、研究方法や規模などの要素から、エビデンスにおける信頼性を評価した。
わかったこと
3,483人の尿失禁の女性を対象とした41件の研究が見つかった。ほとんどの女性が腹圧性尿失禁で、年齢は18~80歳、平均年齢は約55歳であった。ほとんどの研究は3ヶ月間の期間で、高所得国で行われた。バイオフィードバック装置を作っている会社のような、商業的資金提供者がいる研究もいくつかあった。
33件の研究では、バイオフィードバックを使った骨盤底筋トレーニングと骨盤底筋トレーニング単独とを比べていた。バイオフィードバックを受けた女性では、生活の質にはほとんど差がなく、尿失禁の頻度もわずかに減少したが、これは顕著な差とは言えないだろう。バイオフィードバックを受けた女性は、自分の症状が治った、または改善したとまでは言えないだろうが、自分の治療や治療結果に対してより大きな満足感を感じるかもしれない。
フィードバックまたはバイオフィードバックを受けた女性と骨盤底筋トレーニング単独をした女性、フィードバックを受けた女性とバイオフィードバックを受けた女性、なんらかのバイオフィードバックを受けた女性と他のバイオフィードバックを受けた女性の間に差があるかどうかは不明である。
多くの研究では、治療による好ましくない影響は報告されていない。また、好ましくない影響を調べた研究では、深刻なものや持続するものはなかったと報告している。
エビデンスの限界
女性の尿失禁治療において、骨盤底筋トレーニングにバイオフィードバックを使った場合と、骨盤底筋トレーニング単独の場合の差はほとんどないことには、確信が持てる。
その他のエビデンスについては、研究の数が少なく、規模も小さく、知りたかった評価項目を測定していないために確信が持てない。
本レビューの更新状況
エビデンスは、2023年9月27日現在のものである。本レビューは、2011年に発表されたコクラン・レビューを更新したものである。
Fernandes ACNL, Jorge CH, Weatherall M, Ribeiro IV, Wallace SA, Hay-Smith EJC
1 month 3 weeks ago
主なメッセージ
・コンピューター機器やロボットと理学療法を組み合わせることは、脳卒中後に再び自立して歩けるようになるのに役に立つだろう。特に、脳卒中発症後3ヶ月以内の患者には有効であろう。
・どのくらいの頻度や期間で、これらの機器を使用すべきかについて明らかにするためには、さらなる研究が必要である。
脳卒中とは?
脳卒中は、脳の一部分への血流が遮断され、脳細胞に酸素と栄養が行き渡らなくなることで起こる。そして多くの場合、左もしくは右半身の脱力を伴う突然の発作が起こる。脳への血流が止まると、脳細胞は死滅し始める。その結果、脳損傷や能力障害、さらには死に至ることもある。
脳卒中になった人は、脳損傷による後遺症に長い間悩まされることが多い。片側または両側の脚の筋力が弱くなったり、関節が硬くなったり、動きがぎこちなくなることで歩きにくくなるなど、身体活動が困難になるかもしれない。以前のような自立した生活を取り戻すまでには、理学療法を含む長時間のリハビリテーションが必要となるだろう。理学療法には、運動療法やマッサージ、日常生活場面での練習、電気治療が含まれ、人々が動きを取り戻すサポートを行う。
脳卒中後の歩行
脳卒中後の最も重要な目標のひとつは、再び歩けるようにすることである。ロボット(特定のタスクを自動的に実行するようにプログラムされているもの)やコンピューター制御された(電気機械的)機器が、歩行練習に役立つように開発されている。脳卒中の後遺症で歩行が困難になった人は、良くなるまでに多くの練習が必要である。これらの歩行トレーニング機器が効果的かどうかは不明である。
知りたかったこと
歩行トレーニング機器と理学療法を組み合わせることで、そのような機器を使用しない場合と比べ、脳卒中後の歩行能力が改善されるかどうかが知りたかった。
実施したこと
脳卒中になった人々がもう一度歩けるようにサポートしてくれるような歩行トレーニング機器の使用を検討した研究を検索した。以下の点に着目した。
・何人が自立して歩けるようになったか
・どれだけ速く歩けるようになったか
・6分間でどれだけの距離を歩けるようになったか
・何人が研究の途中で脱落したか
・何人死亡したか
無作為に治療群に割り付けられた研究を検索した。このような研究の方法(ランダム割り付け)は、治療効果について最も信頼性の高いエビデンスが得られるとされている。
わかったこと
脳卒中を発症し、再び歩けるようになった成人4,224人(平均年齢47~76歳)を対象とした101件の研究があった。研究では、歩行練習における電気機械的な機器またはロボットと理学療法の組み合わせの効果と、理学療法のみもしくは通常ケアの効果が比較された。ほとんどの研究では、トレーニング期間は3~4週間で、最短は10日間、最長は8週間であった。
理学療法または通常ケアと比べて、理学療法に歩行トレーニング機器を組み合わせると、トレーニングの終了時点で、
・より多くの人が自立して歩けるようになるだろう(51件の研究、2,148人の参加者)。
・平均の歩行速度は速くならないだろう(73件の研究、3,043人の参加者)。
・6分間で歩くことができる距離は増えない(42件の研究、1,966人の参加者)。
・研究の脱落者や死亡者数は増加も減少もしない(死亡は稀であった)(101件の研究、4,224人の参加者)。
もし9人の人が理学療法と機器を組み合わせた治療を受けると、トレーニング終了時点で自立して歩けるようになる人が(理学療法のみもしくは通常ケアのみを受けるのと比較して)さらに1人多くなるだろう。
追跡調査においては、歩行トレーニング機器と理学療法を併用しても、理学療法のみや通常ケアと比べて、歩行が自立する助けにはならないかもしれない。また、平均歩行速度や6分間で歩ける距離は増加しないだろう。
エビデンスの限界は?
結果の確実性は低から高程度である。多くの研究は、参加者数が少なく、質が低いものであった。そのため、いくつかの研究では、これらの機器の利点が実際よりも大きく感じられたかもしれない。
このレビューの更新状況
エビデンスは、2023年12月現在のものである。
Mehrholz J, Kugler J, Pohl M, Elsner B
1 month 3 weeks ago
レビューの論点
月経前症候群(PMS)を治療するのに、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)作動薬および拮抗薬を使うことの利点とリスクは何か?
要点
- GnRH作動薬はプラセボと比べて、PMSの症状を改善するという信頼できるエビデンスがある。しかし、副作用として更年期障害のような症状がよく出るため、GnRH作動薬を服用している女性はプラセボを服用している女性よりも治療を中止する可能性が高かった。
- アドバック療法を加えたGnRH作動薬はプラセボと比べて、PMS症状が改善する可能性がある(中程度の信頼性)。アドバック療法を加えたGnRH作動薬はGnRH作動薬単独と比べて、PMS症状が改善するかどうか、あるいはアドバック療法で使うホルモンの投与量がPMS症状に影響を与えるかどうかについて判断するには、十分なエビデンスがなかった。
- GnRH作動薬に関して、アドバック療法を加え、長期間追跡した、ランダム化比較試験が必要である。
月経前症候群とは何か?
月経前症候群(PMS)は、卵巣から卵子が排卵された後に始まり、月経が終わるまでに消失する不調で、仕事、学校、社会活動、趣味、対人関係などの日常生活に大きな苦痛や障害をもたらす。さまざまな身体的、心理的、行動に関する症状からなる。GnRHアナログ製剤を使って排卵を止めれば、そのような症状は抑えられるかもしれない。一方、ホットフラッシュなどの更年期障害のような副作用や、長期的には骨粗鬆症を引き起こす可能性があるという欠点がある。これらの副作用を抑えるために、別のホルモン(多くの場合、エストロゲンまたはプロゲストーゲン)を治療に追加することができる。これをアドバック療法という。
知りたかったこと
ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アナログ製剤は、GnRHに似た構造を持つペプチドで、排卵を止めるために広く使われている。脳にある視床下部や下垂体に影響を与える薬である。GnRHアナログ製剤には、作動薬と拮抗薬の2種類がある。GnRH作動薬は、初めGnRHの産生を促すが、長く使うとGnRH産生を抑える。GnRH拮抗薬は、GnRH産生をすぐに抑える。これらの薬が効果的で安全かどうかを確かめたかった。ランダム化比較試験(RCT)という種類の研究を検索した。このタイプの試験では、人々は無作為に2つかそれ以上の群のいずれかに割り付けられ、結果のバイアスのリスクが少ない。
研究の特徴
PMSの治療にGnRHアナログ製剤を使った11件の研究(RCT)が見つかった。臨床的にPMSと診断された女性265人が登録されていた。これらのRCTを4つの比較に使った:アドバック療法なしのGnRH作動薬対プラセボ(9件、女性173人)、アドバック療法ありのGnRH作動薬対プラセボ(1件、女性31人)、GnRH作動薬で治療中のアドバック療法追加対プラセボ(2件、女性60人)、異なる用量のアドバック療法の比較(1件、女性15人)。QOLや骨粗鬆症などの長期的リスクを報告した研究はなかった。
主な結果
GnRH作動薬は、プラセボと比べて、PMSの症状全般を改善するという信頼できるエビデンスが得られた。しかし、GnRH作動薬を使った女性は、よくない副作用(更年期障害のような症状など)のために治療を中断する可能性が高い。
アドバック療法を加えたGnRH作動薬は、プラセボと比べて、全般的な症状が改善する可能性があることを示す、信頼度の低いエビデンスが得られた。一方、よくない副作用に関するエビデンスは不十分であった。
GnRH作動薬で治療中のアドバック療法の追加とプラセボとの比較、およびアドバック療法で使うホルモンのさまざまな用量に関するエビデンスは、
、最も効果があるのはどれかを判断するにはあまりにも不確実であった。
QOLや骨粗鬆症などの長期的リスクについて報告した研究はなかった。
エビデンスの限界
エビデンスの主な限界は、ほとんどの研究で対象となった女性の数が少ないことと、いくつかの研究で対象となった女性が自分がどの治療を受けているか分かっていたことである。GnRH作動薬については、アドバック療法なしとプラセボとを比べた結果は信頼できるが、他の3つの比較の結果はほとんど不確実である。
このエビデンスはどれくらい最新のものか?
このエビデンスは、2023年5月までに行われたデータベースの検索に基づいている。
Naheed B, Kuiper JH, O'Mahony F, O'Brien PMS
1 month 3 weeks ago
主な結果
現在の研究によれば、大麻使用障害に対するさまざまな医薬品の効果については不明である。
大麻使用障害とは何か?
大麻使用障害とは、大麻が健康、仕事、人間関係など生活に問題を引き起こしているにもかかわらず、大麻の使用をなかなかやめられない状態をいう。大麻の使用は比較的よくみられ、世界中に広まっている。大麻使用障害の治療に対する需要は、世界のほとんどの地域で増加している。いくつかの国では、大麻使用を犯罪とみなさない、または合法化する動きがあるため、この傾向は今後も続く可能性が高い。
大麻依存症はどのように治療されるのか?
知りたかったこと
大麻依存症の治療にどのような薬が有効で安全なのかを評価したかった。
実施したこと
多くの科学データベースを検索し、大麻使用障害の治療薬に関する臨床研究を探した。参加者が大麻使用障害を持っていると記述されている研究を対象とした。2種類以上の治療群のいずれかに無作為に割り付けられた研究を対象とした。その結果にどれだけ自信が持てるかを知るために、研究方法がどれだけ優れているかを評価した。使用された薬剤の種類によって研究をグループ分けして分析した。
わかったこと
3,201人が参加した37件のランダム化比較試験を特定した。
成人を対象とした研究では、参加者の平均年齢は22歳から41歳であった。追加の4件の研究では若年層のみを対象とした。ほとんどの研究(32件の研究)では、参加者のほとんどが男性であった。ほとんどの研究では、大麻依存症の参加者を一般集団から募集しているが、5件の研究では、うつ病(2件)、注意欠陥多動性障害(2件)、双極性障害(1件)など、大麻依存症と同時に精神疾患を有する参加者に焦点を当てている。ほとんどの研究(29件)は米国で行われ、オーストラリアで4件、イスラエルで2件、カナダで1件、イギリスで1件であった。
この研究では、大麻の禁断症状を軽減し、大麻使用の中止または減少を促進するために、以下のような幅広い医薬品が試験された:Δ9-テトラヒドロカンナビノール(THC、精神作用のある大麻の主成分)を含むカンナビノイド製剤、カンナビジオール(CBD、高揚感をもたらさない大麻の化合物)、「抗けいれん薬および気分安定薬」に属する医薬品(発作を予防し、てんかんを治療する薬)、N-アセチルシステイン(呼吸器障害やパラセタモール中毒の治療に使われる薬)、オキシトシンというホルモンやPF-04457845という薬(カンナビノイドが体内で分解される方法に影響を与える)。ほとんどの研究では、これらの薬の効果はプラセボ(有効な薬と同じように見えるが、有効成分を含まない見せかけの治療)の効果と比較された。
11件の研究は製造会社から薬剤の提供を受けており、製薬会社から資金提供を受けている研究はなかった。3件の研究では資金提供の報告がなかったか、資金提供の有無が不明であった。
主な結果
治療終了までに大麻使用を止めるには、THC製剤、CBD、N-アセチルシステイン、オキシトシン、PF-04457845はおそらく効果がなく、抗けいれん薬や気分安定薬の効果については不明である。
治療を完了するためには、CBD、抗けいれん薬、気分安定薬、N-アセチルシステイン、PF-04457845は効果がない可能性があり、THC製剤の効果については不明である。
THC製剤、カンナビジオール、N-アセチルシステイン、PF-04457845は、おそらくプラセボに比べて副作用(頭痛、吐き気、睡眠障害など)を引き起こす可能性は高くない。抗痙攣薬と気分安定薬で治療された参加者は、プラセボで治療された参加者よりも早期に試験を終了する可能性が高い。検査されたどの医薬品も、重篤な副作用(すなわち、医師の診察が必要なもの)の可能性を増加させるものではなかった。
エビデンスの限界
このレビューにおける結果の3分の1以下のエビデンスの質は中等度(30%)であり、いくつかのものについては低い(37%)または非常に低い(31%)であった。これは、各薬剤に関する研究が数件(1件から7件)しかなかったためである。各研究は参加者数が少なく、研究間の結果に矛盾があり(すなわち、介入による有益な効果を認めたものもあれば、効果なしまたは有害な効果を認めたものもある)、研究参加者が治療から脱落したことによるバイアスのリスクがあった。
このエビデンスの更新状況
このレビューは、以前のレビューの更新版である。エビデンスは、2024年5月現在のものである。
Spiga F, Parkhouse T, Tang VM., Savović J, Le Foll B, Nielsen S
1 month 3 weeks ago
要点
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せん妄を管理するための運動療法については、信頼性の高いエビデンス(科学的根拠)がないことから、無治療または通常の手当てと比べてどのような利益やリスクがあるかわからない。運動療法を行うとせん妄の持続期間が短縮され、集中治療室滞在期間の短縮につながることがあり、有害な副作用もない可能性がある。しかし、この分野ではさらなる研究が必要である。
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今後の研究では、これらの結果を裏付けることを目指すと共に、運動療法により、生活の質 (QOL)を向上させ、せん妄の重症化を抑え、認知機能(情報を学習、記憶、理解する能力)を高めることができるかどうかを調べるべきである。また、運動療法を投薬など他の治療と比較するべきである。
せん妄とは?
せん妄は、多くの患者が集中治療室において経験するありふれた症状である。発症に至る真の原因は完全には解明されていない。集中治療室にいる患者は、平常と異なる精神状態を見せることがあり、注意力が低下したり、思考回路が乱れたり、覚醒のレベルが変わったりする。これらはすべて、通常、集中治療室に入室してから数時間または数日以内に起こり、いずれも医学的な理由もなく、急激に変化したり、悪化したりする。集中治療室でせん妄が起こると、患者の治療や回復に影響することがある。また、患者の家族は、集中治療室でせん妄が起こると、不安、恐怖、無力感を覚えたり、動揺したりするため、せん妄がこの状況ではよくある症状で、一次的なものに過ぎないことを伝え、安心させる必要がある。
集中治療室におけるせん妄の管理方法
集中治療室におけるせん妄は、薬を使わない方法と投薬を併用して管理することができる。薬を使わない方法は、患者の回復を促すような支援的な環境を整えることに重点を置いている。これには、患者が今何時で自分がどこにいるかわかっているか確かめる、家族に面会に訪れるよう働きかける、患者が十分な睡眠を取るよう計らう、痛みがあればこれを管理する、患者の活動量の維持と自立回復に役立つゆるやかな運動を奨励するなどが含まれる。また、症状を悪化させる可能性があるため、身体的拘束を行うことは避け、鎮静剤の使用を制限することも重要である。投薬が必要なとき、医師は激しい興奮や苦痛を抑えるために抗精神病薬を処方することがある。しかし、こうした薬は、慎重に、必要な場合に限って使用される。
知りたかったこと
以下の項目を改善する上で、運動療法が通常の手当て、無治療、または投薬治療より優れているかを調べたかった。
実施したこと
集中治療室に入室してせん妄が起こった人に対する運動療法と、通常の手当て、無治療、または投薬治療を比較調査した研究を探した。
研究結果を比較してまとめ、研究の方法や規模などの要素に基づいてエビデンス(科学的根拠)の信頼性を評価した。
わかったこと
集中治療室に入室してせん妄が起こった491人を対象とする4件の研究が見つかった。これらの研究は運動療法の利益を通常の手当てまたは無治療の場合と比較したものだった。運動療法と投薬治療を比較した研究はなかった。
運動療法はせん妄の発症期間を短縮する可能性があり、恐らく集中治療室入室期間が短くなる。運動療法には有害な副作用はないかもしれない。しかし、生活の質 (QOL)やせん妄の重症度を調べた研究はなかった。また、レビューの対象に含められた研究の中には運動療法と投薬治療を比較したものはなかった。
エビデンスの限界
すべての研究が本レビューで関心があったすべての事項についてデータを提供したわけではないこと、研究に参加した人がどの治療を受けているか知っていた可能性があること、またエビデンスはごく少数の症例に基づいていることから、運動療法を行うとせん妄の続く期間が短縮され、副作用もないことに関するエビデンスはあまり信頼できない。。
集中治療室入室期間の短縮を目指すせん妄管理において、運動療法の活用を支持するエビデンスの信頼性は中等度に留まる。ここでは、研究に参加した人は自分がどの治療を受けているか知っていたかもしないという懸念が信頼性レベルに影響した。それに加え、すべての研究が本レビューで関心があったすべての側面のデータを提供していたわけではない。
本エビデンスの更新状況
本エビデンスは2024年7月12日現在のものである。
Garegnani L, Ivaldi D, Burgos MA, Varela LB, Díaz Menai S, Rico S, Giménez ML, Escobar Liquitay CM, Franco JVA
Checked
2 hours 4 minutes ago
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